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随筆 「世界を狭くした話」(最終版です)  文科系

2011年11月30日 | 小説・随筆・詩歌など
 以下は、前に掲載した習作を、同人誌月刊冊子に向けて改作した、最終版です。ご笑覧あれ。なお、これを息子に見せたら一読こんな感想が返ってきました。「意味が分からん!」。そんなものかなーと驚いたものです。



 世界を狭くした話  

 やってしまった。十数回続いた同級生飲み会の席に捨て台詞のようなものを残し、お金を机の上に叩き付けるようにして帰ってきてしまった。交通機関を使う気分にもなれず三キロほどを歩いて帰る道すがら、怒りのやり場に困っている自分しか見えなかった。

 中学と、それに連結した高校の同級生八名ほどで、一昨年からやってきた飲み会がある。常時参加者は約七名ほど。女性が一人で、呼びかけ人は僕ともう一人の昔の親友だ。そこに僕は、去年の秋頃だったか、個室でやった機会にギターを持ち込んだことがあった。許しを得た一曲目も後半からもう聴いていず、てんでに声高なお喋りが始まった。このときは、興味がないのだなと了解できて、すぐ止めにした。次に先日、ある随筆を読んでみた。「僕にとって大事なモノで、今後のここの話の種にもして欲しいから」と前置きをつけて。ものは「死にちなんで」。一度きりの人生への僕のまー長年かけた覚悟を描いた書のようなもんだ。読み始めて三分の二ほどは聴いていたが、その後がいけない。そこで冒頭に述べたような態度に出てしまったのだ。さて、それからは迷った。親しい連中とのこの場所に出ないことになるならば、みんな親しい百五十人ほどで構成する同期会自身にも出辛いことになるし、普通に考えれば僕の態度が礼を失することも明らかなのだし。
 ここに加えるに、僕とともに呼びかけ人をやってきたKくんから、五日たって手紙が来た。この会の成り立ちを振り返り、「ジェントルマンであるのが、最低のルールです」と諫めた上で、次回○日には「皆さんの元気なお顔を期待しています」とあった。さらにまた悩むことになったが、K君の手紙十日後に、僕はこう返信した。

 『こういう手紙、ご案内をいただいたことに、まず心を込めて感謝したいと思います。「昔の友達」なればこそと、ね。あーいう非常識な去り方をした以上そちらからはほかっておかれても普通だと、今なら僕も思いますから。(中略)
 今後はそこには出ません。そして、同窓会も出ないと決めました。理由をどう分かっていただけるかと考え抜きましたが、まーこんな風に説明するのが分かりやすく、ありのままの心を素直に受け取ってもらえるだろうと、考え至った所を述べさせていただきます。
 僕は一種のオタクなのです。今の毎日の生活が、こうですから。
 大学時代の友人二人と六年ほどやってきたブログは、そこに書く為の勉強も含めて一日に使う時間が四時間ではきかないでしょう。おかげでこのブログ、週延べアクセス数二千人、閲覧数一万五千回ほどにまで育ちました。現役時代から準備していて定年後教師についたギターを日に二~三時間弾いています。(中略)この二つだけで人の一労働日近い時間を費やしているでしょう。他に、同人誌の活動があり、月に一冊の小冊子を編集・印刷し、年一冊の同人誌本を編集しています。
 そして何よりも、それらすべての背後に、この前読みかけた随筆の「生き方」が横たわっています。つまりこの「生き方」がオタクということです。上に時間数やいろんな数字などを細々書いたのは自慢のためではなく、その度合を示したかったということ。一人のあるオタクがいたとして、昔慣れ親しんだ仲間と何回も飲む場があったとしたら、彼のオタク性が出てくるのは彼にとっては望みであり、自然なことであろう、と。(中略)
 〇五年にオーストラリアに三か月ホームステーした時、毎日の練習のためにギターを持って行って、ホームパーティーなどでよくやりましたし、ギター付きのパーティー、ホームコンサートみたいなものは我が家でも他でもよくやります。普通の生活の中に文化、趣味を持ち込みたい人間なんです。ホームパーティーでの僕は、随筆も読みますし。「あの時」も、その延長のような積もりだったんです。これが、まさに僕のオタク性。(中略)
 まー僕もすごく短気になりました。人生が短くなるごとに、生き急いで、見ている世界が狭くなっているのでしょう』

 さて、僕の中でことが一段落したある夜、この始終をそのままに連れ合いに持ちかけてみた。考え込む風もなくすぐに、こんな答えが返ってきたものだ。
「あなたのアイデンティティー絡みなのだから、譲りたくなければそれでよし。というかあなたにはむしろ、外って置く方を勧める。ただ、もし向こうが改めて出ろよと言ってきたらどうするの?」
 僕は一瞬、彼女の目を見直した。こういうときの連れ合いの迷いのなさには時に驚くことがある。がすぐに、僕への忠告含みとも受け取ることができた。一種自分を譲りすぎて誤解とか損とかを招いてきた僕を知り抜いているからだ。そこで僕は、こう答えた。
「だったら出席して、あの随筆を読み直すよ」。
 こんな人間がいると主張し尽くすのも良いことかもしれない。特に、日本の男たちには。
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世界はもはや、平時ではない  文科系

2011年11月29日 | 国際政治・時事問題(国連・紛争など)
 拙稿「ユーロ問題はどこまで行くのか?」にこの間書いた4つのコメントをまとめてみました。省略や補足修正を加えながら。文中で、西アジアや北アフリカの情勢の見方を除いては、過去の分析はほぼ仮説とは言えない状況だと考えています。一部経済記者が語っているように、ぞっとするような情勢が見えてきます。


【 正に深謝  文科系 2011-11-26 19:04:43
 らくせきさん、正に深謝。今の世界・日本の政治論議は、朝鮮日報のこの論議(25日拙稿「ユーロ問題はどこまで行くのか?」への、26日らくせきコメント)が指摘するように世界の金融が分からないと国内政治についても誤りもしくは空想を語ることになるだろうと、ある時から僕は気づきました。それで分かったことを最近よく書いてきたわけです。結論的に大胆に評してみれば、こういうことかな?

 野放しの極限的な弱肉強食と、おそらく、際限ない救貧対策と餓死の世界の深化だ。それもすべて合法に、もの凄いスピードで、それも世界法が追いついていないから野放しに。そしてまた、今世界の最強者は戦争も必要なし。戦争不要の世界金融皇帝が誰にも知られず、密かに、自然に、かつ猛スピードで、できあがって行きつつある。まず、ヨーロッパがユーロのままであれば、ドイツも含めて国債や株がずたずたにやられる。そして次は、もっと膨らんだ金で、レバレッジを効かせた大ばくち。日本の郵貯と銀行がアメリカのファンドと生死を決することになるだろう。(23日拙稿「空売りの説明」参照)
 これらの結果として一番困るのが、これ。実体経済は金転がしの手段でしかなくなってきたとは以前から語られてきたことだが、この「仕手戦」に死に物狂いの人々の、実体経済大不況や失業者など今は気にしていられるかという、そのやり口。

 空売りと、レバレッジに規制が掛けられない以上は、必ずそうなると思います。韓国の大統領が悪いのではなく、この流れは誰にもどうにも止められそうにないと、僕はきわめて悲観的です。
 こういう状況を離れたなんかの政治論議なんて、どういうか夢の世界を語っているようにすら見えてきたものです。民主主義とか人権とかは原理的には、もうとっくに吹っ飛んでいますよ。

 チュニジア、エジプト、リビア、イエメン、シリアの政変も、こういう最近の動きの目に見えた犠牲者だという側面があると観てきました。多分、フランス、イタリアなどの悪あがき、それへの反発に端を発しているのではないでしょうか。チュニジアは今でもフランス語が公用語だし、アフリカ最大の石油埋蔵量かと言われ始めたリビアは現代史の初めは伊仏英と結びついてきましたし、何十年も続いた独裁恐怖政権が次々と今年倒れたなんて、そのようにしか説明がつきません。これらの国は多分、都市生活者が食えなくなっていたのだと思います。

ユーロ、中国、日本 (文科系) 2011-11-26 19:59:36
 フランスが中心になって、ユーロ共通債券(ユーロ国債?)を作って「解決」しようとしていますが、これはドイツが承知するはずがない。フランスもスペイン、イタリア破産がらみでもう死にかけているのでしょう。ドイツは、よほどの異例のような助け船がない限り、泥舟を捨てざるを得ないと思います。
 以上すべての急速な動きを、実体経済がだめになったアメリカはそのファンドを止める必要を感じていないから、国連も動きません。外って置けば自然にこうなっていくものだから、本当に始末が悪く、悲劇的です。リーマンショックからアメリカが学び直したやり口だと思います。

 ただし、アメリカが日本の国債に本格的に着手し始めたら、こんな防御手段があります。保有し続けてきたアメリカ国債を売っていけばよい。ドルが暴落して米ファンドに日本国債を買うお金もなくなるはずだ。すべて大赤字の国、公私ともに借金国家だから。
 ただ、そうなったら戦争状態も覚悟? そんな決断が日本政府に出来るかな? 

ファンドと国家、日本と中国  (文科系) 2011-11-27 10:24:01
 日本がやることは、この二つの使い分けだと思います。
「(日本の)ファンド、大銀行がしていることは止められません」
「日本も超大幅累積赤字で(ユーロに)大きな支援はできません」
 こうなると、中国と違って超累積赤字がある日本は得なんですよね。
 かと言ってアメリカなどと違って日本は、超大量の国債があってもそれを自国で買っているから、この点不安もはい。10年間、各年10兆円の予算削減か増税かでアメリカ議会ががたついているのは、日本と違って預貯金がないどころか、公私、家計どこも赤字だからから。

 中国は日本より不利ですよ。ヨーロッパ情勢などから、世界の現物経済破壊が影響して、それがバブル破裂の引き金にもなり得る。そしたら本気で「米国債売り」だ。今のきな臭い太平洋西域はそういうことだと、僕は観ています。

 もはや平時ではない  (文科系)  2011-11-27 10:41:38
 らくせきさん
 ユーロは観てきたとおり。
 アメリカは、23日に書いた『米国内で「ギリギリの対立」』。
 中国は、ヨーロッパ情勢や日本の全面株安に真っ青。
 チュニジア、エジプト、リビア、イエメン、シリアなどの政変。
 これらは全部連なっていると観ています。そして、今はもはや平時ではない、とも。昔ならとっくに戦争ですよ。
 金融帝国主義が来るところまで来て、世界の諸国家を飲み込む大詰とも言えるのだと思います。17日の拙稿で観た中日春秋のこの表現が正に一事が万事、慧眼です。
『民主主義の政治制度で選ばれた宰相が、相次いで、いわば「市場」にクビを切られたことには、割り切れぬものがある。(中略)「市場」が政治をしのぐ力を持つなら、それは民主主義より”金”主主義とでも呼ぶべきである』

 平時でないのに平時のような政治論議をやっていたら、無邪気すぎて、滑稽なことも起こると思います。大変なことだ。まだまだ途方もないことが起こりますよ。


 さて、この結末は誰にも分からない。オバマなり誰か個人とか、日米などのある一集団が企てたような動きではないのだし、ファンドとか世界大銀行の人々は、この「仕手戦」以外の他の一切を勘案する余裕などなく、競走馬のように視野の狭い目前しか観ることが出来ないままにただ走っていくだけだ。昨夕刊を見ていたらこんな「本質に切り込む」記事もあったが、さて、どこまでが本気か、単なる口先か。『伊に62兆円支援検討 主要紙報道 IMF、金利5%見通し』。欧州中央銀行にも協力を仰いで、イタリア新政権が再建策を実行するまで12~18ヶ月の支援をIMFが想定しているというものである。

 以上の見方の証拠はこれだけで十分。15日の中日新聞6面経済欄の記事から取りました。
『りそなホールディングスの細谷英二会長は「銀行経営からすれば、国債に代わる商品はなかなかない」と苦しい胸の内を明かした』
『各グループ(日本五大銀行のこと)が保有するギリシャやイタリアなど欧州債務国五カ国向けの国債や貸し出しなどの投資残高(九月末時点)は約二兆円』
 「国債に代わる商品はない?」。そして、「欧州債務国五カ国向けの国債や貸し出しなどの投資残高(九月末時点)は約2兆円?」。2兆円あれば40兆円の空売り大バクチが出来るんです。株とか預貯金の利ざやだけで食っていくなんて、もうどの大銀行も出来なくなってしまったということでしょう。それに、そんな旧来手法だけでは、他の世界的大手にすぐに飲み込まれてしまう。現物経済、消費が、世界に無数の失業者が生まれて傷ついた分それだけ、大銀行、ファンドの大きさに比べて小さすぎるようになってしまったということでしょう。現実経済のどこに投資して生産、サービスを行っても、消費が小さすぎて到底追いつかないということでしょう。マルクスやケインズがずーっと叫び続けてきた問題の原理、本質的窮状を示しているのだと思います。
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大阪の橋下さんの戦術は      らくせき

2011年11月28日 | Weblog
公務員という敵を作って、攻撃、返す刀で夢を売るもの。
大風呂敷の大阪都構想など、入れものをつくるだけ。
まだ河村さんの減税構想のほうが実体がある。

そんなことで活力ある大阪が戻っては来ない。
多分、かなりの人たちは知っているけれども・・・
対案が出てこない。
選択肢が、現状と改革だったら、改革を選ぶところまで
大阪の人たちは閉塞感にとらわれているのでしょう。

共産党をはじめ、既成政党が一致して反橋下さんに回ったのが象徴的です。

アメリカの不況からの脱出が戦争の勃発で初めて可能になった、
と、いう歴史が繰り返されないためには、どんな夢が語れるのか?

中産階層の没落。この不満が橋下さんを押し上げています。
しかしグローバル化した経済情勢のなか、没落過程は続くでしょう。
と、言うことは、橋下さん、いずれ夢を見続けさせることが、
出来なくなります。

その時、どう変身していくのか?
そこが時代の分かれ目、注目点でしょうか?

とても難しい時代になったという感じです。





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随筆紹介 「気疲れして」   文科系

2011年11月28日 | 小説・随筆・詩歌など
 今日の随筆紹介は、Y・Sさん。調べたわけではないが、おそらくここに最もよく紹介してきた方だ。こういう日本の家父長制残存習慣が僕は嫌いで嫌いで。今の家父長って「良いとこ取り」になっていると思う。権利だけ取って義務を果たしているようには到底見えないのである。一族の面倒は全くみない輩が、多いのではないだろうか。
  

【   気疲れして  Y・S

 里の母が倒れた。それは生家の同じ敷地内に住む兄の息子、甥からの電話で知らされた。私に会いたがっているという。兄夫婦に隠れるようにして甥に私への伝言を頼んだようだ。
 すぐにでも母のもとへ行きたかった。でも躊躇してしまう情けない自分がいる。
 以前に長男の嫁という立場の知人に、「普段は同居の嫁に世話を押し付けて、離れて暮らす娘は、都合のいいときだけ、都合のいい顔をして来られるんだからいいご身分よね」そう言われたことが頭をよぎる。
 そして、兄にも言われたことが胸の隅に残っている。「俺たちがおふくろの面倒を看ているのだから、余計な口出しはするな。するならお前がおふくろの世話一切をやれ!」と。兄はいまだに家長制度の頂点に君臨している古い男で、生意気な女がなにより嫌い。兄の前では絶対に脚を組めない。「偉そうに、何様だ!」蹴飛ばされた若い経験がある。
 私には何十年間、いまだに生家へ行くときに決まってすることがある。
 まず、クローゼットから目立たないダークな服を選ぶ。次にマニキュアを落とす。ピアスを外す。アクセサリーはつけない。髪の色もできるだけ暗めに、当然、薄化粧に徹する。私が最も好きでない地味なおばさん風に仕上げて生家へ向かうのだ。もちろん手土産は母と嫂用といくつか用意することを忘れない。そして必ず、嫂の手を煩わせないように食事時間を避けて訪れる。もしくは持参する。
 そこまで気を使っても母の世話はなおざりにされているのが目に付く。
 しかし思いがけないことって起きるもの。兄夫婦には息子と娘が二人ずつ居る。四人とも、みな生家の近所で所帯を持っているのだが、なんと甥っ子の嫁たちが母の世話をさりげなくしてくれているのだ。彼女たちは子供もいて仕事も持っているが、合間に母の汚れ物の洗濯までしてくれ、時々、交替で墓参りにも行ってくれているという。
 心の底から有り難かった。いまどきの若い娘はなんて思っていた自分を恥じた。近頃にないうれしさでいっぱいになり、胸の内で甥っ子たちに掌を合わせた。年寄りに対しての心遣いができるなんて、なんという優しい心根。育った環境によるのだろうか。私も若い人から教わることは多いと実感した。
 幸い、母の症状は落ち着き、持ち直してきた。
 それにしても、母が幼いころから可愛がってきた二人の孫娘たちは、母に対してまったく無関心なのはなぜだろう。不思議でしようがない。】
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「不整脈ランナーの手記」その後   文科系

2011年11月27日 | スポーツ
 表記のことを、皆さんに報告しておきたい。特に心臓病を抱えた皆さんに。

 この手記は09年11月2日にここで始めて、本年2月26日の第25回「ランナー断念」を持って終わっている。僕の不整脈は、言わば単発性の不整脈であって心臓・循環器に他の病気がなかったから、ここまで10年近くこの病気を薬などで管理しながらランナーを続けてこられた。これを書き始めた時、ランナー時代10年の最末期の手記という結末になるとは、僕にとって全く予期していなかったことだった。10年があけて慢性心房細動との診断。そこから2月と10月に、2回の心臓カテーテル手術。その間も2回目の後も主治医の許可を得て走っていたのだし、これからもそうだと信じていた。例えば去年12月29日、第24回「走れる」では、こうだ。
『さて、回復基調はさらに順調。日誌を拾うと、こんな調子だ。日に6000~9000歩の速歩き散歩が、3日に1度ほど。90往復ほどの階段登りが、週に1度ほど。そして、この24日、25日には散歩中に初めてそれぞれ1キロほど走ってみた。散歩や階段登りで走れる体力は何とか維持してきたから、心臓だけを心配しながら。その心臓もまったく異常はなさそうだった。無理をしない程度であるならば、辛うじてランナーではいられるのではないか。低速で良いから、心臓の疲れを見ながらほんの少しずつ距離を伸ばしてみたい。面白くなってきた』

 さて、こんな日常が本年2月26日、突然の慢性心房細動発作、全身麻酔による除細動処置から、「ランナー断念」で終わりを告げねばならぬことになった。

 その後しばらく静かにしていて手術跡が落ち着いたからなのかどうか(3ヶ月経てば落ち着くと聞いていた)、心房細動発作は、今日まで皆無である。1ヶ月に2~3回、「今、期外収縮が起こったかな」との自覚症状が出るが、それも1~2拍動欠如ぐらいのものだ。というか、このように「無理をしない程度」を確かめながらの運動に努めているということになるのかもしれない。僕の場合その運動の基本は、すぐ上に抜粋した第24回「走れる」とほぼ同じ程度である。18段の階段を70~120往復で週2回ほど、心拍数はその時の運動強度により異なるが平均135、時に145ほどだろう。これだとギターを1日3時間弾いても酸欠異常・筋肉痛はどこにも基本的に出ないし、細動による血栓防止などの薬も全く飲んでいない。心拍140になっても異常なしならば走れるのだが(時速9キロでそれぐらいではないか)、階段登りで自重した人生で行こうということだ。ただし、速歩き散歩の途中に1キロほど走ってみたりはする。もちろん心拍計を観ながら。

 高校の同級生で去年同じカテーテル手術をした人がいるが、残念ながら彼の慢性心房細動は直らなかった。彼は、ワーファリンを飲みながら何年も手術を延ばしてきたのだ。こんなことから、慢性心房細動になったら早く手術をおすすめしたい。効き目に大きな差が出てくるということである。ランナーには心房細動が多いとは、主治医の言葉。ランナー諸氏、心拍の状態に十分に注意していることをお勧めしたい。また、単なる不整脈とか心房細動ならば、心拍を管理しながら結構走り続けられるものだということも申し添えたい。「心臓異常を怖がりすぎてそれまでの楽しみを減じ、体力を失っていくことも怖いことだと」。なお、僕の主治医は、こういう僕のやり方をいつも温かく見守ってくれていた。
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季語の地球科学    らくせき

2011年11月27日 | Weblog
日本列島は世界でも珍しいくらいメリハリのある四季に
恵まれた地域だそうです。
それは地球の歴史に深く関わっているとか。

こんな講演のタイトルに惹かれて、
名古屋大学の豊田講堂へお話を聞きにいってきました。
お話をして下さったのは、尾池和夫さん。元京都大学総長。
難しいお話もあって、どこまで理解できたのか?
心もとないですが、記憶に残っていることを書いてみます。

①まず大切なのが月の存在。

四季が生まれるのは、地軸が23.4度、傾いているためですが、
この地軸を安定させているのが月の存在。
月がないと、軸がゆれて不安定となり、四季は生まれないそうです。

②プレートの移動。

大陸が移動して現在の日本列島が生まれましたが、
この移動で列島は、四季の生まれる緯度に誕生。
また、この時、さまざまな地層が重なり、
その多様性が多様な自然を作り出したそうです。

③日本海の存在。

日本列島と同時に日本海ができました。太平洋と日本海に挟まれた列島。
冬の雪は日本海のもたらすもの。水の豊かな四季をつくっています。

かくしてメリハリのある四季が生まれ、そこに定住した日本人は
季語を生み出して行ったそうです。

しかし、良いことばかりではありません。こうした条件は地震と密接不可分。
活断層が、平野をつくり、その平野に都市をつくっている現代社会。
地震から逃れることは出来ないそうです。

遠い将来、人類は滅亡することは避けられないそうです。
その時に、人類は美しい化石を残すことが大切だそうです。
それまでは生態系を壊さずに控えめに生きていく。

  橡の実を熊に残して拾ひけり   茨木和生

尾池さんは、この句が一番好きだと言って
お話を終えられました。

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大阪は橋下さんの賞味期限が切れていなければ・・・    らくせき

2011年11月26日 | Weblog
大阪市長選、両候補がしのぎをけずっています。
京都に数日、旅行で行っていましたが、
関西のニュースの画面からの印象では、
橋下さんのほうが有利で、勝ちそうな印象でした。

橋下さんが夢を語っているのに、
どれだけに実効性があるのか?
私には殆どないように感じられましたが・・・
でも不安と不満のはけ口には、まだなりそう。
賞味期限が切れていないかも。

選挙民が時代の閉塞感の実態を
クールに認識できるまでは時間がかかり、
今回の選挙では間違った選択をしそうです。





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保安院の大罪(49)事故処理にピンハネなど  文科系

2011年11月26日 | 国内政治・時事問題

 もう一つ中日新聞記事を要約してみよう。24日の中日朝刊の特報『原発事故処理に原子力ムラの影』である。『人件費などの名目で、中間団体にカネを落とすのが中抜きだ』と解説されたピンハネと、『原子力損害賠償紛争審査会』などに原子力ムラ住人を入れて東電に有利にしようとしていることとが、問題にされている。

 前者はこんな構図だ。内閣府が委託した「除染実証業務」119億円のうち、37億5000万円がピンハネではないかということ。内閣府の委託先・文科省所管の独立行政法人「原子力研究開発機構(原子力機構)」が問題の場所であって、企業などにさらに委託し直す金が含まれているというのだ。みんなの党渡辺喜美代表が細かい根拠をあげて、代表質問をおこなったというもの。原子力機構の理事7人に経産省、文科省、会計検査院などの天下りがいることも問題にされて、またぞろ下り拡大かと、指弾されてもいる。

 後者は、三つの組織が関係してややこしい話だが、こういうこと。
原子力損害賠償紛争審査会と日本エネルギー法研究所と電力中央研究所との間の問題。「電力中央」は、各電力会社が出資する財団法人。「エネルギー法」は研究者で作る民間団体だが、「電力中央」から研究委託を受けたり、東電社員も派遣された団体だ。そして、問題の「紛争審査会」9人の委員のうち2人が、「エネルギー法」から月々20万円の報酬を受けた人物だということなのである。東電と住民との間で激烈に繰り広げられるだろう賠償紛争審査に、東電よりの人間を入れるのは問題だというわけである。こういう問題性は、「利益相反」というのだそうだ。

 「除汚」にしても「賠償紛争審査」にしても、無辜の住民の今後の人生を左右する一大事。そこにこっそりとピンハネや、自己防衛・弁護を仕込むとは、いつもながらの見事な我田引水の「お仕事」ぶり。国民の税金を使ってどこを向いているのやらとの、「苛政は虎よりも猛なり」というべき所行ではないか。
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小さな町の反=原発集会                あんころもち

2011年11月26日 | Weblog
 友人からこんな催しの案内が届きました。
 興味を惹く点が二つあります。
 ひとつはこの顔ぶれ、とりわけ河村氏の登場です。
 もう一つはこの催しの場所です。
 濃尾平野の北西のはずれで、本当に小さな町です。
 こんな町で反原発の色濃い催しが行われるというのはとてもいいと思います。
 願わくば、全国の津々浦々の市町村でこうした催しが開催され、これまでの原子力行政の虚妄が全ての人に明らかになればと思います。

●と き●  2011年12月10日(土) 13:30~16:00
●ところ●  垂井町文化会館 大ホール (岐阜県不破郡垂井町宮代2957-2)
        http://g.co/maps/zkzvw
●参加費● 無料
●主 催● 所秀雄さん生誕93周年記念学習会実行委員会、TOKORO奨学金

◆プログラム
13:00       開場 司会/神田 浩史(NPO法人泉京・垂井理事)
13:30       開演 講師とテーマ紹介/所 源亮(一橋大学特任教授)
13:45~14:30 講演1 河野 太郎(衆議院議員) 『今、改めて原発を考える』
14:30~15:00 講演2 室田 武(同志社大学経済学部教授)
            『原発の電気代は無限大。原発の“不経済”』
15:00~15:15 休憩
15:15~15:45 講演3 山本 英彦(大阪赤十字病院小児科部救急部長)
            『放射能の内部被爆が一番怖い“内部被爆と外部被爆”』
15:45~16:00 まとめ
            河村 たかし(名古屋市長) 『私たちの未来に向けて』
16:00       閉会の挨拶/所 やなぎ

●備 考● 当日来場された方に、『原子力発電のミニ手引書』を贈呈します(詳細は、会場にて!)。
        託児あります。事前にお申し込みください。

●お申し込み・お問い合わせ先● NPO法人 泉京(せんと)・垂井
TEL/FAX:0584-23-3010
E-mail:info@sento-tarui.org
blog:http://sento-tarui-blog.cocolog-nifty.com/blog/
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ユーロ問題の終着点は?  文科系

2011年11月25日 | 国際経済問題

 24日朝の新聞で気になった記事の一つがこれ。「ドイツ10年債『札割れ』」。新発10年国債の入札で、金融機関応募金額が6割にとどまったのだそうだ。これを札割れというのだそうだ。あのドイツがと驚いたのだが、記事の中にもこうあった。
「欧州主要国で最も安定した財政基盤を持つ中核国ドイツにも欧州債務危機の悪影響が及んだ形だ」
 この日本への悪影響の最たるモノが、24日夕刊の1面トップ記事になっている、これ。
『東証続落8200円割れ 2年8ヶ月ぶり安値 同時株安様相』
 この文中にはこうあった。
「欧州で最も健全とみられていたドイツ国債の入札が不調に終わったことなどから、欧州の債務危機が深刻化するとの懸念が広がった。さらに中国の製造業景気指数の速報値が市場予想を下回り、世界景気の先行きに不安が高まっていることも相場の重しになっている。東京市場はほぼ全面安の展開で、主力株を中心に売られている。トヨタや野村ホールディングス、キャノンなどが一時年初来安値を更新した」

 この同時株安は、事実には違いないのだが果たして「真実」?なのか、それとも、日米の大金融機関などが示し合わせてドイツ国債をあえて買わずに作為して見せた結果ではないのか。それこそユーロ関係債券の空売り大儲けをさらなる狙いにして。これが事実ならまた、こんなことが起こる。関係債券保有に耐えられない弱小機関が手放したものが、大金融機関の手にどんどん落ちていく。そうしてまた近くもっと大きい空売りを掛けて、さらに儲ける。日本でも、巨大金融機関だけの9月決算が、国債(転がし)で黒字になってきたと発表したのだから、陰謀論的勘ぐりとも言えないはずだ。

 ところで、この結末はいったいどこまで行くのだろう。ヨーロッパ諸国は、「市場」によってさらに徹底的に搾取されるはずなのである。最も健全なはずのドイツでさえギリシャ、スペイン、イタリアへの救済、肩入れを通じてその対象になり始めたということなのだから。なんか底なしの恐怖。スペインは23%の失業率がさらに増えるだろうし、ギリシャも新政権の下で「公務員でワークシェアリング」を今のように続けることなどとうていできないだろう。失業者が増えて一般消費が減ると、さらに次のもっと大きい世界的不況が待っているという悪循環。この悪魔的人殺し車はいったい、どこまで回っていくのだろう。「東証続落 同時株安様相」も、そういうことを示しているはずだ。24日夕刊の当該記事は、こんな言葉で締めている。
「株などのリスクがある資産から資金逃避の流れが強まっている」
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随筆紹介 「近ごろ医療は」   文科系

2011年11月24日 | 小説・随筆・詩歌など
 今回紹介するのは、S・Hさんの作品。臓器移植、公的医療保険外治療を体験されたまわりの方々のことを書かれています。途方もない金額に驚きます。「命の長さも、途方もない金次第」と、これが実感。かと言って、こんな金額を保険では難しい。いろんな特許問題がからんでいるらしいですが、せめて医療の特許などなくせないのかって、これはずぶの素人である僕の浅はかさ? 人の命は最も大切なものであるだけに、それに最も大きな差がつく時代ということでしょうか。流石超格差世界!


【   近ごろ医療は  S・H

 腎臓移植を待ちつづけて三十年。心臓死の人からの臓器提供を受け移植手術を受けることが出来たと、五十歳の男性が、人工透析時より体調もよく食欲もあると、喜びを語る写真入の新聞記事を読んだ。
 脳死、心臓死の人からの腎臓の提供を待っている臓器移植希望者は一万二千人もいると併記されていた。
 知り合いのIT企業の社長Aさん六十歳が腎臓移植手術を受けた。臓器の提供者は五十歳の妹さん。Aさんと同業のBさんも同じ病院で腎臓移植手術をうけた。Bさんの提供者は奥さんだ。AさんもBさんも実に簡単に移植手術を受けている。
 新聞記事とはあまりにも隔たりがあるので、Aさんに聞いた。
「親族に提供者があり、お金が用意出来る。移植が患者にとって最良の治療法だと、主治医が判断すれば、移植は受けられます。そんなに大変なことではない」と、返答を得た。
 Aさんとは親しいので「いくら掛かったの」と、思いきって聞いた。
「一億五千万円。公的保険はきかないから」と、Aさんは、あっけらかんと答えた。
 金額の大きさに驚いたが、私の知り合いに移植者が二人もいるということは、移植の必要な腎臓病患者さんは多く、自己資金を用意できるお金持ちも大勢いるということだ。
 AさんもBさんも仕事に復帰して元気に働いている。リスクを承知で臓器提供した人達も、片方の腎臓で通常の生活を送り、体の不具合は無いようだ。
 最近、公的医療保険外の治療の話をよく聞くようになった。
 十二年前、食道がんを患った弟の場合は、手術に使用する臓器の縫い糸は、後のことを考え上質のものを使いたいと、申し入れがあった。保険外なのでお金は自己負担になった。抗ガン剤も保険外だった。当時、がんと心臓病は金の掛かる病気の代表だと言われていた。
「どうして、こんなにお金が掛かるのですか」と、主治医に聞いた。
「検査機器、薬、手術材料等、外国が特許を取ったもの全て、長い年月、特許料を払い続けなければなりません。この国で特許をとったものは、公的保険の対象になります」と、教えてくれた。弟は、大手術のあと大動脈に転移を起こした。十年、命を永らえて死んだ。
 友人が子宮癌になった。保険治療にするか、三百万円の陽子線治療を受けるか、選択を迫られた。年齢八十歳。友人は保険内で賄える抗ガン剤とⅩ線の併用治療を選んだ。
 名古屋市医療改革〔がん治療の選択肢ふえる〕と、新聞の大見出し。名古屋西部医療センターに高精度放射線治療機器導入。市民の為の医療に五億六千万かけたと、報道。この治療は健康保険の対象外、治療費は三百万円が目安。民間の先進医療保険に加入してお金は用意して下さいと、示唆。公的保険治療の一つにこの治療が組み込まれるのなら、選択肢が増えたと喜べるが、門前払いされる患者も出る。市民の為の医療改革とは程遠いよ。】
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米国内で「ギリギリの対立」   文科系

2011年11月23日 | 国際政治・時事問題(国連・紛争など)
「大戦争、過去と現在」のエントリーに、一昨日にこんなコメントを付けた。このコメントと併せて、この情勢の米国内最前線版が昨日の新聞にあったから、これを抜いて要約してみよう。

【 さらに一言 (文科系)
2011-11-21 23:48:24
 アフガン戦争も、イラク戦争も、旧来の帝国主義戦争で十分に説明できると思います。
 アルカイダとか何とかのセイだとアメリカが叫んできましたが、米産軍政複合体の「人間疎外暴走」の産物であることは世界が知っている。そしてそれはさらに、彼らの悪巧みという以上に、次の背景があった。冷戦が終わった情勢に抗して経済的理由で膨らみすぎた産軍を維持し続けようとした口実作りであったことも。なんせ「大量殺人兵器があるから」と嘘を叫んで、アナン事務総長初め国連を騙してやった開戦ですから。
 揚げ句の果てに残ったのが、「イスラムからの憎しみ」と、膨大な国家累積赤字と、サブプライムバブル・その弾け、だったことも、レーニンやケインズの理論で十分に説明できると思います。

 そして今アメリカがこの赤字を取り返そうと必死なのが、世界相手のマネーゲーム。そこに日本を巻き込めば、何とか日本の金を奪えるかなと、そんなところではないでしょうか。日本の大銀行・財務省は、そのアメリカに乗るふりをして、搾取される以上に、儲けてやろうとしているのだとも。日本の大銀行が、ギリシャ、イタリアなどだけで黒字を出しているのがその証拠だ。
 ただ、TPPが通ったら、日本の平民、つまり99%ピープルは、アメリカのスラムのようになることも必定。いろんな大会社の買い占めがどんどん始まり、それとともに政治でさえが買い占められることでしょう。】

 さて、22日、中日新聞。朝刊にはこんな記事が載った。『米財政赤字強制削減も 米紙報道 超党派協議不調』。夕刊には、こうだ。『米赤字削減協議が決裂 国防予算など強制発動へ』
 なんせ、十年で百兆円だかで、年十兆円ずつの赤字解消が確定しており、どこにしわ寄せするかの論議なのだ。半分は国防費カットでだすが、後半分を富裕税打ち切りか社会保障費削減かで議会が大もめなのだという。岩波新書「ルポ貧困大国アメリカ」(堤未果著)を読んでも分かるように、アメリカの相対的貧困層の状態は酷すぎるのにさらにその上削るかどうかと言う論議なのだ。本当に、軍事費ってどういう代物なのだろう。

 アメリカがこうで、ヨーロッパは今バブルが弾け日米金融の食い物にされているのだし、日本はと言えばとてつもない累積赤字、消費税の上に「福島」。失業者は増えていくしかないのか。中国のバブルも、このままで済むはずがない。世界はどうなってしまうのだろうか。



 
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空売りの説明  文科系

2011年11月23日 | 国際政治・時事問題(国連・紛争など)
 
 15日に「日本5大銀行、『国債売買が収益源?』」を書きました。ギリシャ、イタリアなどの国債が大幅に値下がりしても、儲けられる場合があるとも。それはなぜか。そういう質問が知人からありましたので、拙い説明を試みてみます。

 国債、株などが値下がりしても儲かる手法に空売りというのがあります。しかも、証拠金取引、差金決済可という仕組みがあって、小さい証拠金だけで、その20倍もの大きな取引が出来ます。その空売りとはどういうものでしょうか。僕が読んだ本の中で最も分かり易かったものによって、説明してみます。岩波新書、本山美彦著「金融権力」の59ページ「3 ヘッジファンドの収益源」の説明の冒頭にこれが出てきますので抜粋します。

「国債の現物価格が下がると予想すれば、証券会社は、現物を空売りする。つまり、国債を借りてそれを売る。
 空売りとは、現物を所有していないのに対象物を売る行為のことで、商品先物や外国為替証拠金取引(FX取引)で用いられる用語である。投資家が、証券会社から株を借りて売る場合もあり、大口投資家同士が株券の貸借を行う場合もあるが、いずれにせよ、借りた株券を売却し、後で現物を返却するのが決まりである。株価が下落していく局面でも株取引で利益を得られる手法の一つである」
「投資家が証券会社から株を借り、それを市場で100円で売る。投資家は株を売った代金100円を得る。
 後日、当該株価が下がり、市場で同じ数量の株を90円で買い株式を手に入れる。この90円で買った株式を証券会社に返却する。差額の10円が投資家の手元に残り、これが投資家の利益になる」

 同書55ページには、こんな説明もあります。
「(ヘッジファンドの創始者であるアルフレッド・ウィンズロウ・)ジョーンズは、下降相場でも、空売りの手法を駆使することで、相場の上昇局面、下降局面のいずれの局面でも利益を上げることができた。手持ち資金の何倍ものカネを動かすことができるレバレッジを最大限利用した」

 つまり、ある株式や国債などが大幅に値下がりすることが見込める場合に、値下げ幅が大きくなるほど儲けが大きくなるというのが、空売りという仕組み。例えば、今評判のオリンパスの株は2500円から600円ほどへと、あっという間に下がりました。これは、内視鏡の世界シェアナンバーワンというなかなか得られない有望株を買い占められる絶好のチャンスだったというだけではなく、空売りによる大儲けのチャンスでもあったわけです。また、ギリシャ、イタリア国債だけではなく、アメリカの国債も今、空売りのチャンスが来ているかもしれないう情勢もあります。昨夕の中日新聞にこんな見だしの記事がありましたから。「米赤字削減協議が決裂 国防予算など強制発動へ」。この記事の中には、こんな解説がありました。
「重要法案審議をめぐる議会の失態は米国の財政運営に対する不信を招き、米国債の再度の格下げ圧力の強まりや、世界の金融市場混乱につながる可能性がある」

 株とか国債とか、人々の運命や時には命にも関わるものを、値下がりすることを渇望する制度って、なんか変だと僕は思います。人間同士が命を賭けて争うことになる、戦争のようなモノですから。
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随筆紹介 「つわり」    文科系

2011年11月18日 | 小説・随筆・詩歌など
 今回ご紹介する随筆は 8日にここに載せた「キュウリ」と同じ、K・Kさんの作品。よくある光景と思い、ちょっと義憤に駆られたりして、広く世に広めてみたいということです。

【 つわり   K・K

 娘が第二子を授かって、つわりが始まった。三十七度の微熱でだるい。吐き気でお腹を押さえ、不機嫌な顔になる。
 夫は「そんな仏頂面見たくない。帰れ」と、週末に二歳の子を連れて来た娘に、面と向かって不愉快そうに言い捨てる。あまりの冷たい態度に私も驚く。こんな人と今まで過ごしてきたのかと、夫の違う一面をみた。
 つわりは病気ではないが、一、二か月間、二日酔い、船酔いのようなムカムカが一日中続き、ほとんど食べられない。夫は三十七度の発熱でも、フーフーと大げさに訴える。一人で寝ていればいいのに、皆のいる居間に起きてきて機嫌が悪い。私が「自分だって……それを忘れたの」、言い返すと、プッと膨れて、横を向いて黙ってしまった。
 いくら説明しても分かってもらえない。もう、いい。分かってたまるか。経験したものでないと、このしんどさは理解できないのだ。無理して動くと流産の危険もある。身を守るために自然に動かないようにしているのに……。怠け病と勘違いされてる。娘は共働き。自分は食べれなくても、子どもの食事は作らなくてはいけない。横になる時間などない。
 「どうして、女の人ばかりこんなに……。不公平だ」娘は、思うように動かない体につい愚痴がでる。欲しくて授かったのだし、頭で分かっていても体がついてこないのだ。一か月で五キロも減り、やせた背中を見ながら、私は考えがみつからなかった。】
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戦争の放棄は神のもちえざる思想なるべし人のするどき 水原紫苑

2011年11月18日 | Weblog
こんな歌はどうですか?   らくせき

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