![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/23/81199ad3b89bde223c2c237e87be334d.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/4c/26350b884199cfd2d3f4735570c2937a.jpg)
「ひかりのあわ」。
光が明滅する作品。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/88/e03fbd2ee9b4375774fe7f054fe8cd68.jpg)
「てですすむ」。
岩見沢・宝水ワイナリーの際にくらべると、かなり低めに設置されたインスタレーション。
題名は、ずっと不思議に思っていたのだが、手漕ぎのボートは確かに「手で進む」乗り物である。
雲の間を進んでいくような、幼いころの夢を具現化したような作品だと思う。
ここに布団を敷いて、一晩とまりたくなるくらい、すてき。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/7b/f69f022a114a58d58567a554d0d2e907.jpg)
左側の壁に投影されているのは、長年「ハルナデ」展で2人展を開いてきた盟友のpater.さんによるドローイング「線をこえて」。
奥に見えるのは、スライド写真用マウント97枚をモビールとしてつるした「カケラ カケル カケラ」。
それぞれに小さな絵が描かれていて、その裏には
「よりそえますように」
「挽回できますように」
「走りきれますように」
といった願い事が、小さな文字でしるされている。
ひとつひとつ、目で追っていくだけで、やさしいきもちになれる作品。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/92/b99223e26481a885b63b6b071b6b4f00.jpg)
「とびこんだ先」
筆者の写真の腕がからきしなのもあるけれど、jobin.さんの作品は、やはり現場で実地に見ないとほんとに見たことにならない。
立つ位置によって見え方がぜんぜん異なるし、モビールだから、微妙に動く。影もそのつど、揺れ動く。
きらきら光る透明な板と、クマやうさぎを針金でこしらえたものを、いくつもつるしたインスタレーション。
針金の動物のほうは、輪郭線だけで構成されているが、星座の星をつなげたもののようにも見えてくる。
ほかに「ゆれる みなも と」「時をこえて」。
佐々木隆介さん、佐々木恒平さん、常松将行さんの音楽が、それぞれ30分おきに流れ、耳からも楽しめる展覧会になっていた。
jobin.さんは、2005年にこのガラスのピラミッドで10人からなるグループ展に参加しており、それから10年がたつのを記念して、今回の個展を開いたとのこと。
筆者が知る限り、jobin.さんのキャリアでも最も広い会場での個展になった。
もともと、限定された空間を活用していろいろなものを浮かべるのを得意とするjobin.さんだが、今回、広い空間でもじゅうぶんに生かすことができる実力の持ち主であることが証明できたと思う。
「自分が持っているものをいったん全部出して、フラットにしたい。そういう意味もあったんです」
と、個展の題に秘めた思いを語るjobin.さん。
これまでの発表の総ざらえであるとともに、広くて天井が高い空間における再構成に挑んだことは、次の一手に踏み出す重要な機会になったに違いないと思う。
小鳥、雲、紙飛行機。
jobin.さんのつくるインスタレーションは、他を押しのけて堂々と存在を主張するというよりは、少し片隅のほうに引いて、その場に存在しているといったたたずまいである。
しかしそれらは、むかし見た夢の記憶の断片のように、幸せにたゆたっていて、見る人をかならずやほっこりとした幸せな気分にさせる。
その意味で、jobin.さんの作品は、たしかに、全世界を肯定する。
ゆらゆらと小鳥が舞い、雲がゆれる世界では、何もかもがありのままで、安らかに存在することを許されているのだ。
それは、ささやかな幸福と肯定の旋律である。
2015年9月28日(月)~10月4日(日)正午~午後8時(土日は午前10時~午後5時30分)
モエレ沼公園 ガラスのピラミッド(札幌市東区)
□じょびんらぼ http://jobin55.wix.com/jobin-lab
□ハルナデ展2015 https://twitter.com/jobin55/status/598337757539213312
過去の関連記事へのリンク
■jobin.個展[てですすむto宝水ワイナリー] (2014)
■jobin.個展「てをとめて」 (2013)
jobin.さんのあかりを、ライジングサン・ロックフェスティバルの会場で見た(2012)
【告知】札幌美術展 Living Art-日常- やさしさは いつも そばに。(2012)
◆Rising Sun Rock Festival 2011 in EZO
■Rising Sun Rock Festival 2010年
■nid-Espace et musique et un cafe・-(2010年4月)
※「e」は、アクサンテギュつき
■TOCCO 写真とモビールで綴る「旅」(2009年10月)
■Rising Sun Rock Festival 2009年
■ハルナデ展2009 jobin. と paterの二人展 (2009年3月)
■500m美術館(2008年11月)
■札幌スタイルのショーウインドーの展示(2008年)
■House展 華やかな作家たち(2007年)