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藤枝MYFCを中心としたサッカー観戦記やサッカーに関する個人的な意見の書き込みが中心です。

第97回高校サッカー選手権 準決勝

2019年01月13日 09時57分40秒 | 高校サッカー・クラブユース
高校サッカー選手権準決勝2試合をTV観戦

青森山田 3-3(PK4-2)尚志
流経柏  5-0 瀬戸内

●大接戦となった第1試合と大量得点差となった第2試合という対照的な2試合となった準決勝。
決勝戦の組み合わせは、青森山田ー流経柏という概ね順当な組合せとなった。
激しい試合をこなした青森山田に対して、早い時間に選手をどんどん交代させることが出来た流経柏の方がコンディション的に有利なのは間違いないが、実際はそう簡単な話でもない。
1日空けての決勝戦で最も大切なのは、チームの雰囲気と勢い。
厳しい試合を乗り越え、チームが引き締まり改めて勢いが生まれた青森山田に対して、大量点差の試合となってしまった流経柏にはどうしても気の緩みが生まれてしまう。この気の緩みというのはわかっていても生まれるやっかいなもの。監督のチームマネジメント力が問われる場面となる。

●準決勝で敗れた2チームについて
尚志は非常に良いサッカーをしていたと思う。特に後半の2点は共に素晴らしいゴールだった。
後半22分の得点は左SB5沼田のサイドチェンジのキックが素晴らしかった。1つのキックで逆サイドの11加瀬に通したことで青森山田のDFのマークが1つずつズレた所から生まれた得点だった。
後半29分のショートパスをつないだ得点は見事。青森山田のマークが少しルーズになったタイミングを射抜いた早く正確なパスでの崩しだった。
とにかく尚志の12月のプレミア参入戦から見せた勢いは凄いものがあった。主力を欠きながら横浜FMYに勝ってプレミア参入を決めて、選手権もベスト4まで駆け上がった。来年も期待されると思うがこの2か月の印象が強すぎるだけに「新チームの尚志は大変そうだな」ともちょっと思った。

瀬戸内は流経柏のプレスに屈する形になったが、自分たちのスタイルを90分崩さずに闘いきった誇れる大量失点での敗戦。
流形のプレスをかわすためにロングキックを多用するという選択肢もあったと思う。しっかり守備を固めて攻撃はプレスをかわすためにロングキック主体という選択肢を取る固い戦術だったら流経もプレスがハマらずもっと苦しんだと思う。それを目先の結果にとらわれず自分たちの形で戦い抜いたという経験は、間違いなく今後のチームの成長につながると思う。

●青森山田と流経柏のスタイルについて
青森山田が築きあげてきた「高さ、強さ、ロングスロー」といったスタイルは、近年の高校サッカーで「選手権で勝つためのトレンド」として定着してきた感がある。
今年の青森山田はそれに加えて、10壇崎と11バスケスの両ワイドの打開力が加わったチーム。数年前までの「チームで一番うまい奴2人がダブルボランチを組んで、中央をしっかり固める」という青森山田のスタイルから少しだけ変わったかなという感じはするが高さ、強さ、ロングスローといった基本スタイルは変わらない。
青森山田が現在の高校サッカーのトレンドを作り上げるに至った背景としては、第91回選手権の初戦、望月嶺臣を擁し非常にレベルの高いポゼッションサッカーをしていた野洲相手に1-1のPK戦で勝利した試合が大きかったと思っている。当時の最も力強さのあるチームと最も技術力のあるチームの対戦で、典型的な「力対技術」という構図になった試合。この試合から選手権および高校サッカー界が力強さとか高さという方向に舵を切ってきたという印象があり、そこから5年ほど経った今はその最盛期に差し掛かっているというのが率直な高校サッカーに関する印象。
1つのトレンドを確立した青森山田だが、今後については今年のチームを見てわかるとおり、力強さをベースに今年はドリブルの打開力を加えてチームの成長を模索しているように見える。

流経柏
流形柏も青森山田同様「高さ、強さ、ロングスロー」という印象の強いチームだが、それ以上に強い特徴として挙げられるのは「プレス」だろう。
プレスというと、とにかく運動量増やして頑張って走って相手を自由にさせないという印象があるが、流経柏のプレスは非常に精度が高い。つまり無駄な走りが少なく効率的かつ効果的という印象がある。プレスは1人でかけても効果は無い。複数の人間で同時にプレスをかけることで相手のパスコースを消してボール奪取をすることが出来る。だから複数の人間が同じタイミングで同時に複数のパスコースを消す動きをしなければいけないのだが、流経柏はこの動きの精度が非常に高く高い位置から広い範囲をプレス欠けるにもかかわらず、選手の無駄走りが少なく効果的に広い範囲にプレスをかけることが出来ている。簡単に表現すると「当たり前のことを当たり前にやっている」という事なのだが、その範囲と精度が他のチームとはけた違いで、「よくこれだけのものを作り上げてきたな」というのが率直な感想。TV中継で実況が紹介していた流経柏本田監督の言葉「数年先にはこのプレスを技術でかわすチームが出てくることで、日本のサッカーはもう一段上のレベルに上がる」という言葉が印象に残った。
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