『みち』 目次
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『みち』 ~未知~ 第100回
「初めまして、桐谷昇と申します」
「それでなくても考える事が沢山あるのに・・・急にあんな風に紹介されてもよ・・」 インスタントコーヒーをコーヒーカップに入れお湯が沸くのを待った。
「でも・・・理香ちゃんの言う通りね。 どうしてあんなことを言ったのかしら」 お湯が沸いた。
理香から連絡を受けたケーキ店のカフェで待ち合わせ、そこで紹介されたのだ。
理香は琴音のことをまるで姉のように慕っている。
琴音に桐谷の事を紹介した後に
「あのね先輩、この事はまだ誰にも言ってないんです」
「え? 会社の子達に言ってないの?」
「はい。 付き合っていることも誰にも言ってないんです。 親にもです」
「ええ! ご両親に言ってないの? それで結婚するってどういう事?」
「だって、両親に言っても 絶対反対するのは分かってるんですもん」
「分かってるって・・・どうして?」 理由は目に見えて分かっているが もしかしたら気のせいかもしれないと思い、一応聞いてみた。
「だって彼、両親と変わらない歳なんですもん」 気のせいではなかったようだ。
「・・・」
「ね、先輩も黙っちゃうでしょ」
「あ、ゴメンそういう意味じゃなくて・・・理香ちゃんっていくつだったっけ?」
「23歳です」
「そっかー・・・23かぁ。 ご両親はおいくつ?」
「私、早くに生まれた長女だから両親はまだ若いんですよ。 ・・・えっと両親とも・・・43歳です」 少し言いにくそうに言った理香だ。
「え? 理香ちゃんのご両親ってそんなに若かったの? 私と変わらないじゃない。 うわ、ショックだわー」 琴音のショックを考えて理香も言いにくかったのであろう。
「何言ってるんですか 断然、先輩の方が若いですよ!」
「私に理香ちゃんくらいの娘がいても可笑しくないわけだぁ・・・」 まだ言ってる。
「もう!先輩!」 そこへその男性が話しに入ってきた。
「何度もご両親にキチンと話をしなさいと言ってるんですが なかなか聞いてくれなくて困っているんです。 ご両親の承諾は要らないから入籍だけするって聞かないんです」 桐谷がそこまで言うと理香が割って入ってきた。
「どうしてそんな事を先輩に言うの? そんな話をするなんて言ってなかったじゃない」 理科が口を尖らして桐谷を睨んだ。
「理香が信頼している織倉さんでしょ? 何もかもキチンと言わなくちゃ」 理香はまだ口を尖らせている。
「理香からずっと織倉さんの話は聞いていましたので どうにか織倉さんから説得してもらえないかと思って今日こうして理香を・・・騙して来たんです」
「え? 何? 理香を騙したの?」 尖った口は直ったが目が怒っている。
「騙したって言うか・・・ね・・・」 桐谷が申し訳なさそうに理香を見ながら言った。
「じゃあ何? 昇さんがここのケーキが美味しいから食べに行こうって言ったのは嘘なの?」 とんでもなく幼稚な騙し方だ。
「いや、本当に美味しいケーキを理香に食べさせたくて言ったんだよ。 でも前に理香から織倉さんのマンションの場所を聞いていたから まぁ、近くだなとは思ってね。 行こうって言ったら 多分、織倉さんを誘うんじゃないかと思ったんだよ」
「先輩の所の近くに来たら絶対に誘うに決まってるじゃない。 それも美味しいケーキを食べるんだから。 それって絶対、確信犯じゃないの!」 見かねた琴音が割って入った。
「まぁまぁ、理香ちゃんいいじゃないの。 久しぶりにこうして会えたんだから」
「先輩は昇さんの味方をするんですか?! 理香の味方じゃないんですか?」
「味方とかそんな事じゃないじゃない。 理香ちゃんとこうして会えて嬉しいのよ」
「・・・先輩と長い間会えなかったからそれもそうですけど」 少し間をおいて桐谷が話を進めた。
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「それでなくても考える事が沢山あるのに・・・急にあんな風に紹介されてもよ・・」 インスタントコーヒーをコーヒーカップに入れお湯が沸くのを待った。
「でも・・・理香ちゃんの言う通りね。 どうしてあんなことを言ったのかしら」 お湯が沸いた。
理香から連絡を受けたケーキ店のカフェで待ち合わせ、そこで紹介されたのだ。
理香は琴音のことをまるで姉のように慕っている。
琴音に桐谷の事を紹介した後に
「あのね先輩、この事はまだ誰にも言ってないんです」
「え? 会社の子達に言ってないの?」
「はい。 付き合っていることも誰にも言ってないんです。 親にもです」
「ええ! ご両親に言ってないの? それで結婚するってどういう事?」
「だって、両親に言っても 絶対反対するのは分かってるんですもん」
「分かってるって・・・どうして?」 理由は目に見えて分かっているが もしかしたら気のせいかもしれないと思い、一応聞いてみた。
「だって彼、両親と変わらない歳なんですもん」 気のせいではなかったようだ。
「・・・」
「ね、先輩も黙っちゃうでしょ」
「あ、ゴメンそういう意味じゃなくて・・・理香ちゃんっていくつだったっけ?」
「23歳です」
「そっかー・・・23かぁ。 ご両親はおいくつ?」
「私、早くに生まれた長女だから両親はまだ若いんですよ。 ・・・えっと両親とも・・・43歳です」 少し言いにくそうに言った理香だ。
「え? 理香ちゃんのご両親ってそんなに若かったの? 私と変わらないじゃない。 うわ、ショックだわー」 琴音のショックを考えて理香も言いにくかったのであろう。
「何言ってるんですか 断然、先輩の方が若いですよ!」
「私に理香ちゃんくらいの娘がいても可笑しくないわけだぁ・・・」 まだ言ってる。
「もう!先輩!」 そこへその男性が話しに入ってきた。
「何度もご両親にキチンと話をしなさいと言ってるんですが なかなか聞いてくれなくて困っているんです。 ご両親の承諾は要らないから入籍だけするって聞かないんです」 桐谷がそこまで言うと理香が割って入ってきた。
「どうしてそんな事を先輩に言うの? そんな話をするなんて言ってなかったじゃない」 理科が口を尖らして桐谷を睨んだ。
「理香が信頼している織倉さんでしょ? 何もかもキチンと言わなくちゃ」 理香はまだ口を尖らせている。
「理香からずっと織倉さんの話は聞いていましたので どうにか織倉さんから説得してもらえないかと思って今日こうして理香を・・・騙して来たんです」
「え? 何? 理香を騙したの?」 尖った口は直ったが目が怒っている。
「騙したって言うか・・・ね・・・」 桐谷が申し訳なさそうに理香を見ながら言った。
「じゃあ何? 昇さんがここのケーキが美味しいから食べに行こうって言ったのは嘘なの?」 とんでもなく幼稚な騙し方だ。
「いや、本当に美味しいケーキを理香に食べさせたくて言ったんだよ。 でも前に理香から織倉さんのマンションの場所を聞いていたから まぁ、近くだなとは思ってね。 行こうって言ったら 多分、織倉さんを誘うんじゃないかと思ったんだよ」
「先輩の所の近くに来たら絶対に誘うに決まってるじゃない。 それも美味しいケーキを食べるんだから。 それって絶対、確信犯じゃないの!」 見かねた琴音が割って入った。
「まぁまぁ、理香ちゃんいいじゃないの。 久しぶりにこうして会えたんだから」
「先輩は昇さんの味方をするんですか?! 理香の味方じゃないんですか?」
「味方とかそんな事じゃないじゃない。 理香ちゃんとこうして会えて嬉しいのよ」
「・・・先輩と長い間会えなかったからそれもそうですけど」 少し間をおいて桐谷が話を進めた。