崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「名士招請特講」中止

2018年11月20日 05時43分51秒 | 講義

 昨日朝京都大学での講演依頼にOK,しかし午後は?日本では「褒め殺し」という恐ろしい言葉がある。手紙やメールなどで誉める頭語の終わりには必ず「残念ながら」という殺し(?)結びになるのが普通である。そのような文脈はドラマなどでも、幸せな場面から始まるのは悲劇的な結末が多い。1年ほど前に、韓国の東亜大学校から私に「海外名士」として「招請特別講議」という誉めことばで依頼され、長く日程調整をして今日11月20日午後3時に講演をして、日帰りをすることにして、スケジュールを調整した。おそらく「名士」に相応しく成功物語の話が期待されているだろうと思いながら、しかし私は「失敗物語」を語るつもり。そして釜山地域の教え子たち(今は教授)も集まることになった。その最中に、昨日3時頃韓国の東亜大学校の二人の教授から電話とメールが来た。「講演中止」という。「日韓関係が良くない、韓国言論に報じられたこと、慰安婦問題など微妙なこと、学生たちの反発が予想される」という理由であった。私の研究室には、通話の時、外部から特講に来られた教授、本学の副学長、外部の人とも、ショッキングな話に相談、対応、対策を講じた。

 韓国の東亜大学校と日本の東亜大学とは同名、前者の総長一行が下関に2泊しながら友愛の姉妹提携を結び、総長から私に講演に招くことになった経緯がある。突然、しかも直前の取り消しに、皆が驚き憤慨した。私もそうであった。しかし私は友愛関係を壊しくない。相手がそうしても私は「友愛」がもっと価値があると思う。日本では韓国の東亜大学校がよりよく知られていて、時には私がその大学校の教員に思われることが多々あったが、この度のことをみて下関の日本の東亜大学の教授であることが如何に幸せであるかと思うようになった。人々が私に「中立的だ」というレッテルを貼ってくださることに感謝、嬉しい。しかし中立は両方から非難されやすいことを覚悟しなければならない。また両方から褒められることもある。

公開セミナーのお知らせ

・報告者:崔吉城氏(東亜大学教授、広島大学名誉教授)
・テーマ:「慰安婦の真実」
 今日、日韓間で問題になっている慰安婦問題について取り上げる
・場所:県民文化センター(鯉城会館)5階、504号室
・日時:2018年11月24日17:00ー18:30
・その他:事前申込み不要 学生無料
 


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