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『週刊エコノミスト』12月3日号 - 人材劣化に学歴価値低下、大学「粗製濫造」の罪は余りに重大

2019-11-29 | 『週刊ダイヤモンド』より
エコノミストの大学特集は重大な事実を示唆している。
「失われた20年」で大学進学率は上昇、大学数も増加したが
この期間、よく知られているように日本の成長率平均は下がる一方だ。

低迷の20年間の日本経済の成長を最もよく説明するのは人口動態だが、
大学進学率も大学数も、日本経済の成長率とは明白な「逆相関」である
(今週のエコノミスト誌の図表を見ればよく分かる)

つまりこれは、高等教育の両的拡大が人材投資でなく教育「浪費」や
過剰教育に繋がった
ということを強く示唆している。

論より証拠、今週のダイヤモンド誌に歯科国家試験の合格率推移があるが、
見事な迄に悪化している。(勿論、第二次安倍政権の期間が最悪の数字)

法科大学院は合格率が上昇したが代わりに弁護士の所得が悪化してインハウスが増えたから、
高等教育の量的拡大は質の低下を招く恐れが強い」と断言しても良いであろう。

特集冒頭にある通り、少子化で「日大7校分の学生が消える」のだから
大学進学率を維持したと仮定しても日本の大学生の質の劣化は不可避である。
それとも韓国のように職の見つからない大卒を大量に生み出したいのか?

『週刊エコノミスト』2019年 12/3号


市場関連では市岡繁男氏のコラム。
米金利低下で市場は小康状態を保っているが、
昨年末の株安は金利急上昇で巨額の含み損を抱えた米銀が資産縮小しためで、
現在も米金利の10年移動平均から見て警戒すべき水準が続いており
特に中国の米国債保有額と連動する人民元相場に注意が必要とのこと。

    ◇     ◇     ◇     ◇

今週のダイヤモンドはニッチな歯科特集だが内容はかなり良い。
先週、「商売重視でエヴィデンス軽視という印象が強い」と書いたが
インプラントや矯正の裏側を見ると矢張り、という印象。
高齢層の歯周病に関してもエヴィデンスがまだまだで費用対効果が不明だ。。

少子化で子供が減ってしかも虫歯も減っているのだから
歯科医の養成数を抑制すべき時期に入ったといえよう。

必死で生き残りを図る歯科大学のなりふりかまわさなを見れば
(56頁を参照、異常な優待生制度や医学部転部制度で受験生を釣っている)
公益や人的資本など度外視で我が身の生き残り最優先なのは明白だ。

視野の狭い歯科衛生士もアメリカの衛生士の高給を羨んでいるようだが
それは病的に美と健康に固執する米国人の歪みの反映に過ぎない。
少子高齢化でしかも所得低迷の日本の現状をよくよく見るべきである。

『週刊ダイヤモンド』2019年 11/30号 (歯医者のホント)


「歯磨きの疑問に全面回答!」は面白い企画だ。
歯科医に行っても中立で科学的な分析が殆ど聞けないから。。
(診療報酬のことばかり考えているように見える)

治療アプリ開発は歯磨きに適性が高いと個人的に考えており、
歯科はICTの歯科領域への進出で更なる窮地に陥るのではないか。

    ◇     ◇     ◇     ◇

東洋経済の理系大学特集はいつも通り総花的だが悪くない。
ただ「日本企業の資金拠出の乏しさを批判すべき」
「STEAMでなく「理系」という枠組が既にして日本的タコツボ・ガラパゴス」

と当ウェブログが指摘した点では相変わらず進歩が乏しい。

沖縄科学技術大学院大学は悪くないが、
戦艦大和を建造して太平洋戦争にボロ負けした歴史を想起する。
下手な「選択と集中」で全体のレベルが地盤沈下しそうな不吉な予感。。

『週刊東洋経済』2019年11/30号 (本当に強い理系大学)


佐藤優氏のコラムは「ラスプーチン」との渾名を改めて思い起こさせた。
受験者が限られている同志社大学を引き合いに出して
共通テストを論じるというお粗末さで、矢張り官邸と何かあったなという嫌な印象。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週も注目は東洋経済、世界史よりレポート「欧州ベンチャーが日本の電力市場に熱視線」が重要。

▽ 「親同居未婚者の増加」「無償化には質低下リスク」等、メイン特集以外が良さそう

『週刊東洋経済』2019年12/7号 (世界史&宗教)


▽ ダイヤモンド特集は、以前に比べすっかり陰が薄くなったアクティビストが中心か?

『週刊ダイヤモンド』2019年12/7号 最強投資家が狙う-割安株


▽ 「税務調査は見逃さない」とのエコノミスト特集、富裕層の脱税「過去最高」だからタイムリー!

『週刊エコノミスト』2019年 12/10号

経済面での眼目はレポート「「石炭王」も破綻させる 全米で再エネシフトが加速」か。
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