「月9」なので、期待していなかったのですが、面白かったです。
『鍵のかかった部屋』というタイトル通り密室がテーマ。密室は好きなので、嬉しいですね。
今回の密室は、3次元(空間)では不可能な密室
我々は3次元(空間)の世界で生きていると言われている。縦(X軸)・横(Y軸)・高さ(Z軸)の3次元。しかし、時間を4番目の軸とすれば4次元の世界に生きていると言えます。
しかし、自由に時間を行き来することが出来ないので、人間は完全に4次元世界に生きているとは言えないのかもしれません。タイムマシンや時間移動能力を持った人間のように時間軸を自由に行き来できる者の手に掛かれば、忽然と物質が消えたり現れたりするような現象が起こるのかもしれません。
今回の密室は時間を掛けて密室を完成させるというもので、その論理過程(3次元ではなく次元を超えて考える)が面白かった。
3人のキャラも面白い
・芹沢豪(佐藤浩市)……大手法律事務所に所属するエリート弁護士。企業法務が専門で、特にM&Aが得意。「Time is money.=金にならない刑事事件の依頼は受けない」を信条としており、損得勘定で行動する。(番組サイトより引用)
損得勘定や変わり身の早さ、調子の良さ、自己中心さは、『トリック』のどんと来い上田氏を彷彿させるキャラ。
とは言え、お荷物になりそうな青砥純子を見捨てず、彼女の意見を結局、聞いてしまうのは、けっこうお人よしなのかもしれない。
・青砥純子(戸田恵梨香)……真っ直ぐな性格で、真面目。純粋ゆえに本能的に行動する傾向があり、頭で考えたこと、思いついたことがすぐに口から出てしまうなど、突拍子のない発言をすることも。正義感が強く、困っている人の依頼は断れない。(番組サイトより引用)
金庫のボタンをつい押してしまうなんて、幼稚園児かと思った。
正義感と単細胞的突発行動者のトラブルメーカー兼牽引者的存在。
・榎本径(大野智)……大手警備会社の本社ビルにある隔離された個室で、日々ひたすらセキュリティに関する研究を行っている。冷静沈着で、鍵やカメラなど機械的な防犯アイテムに対する知識もさることながら、物理や化学・建築に関するあらゆる基礎的な理論にも造詣が深く、“この世の中に破れないセキュリティはない”と断言できるほどマニアック。(番組サイトより引用)
変人で自分の興味のあるものにしか注意を向けない。『ガリレオ』の湯川タイプ。
こういう一貫性のある変人は好きだ。
犯人追及のクライマックスで、
犯人「君の言う通り、他殺だとしよう。しかし、それと私を結び付ける証拠は何もない。そうだろう!」
榎本「はい。ありません」
犯人「え?」
榎本「別に犯人があなただなんて言っていませんよ。話は以上です」
…………いいですねえ(笑)
で、この三者の絡みが面白い。
特に、ふたりに振り回されながらもつき合ってしまう芹沢の様子が面白い。
最後の最後に、おいしいところを持っていくと言うか、締めるところは、芹沢の存在価値を高めて良い。
★今週のツボ……芹沢の推理小説論
「だいたいな、名探偵が行く先々で、どうして都合よく難事件が起こるわけ?
え?それにあいつらさ、犯人が分かってもすぐ勿体ぶるじゃないかよ。
ぇぅお~、あれがイラつくんだわ。『今はまだ言えません。』
何を言ってんだよ。今言えよ。ここで言えよ。すぐ言ってくれよ、時間の無駄なんだからさあ!」
(密室の謎が解け、その真相を問いかけた時、「それは、明日お話します」と榎本に言われ、一瞬の間を置いて)
「出たよ。出ちゃったよ。俺が一番苦手なやつ。何で明日なんだよ。勿体ぶるなよ。今言えよ。すぐ言えよ。ここで…」(暗転)
わははは! (勿体ぶった理由はしっかりあったようだが)
☆突っ込むべきではない突っ込みどころ、いわゆる、「お約束」
・偶然と言うより、強引に金庫の密室騒動を起こし、偶然にも、榎本が呼ばれ、偶然にも殺人事件の密室の解明の依頼を受けていたという偶然の積み重ね。まあ、これがないと、ドラマが始まらないから。
・死後硬直を利用したトリックは、検死によって遺体のうっ血状況から推理できそう。
【ストーリー】(公式サイトより)
東京総合セキュリティに勤める榎本径(大野智)は、弁護士・青砥純子(戸田恵梨香)に頼まれ、純子の先輩弁護士・芹沢豪(佐藤浩市)とともに密室事件の現場にやってきた。そこは、葬儀会社の社長・大石の遺体が見つかった山荘だった。警察は、山荘が密室だったこと、大石が末期のがんを患っていたことから自殺と断定。しかし、大石の友人・円山と司法書士・日下部(堀部圭亮)は疑念を抱き、芹沢に調査を依頼したのだ。榎本らを山荘に案内した日下部は、遺体を発見した日の状況を説明し始めた。
その日、日下部は、大石の甥で葬儀会社の専務・池端(風間杜夫)と山荘を訪ねた。窓から部屋を覗くと人影が見えたため、窓を破って室内に入ると、大石が部屋のドアを背にして体育座りのような姿勢で死んでいた。遺体は腐敗が進みウジがわいていたという。脚の前には重厚なガラスのテーブルが置かれ、そのテーブルはどっしりとしたソファで固定され、ドアには天井から床まで白幕が張られ、遺体はその上に座っていた。
後日、純子は、芹沢を連れ、榎本の会社を訪ねた。「備品倉庫室」と書かれた部屋にいた榎本は、山荘を再現した模型をふたりに見せた。榎本曰く、窓は施錠され部屋は完全に密室だった。唯一の侵入経路となるのはドアだが、犯人が大石を殺害しドアの前に座らせることはできても、その前に重たいテーブルとソファを移動させ、その後退出することは不可能だと言う。しびれを切らした芹沢は、自殺だと言ってくれ、と懇願するが、榎本はこれまでとは違う次元の発想が必要だとつぶやく。
.翌日、山荘で偶然再会した榎本と純子は、室内を覗く少年・松田大輝(土師野隆之介)に気づく。大輝は、大石が死亡した日の翌朝、部屋のドアの前に白髪のおじさんが立っていたと証言。「白髪のおじさん」という特徴から、純子はそれが池端だと思い込むが、大輝は自分が見たのは大石だったと話す。警察の検視によれば、大輝が目撃した時間にすでに大石は死亡していた。大輝が見たのは別人だったのか――検証が行き詰ったとき、榎本の前に一匹のハエが飛んできた。それを目で追っていた榎本は、やがて密室は破れた、と言った。
後日、山荘を片付けに向かったという池端を追うようにして、純子らもやってきた。
純子は池端に、自分たちは大石の死因を究明しようとしていると明かすと、池端は先を促す。そこで榎本が話し始めた――。
まず、山荘で後継者問題を考えていた大石のもとに犯人がやってきた。犯人はやがてがんの痛みに襲われた大石に、治療のふりをして致死量のモルヒネを注射、大石を横たえて絶命するのを待った。死亡を確認したら、ドアに白幕を張りテーブルとソファを動かすなど準備をして山荘から退出。12時間が経った頃、再び山荘に戻ってくる。死後半日が経った遺体は異臭を放っていたため、犯人は耐えられずに窓を開けた。このとき、ハエが侵入したと考えられる。その後、死後硬直で硬くなった遺体をドアに立てかけたら、テーブルとソファで足元を固定し、少しだけドアを開け退出したのだ。死後硬直は上肢から緩み関節も曲がるようになるから、遺体は背中のシルクの幕を滑りながらゆっくり座っていった…。
池端は、大石の死後に会社のすべての遺産を相続できるはずだったが、横領が大石にバレ、遺言書が自分に不利に書き換えられたことを知ったため、殺害に及んだのだ。榎本にトリックを明かされても、池端は証拠がないと虚勢を張るが、芹沢がそれを許さなかった。偽造した遺言書の不正を突かれ、池端はついに観念した。
事件が落着したことに純子らが安堵するなか、イヤホンをした榎本はソファに座りどこか一点を見つめ…。
『鍵のかかった部屋』というタイトル通り密室がテーマ。密室は好きなので、嬉しいですね。
今回の密室は、3次元(空間)では不可能な密室
我々は3次元(空間)の世界で生きていると言われている。縦(X軸)・横(Y軸)・高さ(Z軸)の3次元。しかし、時間を4番目の軸とすれば4次元の世界に生きていると言えます。
しかし、自由に時間を行き来することが出来ないので、人間は完全に4次元世界に生きているとは言えないのかもしれません。タイムマシンや時間移動能力を持った人間のように時間軸を自由に行き来できる者の手に掛かれば、忽然と物質が消えたり現れたりするような現象が起こるのかもしれません。
今回の密室は時間を掛けて密室を完成させるというもので、その論理過程(3次元ではなく次元を超えて考える)が面白かった。
3人のキャラも面白い
・芹沢豪(佐藤浩市)……大手法律事務所に所属するエリート弁護士。企業法務が専門で、特にM&Aが得意。「Time is money.=金にならない刑事事件の依頼は受けない」を信条としており、損得勘定で行動する。(番組サイトより引用)
損得勘定や変わり身の早さ、調子の良さ、自己中心さは、『トリック』のどんと来い上田氏を彷彿させるキャラ。
とは言え、お荷物になりそうな青砥純子を見捨てず、彼女の意見を結局、聞いてしまうのは、けっこうお人よしなのかもしれない。
・青砥純子(戸田恵梨香)……真っ直ぐな性格で、真面目。純粋ゆえに本能的に行動する傾向があり、頭で考えたこと、思いついたことがすぐに口から出てしまうなど、突拍子のない発言をすることも。正義感が強く、困っている人の依頼は断れない。(番組サイトより引用)
金庫のボタンをつい押してしまうなんて、幼稚園児かと思った。
正義感と単細胞的突発行動者のトラブルメーカー兼牽引者的存在。
・榎本径(大野智)……大手警備会社の本社ビルにある隔離された個室で、日々ひたすらセキュリティに関する研究を行っている。冷静沈着で、鍵やカメラなど機械的な防犯アイテムに対する知識もさることながら、物理や化学・建築に関するあらゆる基礎的な理論にも造詣が深く、“この世の中に破れないセキュリティはない”と断言できるほどマニアック。(番組サイトより引用)
変人で自分の興味のあるものにしか注意を向けない。『ガリレオ』の湯川タイプ。
こういう一貫性のある変人は好きだ。
犯人追及のクライマックスで、
犯人「君の言う通り、他殺だとしよう。しかし、それと私を結び付ける証拠は何もない。そうだろう!」
榎本「はい。ありません」
犯人「え?」
榎本「別に犯人があなただなんて言っていませんよ。話は以上です」
…………いいですねえ(笑)
で、この三者の絡みが面白い。
特に、ふたりに振り回されながらもつき合ってしまう芹沢の様子が面白い。
最後の最後に、おいしいところを持っていくと言うか、締めるところは、芹沢の存在価値を高めて良い。
★今週のツボ……芹沢の推理小説論
「だいたいな、名探偵が行く先々で、どうして都合よく難事件が起こるわけ?
え?それにあいつらさ、犯人が分かってもすぐ勿体ぶるじゃないかよ。
ぇぅお~、あれがイラつくんだわ。『今はまだ言えません。』
何を言ってんだよ。今言えよ。ここで言えよ。すぐ言ってくれよ、時間の無駄なんだからさあ!」
(密室の謎が解け、その真相を問いかけた時、「それは、明日お話します」と榎本に言われ、一瞬の間を置いて)
「出たよ。出ちゃったよ。俺が一番苦手なやつ。何で明日なんだよ。勿体ぶるなよ。今言えよ。すぐ言えよ。ここで…」(暗転)
わははは! (勿体ぶった理由はしっかりあったようだが)
☆突っ込むべきではない突っ込みどころ、いわゆる、「お約束」
・偶然と言うより、強引に金庫の密室騒動を起こし、偶然にも、榎本が呼ばれ、偶然にも殺人事件の密室の解明の依頼を受けていたという偶然の積み重ね。まあ、これがないと、ドラマが始まらないから。
・死後硬直を利用したトリックは、検死によって遺体のうっ血状況から推理できそう。
【ストーリー】(公式サイトより)
東京総合セキュリティに勤める榎本径(大野智)は、弁護士・青砥純子(戸田恵梨香)に頼まれ、純子の先輩弁護士・芹沢豪(佐藤浩市)とともに密室事件の現場にやってきた。そこは、葬儀会社の社長・大石の遺体が見つかった山荘だった。警察は、山荘が密室だったこと、大石が末期のがんを患っていたことから自殺と断定。しかし、大石の友人・円山と司法書士・日下部(堀部圭亮)は疑念を抱き、芹沢に調査を依頼したのだ。榎本らを山荘に案内した日下部は、遺体を発見した日の状況を説明し始めた。
その日、日下部は、大石の甥で葬儀会社の専務・池端(風間杜夫)と山荘を訪ねた。窓から部屋を覗くと人影が見えたため、窓を破って室内に入ると、大石が部屋のドアを背にして体育座りのような姿勢で死んでいた。遺体は腐敗が進みウジがわいていたという。脚の前には重厚なガラスのテーブルが置かれ、そのテーブルはどっしりとしたソファで固定され、ドアには天井から床まで白幕が張られ、遺体はその上に座っていた。
後日、純子は、芹沢を連れ、榎本の会社を訪ねた。「備品倉庫室」と書かれた部屋にいた榎本は、山荘を再現した模型をふたりに見せた。榎本曰く、窓は施錠され部屋は完全に密室だった。唯一の侵入経路となるのはドアだが、犯人が大石を殺害しドアの前に座らせることはできても、その前に重たいテーブルとソファを移動させ、その後退出することは不可能だと言う。しびれを切らした芹沢は、自殺だと言ってくれ、と懇願するが、榎本はこれまでとは違う次元の発想が必要だとつぶやく。
.翌日、山荘で偶然再会した榎本と純子は、室内を覗く少年・松田大輝(土師野隆之介)に気づく。大輝は、大石が死亡した日の翌朝、部屋のドアの前に白髪のおじさんが立っていたと証言。「白髪のおじさん」という特徴から、純子はそれが池端だと思い込むが、大輝は自分が見たのは大石だったと話す。警察の検視によれば、大輝が目撃した時間にすでに大石は死亡していた。大輝が見たのは別人だったのか――検証が行き詰ったとき、榎本の前に一匹のハエが飛んできた。それを目で追っていた榎本は、やがて密室は破れた、と言った。
後日、山荘を片付けに向かったという池端を追うようにして、純子らもやってきた。
純子は池端に、自分たちは大石の死因を究明しようとしていると明かすと、池端は先を促す。そこで榎本が話し始めた――。
まず、山荘で後継者問題を考えていた大石のもとに犯人がやってきた。犯人はやがてがんの痛みに襲われた大石に、治療のふりをして致死量のモルヒネを注射、大石を横たえて絶命するのを待った。死亡を確認したら、ドアに白幕を張りテーブルとソファを動かすなど準備をして山荘から退出。12時間が経った頃、再び山荘に戻ってくる。死後半日が経った遺体は異臭を放っていたため、犯人は耐えられずに窓を開けた。このとき、ハエが侵入したと考えられる。その後、死後硬直で硬くなった遺体をドアに立てかけたら、テーブルとソファで足元を固定し、少しだけドアを開け退出したのだ。死後硬直は上肢から緩み関節も曲がるようになるから、遺体は背中のシルクの幕を滑りながらゆっくり座っていった…。
池端は、大石の死後に会社のすべての遺産を相続できるはずだったが、横領が大石にバレ、遺言書が自分に不利に書き換えられたことを知ったため、殺害に及んだのだ。榎本にトリックを明かされても、池端は証拠がないと虚勢を張るが、芹沢がそれを許さなかった。偽造した遺言書の不正を突かれ、池端はついに観念した。
事件が落着したことに純子らが安堵するなか、イヤホンをした榎本はソファに座りどこか一点を見つめ…。
芹沢さんのセリフ、今まで私も思ってたことをずばずば言ってくれるので嬉しくなっちゃった(笑) あとにのばさずに今 言えばいいじゃん的な感じ・・わかるもんね(笑)
ちょっとだけ青砥純子役がどんくさすぎて イライラする時もあるけど まぁ このキャラでいいのでしょう。
大野君、いい味出してていいですね。
これは続けて見ようと思います。
>それぞれのキャラクターがすごく面白かったと思います
お笑いの場合、トリオは非常に難しいと思いますが、このドラマの場合、佐藤さんが突っ込み(時々ボケ)、恵梨香が進行(時々ボケ)、大野くんがなぞの解明役(性格的にボケ)で、互いに引立てあっていますよね。
>面白そうですね~英さんのブログで読んだドラマの中で一番面白そうです
記事を読んで、面白いと思っていただけるのは嬉しいです。
密室は詰将棋と似ているところがあります。大概の場合は、筋(トリック)がすぐ浮かぶのですが、そうでない場合、候補を消していき、残った可能性を掘り下げていったり、この筋しかないと結論から途中のトリックを逆算することもあります。
このドラマが一番面白そうなのですが、一番、評判が高い『ATARU』をまだ観れていません。