電脳筆写『 心超臨界 』

つぎの目標を設定したり新しい夢を描くのに
年を取りすぎていることなどけっしてない
( C・S・ルイス )

「空気すすり」は、中年男性が緊張して話すときによく耳にする――小矢野哲夫さん

2008-02-14 | 05-真相・背景・経緯
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「空気すすり」言葉を選びながら スー ――大阪大学教授・小矢野哲夫
【「あすへの話題」08.02.12日経新聞(夕刊)】

『鹿男あをによし』。奈良、京都、大阪の三女学館の教師が集まる親睦(しんぼく)会。奈良女学館教頭の小治田(児玉清)が開会を告げる。スー。えー、皆様、所定の位置におつきください」。

自然談話で立て板に水の話し方ができる人は少ない。アノー、エー、マーなどの、フィラーと呼ばれるものをはさみ込みながら話すのが普通だ。これらは入れすぎると耳障りだが、適度に入っていると、わりと聞きやすい。引用した部分の「スー」は定延利之著『ささやく恋人、りきむレポーター 口の中の文化』(2005年、岩波書店)で「空気すすり」と呼ばれる。

少し観察したところでは中年男性が緊張して話すときによく耳にするように感じる。しかし定延さんは、若者でも女性でも空気すすりをしていることを実証している。実際、ほかのドラマも、『エジソンの母』で鮎川先生(伊東美咲)が「音楽は合唱の練習をしているんですけど、スー、道徳はどうしようかなあと思ってまして」と、空気をすすっている。

この現象は演技ではできない。ごく自然に、無意識にでるようだ。しかも、打ち解けた雰囲気の会話ではなく、ある程度緊張していて、言葉を選びながら話すといった感じの談話に出てきやすい。フィラーも、なければそれで済ますことができるものだが、空気すすりも無駄な音声ではない。コミュニケーションの行動として研究の対象とされている。

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