V.S.ラマチャンドラン, サンドラ・ブレイクスリー『脳のなかの幽霊』山下篤子訳, 角川書店, 1999.
脳科学本。その最初の読むべき一冊とでも言うべき著書。著者のラマチャンドランは脳神経学が専門で、幻肢や一部身体機能の不随などから、解剖学的見地と照らし合わせて、脳の各部の機能を推論している。
内容は、幻視の痛みを鏡を使って消す、自分の親を他人だと主張する、半身不随の患者が自分の状態を認識しない、脳の一部に刺激を与えると神の啓示を受けたような状態になる、など奇妙な症例をもとにしている。脳は各部位に分かれて情報処理と判断を行っており、一部が機能不全に陥ったり、相互の連絡経路が絶たれたりする。ここから、脳の各部の機能が理解できる。ただし、それぞれが稀なケースであって、頭を開いてたくさんのデータを集めるというわけにはいかない。そのため、著者は説得力のある説明を求めてちょっとした実験を行い、加えてあれこれ思弁を繰り出すのである。
邦訳が2011年に文庫版となったが、最近の文庫にしては本文のフォントがかなり小さく、原注はさらに小さい。年配の方はハードカバー版を探した方がいいと思う。
脳科学本。その最初の読むべき一冊とでも言うべき著書。著者のラマチャンドランは脳神経学が専門で、幻肢や一部身体機能の不随などから、解剖学的見地と照らし合わせて、脳の各部の機能を推論している。
内容は、幻視の痛みを鏡を使って消す、自分の親を他人だと主張する、半身不随の患者が自分の状態を認識しない、脳の一部に刺激を与えると神の啓示を受けたような状態になる、など奇妙な症例をもとにしている。脳は各部位に分かれて情報処理と判断を行っており、一部が機能不全に陥ったり、相互の連絡経路が絶たれたりする。ここから、脳の各部の機能が理解できる。ただし、それぞれが稀なケースであって、頭を開いてたくさんのデータを集めるというわけにはいかない。そのため、著者は説得力のある説明を求めてちょっとした実験を行い、加えてあれこれ思弁を繰り出すのである。
邦訳が2011年に文庫版となったが、最近の文庫にしては本文のフォントがかなり小さく、原注はさらに小さい。年配の方はハードカバー版を探した方がいいと思う。