「高知ファンクラブ」 の連載記事集1

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沢村昭洋さん沖縄通信・・・沖縄の湧水を歩く (その11)

2012-02-07 | 沢村さんの沖縄通信

沢村昭洋さん沖縄通信・・・沖縄の湧水を歩く (その11)

恩納村恩納区の湧水

「琉歌の里」で売り出している恩納村(オンナソン)のなかでも、番所(役所)があった恩納区を歩いた。琉歌の二大歌人の一人、恩納ナビーの生誕の地の碑があるそばに、石造りの湧水「カンジャガー」があった。
 古くから恩納区の人々の生活に欠かせない井泉である。産井(ウブガー)として利用されたという。 

産井は、産湯に使う水を汲む井戸のことをいう。沖縄では、井戸水は、産湯から始まり死に水に至るまで人々の暮らしと深く結びついている。 

琉球王府の時代から、正月の村拝みのときは、村の有志が揃ってヌン(神女)殿内(ドゥンチ)、マータンカー、赤平家とともに、この井泉のカンジャガーを拝む習わしがいまも続いているという。いずれも、祈願の対象になるような由緒ある場所なのだろう。


カンジャガーは鉄柵で囲われている。中を見るときれいな水を湛えていた。いまは使われないが、そのままでは危ないので鉄柵で囲っているのだろう。


那覇市の小禄方面の湧水


字小禄の樋川


 那覇空港に近い那覇市南部の小禄(オロク)地区。1954年に那覇市に合併されるまでは、小禄村だった。いくつかの地域から成り立っている。その中でも、字小禄は、昔は番所(役所)もあった小禄の中心地である。歩いて回ると、昔からの風景が残る。
 小高い山の上に森口公園がある。上がって行くと広場に出た。なんと、そこはやたら御嶽(ウタキ、拝所)がたくさんある。多いのは門中(ムンチュウ、男系の血縁集団)の拝所だ。「東門(アガリジョウ)門中」、「沢岻(タクシ)門中」などの小さい拝所が点在している。「思い門中」という、変わった碑もある。




森口公園を降りてきた。
 地域の案内図を見ると、ヒージャーがあるはずだ。でも地元の人に尋ねても、どうしても分からなかった。


小禄を通った機会に、もう一度、探してみようと、地図にある場所に車で行った。すると、道路わきにひっそりと碑が立っていた(上左)。ヒーザーガー跡(後原=クシバル=ヒージャー小)という。
 小禄の村ガー(共同井戸)の一つである。いまは樋から水は出ていない(上右)。でも最近までけっこう水が出ていたという。樋の左横に小さな拝所がある。


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