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他者に厳しく自分は「内向き」、世界より日本を優先する利己主義が過去最高に - 新卒は「社会の鏡」

2018-01-10 | いとすぎから見るこの社会-雇用と労働
二つの調査結果の不気味な一致が、日本経済に迫る暗雲の出現を示唆している。
日本経済における人的資本の劣化の前兆が生じているのだ。

人材会社ディスコのインターネット調査では、
若年層が「ブラック企業」と認識する水準が急上昇しており、
若年層の意識に決定的な変化が生じていることが分かった。

これは来春卒業予定の新卒世代を対象としたものだが、
前回調査の2014年と比較して新卒世代が「ブラック企業」と認識する率が
10ポイントも急上昇しており、僅か3年でブラック企業が急増する訳がないから、
売り手市場に気を良くして企業を非常に厳しく見る者が急増したことが分かる。

また、博報堂生活総研の調査では、子供の海外志向の低下が示されており、
外国の話をしたい、留学したい、外国人と友達になりたいと回答する比率が
過去最低になったことが明らかになった。(つまり、過去最高に「内向き」な世代なのだ)

しかしこれは子供だけの傾向ではなく、大人も同様であるとのこと。
「世界よりも日本を優先すべき」と回答する大人が過去最高になったのと一致している。
従って、子供や新卒は「内向きで他者に厳しくなった」日本社会の変化を反映しているのだ。

更に悪いことに、安倍政権の経済政策が日本人を怠惰で利己的にするものであるため、
他力本願の悪弊を強化するという致命的な状況になりつつある。

安倍政権をはじめとする自民党政権が日本経済を立ち枯れさせるような
無能な経済政策を展開して国内経済の低迷を深刻化させている今、
若年層の海外志向が低下し他者にばかり厳しくなる傾向は大きな弊害を伴う。
海外市場へ果敢に挑戦する意思が弱まるばかりではない。

現在の新卒世代はかつてのバブル世代と酷似しつつあり、
自己を成長させるべき時期に安逸を求めるようになりつつある。

これは日本経済にとっても日本企業にとっても重大な打撃となる。
何故なら、現在のバブル世代の多くが「能力の割に給料を貰い過ぎ」
「仕事のできない人がいる」と他の世代から見られているにも関わらず、
当事者はその自覚が乏しいという深刻な状況に陥っているからだ。

▽ 「使えない」「無能」と揶揄されるバブル入社組、現在の楽々入社新卒世代も環境が酷似

『バブル入社組の憂鬱(相原孝夫,日本経済新聞出版社,2017)


「若者の弛緩した就業意識は、今まさにバブルが膨張し崩壊寸前であることを示唆する」
とした当ウェブログの警告を、現在も維持している。

「「若者を見下す」輩は自己の低能さを認めたくないだけの悲しい欲望に囚われているのだ」

「採用側の企業は新卒人材の良し悪しについて無遠慮に評する癖に、
 優秀な人材を逃す自社の魅力の無さを反省することは殆どない。
 所詮は自らが批判する相手と同類である。
 経験値が上であるというだけで偉そうにしていられるに過ぎない」

「「幸福も繁栄も、他人から与えられるものではない」と
 入社式で訓示していた新日鐵が今は政府にゴネて
 「法人税下げろ、原発再稼働しろ、六重苦を何とかしろ」と叫んでいるのだから
 実に皮肉な話である。自社が実行できていないことを新入社員に要求している訳だ」

「目先のボールを追うだけの連中の滑稽さは、
 長期間じっと観察していると実によく分かる」

「新卒採用について報じるメディアの決定的なバイアスは、
 「広告主である企業に不都合な記事を極力載せない」である。
 他方、就活生は広告主ではないので平気でバッシング報道を出す」

「また、メディア人自身も企業の採用者側と同じく
 特権を握っている層に特有のメンタリティを持っているので
 つい若年層に説教がましい論調を選好する通弊がある。
 (社会の現状に対して自分は裁く側であり責任は他の連中にあると信じている)」

「本当に公平な報道を行うなら、
 新卒採用における企業のオポチュニズムを暴く筈であるし、
 就活生に対してと同じく「自己分析しろ」「手書きででも熱意を伝えろ」
 「選んで頂く立場と自覚しろ」と厳しく追及すべきであろう。
 「人不足で倒産」などと劣等企業の代弁がましい言説を弄するべきではない。
 (建設業の人不足に関して言えば明らかに「国土強靭化」で予算をバラまく安倍内閣の責任である)」

「今、企業は必死に優秀な人材を青田買いしようとしている。
 売り手市場になって競争が激化しているからである」

「数年前とは真逆で、企業の採用行動が新卒の質とは関係なく、
 経済状況と採用時の環境によって左右されているのは明白である」

「多くの企業人は、目先の問題ばかり必死に追いかける自分達のオポチュニズムの滑稽さや
 中長期的課題の重要性など忘れかけている健忘症を自覚している筈だ」

「通常、経済がバブルかどうかはその渦中にあっては分からないもので、
 バブルが崩壊して初めて「バブルだった」と判明するものである」

「だから、衆愚的な評論家が「中国はバブルだが、日本はバブルではない」と放言するのは
 何の不思議もない。ただ単に、自らの先見性のなさを自ら証明しているに過ぎないからだ」

「安倍政権が成立した当初は「日本経済は3年で復活」などという頓珍漢な
 権力に媚び諂う馬鹿らしい言説すら出ていたが、現時点でその嘘は完全に証明されている。
 成長率が低迷して株価だけ大幅に上昇しているのは、明白なバブルの証拠である。
 経済成長率の推移は、アベノミクスが日本経済の低迷に対し何ら効果を発揮しなかったことを立証している」

「消費税引き上げに責任転嫁するリフレ派に至っては、
 我が国よりも間接税負担の重いドイツやスウェーデンより
 日本経済のパフォーマンスが明らかに劣っていて成長率でも生産性でも負けている事実すら理解していない」

「そして、雇用面においても明白なバブル崩壊の前兆が示されている。
 米経済が2012年から明らかに緩やかな基調にあった上に、
 円の切り下げによって労働コストをカットしたための失業率低下に過ぎないのだから、
 目先しか見ていない人々が勘違いするのも道理である」

「円安という上げ底によって誤摩化されているため、
 日本企業の競争力は全く向上していない。
 その証拠にIMD競争力ランキングで日本は順位を下げている」

「見せかけの「上げ底活況」に幻惑されて、
 少なからぬ若年労働者が勘違いし始めている」

「電通総研の調査は時系列で比較していないのが欠点だが、
 「できれば働きたくない」「仕事はお金のためと割り切りたい」という弛緩した意識が
 かなりの割合を占めていることが確認できる」

「労働者は市場や職場で常に試されているため、
 少なくとも意識の上では「人並み以上でないと不利になる」と意識している筈なのだ。
 つまり、「人並み程度の働きでも問題ない」と油断している労働者が増えている訳である。
 そしてその「油断度」は、不吉にもあのバブル崩壊の時期に酷似している」

「若年労働者を対象とする二つの意識調査を見て、思わずぞっとした。
 経験が浅いから無理もないが、今の新卒市場がバブルなのを理解せず、
 企業から最大限の利益を得ようとする意識が極限まで高まっている」

「今、日本企業の中では所謂「ゆとりモンスター」のような連中が跋扈し、
 各職場や管理職の間で大問題になりつつある筈である」

「日本企業が新卒一括採用のために、新卒労働市場は常にオーバーシュートし易い。
 大量採用が続いたために、本来なら入社できないレベルの者でも採用され、
 それが自分の実力と勘違いしている者が大勢いるのだ」

「これは我が国が「失われた20年」に突入する直前に起きたことと酷似している。
 日本企業の中でだぶついているバブル世代同様の状況が、再来しつつあるのだ。
 若年労働層の中でプライベート重視の傾向が強まっているのがその証拠だ」

「しかも今回は、失業率低下と新卒労働市場の活況が「見せかけの偽り」であるため、
 すぐ近くまで忍び足で接近してくる経済危機はより深刻なものとなるだろう」

「見せかけの好況に幻惑されて大量採用した企業は、
 好況の幻が消滅するとパニックに陥り、
 採用抑制や陰湿なリストラに奔走するようになる」

「前回のバブル期の後には、企業の不祥事が次々と発覚した。
 今回も歴史は繰り返すであろう」

「頭脳が固化しかかっている中年や老人は若者を非難したり罵倒したりするが、
 実際にはスタンダールが語ったように若者は「社会の鏡」である。
 我々の社会が歪んだり濁っていたりする時、真っ先に若者にその影響が現れる」

「バラ撒きでも何でも行って目の前の選挙に勝つころしか考えていない安倍政権は、
 不況に備えて強化すべきだったセーフティネットを放置したままでいる。
 このツケは労働者に回され、安倍政権の失政のせいで塗炭の苦しみを受けるだろう」

「世代間ギャップはいつの世にもあるもので、
 今の団塊の世代も上の世代から教育が悪いだの扱い難いだの言われていたし、
 バブル世代には日本人の資質として挙げられる勤勉さは乏しかった」

「過去の記録を調べるとそうした不都合な事実が発覚する訳で、
 リーマンショック後に日本企業が「若者は使えない説」を
 メディアを通して撒き散らした悪質さは益々はっきりしてきた。
 (当時、そうした「若者ヘイト」の片棒を担いだ連中は謝罪すべきである)」

「企業は単に、目の前の状況に振り回されているだけなのである。
 定見などなく、「働きやすさ」は単なる客寄せチラシの文句に等しい」

「今、若者バッシングが目立たないのは企業が人手不足で困っているからであり、
 失業率が跳ね上がってリストラする必要性に迫られたら
 またメディアを使って「若者使えない」説を垂れ流すに違いない」

「さて、現代の若者を取り巻く状況を見ると、若者は矢張り良くも悪くも純粋で、
 日本社会の変化からいち早く影響を受けていることが分かる」

「企業は人手確保に奔走して平然と紳士協定を破り、
 本音を隠して「働きやすさ」を必至でアピールしている。
 (言う迄もなく、社内では「困った人材」が急増している筈だ)」

「だから企業の態度から影響を受ける若者が自己中心的になって
 「職があるのは当たり前、会社から最大限の利得を得たい」と考えるのは当然である」

「また、最近の高齢層は団塊の世代を中心に
 「シニアと呼ばれたくない」という意識が急速に強まっており、
 事実を無視して自己を甘く評価したがっていることが分かる。
 (しかも、自己の受け取る社会保障給付は当然視しているのであろう)」

「だから若者が自己客観化を回避して高い自己評価を求め、
 恩恵は当然視するとしても何ら不思議ではない。
 何故なら上の世代がそうしているからである」

「安倍政権支持率が高いのは、当然ながらドグマが強固で
 イデオロギー優先の厄介な層であるが、他にも強固な支持層がある」

「それは10代、20代の若年層である。世間知らずで騙されやすい
 というのがまず筆頭に挙げられるだろうが、それだけではない」

「彼ら彼女らはまず新卒で就職が楽かどうかで判断する。
 勿論、インチキ・アベノミクスの本性などどうでも良い。
 視野が狭くて思考が浅いから、安倍政権時に就職できれば安倍政権のお蔭と信じ込む。
 (迷信を信じる古代人がまさにそうであったように)」

「これは、かつて起きた忌まわしい時期と酷似している。
 救国の英雄、高橋是清が景気回復をもたらしたのを、
 (高橋是清は今の愚かな日銀と違って市場で国債を売却しており、出口戦略も急いでいる)
 軍部の満州侵攻による景気回復と勘違いして熱狂した1930年代の日本だ」

「但し1930年代は若年層の数が極端に多く、世論がナショナリズムに狂い攻撃的だったので、
 その点では現代と同一ではない。老化した現代日本にはまた他の宿痾がある」

「経済政策の次元が低く、スウェーデンに成長率も生産性も惨敗しているだけでなく
 日本と同じ人口減少国であるドイツにすら大敗した「劣等生」の安倍政権を支持するのは、
 確実に未来に待ち受ける災厄を無視し「低成長と安定」を望む保守退嬰のためとしか考えられない。
 だからこそ安倍政権のもたらした低成長で満足していられるのだ」

「各調査により、現在の新卒世代が「プライベート重視」で向上心が低下しており、
 主体性に乏しく他者への依存度が高いことが明らかになっている。
 この視野狭窄と利己主義、意欲の低さが安倍政権の政策とぴったり合致しているのだ」

「この現象の根本にはより深刻な問題が隠れている。
 山口二郎教授は「生活保守主義」と名付けたが、
 自分の生活さえ良ければあとはどうでもいいとする無関心、
 変化を嫌い安定を望む保守退嬰である(決して保守主義ではない)」

「愚かな若年層は実質賃金切り下げと人口老化による失業率低下を
 安倍政権のお蔭であるかのように考えて喜んでいる。
 雨乞いの儀式で雨が降ったから大喜びする古代人と全く同じである。
 今、目先しか見えない安倍政権がいかにリスクの高い政策を行い、
 経済成長どころかバラ撒きと低成長をもたらす存在であるかも理解できない」

「かつて満州事変を支持したのがこうした視野の狭い大衆だった。
 今のあさはかな愚行が、近い将来の大災厄として戻ってきた際に、
 「騙された」「安倍が悪い」と袋叩きにするであろう。自らの不明を棚に上げて」

「安倍政権のバラ撒き政策はこうした主体性の欠如を生み、
 他者への依存を強め、「楽な道」を求める悪しき性質を助長するものだと判断できる」

「自己中心的で成長を望まない層の安倍政権支持率が高いということは、極めて不吉だ。
 安倍政権の政策が利己主義と怠惰を蔓延させているという事実が示唆されるからである」

「かつてマキャベリは、腐敗した組織の中では自分も腐敗しないと生き延びられないと指摘した。
 必ずしも安倍政権だから視野狭窄と利己主義、低意欲が蔓延ったのではない。
 社会の中で視野狭窄と利己主義、低意欲が蔓延っているから安倍政権が長期化できたのだ!」

「社会の歪みは、常に若年層の意識の歪みへ顕著に反映される」との指摘も的中しつつある。

▽ 企業は大量採用が必要な際には新卒に媚び、不況になると「使えない」「物足りない」と罵倒する

『大学キャリアセンターのぶっちゃけ話 知的現場主義の就職活動』(沢田健太,ソフトバンククリエイティブ)


「企業のオポチュニズムを批判する時期は終わり、若年層が問題を生み出す時期に入った」
という当ウェブログの不吉な警告が現実化してきている。。

「安倍政権への支持率の高い、つまり騙されやすい若年層は
 かつての高成長の日本経済を知らないためにこの程度の貧相な日本経済でも
 満足している、いわば「低温」の世代であると判明しつつある」

「何故なら、安倍政権の根本的に間違った政策で
 1%程度の(海外経済はもっと好況なのに日本はこの惨状)低成長の罠に陥っても
 無能で経済低迷を招く安倍政権の正体に全く気付かないばかりか、
 「給料より休日」「働きたくない」「自分重視」の傾向が
 調査ではっきりと確認されつつあるからである」

「これは、日本経済を歪めたバブル世代の再来であり、
 かつバブル世代よりも「低温」なので消費活性化にも繋がらない、
 他人には無関心で経済低迷を自己実現させる世代と言って良い」

「安倍政権の口だけ政策、保守退嬰を助長するインチキ政策の害毒は、
 遂に影響されやすい若年層労働者に悪影響を及ぼすに至っている」

「そうした保守退嬰、利己的で休暇を重視する世代こそが、
 安倍政権への支持率が高い世代だからだ」

「安倍政権が、日本経済を力強く前進させる存在では全くなく、
 労働者を利己的にさせ成長や向上より安逸と「現在志向バイアス」を強め、
 将来の災厄を最大化する最低の政権であることは、益々明らかになっている」

「「低温」の新しいバブル世代からは、かつてのバブル世代と同様に
 企業のお荷物になり、下の世代から白い目で見られる者が続出するだろう。
 必ずしも当人たちだけが悪い訳ではないのだが、だからと言って免責されることもあるまい」

「日本女性はジェンダーが強いのでワークライフバランスを主目的として転職するが、
 若年層も同様の傾向を示しつつあるから、勤労意識や向上心が後退しつつあると
 判断することができよう。(無論例外はあるが、平均値としてはそうなる)」

「日本国民は周囲に流される傾向がある。
 元々勤労意識は個々人によって大きく違い、
 所属組織に対するロイヤリティは世界的に見て低いことが知られているから、
 安倍政権は怠惰と利己主義を助長していると考えるのが適切である」

「はっきりと数値に出ているように、日本の人材の質も劣化が懸念される。
 これも安倍政権の貧困化・利益誘導政策の必然の帰結である」

「守秘法域という薄汚い裏技を使って豊かさを得ているルクセンブルクと
 安倍政権下の日本が同じように高度人材の不足に陥っているとの調査結果は重要だ。
 両者とも個々の工夫とイノベーションによってではなく、不公正な政策に依存しており、
 人材の質は一向に向上していないという「不都合な真実」が示唆されている」

「はっきりと予言しておく。新卒に対し必死に媚び諂う日本企業が、
 掌を返して冷酷な批判を次々と繰り出し、社員を切り捨てて
 何とか企業だけは生き残ろうと醜態を見せる日が近付いている」

「今、売り手市場でのうのうと過ごしている者が、日本企業や社会のお荷物になる」
との警告も的中の予兆が生じつつあると言って良かろう。

 ↓ 参考

若者は休日重視で「働きたくない」が世界最多、高度人材不足も深刻化 - 安倍政権が蔓延させた怠惰と劣化
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/d24528dde1d8dd0ccb81cdeb22bd2d2f

仕事はカネと見栄で選び、残業を嫌がってプライベート重視 - 若者の意識はバブル崩壊を予告している
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/0d7f47b9a0c4305bf0377621ec7b8a17

内定辞退される企業は「自己分析が足りない」「手書きで熱意を伝えろ」- 傲慢な採用側の勘違いに不満炸裂
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/1bdafdf7f5dd4bc34d72a9c31d7cfb7a

団塊の世代も言われた「扱いにくい、教育が悪い」- 昔から変わらない新入社員バッシングと入社式の式辞
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/b239671d85ebb2f3c169c5e9d5a9b2e2

「仕事は人並み・プライベート重視」だったバブル世代、なぜか批判されない理由 - 単に数が多いから
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/ef42179f46284a90293d15c98bfc65dee

▽ 慧眼な中原圭介氏がいち早く見抜いた通り、失業率低下は人口減少要因である

『中原圭介の経済はこう動く』〔2016年版〕


ブラック企業:就活生の認識は「シビア」企業と学生にズレ(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20171224/k00/00e/040/121000c.html
”「ブラック企業」とみなす基準は、企業の採用担当者より就活生のほうがずっとシビアだった--。
 就活サイト「キャリタス就活」を運営する人材支援会社ディスコ(東京都文京区)のインターネット調査でこんな結果が浮き彫りになった。
〔中略〕
 調査は主要企業1362社と来春卒業予定の学生1225人を対象に9~10月に実施した。企業は採用担当者に個人的見解として聞いた。
 「ブラック企業だと思う条件」は、企業、学生ともに「残業代が支払われない」がトップでそれぞれ8割近い。これに「セクハラ、パワハラがある」がともに7割程度で続いた。
 一方、「成果を出さないと精神的に追い込まれる」(学生67%・企業49%)▽「給与が低すぎる」(学生63%・企業34%)▽「残業が多い」(学生57%・企業34%)▽「有給休暇を取りづらい」(学生50%・企業27%)--については、学生と企業との認識差が大きく、学生の選択率の方が高い。これらの項目は2014年に行った前回調査と比べてみると、学生の選択率は10ポイント以上増えており、学生のブラック企業に対するイメージが、膨らんでいることを示している
 また、ブラック企業になると考える1カ月の残業時間の目安は、学生は「40~60時間未満」(27%)が最多だったのに対し、企業は過労死ラインとなる80時間を超える「100~120時間未満」(25%)が最も多かった。
 採用担当者の約3割は「自社をブラック企業だと思う就活生がいる」とみており、従業員数が多いほど増える傾向がみられた
。企業からは「ブラック企業という言葉が先行している」(不動産)という懸念も多かったという。【渡辺精一】”

この調査を見て、「バブル世代の再来」だと確信した。
しかしバブル世代ほど消費に前向きではないので、
益々もって日本経済にとって悪影響だと言えよう。


子どもが"海外旅行"を喜ばなくなった理由(プレジデントオンライン)
http://president.jp/articles/-/24084
”子どもが家族で行きたいのは、海外旅行より国内旅行――。博報堂生活総研が子ども(小4~中2)を対象に調査した結果、家族旅行の行き先として国内を希望する子どもの率が過去最高となり、海外旅行の希望者はその約半数まで低下した。なぜ子どもは海外旅行に行きたがらないようになったのか。博報堂生活総研の酒井崇匡上席研究員が考察する――。(第3回)

■子どもは海外より国内旅行に行きたい
 初めての海外旅行は何歳の時だったでしょうか。
 博報堂生活総研が小4~中2の子ども達を対象に20年前から実施している「子ども調査」によると、その年頃で既に海外旅行を経験している子どもの率は、1997年で22.7%、2017年で26.6%ほど。海外旅行の経験率では20年間で変化はそれほどないように見えますが、「海外旅行に行きたいかどうか」という観点では、大きな変化がありました。
 「家族で旅行に行くとしたら、日本と外国どちらに行きたいか」という質問に対して、1997年の時点では、外国に行きたいという子が44.2%で、国内旅行をしたいという子ども(41.3%)をわずかに上回っていました。しかし、2007年には国内が僅差で海外を上回り、2017年には国内60.0%に対して海外30.5%と約2倍の差が開いています。
〔中略〕
■外国への憧れが減少している
 他のデータも見てみましょう。「外国や海外旅行の話を知りたい」、「外国人と友達になりたい」、「海外留学をしたいと思う」といった項目が、軒並み過去最低となっています。海外旅行というより、海外そのものへの興味が減っているようです。逆に20年前の1997年は、海外旅行に行った経験のある子は今より少なかった一方で、外国の情報に対しての興味度は高く、海外旅行や留学にも行ってみたいし、外国人の友だちも欲しいという、憧れが強い時代だったということができます。
 テレビ番組などのメディアでは、今でも毎日のように海外の情報は取り上げられますし、海外でディープな取材を行うバラエティー番組もたくさんあります。SNSには海外旅行の投稿があふれ、Googleストリートビューを使えば、その場にいるかのように海外の街並みを見ることができます。外国の情報が容易に手に入るようになったことで、海外旅行の敷居は低いものになっているはずですが、その一方で冒険心をくすぐる未知の部分や、憧れといった感情は薄らいでいるのかも知れません。
 外国の人とのつながりという点でみても、「外国人と友達になりたい」という子は減っている一方、「外国人の友だちがいる」という子は徐々に増加しています。研究の中でお話をうかがった先生方の印象としても、首都圏の学校では外国籍の子が学年に1~2人いるのは当たり前、という感覚だそうです。
 マクロの統計としても、文部科学省の「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査」によると、日本語指導が特別に必要な外国籍の児童生徒数はこの20年間で約1.8倍になっています。また、同調査によると、日本国籍を持っていても日本語に不慣れで、特別な指導が必要な児童生徒も近年、急増しているようです。今の子ども達にとって、外国人と聞いてイメージするのは、見知らぬ国の人々のことではなくよく遊んでいる子のことであって、日常であるがゆえに特別な存在ではないのでしょう。

■海外に行くと、外国に目を向けるようになるか? 
 話を海外旅行に戻しましょう。全体としては子ども達の外国への興味関心が薄れたとはいえ、一度でも海外旅行をすると、子どもはまた外国に旅行してみたくなったり、留学をしてみたくなったりするのではないでしょうか。「子ども調査2017」の対象者を海外旅行経験の有無で分け、それぞれについて前述の「家族旅行に行くなら(国内より)外国に行きたい」、「海外留学をしたい」とする率を見てみましょう。
 海外旅行経験がある子ども達のうち、48.1%は国内旅行より海外旅行がしたいと考えており、これは経験のない子ども達(24.3%)に比べると約2倍の値です。実際に海外旅行に行くとその魅力に気づく子ども達もいる、ということでしょう。
 ただし、これは裏を返せば海外旅行経験のある子ども達でも半数は海外旅行より国内旅行がいいと考えている、ということでもあります。海外旅行が子ども達にとって絶対的に良いもの、というわけではなくなっていることが、ここからも分かります。
〔中略〕
■内向きになっているのは子どもだけではない
 外国に対して子どもの価値観はどう変化しているのでしょうか。「子ども調査」では「日本のことと世界全体のこと、どちらを第一に考えるべきだと思うか」という設問があります。1997年の段階では「世界全体のことが第一」という考え方が6割以上を占めていたのですが、2017年の調査で初めて「日本のことが第一」が逆転しました。
 実はこのような傾向は子どもだけに限ったことではないのです。

 博報堂生活総研で隔年で実施している「生活定点」調査によると、20~60代男女の海外旅行経験率(出張を除く)」は2016年調査で73.0%となっています。20年前の1996年は60.7%なので、全体の経験率は徐々に上昇しているのですが、これは主に40代以上が牽引しており、20代、30代の経験率はむしろ減少しています。
 また、価値観の点でも「世界の貢献よりも日本の利益を第一に考えるべきだ」という考え方がこの20年間で徐々に増加し、世界への貢献を志向する人は徐々に低下してきています。
 価値観が内向きになってきているのは、子ども固有の変化なのではなく、むしろ日本人全体の変化なのです。
そして、それは近年、世界各国で起こっている動きとも、重ねて見ることができそうです。
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酒井 崇匡(さかい・たかまさ)
博報堂 生活総合研究所 上席研究員。2005年博報堂入社。マーケティングプラナーとして、教育、通信、外食、自動車、エンターテインメントなど諸分野でのブランディング、商品開発、コミュニケーションプラニングに従事。2012年より博報堂生活総合研究所に所属し、日本およびアジア圏における生活者のライフスタイル、価値観変化の研究に従事。専門分野はバイタルデータや遺伝情報など生体情報の可視化が生活者に与える変化の研究。著書に『自分のデータは自分で使う マイビッグデータの衝撃』(星海社新書)がある。
----------”

最近、「志が低くなっている」「利己的で他者にばかり厳しい」傾向を感じて
日本社会の先行きを憂えていたが、案の定である。
若者だけが変わったのではない。日本社会が劣化して、それが若者に反映されているのだ。
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