Q:今回のストレスチェック制度では、医師と面談した高ストレス者の情報は、当該医師より
報告がありますので、会社側として対策を講じることができますが、その他の情報は全く入ってこないので不安です。
情報は、どのようにしたら入手できるのでしょうか?それとも、入手する必要はないのでしょうか?
安全配慮義務を会社として果たすことを求められていますので、対応を教えてください。
A:ご質問、ご心配はごもっともです。
まず、ストレスチェック制度に関することを云います。
有体に、下世話なレベルで、「ストレスチェック制度」を表現すると、「金は出すけど、口は出さない」という
昔のお大尽がやる行動パターンをそっくり写し取ったようなものです。
会社がやるべきことは、「ストレスチェック」の実施体制をつくり、実施者や面接指導担当の医師が、
活動しやすいような環境を整えることなのです。
ここまでやれば、ある意味で、あとは実施者と面接指導担当の医師の責任ということになります。
要するに、会社側は、余計なことに首を突っ込まないことが大切です。
大切なことは、面接指導を担当する医師からの意見を聴取して、然るべき対応を取ることが必要になります。
さらに、会社側がやらなければならないことは、「心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書様式」
(様式第6号の2)に記入するための必要なデータを集め、努力義務である集団分析を実施することです。
そして、次年度はもっと多くの労働者が受検するような対策を講じることなのです。
ここまでできれば、御社のストレスチェック制度における安全配慮義務は、概ね果たせたことになります。
しかし、企業における安全配慮義務は、「ストレスチェック」の実施だけに止まらないことを理解してください。
安全配慮義務を達成するためには、まず、経営者の経営方針において、安全配慮義務を果たす意思を明確に
する必要があります。そして、具体的には、長時間労働や長時間残業の削減、有給休暇の取得促進、
メンタルヘルスやハラスメントに関する従業員教育の実施、事業場内の安全衛生環境の確保、定期健康診断等に実施、
労働安全衛生体制(安全衛生委員会、衛生管理者、安全管理者、産業医、健康管理スタッフ)の整備等を行って、
はじめて安全配慮義務を遂行したことになることは、銘記してください。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます