九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

ケネディ、アナン、習近平の国連「理論」   文科系

2023年10月29日 06時57分32秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など
 このウクライナ戦争でも、国連は大きな役割を二つ果たした。一つは、マリウポリ・アゾフスターリ製鉄所落城時の人道回路の成功。この時、実質人間の盾だった一般人の解放だけでなく、「ネオナチ」司令官らの解放もあって、彼らは最近捕虜として囚われていたロシアからトルコ経由でウクライナに帰還した。今一つは、二国の穀物輸出。今は頓挫しているが、制裁が原因で代金支払いがないロシアが「欺された」といって離脱したから。さらには、国連という場でこそ当事者が話し合いの場を持てていることは意外に重要なことだ。


 さて、ここに多く訪れた右の方々と話していて、つくづく感じたのがこのこと。国連を語らない、国連が20世紀人類に初めて生まれた世界平和目的の組織だということさえ知らない。その上で国防を語るから、国防論も9条(改定)問題も、未来に向かうほど大穴開いた議論になる。これに反論してこちらが国連を語ると、相手の応えはこうだ。
「無力すぎて話題にもできない」
「常任理事国に拒否権があって、何も決まらないではないか!」
 例えばこのたび国連に出席したゼレンスキーも同じように「(ロシアの)拒否権」を嘲笑う演説をしたが、この拒否権の果たす大きな意味も、考えたことがないのだろう。何よりも、第二次大戦は日独が当時の国際連盟を飛び出す事態になって初めて起こったもの。「対話の決裂に到ってさえ、あくまでも同席の集団外交討論場を重視する」ことが大事なのだ。

 何よりも先ず、米ケネディ大統領の61年国連総会演説を思い出すべきだ。
『戦争にとって代わる唯一の方法は国連を発展させることです。……国連はこのあと発展し、われわれの時代の課題に応えることになるかもしれないし、あるいは、影響力も実力も尊敬も失い、風と共に消えるかもしれない。だが、もし国連を死なせることになったら──その活力を弱め、力をそぎ落とすことになったら──われわれ自身の未来から一切の希望を奪うに等しいのであります』


 次いで、イラク戦争勃発時のアナン事務総長の演説。ウクライナ戦争を今改めて考えるためにも、この演説内容は重要だ。2003年9月23日第58回国連総会開会日における、アナン事務総長の冒頭演説からの抜粋だ。
「私たちはいまや大きな岐路に立たされています。国連が創設された1945年にまさるとも劣らない、決定的な瞬間かも知れないのです」
「今日に至るまで、国際の平和と安全に対する幅広い脅威と戦い、自衛を超えた武力行使をすると決める際には、唯一国連だけが与えることの出来る正当性を得なければならないという理解でやってきました」
「いかに不完全であれ、過去58年間、世界の平和と安定のために頼りにされてきた大原則に根底から挑戦する、単独主義的で無法な武力行使の先例を作ってしまうものなのです」

 次いで、中国がいかに国連を重視しているかというその思想。15年9月28日の習近平国連演説から、その末尾を抜粋する。
『ここに、私は以下の点を宣言いたします。中国は期間10年、総額10億ドルの中国・国連平和発展基金を創設し、国連の取り組みを支援し、多国間協力事業を促進し、世界平和と発展のために新たな貢献を行う旨を決定しました。中国は新たな国連平和維持力待機メカニズムに加わり、そのために常設編成平和維持警備隊を設置し、8000人規模の平和維持待機部隊を組織することを決定しました。また、中国は今後5年間に、アフリカ連合に対し総額1億ドルの無償軍事援助を提供し、アフリカ常備軍と危機緊急対応部隊の設置を支援することを決定しました。
議長とご列席の皆様
国連が次なる10年を迎えるに当たって、私たちはいっそう緊密に団結し、手を携えて協力・ウインウインの新パートナーを作り、心を一つにして人類運命共同体を築こうではありませんか。「剣を溶かして鋤と為し」、二度と戦争を起こさないという理念を深く人々の心に植えつけ、発展と繁栄、公平と正義の理念が広く実行されるようにしていきましょう!
ご清聴ありがとうございました。』

 こう言うとここの右の人々は笑い出すのだが、僕は真面目に述べてきた。日本の戦国時代は、徳川幕府の(警察権の)日本統一で終わり、以降300年の平和が明治以降の日本発展の礎となったが、世界も同じ事。今米中が国連警察軍一本で結集できれば、地球から戦争はなくせるのだ。ケネディとアナン、習近平というここまで三者の国連構想もそういうものだったと確信している。


コメント (22)
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随筆紹介  胸の内   文科系

2023年10月28日 00時57分45秒 | 文芸作品
随筆紹介 胸の内  S.Yさんの作品です

 ずうっとどれくらいの時が経ったのかも忘れてピアノの音色を聴いていた。ぼんやりとショパンの曲だろうなと感じながら。大きな一枚ガラス窓の外は、パンジーやビオラなど早々と春の花の苗が植えられて風に揺れている。秋の日暮れが近づいていた。
 ここは地方の大きな病院で、だだっ広い受付ロビーの端にクリスタルのグランドピアノが置かれて自動でピアノ曲が奏でられている。私は長いことロビーの椅子に腰掛けたままでいた。
 年老いても元気だった母が、ひと月前にこの病院に搬送されていた。今日は私ひとりで見舞ったあとだった。

 ひと月前。義妹から母が脳梗塞で老人ホームから緊急搬送されたと連絡が来た。
じきに義姉からも連絡が入った。「脳がダメージを受けて、目が見えず、口もきけないし、半身不随で動けない。なんにもわからないし、肺炎も起こしている」会いに行っても無駄だと言わんばかりの義姉の口ぶりにショックを受けた。続いて兄からも電話があり、葬儀の相談と遺影の写真を探しておけという命令であった。だが、辛くてアルバムを開けられない。開いても涙で見えない。
 会いに行っても無駄だと言われたのを無視して、夫と直ぐに病院へ向かった。親族のみ短時間の面会許可が出ている。
 いくつもの点滴の管につながれ、母は目を閉じてベッドに横たわっていた。母の手を取り「私だよ。わかる? わかったら手を握って!」私は自分の名前を何度も言うと、母は強く、ものすごく強く握り返してきた。「えっ! わかるんだね!」夫も同じことをして話しかけ「おばあちゃんは完全にこっちの言うことはわかっているよ」私たちは母の頭は正常だと確信した。私の顔を見て言いたいことがいっぱいあるらしく半身を起こして一生懸命に話す。だが呂律が怪しいので、喚いているようにしか見えないのが哀しい。
 兄夫婦は母が入居していた有料老人ホームを直ちに解約した。同時に家具や衣類、本や日用品など全て実家へ運び込み、ホームで七年間暮らした母の部屋は瞬時に空になったそうだ。というのは、兄からの報告はなく、私が老人施設に電話で問い合わせてわかったことだが、母はこの先何処へいくことになるのだろうか。
 兄たちが「どこまで世話をかけるんだ! いい加減にくたばってくれ」そう母のことを口にしていたのは知っていたが、単なる腹立ちまぎれに言っていたのか、母に対してのふたりの本音がどこまでなのか……。
 しかし母は驚異的に回復してきた。目もしっかり見えるし、文章も読める。肺炎も克服した。頻繁に見舞ってくれる義妹の話では、点滴もすべて外されて流動食も摂れるようになってきたとか。車椅子で院内の言語と歩行のリハビリにも通い始めたという。
 九十九歳という年齢で、ここまでの回復をみせるのは珍しいと病院側にも驚かれていた。ただ、言葉が出ないのが何とももどかしい。あんなにお喋り好きだった母との会話ができないのは私も辛い。
「おばあちゃんがこんなに回復するとは、お義兄さんたちも意外だったでしょうね」弟の嫁の義妹が言う。心やさしい彼女はいつも母を気遣ってくれていた。
「そうだね。葬儀の準備にとりかかっていたぐらいだから、計算が狂ったというところかなあ」、私は兄夫婦の非情さに日頃から反感を抱いている。
 “こうなったら、母さん。兄たちがどう思おうと、行けるとこまで生き抜いてやって!”
 私は心の中で叫んでいた。

 入院してひと月が経過。今日はひとりで母に会いに来ていた。電車やバスを乗り継いで片道二時間近く、ひとりだと遠くて長く感じる。面会はたったの十五分。
これまでの面会は夫か娘、義妹と一緒であった。母は良く笑うようになった。笑い声は脳梗塞で倒れる前と変わらない。ひょっとして以前のように喋り始めるのではと期待してしまうほどに。
 病室に入ると母は目を覚ましていた。私の顔を動く方の左手で何度も撫でる。そして左手の指を動かして何かを訴えてくる。必死なのが伝わる。もどかしいので私は「母さんの言いたいことを書いてみて」とスケッチブックとペンを握らせて手を添えたが、書くことはできなかった。十五分の面会を大幅に過ぎ、四十分ほど母の傍にいた。
 この日は敬老の日のプレゼント用に用意してあったニットのベストを持参した。それをしっかりと母は胸に抱えて、「また来るね」と言う私にバイバイと手を振ってくれた。今日の母は今までとは違っていた。一度も笑わなかった。何を言いたかったのだろう? 私はロビーの椅子に座って考えていた。ピアノ曲のやさしい音色が次第に切なくなってくる。
 母は何を言いたかったのかと自問しながら、私はイヤな想像をしていた。話すことも歩くこともできず、食べるのも今までのようにはいかない。来る日も来る日も、天井を見て寝ているだけ。母は生きているのが辛いのでは? なぜ脳梗塞で倒れた時にそのまま死なせてくれなかったのかと思っているのでは?
 元気なときでさえ、夜眠るとき、もう十分生きたからこのまま朝が来ないで、お迎えが来てほしいと願っていた母。本心はわからないが、そんなことを想像してしまう。
 夕暮れが迫り、バスの乗車時間が来て私は椅子から立ち上がった。ロビーの大きな窓ガラスに私の顔が映った。母と似ていてドキッとした。
「母さん……、神様がくれた寿命だから、もう少しだけ生きてみようよ」そっと呟いてみた。


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孫崎享「日中経済外交論」のこと  文科系

2023年10月27日 08時36分29秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 昨日の孫崎享・日中経済外交論に対して、以下のようなコメントを付けた。ちなみに、G7がアメリカに従っているのは、クレディスイスをさえ潰してG7を震え上がらせてみせた、その「脅迫政策」のせいと推察してきた。十日に書いたように世界大問題になってきた「通貨危機」が日本や世界でこれだけ騒がれたり、話題に上ったりしないのも、そういう「報道管制」があるからだ。今日本の円がじりじりと下がっているのはどうして? 中国がそういうアメリカを怖がらないのは「管理通貨制度」とアメリカが責める元の世界政策の為だろう。今そんな危機の真っ只中にあるアルゼンチンでは、これが史上何度起こった? 安倍が一時目指した、元との相互防衛(スワップ)が実現しなかったのはどうしてだろう? と、そんな疑問を持ち、考え込んでいる。アメリカは「民間がやっているだけ」と逃げることができる通貨政策を脅しに使っている。そんな推察をしてみたものだ。

『 日本で最もノーベル経済学賞に近かった一人森嶋通夫がその晩年、世紀の移り目に述べていた東アジア構想、そういう日本の方向と同内容の論議であると読んだ。1990年代だったかの宮沢構想がもし成功していたら、その後の中国上昇以上に左うちわだっただろうという、それと同じ論議でもある。こういう少なくとも30年単位の巨視的経済・外交論なのだから、それに相応しいスパンの理論、論議が必要だろう。進藤榮一もそんな一人なのだと読んできた。
 ここに書いてあるアメリカ外交は、正にこの通りのもの。今のアルゼンチン危機だって、アメリカ金融永年の搾取の結末、尻拭いなのだ。だからこそ、中南米が左翼政権ばかりになっているわけだ。今のイスラエルの行動は、そのアメリカさえがもう持て余している始末。このイスラエルこそ、まさにアメリカ以上にアメリカ的な、アメリカの鬼子なのである。 』
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孫崎享、対中外交論  文科系

2023年10月26日 07時47分37秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 今朝7時過ぎ、孫崎享の「つぶやき」に、彼の日中間平和外交方針意見が掲載された。中日フォーラム日本代表団の名前で16日から一週間訪中し、各界と対話したその発言概要なのである。これをそのまま掲載する。

『 1:平和な環境であれば、東アジアは、世界で最も繁栄し、平和的な地域になりうる。
2:しかし残念ながらこの地域には緊張、減少でなく、増大。
3:日中、米中各々の指導者の努力で平和と繁栄の基礎が構築。1972年の日中共同声明、1978年の日中平和友好条約、これらを継承し、発展させていけば、日中関係は問題なく発展し、東アジアは世界で最も発展した平和な地域になれるはずである。
4:台湾問題が緊張の一大要因、1972年の日中共同声明「中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重するとある。
5:今日の日中関係は日中双方の国益に基づいて形成されていない。
 残念ながら日本外交は米国の戦略の一環。
アリソン教授はソ連の崩壊後の一極支配。
「世界の他の国々は主にアメリカの規則に従って行動することを強いられ、さもなければ壊滅的な制裁から完全な政権交代に至るまで、莫大な代償に直面することになった。」
 日本に関してはこの状況はますます激しくなり、それが、日中関係が緊張する主要要因である。
6:こうした動きは中国の台頭と不可分である。購買力平価ベースで米国21.1兆ドル、中国24.9兆ドル。科学論文の数上位10%の論文数連キングは1位中国。
7:「アメリカの最大の敵国はどこか」の問に対する米国民の回答
 中国50%、ロシア32%、北朝鮮7%、イラン2%。
 2023年はまだウクライナでロシアが戦争を行っている時にもかかわらず、中国の脅威の方が大きい。如何に今中国に対する敵愾心が強いかが判ろう。
8:この中に台湾問題。台湾問題で米中が戦った時にどうなるか。米国は負ける。(アリソン教授は2020年「台湾海峡有事を想定した、18のウォーゲームの全てでアメリカは破れていると発表。
その米国の意図するところは、日本、台湾をして中国を刺激し、中国が軍事力を使い、これでもって、世界を中国制裁の方にもっていくことであろう。
9:世界の流れを見ると、G7合計は40.9兆ドルで、非G7上位7か国は49.3兆ドル。
 先のG20首脳会議、宣言では、G7が主張するロシアの名指し批判が避けられた。
 今世界は大きい潮流の変化を見せている。
10:日中双方は今、どう対応すべきか
 対立の機運は長期的に継続するものではない。中国が米国の優位に立つのは歴史的に最早阻止できない。今はそれを阻止しようと米国が画策している時期である。そして阻止する手段として、東アジアでの武力紛争を望んでいる。 如何に挑発を避け、長期的繁栄と安定への道の阻害を避けるかが我々に求められる英知である。』
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随筆紹介  農畜産物が外国産ばかり   文科系

2023年10月25日 09時08分19秒 | 国内政治・経済・社会問題
 随筆紹介 農畜産物が外国産ばかり   K.Yさんの作品です

                            
 野菜作りをやり始め、農協やコーナンで買った野菜の種はすべて外国産と知って、驚いた。ブロッコリー(韓国)、カリフラワー(チリ)、ほうれん草(デンマーク)、黒田五寸人参(南アフリカ)、秋どり胡瓜(中国)、スナックえんどう(アメリカ)、宮重大根(アメリカ)、耐病総太り大根(オーストラリア)、貝塚黄玉葱(イタリア)、赤玉葱(南アフリカ)とある。

 なぜ外国産なのかを調べてみた。第一は品質であり、第二は価格だった。日本のような狭い畑では、隣から別の種類の花粉が入り込むが、海外の広大な畑だと、目的の種となる。さらに日本のような高温多湿では、野菜が病気にかかりやすい。乾燥した海外に、種苗会社は種を運び、育ててもらい、日本に戻すのである。日本で育てるなら温室となるが、価格が合わない。

 こんな海外一辺倒から、さらに驚愕は物価の優等生だった卵のこと。私はてっきり純粋な国産と誤解していた。日本人が食用にする卵を生む鶏、食肉用の鶏のほとんどが日本生まれである。だから自給率はものすごく高く見える。しかし、この鶏たちを生む親鳥や祖父母鳥は海外からヒヨコで九六%も輸入している。卵用はハンガリー、フランス、カナダ、アメリカから。肉用はイギリス、アメリカ、フランス、ニュージーランドから。
 昨年以降、鳥インフルエンザ、トウモロコシなどの原料価格の高騰で、卵の価格は急上昇した。さらに、将来海外の気候、戦争、病気、原油高騰によってヒヨコの輸入が中断すると、卵や鶏肉、関連する食品が壊滅的打撃を受ける。

 気づいてみたら、極端に食糧リスクの高い日本になっている。自立できない食糧虚弱体質日本である。
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掌編小説紹介  寄り添う   文科系

2023年10月24日 12時20分45秒 | 文芸作品
   寄り添う  S・Hさんの作品です

 ある日、私はM区役所の市民課の窓口で受け付けの仕事をしていた。それはもうじき正午になるという少し倦怠感の出る時刻であった。
「上を呼べ。お前では話にならん」
 窓口に来た市民のたわいもない質問からどんどん話が険悪になり、最終的にはこの役所の応対が気に食わないと窓口の向こう側から怒声がいきなり浴びせられた。
 当時私は新卒で働きだしてかれこれ三か月になったところで、そのお客に対して今まで職場で得た知識を総動員して丁寧に対応したつもりであった。私の案内が拙かったのか、あるいは私があまりにも若すぎて軽く見たのかとにかくお客はますますいきり立った。
 気のせいか、その怒声の中に微かな酒臭いいやな臭いを感じた。「上を呼べ」は窓口担当者の公務員には一番困ることであった。上というのは課長かまたは区役所の最高責任者、所長のことだからである。そんな偉い人が窓口に来るわけがない。このような場合、役人は上司を呼ばずにその場を手短かに収める話術を要求される。そもそもお客をそのように怒らせる時点で役人としての資質はゼロと判断される。短い役所勤めの間にそういうことを知っていた。
 このようにお客とのトラブルになった際には誰も助けに来てはくれない。この二人のトラブルは、職場の同僚にとっては吉本のお笑いを見る思いでじっと耳を澄ましている。お手並み拝見である。役所というところはそういう所である。
 私は背後に同僚や先輩の視線を感じながら額や脇の下に汗をいっぱいかいて、どうにか話を収めた。既に正午をとうに回っていた。
 その日の勤務明けの時間であった、私の隣の部署の課長がポンと私の肩をたたいた。
「どうだ、今から私の知っている店でいっぱいやらんかね?」
 でっぷりと太っていて目が澄んでいる。いつも親し気なほほえみを浮かべている、しかし私から見たら中年のおじさんである。隣の部署だし仕事の話もあまりしたこともなかったが、そのすがすがしい仕事ぶりに私は好感を持っていた。
 役所からしばらく歩いて、その課長の行きつけの飲み屋に入った。私はこの課長は本日の私の失態に付いて何か話してくれるのかと思った。小皿に入った酒のつまみを突っつきながら課長が何度もお猪口を私に傾けた。が、たわいのない世間話に終始した。内心私は怪訝に思った。
「一つ歌ってみるか」
 課長はマイクを持つと「北国の春」を歌い出した。酔いもあるのか気持ちよく歌い出した。その時突然私の両の頬に涙が伝わった。その日の緊張や、やせ我慢がその涙と共に消えてゆくのを感じた。
 あれからもう半世紀経つ。あの課長はその後どうなったか知らない。

 或る時、私は「グリーフの会」に参加した。伴侶や近親者を亡くした遺族同士が集まり、その悲しみや淋しさをしみじみと語る会である。
「どなたからでも、お好きなように話してください。ただし話したくない方はパスしてもかまいませんよ。お話される方の心に寄り添い、何故と質問などしなくてただただひたすらに黙って耳を傾けましょう」
 進行する者がそう言って一同が代わりばんこに語るのである。
 その時、ふとあの半世紀前の課長のマイクをにぎった爽やかな表情が私の心に浮かんだ。
 その人の心情に寄り添う。その司会者の言葉が五十年前のあの光景を引き出したのだ。
 人は本当に悲しい時、励ましの言葉はかえって空疎に聞こえる。ただただ黙ってじっとその人を見守る、じっと温かく見守る。それが本当の愛情ではないだろうか。
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孫崎享「つぶやき」の推奨  文科系

2023年10月23日 10時31分03秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 ここ一週、ブログ原稿が欠けたのは標記のものへのコメントに没頭していたから。当ブログ17日にもここに載せた彼の「日中外交論」を例にとっても、「政権党政治家らのスネの傷がアメリカにつつかれて動いているだけのような日本政治」やさらに酷い外務省などに対して、際だった説得力を感じている。この「つぶやき」には外部から膨大なコメントがつき、そこに連日のように僕も書き込むようになっていたのである。週累計アクセス1000~3000程度はあっても、いつもマスターベーションかなー?などと気になっている拙ブログだけよりも、社会に対してより貢献できるだろうという、そんな意図も湧いてきている。コメントへの反応も多くて、とても面白いし。

 9条バトル。ブログを読んでいる皆さんにも、是非「孫崎享 つぶやき」をお勧めしたい。このブログは、健康維持のこと、芸術のことなどなども時々載っていて、その点僕の内容によく似ている。政治も生活も語ろう、生活人が政治を語るのだからという自然体なのだ。

 他ブログを推奨したついでにもう一言。前に述べたマイクロソフトビーイングの「Web検索画面」のことだが、9月の拙稿は全部掲載、10月も今のところそうなっていると報告しておきたい。ただ、同じ原稿になぜか「載せたり、落としたり」が何度か繰り返されることがあったということも確認されているとは、お知らせしておきたい。

 この文章は後で追加した物
 今確認したところ、マイクロソフトビーイングWeb検索画面で、10月拙稿で落ちているものが三つありました。6日の「ウクライナ報道偏向が笑止」と、13日「統一教会解散請求と国会議員資格」、及び「日本プロ野球はスポーツに非ず(2)」です。ただこれも、確か前は載っていたはずで、間なくまた載るかもしれません。僕の原稿題名と執筆者をそのままをドラッグして「Web検索」にかけると分かるのです。 

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米失墜示した「ガザ・ハマス」  文科系 

2023年10月20日 05時31分45秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 ウクライナ戦争に次いで、ガザを中に置いたイスラエル・イラン間のとんでもない歴史的大事件! ハマスのあんな行動も、対するイスラエルの「無防備」も、そしてあのガザの大病院空爆なども、異常すぎる歴史的出来事である。これらにも関わって、19日の毎日新聞に一帯一路、BRICSの「発展」について特集した長い記事が載せられたが、長文中決定的に欠けた要素があるのが気になって仕方なかった。G7側が、己が嫌われている原因について決定的に認識不足に思える。絶対に嫌われるしかなかったというある原因にこれほど無自覚ならば、G7から世界が離れていくだけというような。新BRICSの11カ国とパキスタン、そしてトルコ、中南米、アフリカ諸国にも、アメリカ不審が既に沸騰し、G7はどんどん孤立していく。このことを肌で感じればこそ、イスラエルは焦りすぎるのかもしれない。以下のような新自由主義経済の旗手、金融・株主資本は、世界からもう見放されたというのなら良いのだが。


 直前の世界では、クレディスイスの破綻があって、このことが、ここの筆頭株主サウジ国家をイランとを仲直りさせた世界史的大事件の動因になった。これは、世界周知の事実である。
 少し遡って2008年、あのリーマンショックが、世界からどれだけの金を消散させたことか。日本やサウジの小金持ちなど世界中から、その財産を奪い取っていったのだ。この愛知県でも、僕の知る限りだけで三つの大学からそれぞれ何十億という金融資産を奪い取っていった。いわゆる、バブル弾けのたびにこんな事をやってきたのだし、これと同根のものをさらに遡れば、世界を震え上がらせた通貨危機という怪物こそ、また存在する。
 世界の金の雲霧消散とか通貨危機とかは、確かに米国家が起こすものではない。が、アメリカ金融が起こしたものはすべてアメリカ国家への不審に繋がっていく。過去の拙文になるが、以下を改めて今思い起こしている。

『90年前後に起こった社会主義国崩壊から以降、民間資金が各国に流入して、猛威をふるい始める。これまでの開発途上国などへの資金流入は社会主義国と張り合うように公的資金が主だったが、90年代はそれが急逆転していく。それにともなって各国に通貨危機が連続して発生する。94年メキシコ、97年東アジア、98年ロシア、99年ブラジル、01年にはトルコとアルゼンチンなどだ。いずれの国も、短期資金の突然の流出で資本収支の赤字から困窮しつくすという特徴を示した。ちなみに98年世界決済銀行(BIS)の43カ国調査にこんな数字がある。市場為替取引高は1日平均1・5兆ドルで年間500兆ドル。95~6年の年間世界貿易高5兆ドルの100倍、もの凄い数字だ。マネーゲームとか「カネがモノから離れ始めた」と指摘され始めた。
 1970年代初頭の金本位制、固定相場制崩壊以降、小さなバブルとその破裂は無数に起こっている。IMF(国際通貨基金)の08年調査によればこのように。
『1970年から2007年までの38年間に、208カ国で通貨危機が、124カ国で銀行危機が、63カ国で国家債務危機が発生しています。金融危機は、先進国、新興工業国、開発途上国を問わず、アジア、ヨーロッパ、南北アメリカ、アフリカを問わず起こっていたのです。これに対し、第二次大戦後1970年以前の時期には、国際金融危機や大規模な一国金融危機はほとんど発生していません』(12年刊岩波ブックレット 伊藤正直・東京大学大学院経済学研究科教授「金融危機は再びやってくる」から)』


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孫崎享「つぶやき」から、対中外交論  文科系

2023年10月17日 15時56分10秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 孫崎享は、僕の現在の日本外交・世界政治観を形成してくれた一人であるとは、ここに何度か書き、その書評数冊分もやって来た。その一例が、当ブログ「日本政経論、僕の4人 文科系 2022年12月28日」だ。僕は最近、その彼のブログ、討論サイト「つぶやき」のゲストになり、コメントを書いている。ネット記事を、僕の人生で初めて定期的に金を払って読み始めたわけだ。
 彼は、元中東諸国の大使などとしてアメリカ中東外交を体験して、外務省国際情報局長、防衛大学教授なども経た反骨外務官僚。そんな人物がこの15日に掲載した訪中代表団長として予定している講演「中国との対話」について、全8章の目次とその結論部分末尾文章とを紹介したい。
①世界の潮流の中における日中関係
②中国の台頭と、米国の政策
③米国には軍事的に直接対峙するという選択肢はない
④米国は反中同盟を画策、その中心が台湾
⑤台湾問題は米中、日中が過去の合意を順守すれば危機は生じない
⑥台湾国民の意思
⑦対米従属から脱する時期
⑧日中双方は今、どう対応すべきか

 以下は上記の⑧全文である。28日だったかに予定された講演の要約なのだろう。
『 日中双方にとって、日中共同宣言、「日中平和友好条約」を基礎に発展させることが、日中両国、東アジア全体にプラスである。
だが今の日本はそうではない。米国の指示のもと、対立を作る方向に動いている。
今日の日本の政治状況、及び国民感情からしてこの流れを変えられない。
では我々はどうすべきなのか。
対立の機運は長期的に継続するものではない。中国が米国の優位に立つのは歴史的に最早阻止できる現象ではない。今はそれを阻止しようと米国が画策している時期である。そして阻止する手段として、東アジアでの武力紛争を望んでいる。
如何に挑発を避け、長期的繁栄と安定への道の阻害を避けるかが我々に求められる英知である。日本においては、特に中国の脅威を煽る活動が展開されるものとみられる。
だからこそ、日中双方の識者が共同して①中国の発展には世界の平和が不可欠であり、その点を中国の指導者は十分に理解している、②日本が、日中共同宣言と日中平和友好条約を、そして米国が米中共同宣言を守れば台湾問題は生じない、③東アジアを不安定にしたいとする勢力が存在し、これに対抗する力を形成すべきである等について日本国内で適切な説明を行っていくことが求められている。 』

 本日の最後に、世界外交でよく使われる言葉について一言。「自由と民主主義」、「権威主義」、「専制主義」などは、敢えて言うが、主義という言葉が示すように倫理的用語、理念である。そして、ウクライナ戦争とかイラク戦争とかはそういう歴史的行動、事実である。この理念と事実との関係を人を裁く裁判を比喩として語ってみよう。
 裁判で他人を裁くのは、まず理念についてでは無い。人の心自身は裁けないのだから、行為を確定してから、そこから動機、犯意などを裁いていく。ところが日米外交論議などではこんなおかしな事が堂々と行われて来たのである。専制主義とか権威主義とか、他国を理念で裁いて、自分らを理念で褒める。「自由と民主主義」とかがそんな「褒め言葉」なのだ。他人を理念で裁くなら自分も理念で裁くべきだろうし、自分を理念で褒めるのなら、他人にもそうすべきではないか。漠然とした理念で裁き褒めるのは容易で、行動については実証が難しくなるのだから。外交も人間裁判と同じように「推定無罪、厳密にその行為で以て裁く」が正しいのだろう。
 ここら辺りの議論は、日本人のとても弱いところだとずっと観察できた。ちなみに実証主義系統の哲学の元、英国経験論が生まれたのは近代国家以降であって、日本に輸入されたのは明治以降だったと覚えている。
 アメリカで生まれ、栄えたプラグマティズムは実証には強いが、理念には弱いはずだ。
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日本プロ野球はスポーツではない(2)  文科系 

2023年10月15日 10時13分13秒 | スポーツ
 10月4日に載せた表記題名の拙稿の第2弾、最新版としてお読み願いたい。なんせスポーツ好きだから、その精神にそぐわない運営がされていると、「インチキ?」とか、腹が立って仕方ないのだ。
 
 第1弾では、こう書かせていただいた。近年珍しいほど瞬く間に成果を上げていた真っ最中の落合博満監督をどうして中日は解任したのか。そして、その後どのチームでも落合監督就任がなかったことも、どうしてだったのか。ごく短期に日本一とかリーグ優勝、Aクラスは1度も逃さずという実績をあげて、本人も「要請があればやっても良い」と言っていたはずだ、と。そして、補足説明としてこんな事を付け加えさせていただいた。集団球技では監督がチーム強弱の最大要素の一つと既に証明されているから、西欧サッカーでは「チームを強くする監督は大金出して引っ張りだこである」と。

 さて、ここからは日本プロ野球の当面、現実の問題である。
 以上の観点、論点から見ると、オリックス三連覇の中嶋聡の今後去就には大変興味が湧いて来る。この三連覇の下で給料を上げて来た選手たちに、オリックスはちゃんと払えるのだろうか? そして、彼の身に落合のようなことが起こらないものだろうか?と。
 この中嶋の名監督ぶりについて思うに、日本も含めた世界サッカーが舞台なら、必ずこんな事が起こる場面である。どこか金のあるチームが、中嶋を引き抜く。これが、日本野球チームどこかが強くなる最大方法の一つだとさえ僕は思うのだが、どこもこんな事はしないと容易に予想できるのである。やったら面白いのに! すくなくとも、新庄や立浪などとは比較にならないという意味では、日本プロ野球は随分安易に監督を選んでいると言える。欧州サッカーでは、自チーム過去の名選手が監督をやるなどという習慣はごくごく少ないはずだ。集団球技の監督は選手とは違って特別な能力であって、名選手必ずしも名監督ではないとはっきりしているからだ。

 元々1リーグ6チームなどと少なければ営業も難しく、スポーツとしての改革などめったにできはしないだろう。18チームのJリーグなどよりも選手育成能力によって勝ち続けるのはずっと容易なはずで、そうなれば給料なども上がって、すぐにチームの金がそこをつく。その要が現下日本プロ野球の場合は監督だと言いたいのである。

 どこかが中嶋を引き抜かないかナー! が、これは夢に終わること確実。なんせわずか6チームの「共存共栄」理念優先で来たのだから、その「仁義」に外れることは絶対にできないのであろう。スポーツとしての共存共栄を図るなら、まず、最低、1リーグ12チーム制にしたらいい。現にいつのまにか「実力のパ」と言われているじゃないか。じゃあ「セの人気」って何? 巨人人気?
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「ハマス」暴動は「ウ戦争目的」への煙幕  文科系

2023年10月14日 04時01分54秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 孫崎享の「つぶやき」へのあるコメントで知ったのだが、標記のような説があるようだ。イスラエルの元軍人高官のこんな文章を紹介しつつ、この説を提起した人がおられた。
「ガザからかつてないあれだけ大きな侵攻をやって、イスラエルが『寝耳に水で、軍も戦車も出さず』などということは、私の知る限りありえない」
 ナルホドと思うと同時に、そのありえないことが起こった訳を「ウクライナ戦争はほぼ目的を達したから、ウ戦争に集まった世界の目に煙幕を張る必要が生じてきた」というのである。最初に述べておけば、この説が正しいか否かは、今後のウクライナ戦況とその報道との時の経過がすぐに教えてくれるはずだ。

 としたら、ウクライナ「戦争」の米英狙いはこうなる。コロナでも進んだ米保護主義のさらなる促進、ノルトストリーム破壊によるロシア石油締め出しと世界エネルギーの高騰、旧式米英兵器の売却、これらを通じた米英経済・国家財政などの「延命」などなどである。
 ウクライナへの米兵器輸出は、去年末以来どんどん少なくなっているという事実があるが、その事を世界は知らない。そしてこの度、少なくなった兵器売却予算すら議会が認めなかった。つまり、ウクライナ戦争をウヤムヤにして、その真の目的を隠す煙幕が必要な時期が来たのである。
 全国の徴兵官全員や6人の防衛副大臣全員が汚職で解任などというウクライナが、これ以上戦争を上手く続けられる保障など皆無と観て当然である。「反転攻勢」半年近くたっても東部のコンクリート要塞都市バフムートは相変わらず奪い返せないのだし、その半年掛けて張られた三重の敵塹壕への突破口もほとんど広がっていないのである。

 


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統一教会解散命令と国会議員資格  文科系

2023年10月13日 00時00分52秒 | 国内政治・経済・社会問題
 盛山文科相が昨12日会見を行い、旧統一教会への解散命令の請求を決定したと発表した。「宗教法人 世界平和統一家庭連合に対し、解散命令請求を行うことについて、相当であるとの全会一致のご意見でありました」
 この団体の「悪質性」が、「組織性」、「継続性」をもって展開されてきたということから、裁判所に宗教団体としての解散命令を出してと、請求されるわけだ。

 さて、こうなると次に問われるのが、これ。こういう団体の改名を2015年にどうして文科省が認めてやったのか。統一教会という既に知れ渡ったその「悪名」をなぜわざわざ改名してやり、その悪質行動をさらにのさばらせてやったのか。この改名があったからこそ、自民党国会議員との相互援助関係が以下のように大きく広がっていったのではなかったか。
 180名もの自民党国会議員がこの団体と相互援助関係を持ってきた。議員が団体の広告塔を務め、教会員がその選挙を熱烈支援するという互恵関係である。広告塔の一例をあげれば、萩生田光一元文科相、現政調会長などは、会合への出席挨拶どころか、そこでの講演を行ったうえに、会費まで納め、その対価のように「選挙におけるボランティア支援」を受けて来たという。萩生田氏がその選挙区八王子において、統一教会の社会的信用を高め、その被害を増やして来たと言えるはずだ。
 税金で雇われて国民の幸せを作れとされた公務員、「全体の奉仕者」であるべきなのに国民生活破壊の片棒を担いでいたというこんな人物が、自民党の政調会長?! 一体どんな政策判断が成されるのやらとばかりに、自民党不信になって当たり前だ。

 そして本日13日、こんな会見があると、以下は朝日デジタルの記事だ。
『 細田議長が13日に会見 旧統一教会問題の説明や会見のあり方焦点 10/12(木) 21:15配信
 細田博之衆院議長(79)は13日午後2時から、議長公邸で記者会見を開く。体調の問題で議長を辞任する意向を表明するとみられる。濃密な関係が指摘される世界平和統一家庭連合(旧統一教会)とのつながりや・・・数々の問題をめぐり、記者会見の求めに応じてこなかった細田氏が、「言論の府」のトップにふさわしい説明責任を果たせるかが焦点だ。』
 国会は国権の最高機関。その議長とは、「言論の府のトップ」どころか「国『権』の象徴」である。国「権」の象徴人物が、統一教会を懸命に推していたら、その罪は最高に重い! 


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ストーマ老サイクリストの手記(471)厄介なことになった・・・  文科系

2023年10月12日 08時57分48秒 | Weblog
 11日、心房細動に対するカテーテルアブレーション手術予定日に臨む診察日に行ってきたが、厄介な宣告が下った。

・手術はできない。この手術には血栓を防止するワーファリン系の薬が不可欠だが、人工膀胱(ストーマ。去年9月に膀胱癌第2~3期?で全摘後、2期と判明)への出血が今もあって、この薬で大量になる恐れがあるから。
・ついては、心拍を調整する薬がよく効いているようで、このやり方だけで行きましょう。血圧は正常、糖尿病もなし、心拍も強いなど血栓が出来にくい体質だし、この系統のより強い薬もあるので。

 さて、これが名古屋市立大学循環器内科の診断なのだが、このままでいくのかどうか。次の泌尿器科診察日で相談することになるが、なにか爆弾を抱えて生活していくような心境になって、帰ってきた。

 家の階段往復とかの、従来やって来た運動はするつもりだし、サイクリングなんかも改めてやっていくことにしている。ただし、水分不足対策など、いろんな注意が必要になるだろう。血栓ができれば、心筋梗塞とか脳梗塞などで突然死もあり得る。ただ、血栓が出来る要素は少ない身体だとは言われている。体重に過不足なく、血圧は正常で、糖尿病などもなし。心拍はしっかりしていて、心拍正常化の薬はよく効いているなどなどだ。
 まー、自分個人だけとれば、ここにもいろいろ書いてきたように死ぬ覚悟はできていて、それが突然死ならば儲けものと思っている。


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藤井聡太8冠!  文科系  

2023年10月11日 21時04分47秒 | 時事問題
 共同通信がいち早く伝えた表記の記事内容をお知らせしておく。例によって、好挑戦者で、藤井と練習相手をずっと務め合ってきた永瀬拓矢の序盤リードを終盤に大逆転という勝負であったらしい。
 めったに観られない歴史的瞬間に出くわしたということだ。僕の同人誌仲間に、僕と同年齢の女性が一人、藤井さんと同じ瀬戸市の住人がいるが、今ごろ大喜びで祝杯を挙げていることだろう。
 こうなると次は、藤井聡太8冠の冠のどれかを誰が最初に奪うか、日本中の大きな話題になっていく。

『 藤井、将棋初の全八冠制覇 王座奪取、プロ入り7年で頂点に
2023/10/11 21:01 (共同通信)
 将棋の藤井聡太七冠(21)=竜王・名人・王位・叡王・棋王・王将・棋聖=は11日、京都市で指された第71期王座戦5番勝負第4局で永瀬拓矢王座(31)を破り、3勝1敗で王座を奪取し、史上初めて全八冠独占を果たした。2017年に過去最も多い八大タイトル戦に移行してから、初の全冠制覇となった。
 14歳の中学生でプロとなった若き王者が、わずか7年で棋界の頂点に駆け上がった。
 タイトルが複数になってから全てを独占したのは4人目となり、羽生善治九段(53)は1996年、七冠の時代に達成。故大山康晴15世名人は五、四、三冠、故升田幸三実力制第4代名人は三冠の時に成し遂げた。
 藤井八冠は同時に持つタイトル数で、羽生九段が樹立した七冠を上回ることになる。羽生九段は全七冠独占から5カ月半後に棋聖を失い、その後全冠復帰はできなかった。今後は藤井八冠がタイトル独占をどこまで維持できるかが焦点だ。年内の防衛戦は竜王戦が最後となり、年明けには王将戦が始まる。』
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ストーマ老サイクリストの手記(470)その後のトレーニング  文科系

2023年10月09日 12時10分49秒 | スポーツ
 9月10日に前回を書いてから、いろんなことがあった。先ず、心房細動勃発から心拍安定剤を処方され、心臓カテーテルアブレーションが11月上旬に予定されたこと。この手術も今では随分一般的になって、医者も気軽に進めてくれるようだった。この手術だが、13年前の2010年に僕は2度やっていて、それ以降心房細動は起こらず、ランナーを続けることができたものなのだ。その時の医者いわく。
「ランナーには、心房細動が多い。手術でけろっとしてまた走っている人も多いが、手術は症状が出たらなるべく早くする事によって完治率が高くなる。」

 8月に起こった足裏に水がたまる症状は、脚のトレーニングによってほとんど気にならなくなるまでになっている。このトレーニングは、家の18階段を50回以上往復することが中心で、週に2~3回。他に、土曜日には孫の学校のソフトボール練習に付き合ったり、この孫と1~2キロ散歩したりというところ。階段往復の前後には、爪先立ちや上半身の運動、スクワット30回やストレッチなども入れて、30分以上は心臓を動かすように心がけてきた。この30分という時間は、循環機能を健全に保つという狙いである。

 8月に足裏の水、9月になって心房細動突発と、5月末をもってランニングを止めてから順次いろんな故障が現れたわけだが、上記のようなトレーニングでなんとか安定した身体を保っているわけだ。「心房細動があるのに、そんな運動やって良いの? 血栓の薬も止めているようだし」との疑問も連れあいから出ているが、「薬で心拍が安定しているし、こういう運動をしているから心拍が強いので、血栓は大丈夫だと医者も判断してきたようだ」と応えている。ワーファリンとかの血液溶融剤は、ストーマにはっきりと血が混じるので循環器内科医師から止められたのである。

 カテーテルアブレーションとそのリハビリが終わるまでは、サイクリングなどは慎むことになる。


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