「高知ファンクラブ」 の連載記事集1

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沖縄通信その5・・・ 沖縄は低所得なのになぜ人口が増えているのか

2010-11-19 | 沢村さんの沖縄通信

追伸

 ◇子どもがとても多いと言ったけれど、もう一つ大事なのは、人数が多いだけでなく、子どもの表情がとってもいいことだ。

 
066.jpg見るからに子どもらしい、天真爛漫というか純真というか、本来子どもがもっている子どもらしさがある。


少しも、すれた感じ、ひねた感じ、疲れた感じ、へんに大人びた感じなどない。明るく、のびやかな感じがする。


作家の椎名誠が、よく沖縄にきて写真をとっていたが「子どもの表情がとってもよい」と盛んに強調している。


それが、子どもの描く絵にも現れている。NHK沖縄で「僕の絵、私の絵」という小学生の絵を紹介するコーナーがあるが、どれも、画用紙からはみ出しそうな、いや実際はみ出しているのもある。のびのびと描かれている。これは偶然ではない。


もう一つ、沖縄出身の歌手、俳優、タレントが活躍している。


これは、単に沖縄に美人が多い、芸能が盛んで音楽のセンスがよい、というだけではない。


その面もあるが。オーディションを受けたりしても、スカウトに来る人の声を聞いても、若い女性の表情がとてもよい。内地の女性と比べても、とてもよいという。


やはり、若い女性らしい純真さ、ナイーブな感じ、明るく伸びやかなところ、豊かな感情をもっているというか、とてもいいものがあるという。


実際、オーディションなどでもよく選ばれている。その理由の一端がここにある。それは子どもと共通しているところがある。


そこには、やはり、かつては日本のどこの子どもでも女性でももっていたよさがだんだん失われている。


でも沖縄ではそれが生きている。


その土台には、自然的、社会的、歴史的というか、さまざまな条件がある。恵まれた自然の環境もあるし、人間が自然の中で生かされている、人間が人間らしく生きていく上で大事なものが何かある。


社会環境も決して恵まれていないのに、前に述べたような、沖縄特有の土壌があり、こういう子どもたちを育んでいるのではないかと思う。ただ、沖縄にもさまざまな欠点はあるけれど、それはここでは触れない。 


◇沖縄の未来と発展の方向を考える上で、キーポイントになることを二つあげておきたい。


一つは、資源のない沖縄の有利な点は、島の恵まれた自然と沖縄のある地理的な位置にある。
094.jpg自然はもう触れなくてもよい。位置というのは、日本のはずれにあるということは、アジアにもっとも近いということ。とくに経済発展が著しい中国、それも南部の沿岸とはとても近い。台湾は与那国島から見えるほど。そしてベトナムをはじめ東南アジアの国々。


かつて琉球王国がもっとも繁栄したのは、15、16世紀だった。「大交易時代」といわれる。この時代は、中国、朝鮮、日本、東南アジアの諸国と交易して、貿易の中継、つまり三角貿易のように、互いの国々にない物、欲しい物、売りたい物を琉球が国営貿易で中継して、大きな利益を上げていた。


有名な「万国津梁の鐘」には、琉球は、朝鮮、日本、中国など世界の国々の架け橋となって栄えているという意味のことが刻まれている。


それは400年前、薩摩藩に侵略されて繁栄の時代は閉じられた。


このアジア諸国と隣接するというこの地理的な位置は、いまアジアが発展を遂げているなかで、とても大事な要素だ。


「新しい交易時代」とでもいうおうか(「琉球新報」は新年から「新交易時代」というタイトルの連載をした)、アジアとの経済交流の拠点として沖縄の発展の道筋がありそうだ。


経済だけでなく、政治、文化、観光さまざまある。沖縄の地理的な位置は、とかく軍事的な地政学から、「太平洋の要石」ということだけ、強調される。沖縄に米軍基地のある必要性がいまだにこの観点から繰り返される。


日本の自衛隊まで海外進出していく上で、沖縄を重視し、基地を強化している。でも軍事的な地政学ではなく、平和の地政学、経済的な地政学から見ると、沖縄の未来にとって重要さが見えてくる。


観光一つとっても、中国の上海は、東京よりはるかに近い。

 
Image883.jpg沖縄の海の魅力は、中国にはまったくない。沖縄は中国文化の影響がとても強いから、中国にとっても親近感がある。


まだまだ中国からの観光客は少ないが、将来は飛躍的に増えていく可能性がある。


沖縄のサンゴと熱帯魚の群れなす海は、世界でも指折りだ。


ヨーロッパなどからももっと来る可能性がある。いま、沖縄では年間1000万人の観光客をめざして、カジノの解禁と沖縄への導入を狙う動きが活発だ。


これは沖縄のイメージをそこない、多くの弊害をもたらし逆にマイナスにさえなる。沖縄の豊かな自然を生かした、観光の発展の道こそもっと追求していくべきだと思う。


もう一つのキーワードは、米軍基地の存在だ。


60年も基地があり、基地従業員は安定した雇用と見られたり、地主には巨額の地代が払われている。でも、実際には沖縄経済の自立的な発展を阻害している。


現に、元は基地だったが返還された場所は、いま沖縄の新しい経済発展の拠点となっている。


那覇市「おもろまち」というところは、新都心として大型商業施設やと官庁、ビジネスビル、マンションが林立して発展している。


もう一つ、北谷町でも基地跡が、若者が群れる遊び場や音楽・芸能、商業を含めて人がとても集まる街として注目される場所になっている。


基地は、普天間基地、嘉手納基地をみても町のド真ん中や美しい海岸を独占するなど、とってもよい場所を占めている。


これが返還になれば、経済発展のうえで大きな威力を発揮するのは間違いない。雇用される人数だけでも、基地雇用員と返還後の経済発展で雇用される人数を比べると、何倍も増えたことが実証されている。


基地が撤去されれば沖縄にどんなに明るい未来が開けることだろうか。


 

HN:沢村



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