Go straight till the end!!

世界一周の旅の思い出を綴っています。
ブログタイトルは、出発前に旅日記の表紙に書いた言葉です。

(96)ブダペスト③(ハンガリー)

2010-06-17 23:33:28 | ハンガリー
 Venezia (ヴェネツィア)( Venice (ヴェニス))から夜行列車で約14時間かかり Budapest (ブダペスト)(ハンガリー)に到着した。



 このタイミングで戻って来たのは、オペラハウス(国立オペラ劇場)オペラを観る為だった。3週間前に前売券(約1500円)を購入していたのだ。
 劇のタイトルは『 Leonce es Lena ( Leonce and Lena ) 』。内容は喜劇に近いようだが、言葉が分からないので雰囲気を味わっただけだ。
 日本で言うならば、ここは歌舞伎座にあたるのではないだろうか(歌舞伎の方が庶民的な感じがするが)。
 現在建替え中の歌舞伎座だが、昔一度だけ観劇に行ったことがある。屋号を呼ぶ掛け声が飛び交う雰囲気の中で気楽に観劇出来る方が自分には合っている気がする。



 他には、旅人達とトカイワインを飲んだり、温泉チャイナ・マーケットに行ったりしている。

 トカイワインは、スロバキア国境に近いハンガリー北部の Tokaj (トカイ)地方(世界遺産)で生産される白ワインで、世界三大貴腐ワインの一つとされている。フランスブルボン朝の君主ルイ14世(1638年~1715年)が「王者のワインにしてワインの王者」と絶賛したらしい。
 とにかく甘くて、お酒と言うより高級なジュースのような感じだ。お酒の飲めない自分でもこのワインなら楽しんで飲める。

※世界三大貴腐ワインの産地は、他に Sauternes (ソーテルヌ)(仏)と Trockenbeerenauslese (TBA)(トロッケンベーレンアウスレーゼ)(独)

 温泉は Rudas (ルダシュ)温泉に行っている(入浴料約300円)。
 ちなみにブダペストには幾つか温泉があり、Kiraly (キラーイ)温泉は、同性愛者の集まる温泉として有名だった。
 怖いもの見たさで行った旅行者がいろいろボディータッチをされたことを武勇伝として語っていた。

 チャイナ・マーケットはブダペスト郊外にある。トラムを使用して行ってみた。
 そこは広大な市場で数多くの中国人がいた。正直これだけの人がどうやって入国出来たのか不思議だった。ハンガリーは旧共産圏の国なのでビザが不要なのかもしれない(真相は不明)。
 ここでウィンドブレーカーを購入している(約千円)。



 また、料金が約200円と安かったので映画も幾つか観ている。
 中でもマケドニア(と London (ロンドン)(イギリス))を舞台にした映画『ビフォア・ザ・レイン』( Skopje (スコピエ)(マケドニア)出身のミルチョ・マンチェフスキー監督の作品) は旅仲間から是非観るべきと勧められた作品だ。

※ミルチョ・マンチェフスキー監督のHP(英語)はこちら

※映画『ビフォア・ザ・レイン』のおまけ記事はこちら



 最後に書いておきたいことは、ここで国際学生証を購入したこと。他の国ではニセモノしか作れない場合がほとんどだが、ブダペストではなぜか本物が作れた。

 この旅の間、現地の人と仲良くなると必ずといっていいほど職業を聞かれた。最初のうちは「仕事を辞めて、貯金で旅をしている。」と正直に答えていたのだが、この答えは相手の反感を買うことが多かった。自分が旅して来た国の人々は、毎日生きていくのに精一杯だったからだ。
 「いいな日本人は。俺なんか一生旅なんて出来ないさ。」と嫉妬され、変な空気になってしまうのだった。その度に申し訳ない気持ちになるので、嘘も方便ということでいつからか職業を学生と名乗るようになっていた。
 というわけで、これで一応学生の身分証を手に入れたことになる(幸い日本人は童顔なので学生に見える)。
 専攻を建築美術としておくのが、旅行するのにもっともらしいように思えた。自分は絵を描けないので芸術系大学の彫刻専攻ということにした。絵を描けると思われると絵を描いてくれと言われる危険性はあるが、彫刻専攻でも彫刻作品を作ってくれとは言われないだろうと判断したからだ。

 結論から言うと、この学生証には何度も助けられた(記事はこちらこちら)。そして、心を痛める出会いもあった(記事はこちら)。

※地図はこちら