Go straight till the end!!

世界一周の旅の思い出を綴っています。
ブログタイトルは、出発前に旅日記の表紙に書いた言葉です。

(95)ヴェネツィア④(イタリア)

2010-06-13 02:30:16 | イタリア
 Venezia (ヴェネツィア)( Venice (ヴェニス))滞在三日目。

 今日のメインイベントは、ACヴェネツィア(現在の FBCユニオーネ・ヴェネツィア)とユヴェントスF.C.の試合だ。
 当日券は売り切れの為、ダフ屋を探して手に入れるしか方法はない。何とかダフ屋を探し出して当日券を手に入れた(ゴール裏の席で約3000円)。



 スタジアムの選手入場口で大野さん(仮名)と選手が到着するのを待っていると、モトスカーフィ(水上タクシー)に乗って選手が続々やって来た。まず最初にユヴェントスの選手達が到着した。

 (写真中央の人物は、ジネディーヌ・ジダン氏(元フランス代表))



 選手達は目と鼻の先だ(5~10m位)。そばにいた日本人の若い女性達が黄色い声で叫ぶ。キャーという声が響いた。

 「インザギー!!」(フィリッポ・インザーギ選手(現 ACミラン)(元イタリア代表))
 「デルピエロー!!」(アレッサンドロ・デル・ピエロ選手)(元イタリア代表))

 次に到着したのはヴェネツィアの選手達だ。

 名波浩さん(元日本代表)はチームメイトと一緒ではなく、一人で登場した(チームスタッフと一緒だったかもしれない)。
 Sarajevo (サラエヴォ)(ボスニア・ヘルツェゴヴィナ)の日本大使館で読んだ新聞に名波さんのセリエA初ゴールの記事があったが、言葉も文化も違う異国の地で活躍するのは本当に大変なことだと思う。
 
 彼のその背中が全てを物語っていた。さっきまでユヴェントスのイケメン選手達に黄色い声で声援を送っていた女の子達も何も言葉を発しなかった。
 もうちょっと離れたところにいれば、遠くから何か声援を送れたかもしれない。
 だが正直言って、必死に戦っている人を目の前にしてかけられる言葉は何もなかった。
 もし自分が普段から名波さんの熱烈な大ファンで、いつも一生懸命応援していたならば、声援を贈る権利があったかもしれない。同じ苦しみを分かちあえる同志として。

 サッカー後進国から来た日本人選手が、チームメイトに受け入れてもらう為には、レベル2つ位の実力差を見せるか、抜群のコミュニケーション力で打ち解けるしかないと思う。それ位ハードルが高いのではないだろうか。

※名波さんはこの経験をバネにして、日本代表が優勝した2000年のアジアカップ(レバノン大会)で大会MVPを獲得している。



 スタジアムに入ると、席は仮設スタンドだった。設備的にも十分ではないと感じた。
 余談になるが、このクラブは昨年経営が破綻(はたん)してしまい、2009-10シーズンセリエDからの再スタートとなっている。



 練習風景で覚えていること。

 まず、エドガー・スティーヴン・ダーヴィッツ氏(元オランダ代表)の体のキレが凄かったのを覚えている。ゴールポストにひたすら張り手をしていた。相撲でいう鉄砲だ。

 ジダンとデルピエロがパス交換をしていたのも覚えている。
 ジダンはどんなボールでもピタリとトラップしていたが、デルピエロは3回ほどトラップミスをして後ろにボールを取りに行っていた。
 おそらく、ジダンの吸いつくようなトラップに対抗心を燃やしていたのではないかと思う。完璧さを求めなければ、普通にトラップできるようなパスだったからだ。
 
 (写真中央やや下の位置に写っているのがジダン)



 試合が始まると、戦前の予想通りユヴェントスの一方的な試合となった。選手のレベルが違う。
 ヴェネツィアでは、名波さんが一番上手い。キープ力があるのでボールを取られないが、味方のサポートが少ない為、結果的に相手のファールを誘うプレーが多かった。

 試合は4-0でユヴェントスが勝利した。インザーギがハットトリックを達成したゲームだ。



 試合後、ユヴェントスファンがスタジアムに残って「セリエB」と大合唱していた。
 拳(こぶし)を突き出して親指を下に向けている。完全にヴェネツィアを小馬鹿にしていた。
 近くに美しいイタリア人女性がいたのだが、その綺麗なお姉さんまでも子供みたいに「セリエB」と連呼しているのを見て、興ざめしたのを覚えている。

※結局1999-2000シーズンで18チーム中16位だったヴェネツィアは、セリエBに降格になってしまった。



 滞在四日目。この日は、大野さんと街を散策しており、たまたま見かけたドイツの写真家 Jan Kobel の写真展を見学している( Jan Kobel のHP(ドイツ語)はこちら)。

 そしてこの日の夜行列車で Budapest (ブダペスト)(ハンガリー)へ向かうことになっていた。楽しい時間はあっという間に過ぎるものだ。

 本当に大野さんにはお世話になったと思う。そして何よりもその人間性に感銘を受けた。
 年齢は自分の方が上だったが、人間的には彼の方がずっと大人だと感じた。

 駅まで見送ってくれた大野さんに心からお礼を言って、夜行列車に乗り込んだ(大野さんは現在も異国の地で頑張っておられる)。



※地図はこちら


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
info@jankobel.de (info@jankobel.de)
2010-09-11 01:39:06
Hello!

I found my name and a link to my site on this page and I am very honored about it. But I am sorry to confess I dont understand what it is going about. Is it my book about Venice?:
http://www.kleinformat.com/jankobel/bilder.php?kat=cat_reisen&gal=galerie_venedig2&pic=1
This book is not available but
Thank you. (even)
2010-09-27 00:40:23
Thank you for your comment.

It's just a description of your exhibition in Venice in 2000.

I remember your photos were very impressive and I tried to take a picture as yours but missed.

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