崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

ホオズキ

2011年07月13日 05時13分13秒 | エッセイ
href="http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/ea/4faf8b2677a3b006cdffe32824af4ad8.jpg"> 東京の浅草でホオズキ祭りが報じられているが千キロ近く離れた下関ではその雰囲気が届いていない。私が東京に留学した時には出かけたことがある。夏を確認するようなホオズキの実を思い出す。ホオズキは私の生まれ故郷でも夏には食べたことがある。若い実は緑色であり、味は苦い。真っ赤になると甘い。青い実でも指でもむと甘くなる。子供の時、苦い味から甘くなる神秘的に変化する「鬼灯」を思い出す。考えてみるとそのような果実は多い。青いとき酸っぱく、渋いものが熟して甘くなるものは多い。
 若いときの自分の味はどうであったのであろうか、今私は甘く熟しているのだろうか。土居健郎氏は『甘えの構造』で日本人の性格を指摘している。甘いものには虫がつきやすい。しかし甘さは多く有効に使われる。苦味と甘さは相反しながら調和する。パリのモンマルトルの丘で多くの画家たちを見ながらカフェで苦いコーヒーを楽しむ日本人は多い。その苦いコーヒーには甘いロマンスの香りがするようである。人生の苦労にも甘い香りがする。昔の人はそれを「苦尽甘来」といった。子供を早くから甘やかすとダメになるというメッセージも示されている。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿