電脳筆写『 心超臨界 』

知識の泉の水を飲む者もいれば
ただうがいする者もいる
( ロバート・アンソニー )

マザー・テレサを霊的に支えた組織――マザー・テレサ国際共労者会

2024-06-02 | 07-宇宙・遺伝子・潜在意識
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■超拡散『世界政治の崩壊過程に蘇れ日本政治の根幹とは』
■超拡散『日本の「月面着陸」をライヴ放送しないNHKの電波1本返却させよ◇この国会質疑を視聴しよう⁉️:https://youtube.com/watch?v=apyoi2KTMpA&si=I9x7DoDLgkcfESSc』
■超拡散記事『榎本武揚建立「小樽龍宮神社」にて執り行う「土方歳三慰霊祭」と「特別御朱印」の告知』
■超拡散『南京問題終結宣言がYouTubeより削除されました』
■超拡散『移民受入れを推進した安倍晋三総理の妄言』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「その後、快方に向かわれていることと思います。いつもあなたのことを考え、あなたの近くにいたいので、あなたの痛みを思いながら仕事をしています。今日の手紙を読めば、きっとあなたも喜んでくださると思います。あなたは宣教者会に入会されることを望んでいらっしゃいますが、精神的に入会するというのはどうでしょうか。仕事を分担するのです。私たちの仕事はスラムで働くこと、あなたの仕事は苦しみを受けることと祈りです。私たちの仕事にはあなたのように肉体的苦しみを負い、そこでなお祈って支援してくださる方が必要なのです。私の精神的な姉妹となって、宣教者会の一員となってください」( マザー・テレサを霊的に支えた組織 )


◎マザー・テレサを霊的に支えた組織

『マザー・テレサへの旅路』
( 神渡良平、サンマーク出版 (2001/6/1)、p114 )

◆病気の苦しみを受けるのも奉仕のうち

マザー・テレサの活動を考えるとき、普通、見落としてしまいがちなのが、その霊的支えとなっている「マザー・テレサ国際共労者会」のことである。

この、そもそもの始まりは、ジャクリーヌ・ド=デッカーさんとマザー・テレサの出会いにある。1948年、ジャクリーヌさんは、スラムに入って貧しい人々に奉仕しようとパトナで看護技術を修得中のシスター・テレサに会った。シスター・テレサと同じ志をもっていたジャクリーヌさんはその話に共鳴した。

神の愛の宣教者会の修道女となり、貧しい人々に奉仕したいと願ったジャクリーヌさんだったが、まもなく病気にかかって入院、検査の結果、脊椎の進行性萎縮麻痺と診断された。萎縮の進行を止めるためには、脊椎の移植手術をしなければならないのだが、大変な痛みを伴う手術である。

そこでアントワープに帰り、手術を受け、入退院を繰返す日が続いた。ジャクリーヌさんがマザー・テレサに書いてくる手紙にはいつも、体さえ元気だったら献身してシスターとなり、貧しい人々のお役に立ちたいということばかりだった。

ちょっと動いただけでも鋭い痛みが走り、首には特別のギブスをつけ、コルセットで体を固めているジャクリーヌさんの病状に、マザー・テレサもいつも心を痛めた。そこにある日、大変なインスピレーションをいただいたのだ。それが1952年10月20日付けのジャクリーヌさんへの手紙に書かれている。

「その後、快方に向かわれていることと思います。いつもあなたのことを考え、あなたの近くにいたいので、あなたの痛みを思いながら仕事をしています。今日の手紙を読めば、きっとあなたも喜んでくださると思います。あなたは宣教者会に入会されることを望んでいらっしゃいますが、精神的に入会するというのはどうでしょうか。
 仕事を分担するのです。私たちの仕事はスラムで働くこと、あなたの仕事は苦しみを受けることと祈りです。私たちの仕事にはあなたのように肉体的苦しみを負い、そこでなお祈って支援してくださる方が必要なのです。私の精神的な姉妹となって、宣教者会の一員となってください」

◆愛を注ぐ聖杯をもつこと

「喜んでお受けします」というジャクリーヌさんの返事にマザー・テレサは喜び、返事を書いた。ここで初めてジャクリーヌさんを「第二の自分」と呼んだのだ。自分に代わって痛みに耐えてくれ、祈ってくれるかけがえのない人と。

「あなたが神の愛の宣教者会の“苦しみを受けること”の一員になってくれるというので、とてもうれしく思います。会の目的は、スラムに住む人々を救済し、清めることで、十字架に架けられたキリストの愛の渇きを癒すことにあります。あなたのようにひどい苦しみを受けている人ほど、この仕事にふさわしい人はいないでしょう。
 キリストの渇きを癒すためには、私たちは愛を注ぐ聖杯(カリス)をもたなければいけません。あなたと同じように苦しむ人々のために、カリスをつくってほしいと願います。その仕事は実際に痛みを感じながらベッドにいるあなたの方が、走り回っている私より適任でしょう。
 シスターはこれから誰でも“第二の自分”をもつことになります。外で活動する代わりに、祈り、痛みを感じ、考え、手紙を書く“第二の自分”をもつのです。あなたは私の“第二の自分”になってくれました。神に感謝します。ゴッド・ブレス・ユー」

ジャクリーヌさん自身、私の命をながらえてくださいと祈らざるを得ない病弱な人だったが、決して自分のことは祈らなかった。その代わりいつもマザー・テレサのことを祈った。

「私は病弱でマザー・テレサのお手伝いは直接できませんが、あなたが彼女を通して人々の痛みを癒してくださるよう、祈りの支援を送ります」

だから、マザーはどんな活動にもジャクリーヌさんが祈りで支援してくれていることを感じ、お礼と励ましの手紙を欠かさなかった。あるときの手紙にマザーはこう書いて励ましている。

「苦しみが多くなればなるほど、十字架上のイエスにより深く似た者となります。あなたは祈るとき、私を十字架上のあの方により近く引き寄せてくださるようにと求めてください」

「(あなたという)“第二の自分”がひどい苦痛に耐えているおかげで、私は成長し、活動を続けることができます。あなたの手術の回数だけ、私たちのホームが増えていきます」

マザー・テレサが“第二の自分”をどれほど大切にしていたかは、1979年、ノーベル賞を受賞したとき、あの晴れ舞台にジャクリーヌさんを招待したことからもうかがえる。

ジャクリーヌさんはベッドから絶えず祈りをおくったのだが、同じように病気で苦しむ人々と祈りのネットワークを結ぶようになった。この「病者・苦しむ人たちの輪」は、1954年7月26日、「マザー・テレサ国際共労者会」の設立へと発展した。日本でも約3千人の人々が祈っている。

『マザー・テレサ――愛の軌跡』(日本教文社)の著者ナヴィン・チャウラ氏は同書で、アメリカのある患者からジャクリーヌさんに届いたこんな手紙を紹介している。

「私は現在30歳です。22歳のときに多発性脳脊髄硬化症にかかりました。それ以来何回も入退院を繰り返しています。お医者様はもうすぐ車イスが必要になり、ゆくゆくはベッドから起きられない体になるだろうとおっしゃっています。しかし、神こそが病気を治してくれる医者であることを、彼は知らないのです。
 ベッドに寝たきりでいる間、私は他の人たちを励ます手紙を書き、祈りを捧げます。そうやって数えきれない時間を過ごしてきました。そして8年が過ぎました。たとえこの世が私を受け入れてくれなくても、私は神の恩寵を十分にいただき、神のご意志を感じています。
 私は仕事ができないけれど、健康な体の人が仕事をするために、祈りを捧げます。そして私もその場に参加していたいと願っています。マザー・テレサのために祈ります」
 
このようにベッドにあって苦しむ人々がネットワークをつくって、マザー・テレサのために祈っているのだ。これがマザー・テレサのグループの強さだと思わざるを得ない。

アントワープにジャクリーヌさんを訪ねたチャウラ氏が、インタビューを終えて暇乞いすると、最後にこういったと伝えている。

「マザー・テレサにお願いしていることがあります。もし私が死んだら、サリーで体を包んで、神の愛の宣教者会に埋めてくださいと。この世で叶わなかったことを死が叶えてくれます。私のささやかな願いです。私の魂はインドにあるのです」

病気に耐え、祈りを送ってくれる「第二の自分」、常なる祈りと実践、これがあったからこそ、神の愛の宣教者会は栄えていったのだ。
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« イエスは結婚していた――ダン... | トップ | 死ぬのが怖い――河合隼雄 »
最新の画像もっと見る

07-宇宙・遺伝子・潜在意識」カテゴリの最新記事