先日、『清水女流王将×あから2010戦に思う』で、
①清水女流王将の地位と棋力
②「完敗」ではない
について述べました。
旬を逃したくなかったので、最も言いたかった上記の2点についてのみ、言及しました。でも、いい切れていない感じが残り、モヤモヤしています。敢えて言わなくてもいい気がしますし、多くの方も述べられているようなのですが、私の精神衛生的理由で、述べさせていただきます。
③今回の対局の横に見えるもの
(「横に」という表現でなく、「裏に」とか「向こうに」にするつもりだったのですが、連盟の意図があからさまだったので、敢えて「横に」としました)
まず、今年の4月に社団法人・情報処理学会が将棋連盟に挑戦状を送り、それを受けて立ったという形で世間に公表された。
情報処理学会の大仰な挑戦状や出で立ち(扮装)、即日の受けて立った将棋連盟の「いい度胸をしている」という回答文など、PR的イベントであったが、宣伝効果は多分にあったと思われる。
しかし、その回答文の後半部分の
「女流棋士会も誕生して三十五年 奇しくも同年であります。今回は初戦相手を女流棋界の第一人者の清水市代に決定しました。すべての対局運営は女流棋士会ファンクラブ駒桜が執り行うことを委嘱いたします」
としていて、女流王将・女流王位(当時)である清水市代棋士が迎え撃つことを、そして駒桜が対局運営を駒桜が執り行うこと発表している。
手始めに女流棋士というのは、理解できる。ただ、既にアマチュアトップが単独の将棋ソフトに敗れていることから考えると、苦戦と言うか、敗局は予想された。それに、①でも述べたが世間的には「女流棋士」=「将棋のプロ」なので、今回生じた誤認が予想されたはず。ここは、小手調べとして、「奨励会員を倒したなら、正式に挑戦を受けようじゃないか」が最善手だったように思う。
それはともかく、女流棋士は将棋連盟の正会員ではないが、将棋連盟に所属しているのだから、初戦を女流棋士に任すというのは、組織的には差し支えない。しかし、運営を女流棋士会、しかもファンクラブの駒桜としたのは、どうなのだろうか?
情報処理学会は
「名人に伍する力ありと情報処理学会が
認める迄に強いコンピューター将棋を完成致しました
茲に社団法人 日本将棋連盟殿に挑戦するものであります」
と、将棋連盟に挑戦しているのだから、将棋連盟が主管するべきだろう。
それを女流棋士会、しかも、ファンクラブ「駒桜」としたのは、明らかに連盟の意図が感じられる。ファンクラブが執り行うって、どう考えてもおかしく、これはもう記者会見の前日に発足している「駒桜」のPRと見るのが妥当であろう。
しかも、この対局をネットで観戦するには、「駒桜」に入会(年会費5000円)するか、「日本将棋連盟モバイル」に登録(月額315円)しなければならない。
戦力をいかに効率よく活用できるかが、対局におけるポイントであるので、今回の対将棋ソフト戦を活用するのは立派な戦略であろう。しかし、あまりにも露骨なので興醒めしてしまった。
しかも、
主宰「女流棋士会ファンクラブ駒桜」からのお願い==================
主宰は「女流棋士会ファンクラブ駒桜」です。
対局者である清水市代女流王位・女流王将の対局料・賞金も「駒桜」より支払われます。
是非とも、将棋ファンの皆様方には1口5,000円の「女流棋士会ファンクラブ駒桜」にご入会していただき、サポーターとして熱い戦いを見守っていただきますよう、お願い申し上げます。
===========================
という文面が女流棋士会サイトのページに。
たしかに、広義ではファンクラブは応援するのが目的であるので、上記の内容はおかしくないのかもしれない。
しかし、私の感覚では
世紀の一戦を見たければ、観戦料を払え。
ファンならばファンクラブに入って応援しろ
しかも、対局料や賞金もファンの会費を当てにするの?
と感じてしまう。
、情報処理学会が将棋連盟に挑戦したことになっているのに、その対局料や賞金はファンクラブ、つまり、ファンが払うの?
予定以上に長くなってしまいました。「その3 対局の公平性とソフトの妥当性」に続きます。
駒桜についても、「その特典が会費に見合うものか」などいろいろ疑問に思うことは多いが、それを書き連ねると、どんどん本題から外れてしまいそうなので、機会があれば別記事で取り上げたいと思います。
①清水女流王将の地位と棋力
②「完敗」ではない
について述べました。
旬を逃したくなかったので、最も言いたかった上記の2点についてのみ、言及しました。でも、いい切れていない感じが残り、モヤモヤしています。敢えて言わなくてもいい気がしますし、多くの方も述べられているようなのですが、私の精神衛生的理由で、述べさせていただきます。
③今回の対局の横に見えるもの
(「横に」という表現でなく、「裏に」とか「向こうに」にするつもりだったのですが、連盟の意図があからさまだったので、敢えて「横に」としました)
まず、今年の4月に社団法人・情報処理学会が将棋連盟に挑戦状を送り、それを受けて立ったという形で世間に公表された。
情報処理学会の大仰な挑戦状や出で立ち(扮装)、即日の受けて立った将棋連盟の「いい度胸をしている」という回答文など、PR的イベントであったが、宣伝効果は多分にあったと思われる。
しかし、その回答文の後半部分の
「女流棋士会も誕生して三十五年 奇しくも同年であります。今回は初戦相手を女流棋界の第一人者の清水市代に決定しました。すべての対局運営は女流棋士会ファンクラブ駒桜が執り行うことを委嘱いたします」
としていて、女流王将・女流王位(当時)である清水市代棋士が迎え撃つことを、そして駒桜が対局運営を駒桜が執り行うこと発表している。
手始めに女流棋士というのは、理解できる。ただ、既にアマチュアトップが単独の将棋ソフトに敗れていることから考えると、苦戦と言うか、敗局は予想された。それに、①でも述べたが世間的には「女流棋士」=「将棋のプロ」なので、今回生じた誤認が予想されたはず。ここは、小手調べとして、「奨励会員を倒したなら、正式に挑戦を受けようじゃないか」が最善手だったように思う。
それはともかく、女流棋士は将棋連盟の正会員ではないが、将棋連盟に所属しているのだから、初戦を女流棋士に任すというのは、組織的には差し支えない。しかし、運営を女流棋士会、しかもファンクラブの駒桜としたのは、どうなのだろうか?
情報処理学会は
「名人に伍する力ありと情報処理学会が
認める迄に強いコンピューター将棋を完成致しました
茲に社団法人 日本将棋連盟殿に挑戦するものであります」
と、将棋連盟に挑戦しているのだから、将棋連盟が主管するべきだろう。
それを女流棋士会、しかも、ファンクラブ「駒桜」としたのは、明らかに連盟の意図が感じられる。ファンクラブが執り行うって、どう考えてもおかしく、これはもう記者会見の前日に発足している「駒桜」のPRと見るのが妥当であろう。
しかも、この対局をネットで観戦するには、「駒桜」に入会(年会費5000円)するか、「日本将棋連盟モバイル」に登録(月額315円)しなければならない。
戦力をいかに効率よく活用できるかが、対局におけるポイントであるので、今回の対将棋ソフト戦を活用するのは立派な戦略であろう。しかし、あまりにも露骨なので興醒めしてしまった。
しかも、
主宰「女流棋士会ファンクラブ駒桜」からのお願い==================
主宰は「女流棋士会ファンクラブ駒桜」です。
対局者である清水市代女流王位・女流王将の対局料・賞金も「駒桜」より支払われます。
是非とも、将棋ファンの皆様方には1口5,000円の「女流棋士会ファンクラブ駒桜」にご入会していただき、サポーターとして熱い戦いを見守っていただきますよう、お願い申し上げます。
===========================
という文面が女流棋士会サイトのページに。
たしかに、広義ではファンクラブは応援するのが目的であるので、上記の内容はおかしくないのかもしれない。
しかし、私の感覚では
世紀の一戦を見たければ、観戦料を払え。
ファンならばファンクラブに入って応援しろ
しかも、対局料や賞金もファンの会費を当てにするの?
と感じてしまう。
、情報処理学会が将棋連盟に挑戦したことになっているのに、その対局料や賞金はファンクラブ、つまり、ファンが払うの?
予定以上に長くなってしまいました。「その3 対局の公平性とソフトの妥当性」に続きます。
駒桜についても、「その特典が会費に見合うものか」などいろいろ疑問に思うことは多いが、それを書き連ねると、どんどん本題から外れてしまいそうなので、機会があれば別記事で取り上げたいと思います。
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