連載第3回 若草幼稚園「すくすくの森」と子どもたち・・・知的好奇心を育む(その7 年少児から年長児への育ちと知的好奇心 )
高知市若草幼稚園 園長 岡林道生 執筆 〔『保育の実践と研究』(第15巻第4号)より転載〕
3.知的好奇心を育む
(5)年少児から年長児への育ちと知的好奇心
年少児は、出会うもの全てに驚きながら、模倣を通して対象物が何であるのかにせまっているようです。知の扉を開く時期と言えるでしょう。
そして、年中児になると、自分の姿、形、生活の仕方を通して、あれはなんだろう、どうしてだろうと考えるようになります。興味、関心をもった物にこだわり、虚と実を行ったり来たりしながら、対象物を自分とは違うものとして見ることができるようになります。
年長児になると、相手を対象化できるようになり、自分とは違う存在を「知る」ことの喜びが膨らんできます。そして、知るために、聞く、調べるといった具体的な方法を用いて、対象物の在り様を理解できるようになるのです。
友だち同士のかかわりにも特徴があります。
年少児は、同じ空間を共有するなかで、自分と同じように楽しむ他者の存在を感じていきます。
年中児は、同じ興味、関心を持つもの同士で様々なことを語り合い、つながりを深めていきます。
年長児になると、それぞれの興味や関心にしたがってわかったことを情報化して伝え合い、お互いに刺激し合ながら知の世界を深め、広げていきます。
子どもたちは、すくすくの森で多くの物に出会い、多くの出来事に出会います。見て、聞いて、触れて、身体と心を動かして、それぞれの時期における知的好奇心を満たしていきます。急ぐことなく、この発達のプロセスをしっかりと通過していくことが、とても大切だと思います。
HN:ちるどれん
◎かしこくて、たくましい子どもに育てる(高知市・若草幼稚園の実践)
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