中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

メンタルヘルス不調になった人の13.3%が、結局退職している

2015年01月06日 | 情報
調査担当者は「派遣社員などは、休職制度などが整備されておらず、退職せざるを得ないのが実情だ。
働き続けられるような環境を整える必要がある」と話しています。
同感です。小生は、以前より、非正規社員・派遣社員のMH問題に注目しています。
調査結果は、問題点・課題を明確に提示していますね。
関係者のみなさま、ぜひ、出典「第2回日本人の就業実態に関する総合調査」結果を参照してください。

精神的不調で退職は13%に 派遣社員など高比率
2014/12/30 日経・共同

働く人の中で「気分が落ち込んだ」「やる気が出ない」など精神的な不調を感じた人のうち、
最終的に退職した人の割合は13・3%だったことが28日、労働政策研究・研修機構の調査で分かった。
派遣社員や契約社員は正社員より高かった。
調査担当者は「派遣社員などは、休職制度などが整備されておらず、退職せざるを得ないのが実情だ。
働き続けられるような環境を整える必要がある」と話している。
調査は今年1~2月、全国の20~65歳の男女8千人に実施。
回答があった4573人のうち、過去3年間に精神的な不調を感じたことがある正社員ら894人分を分析した。
結果によると、休職も通院治療もしないで働いている人や、休職を経て職場復帰した人などの割合は計80%を超えた。

「第2回日本人の就業実態に関する総合調査」結果
独立行政法人労働政策研究・研修機構 平成26年11月25日
http://www.jil.go.jp/press/documents/20141125.pdf

調査結果のポイント
・過去1年で、いじめ・嫌がらせやパワーハラスメントと見られる行為の経験者は3人に1人
・4人に1人が、過去3年間でメンタルヘルスの不調を感じたことが「ある」

<過去1年で、いじめ・嫌がらせやパワーハラスメントと見られる行為の経験者は3人に1人>
過去1年間で、「怒鳴られたり、暴言をはかれた」「仕事をする上で必要な情報を与えてもらえなかった」
「陰口や噂を広められた」など、いじめ・嫌がらせやパワーハラスメントと見られる行為を職場で受けた経験のある人の割合は、34.0%と3人に1人。
そのうちの3分の1がその行為をパワーハラスメントと認識している(18、19ページ/図表24、25)。

<4人に1人が、過去3年間でメンタルヘルスの不調を感じたことが「ある」>
過去3年間で、落ち込んだり、やる気が起きないなどの精神的な不調(メンタルヘルス上の不調)を感じたことが「ある」人が、
25.7%と4分の1を占めた。そのうち、76.5%は「通院治療なしでも、日常生活を送れる状態」だが、「通院治療しながらなら、
日常生活を送れる状態」(16.2%)、「通院治療しながらでも、日常生活を送るのが困難な状態」(3.3%)を合わせて、
不調を感じた人の2割程度が通院治療を必要としていた(23ページ/図表32、25ページ/図表36)。

<メンタルヘルス不調になった人の13.3%が結局、職場を退職している>
メンタルヘルス不調になった人が、その後、職場でどのような状態になっているかをみると、
「休職も通院もせずに働いている」人の割合が72.0%ともっとも高いが、
結局退職した人(「休職せず退職した」「休職を経て退職した」「休職を経て復職後、退職した」の合計)も
13.3%と1割を超えている(26ページ/図表38)。
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