魅惑の日本映画

日本がこれまでに生み出した数々の名作、傑作、(珍作?)の映画を紹介していきます。

静かなる決闘★★★★☆

2008年12月31日 | Weblog

★あらすじ★
若い医師の藤崎(三船敏郎)は、戦時中に中国戦線の軍医として従軍していた際、負傷兵・中田の手術中に誤って梅毒に感染してしまった。6年後、父の経営する病院で働く彼は、梅毒の兆候が現れ出したことから、恋人・美佐緒(三条美紀)との婚約解消をほのめかし始める。そんなある日、病院に中田が妻を伴って現れた…。
(Amazon.co.jpより抜粋)



★感想★

1949年度の大映での黒澤明監督作品です。

40年代、50年代初期の黒澤作品は、現代劇が多いので、小品が楽しめます。
ただ、小品ながら「酷聞(スキャンダル)」ではジャーナリズムの暴走、
この「静かなる決闘」では性病いう黒澤監督にしては異色の、性を題材にした社会派の物語を見ることが出来ます。

物語は1944年の野戦病院から始まります。
後年大作を撮りまくる監督ですが、戦争中を舞台にしたのは「わが青春に悔いなし」とかこれくらい?

手袋を外して(しかも傷を作って)手術なんて考えられないですが、戦時中なら仕方がないなあと思います。
発病がわかっても物資が乏しいですから、余裕のある薬なんでないし…

それはともかく、三船敏郎若い…
でもこのときすでに20代後半ですからそんなに若くないんですよね。後期の三十郎や赤ひげのイメージがつよいですからね。
どうでもいい話ですが、この年に私の母が生まれたので、もう三船敏郎って大分前の方なんですねぇ

彼の黒澤デビュー作は「酔いどれ天使」のヤクザ役で、映画デビューは谷口千吉監督の「銀領の果て」の強盗犯。なんだか悪役つづきでそういうイメージがついていた彼に黒澤監督は梅毒にかかり、婚約者との婚約を解消し、理由を言わないままひたすらに耐え続けるという180度方向の違う役どころを用意します。

しかも婚約解消の理由を言わないのは社会的偏見よりむしろ婚約者の幸せを思うが為。梅毒をうつした男にも忠告する。それも、これ以上患者を増やさない為、男の奥さんを苦しませない為。

まさに劇中で言われる「聖者」なのですが、
この脚本のいいところは彼を「聖者」で終わらせない所。
藤崎医師(三船)は、松本(元・婚約者)が他の男と結婚するとわかった後に、
自分の思いを千石規子演じる看護婦にぶちまけます

欲望と良心の葛藤。
どちらが自分なのか。結局、どちらも自分自身なのでしょうか。

こういうナイーブな役の三船敏郎を見る機会は珍しいです。


それから巡査に「聖者」と言われた藤崎に対して、彼の父は

「幸せだったら案外俗物になっていたかもしれません」

と言います。何気ない台詞ですが、志村喬の味のある言い回しと相まって何故かじ~んときました

あと、千石規子はこの映画にとって欠かせない存在ですね
彼女の毒舌っぷりは深刻な雰囲気を時折和ませてくれます。
藤崎を次第に理解して行く過程が自然に描かれています。


この映画は当時の梅毒に対する社会認識、医療技術などを考慮してから見ないと、現代の感覚で見たら少し腑に落ちない点があると思います。
つまり、この映画はただ単に「梅毒に対する恐怖と主人公の葛藤と」いう内容ではなくて、それに「性病に対する偏見」もプラスされます。
そう考えれば、主人公が悩む理由、主人公が婚約者にとった行動などは理解できるのではないでしょうか?


今年最後の映画レビューは黒澤明監督作品で締めることが出来ました
そういえばこのブログももう少しで一年たちます。
早いものですね。今後もこんな感じでやってきたいと思います。
来年もよろしくお願いします。
よいお年を

 

監督 黒澤明
脚本 黒澤明、谷口千吉
原作 菊田一夫
音楽 伊福部昭

藤崎恭二 三船敏郎
峯岸るい 千石規子
松本   三條美紀 
藤崎の父 志村喬 
中田進  植村謙二郎 
野坂巡査 山口勇   
中田の妻 中北千枝子 

1949年度大映作品(モノクロ・スタンダード)

履歴↓

静かなる決闘
しとやかな獣
女の中にいる他人

相棒Season7「レベル4」

大魔神

大魔神怒る

大魔神逆襲

相棒Season7 「還流~密室の昏迷・悪意の不在~」

その夜は忘れない
ど根性物語 銭の踊り
億万長者
憲兵と幽霊
怪猫亡霊屋敷

日本列島
激動の昭和史 軍閥

相棒(劇場版)
おとうと
衝動殺人 息子よ
満員電車
八甲田山

黒い十人の女
穴(大映)
血と砂
ハウス(HOUSE)
相棒(最終回SP『黙示禄』…番外編)

悪い奴ほどよく眠る
無法松の一生
蜘蛛巣城
江分利満氏の優雅な生活
大江山酒天童子
日本沈没

妖星ゴラス
斬る
待ち伏せ
殺人狂時代
太平洋奇跡の作戦キスカ
赤毛

戦国野郎

ブルークリスマス
大盗賊(東宝)
座頭市と用心棒
ガス人間第一号

電送人間
美女と液体人間
赤ひげ
世界大戦争
椿三十郎

用心棒
モスラ(1961年度版)
新幹線大爆破
隠し砦の三悪人
日本のいちばん長い日

☆はじめに☆


しとやかな獣★★★★☆

2008年12月29日 | Weblog

★あらすじ★
公団住宅に住むもと海軍中佐の夫婦が、芸能プロに勤務する息子、小説家の愛人である娘を使って金をだまし取り、裕福な生活を楽しむ。一方で息子と深い関係にある芸能プロの経理担当・幸枝(若尾文子)は男達を手玉にとり、一家を上回るしたたかさで旅館の開業資金を手にする…


★感想★

とにかく、膨大な台詞の量に圧倒されました
映画の上映時間は1時間半。その全編すべてが公団住宅の前田一家の中(ちょっと団地の外は出るけど階段くらい)くり広げられる欲と欲の凄まじい激突!


登場人物すべてが欲深く、小悪党でまっとうな考えを持たないというのが非常に面白いです。完全に常軌を逸っしてますね
この映画に出てくる人物はみな悪人なのですが、なかでもボスキャラは若尾文子と前田一家の主・伊藤雄之助。



若尾文子は芸能プロの会計係。法の目を巧みにくぐり抜けて男達を手玉に取り、ちゃっかりと旅館を経営してしまう。

伊藤雄之助は娘を売れない小説家の二号にさせ、娘を使って小説家に金を出させる。息子にも金をせびる(息子は芸能プロの金を三谷のために横領する始末)。

彼ら二人の興味深いところは、他の小悪党と違って手抜かりの無いところ。
何かあったら自分は知らぬ存ぜぬで通せる逃げ道を用意しているところ。

それに、考えていることは基本的に間違ってるけど、行っていることは極めて正論なので、妙な気分ですが面白いです。


全部汚れきった金で生計を立てているという凄まじさ。



妻のよしのも、しとやかな妻って感じだけど、汚い金だと知りつつ暮らしているわけだから、そうとう悪いです。

ま、そんな凄い一家をうならせるほど三谷幸枝の存在はとんでもないんですからね… 

複数の男と関係をもったことを平然と言ってのけ、修羅場にいても余裕の表情。どこか「自分はこいつらとは違う次元にいるのよ」見たいなことも思ってそう。


しかし、そんな強気な彼女の弱さを垣間見ることが出来るのが、彼女が真っ白な階段を登ってゆく象徴的なシーン。
彼女の心の中を表現している場面で、決して表にはださない一面を描いています。

後半になって船越英二が登場しますが、今回もどうしようもないへたれ男。彼はこういう役が本当に上手いんですね


脚本が新藤兼人と聞いて堅苦しいストーリーを想像してしまう方は是非見てください。そんな考えが払拭されます。

川島雄三監督の実験精神あふれる映像感覚が味わえます。
前田一家の「のぞき」の場面も面白いです。


題名とDVDの写真をみてなんだかエッチな映画みたいだななんて思わないで下さいよ
若尾文子の表情、しぐさがなによりも官能的なんですけどね



監督 川島雄三  
脚本 新藤兼人 
音楽 池野成 

三谷幸枝 若尾文子 
前田時造 伊藤雄之助
前田よしの 山岡久乃    
前田友子  浜田ゆう子
前田 実 川畑愛光   
香取一郎  高松英郎 
神谷栄作  船越英二
吉沢駿太郎 山茶花究 
歌手ピノサク 小沢昭一 
マダムゆき ミヤコ蝶々

1962年度大映作品(カラー・スコープサイズ)

履歴↓

しとやかな獣
女の中にいる他人

相棒Season7「レベル4」

大魔神

大魔神怒る

大魔神逆襲

相棒Season7 「還流~密室の昏迷・悪意の不在~」

その夜は忘れない
ど根性物語 銭の踊り
億万長者
憲兵と幽霊
怪猫亡霊屋敷

日本列島
激動の昭和史 軍閥

相棒(劇場版)
おとうと
衝動殺人 息子よ
満員電車
八甲田山

黒い十人の女
穴(大映)
血と砂
ハウス(HOUSE)
相棒(最終回SP『黙示禄』…番外編)

悪い奴ほどよく眠る
無法松の一生
蜘蛛巣城
江分利満氏の優雅な生活
大江山酒天童子
日本沈没

妖星ゴラス
斬る
待ち伏せ
殺人狂時代
太平洋奇跡の作戦キスカ
赤毛

戦国野郎

ブルークリスマス
大盗賊(東宝)
座頭市と用心棒
ガス人間第一号

電送人間
美女と液体人間
赤ひげ
世界大戦争
椿三十郎

用心棒
モスラ(1961年度版)
新幹線大爆破
隠し砦の三悪人
日本のいちばん長い日

☆はじめに☆


女の中にいる他人★★★★

2008年12月23日 | Weblog

★あらすじ★

田代(小林桂樹)の友人・杉本(三橋達也)の妻さゆり(若林映子)が殺された。その後、田代は妻の雅子(新珠三千代)に罪の意識から自分が犯人であることを告げてしまう。浮気と殺人という夫の裏切りに驚愕しつつ、雅子は子供たちのためにもと夫の自首を許さず、真相を闇に葬るべく、ある画策をする……。
(Amazon.co.jpより抜粋)


★感想★

これは新珠三千代の違った一面を見ることが出来る、彼女の魅力炸裂の映画です。私の彼女のイメージとしては、「江分利満氏の優雅な生活」のようなひょうひょうとした、だけどしっかりものの妻や、「日本のいちばん長い日」のようなどんな状況でも表情を一切変えず落ち着いて軍に対応するお手伝いの印象がつよいのですが、まあ、方向性は違えど、この映画の「妻」も通ずるところがあるのかもしれませんけど。

彼女の表情の変化、特に夫が実は殺された女と関係を持ったことがあると告げられた時の、気の優しいつつましやかな妻の表情から一転して、夫に対する憎しみにも似た冷酷な表情は思い出しただけでもぞっとします。

それから、夫が自首すると告げたとき、妻は泣き出すんですが、その泣き出す瞬間がもうほんとに泣き出しているような感じで(わかりますかね、この表現)凄い自然な演技でした。


私、新珠三千代大好きなんですが、もっと書きたいんですが、
ここらへんでやめにしておきます。

さて、もう1人この映画で書かなくてはならないのが三橋達也。
彼は被害者遺族で、友人がその犯人だと知っているのにも関わらず、
その事実を知っても警察に言おうとしない。
一番告白されたくない人間から告白されてしまった苦悩。

うがった見方をすれば彼は警察に言わないことで、優しくすることで田代(小林)を苦しめているのではないか。ということにもなってしまいますが、それはどうでしょうかね、この映画を見る限り、そんな雰囲気は一切感じられません。そこらへんの演出の妙。見事です。

この映画では大きく分けて三つの苦悩が描かれます。

ひとつは殺人者田代の苦悩。
自分のしたことを他人に告げるか告げまいかで悩みます。

ふたつめは田代の妻雅子の苦悩。
最初の苦悩は夫が被害者の浮気相手だったこと。次は夫が加害者だったこと。そして殺した理由の理不尽さ。最後に夫が自分の罪を他人に告白しよとする恐怖。告白したことでいままでの幸せな家庭が崩れてしまいます。
一番大切なわが子までも…

みっつめは加害者の友人の苦悩。
20年来の付き合い。大親友の犯した罪を無理にでも水に流そうとする。
(絶対むりだあ~)

複雑ですね。人間関係複雑にしないほうが得策ですね。



実は、実は
成瀬巳喜男映画見るの初なんですよ。
はずかしながら
でもこれからどんどんレパートリー増やしていくんで。
それから、さすが巨匠と言われるだけあるなと思いました。
効果的な照明に、浮き彫りのような映像の挿入、スタンダードサイズのモノクロ画面。
こういった心理劇にぴったりです。

数々の物語の主軸と関係のない暗示めいたエピソードの挿入も効果的です。

それから、音楽も感動的。

子供を必死で守ろうとした妻が最後にとった行動、海辺で遊ぶ子供達を見つめる新珠の表情が印象的でした。



最後に、若林映子いろっぽすぎです


監督 成瀬巳喜男
脚本 井手俊郎(エドワード・アタイヤ『細い線』より)
音楽 林光

田代勲 小林桂樹
田代雅子 新珠三千代
杉本隆吉 三橋達也
杉本さゆり 若林映子
加藤弓子 草笛光子
田代栄子 長岡輝子
マスター 加東大介
バーテン 黒沢年男
平井 十朱久雄
黒岩 藤木悠
黒岩の妻 中北千枝子
警部 稲葉義男

1966年度東宝作品(モノクロ・スタンダード


履歴↓

女の中にいる他人

相棒Season7「レベル4」

大魔神

大魔神怒る

大魔神逆襲

相棒Season7 「還流~密室の昏迷・悪意の不在~」

その夜は忘れない
ど根性物語 銭の踊り
億万長者
憲兵と幽霊
怪猫亡霊屋敷

日本列島
激動の昭和史 軍閥

相棒(劇場版)
おとうと
衝動殺人 息子よ
満員電車
八甲田山

黒い十人の女
穴(大映)
血と砂
ハウス(HOUSE)
相棒(最終回SP『黙示禄』…番外編)

悪い奴ほどよく眠る
無法松の一生
蜘蛛巣城
江分利満氏の優雅な生活
大江山酒天童子
日本沈没

妖星ゴラス
斬る
待ち伏せ
殺人狂時代
太平洋奇跡の作戦キスカ
赤毛

戦国野郎

ブルークリスマス
大盗賊(東宝)
座頭市と用心棒
ガス人間第一号

電送人間
美女と液体人間
赤ひげ
世界大戦争
椿三十郎

用心棒
モスラ(1961年度版)
新幹線大爆破
隠し砦の三悪人
日本のいちばん長い日

☆はじめに☆


相棒Season7「レベル4」★★★★★

2008年12月18日 | Weblog

ごめんなさい、書かずにはいられなかったもので

日本映画というタイトルから脱線してしまっているんですが、
これだけは書かせてください!

(邦画はあと2本くらい書けるかな。東宝の「透明人間」を買ってきたので。)


あらすじは公式サイト

 

いやあ~遂に来てしまいましたね。
この回が。
見終わった後の感想としては。


大満足です。


確かに物凄く寂しくて、どこか心にぽっかり穴が開いたような気もしましたが、
…うん。これだよ。これこそ相棒なんだよ。
あの辞職の理由なら、納得できる。


亀山薫の卒業に気を取られて、本編のほう忘れてしまいそうですが、
話自体もそうとう面白かったです

微生物研究所の小菅が殺人ウイルスも持ち出し、右京らにゲームだと持ちかけ、
攻防戦が始まるのですが、小菅はただ単に日本にウイルスを撒き散らし、シュミレーションを試みようとしたわけではなく、ちゃんとした目的があった。
このあたりの一ひねりの展開もさすが相棒。

小菅に殺された研究員と同研究員・千沙子もあるタブーと絡んでいましたし。
前編の自衛隊のヘリが都内を飛び回っていたというのはてっきりマグカフィン(この場合では事件解決のための、きっかけとなるような設定。設定変更ができるどうでもいい設定)だと思っていましたが、まさか事件に絡んでいたとはね。

一人の鑑識から感染を防止するための「隔離」方法も面白かったです。

それと同時にすごい怖かった。もう、言葉は古いですがハラハラドキドキしっぱなしでした。
前編と後編を編集してつなげたら映画できちゃいますよ。

米沢さんの活躍も忘れちゃいけないですね、かっこいいです。

 

さて、話も超一級の出来栄えでしたが、輿水脚本ならではの登場人物の台詞も絶好調でした。


「何年あの人の相棒やってると思ってるんですか。」

「誰が笑うものですか。」

「とっとと行きやがれ。」

「どうか気をつけて行って来て下さい。以上です。」


もう台詞を聞くだけでじ~んとしてしまいます。
右京と薫の固い握手、伊丹刑事との悪態ぶった別れ方。さすが相棒を生み出した脚本家です。
右京さんのあっさりとした分かれ方も、右京さんらしい。
これが相棒なんですよ


相棒第一章の最終回。そして、元日からは新たな相棒がスタートします。
そういう感じで見てもいいと思います。



また亀山薫が帰ってくることを信じて…


脚本 輿水泰弘
監督 和泉聖治
音楽 池 広頼

水谷豊
寺脇康文
鈴木砂羽
益戸育江
川原和久
大谷亮介
山中崇史
山西惇
岸部一徳

袴田吉彦
大路恵美

2008年度 テレビ朝日 東映

履歴↓

大魔神

大魔神怒る

大魔神逆襲

相棒Season7 「還流~密室の昏迷・悪意の不在~」

その夜は忘れない
ど根性物語 銭の踊り
億万長者
憲兵と幽霊
怪猫亡霊屋敷

日本列島
激動の昭和史 軍閥

相棒(劇場版)
おとうと
衝動殺人 息子よ
満員電車
八甲田山

黒い十人の女
穴(大映)
血と砂
ハウス(HOUSE)
相棒(最終回SP『黙示禄』…番外編)

悪い奴ほどよく眠る
無法松の一生
蜘蛛巣城
江分利満氏の優雅な生活
大江山酒天童子
日本沈没

妖星ゴラス
斬る
待ち伏せ
殺人狂時代
太平洋奇跡の作戦キスカ
赤毛

戦国野郎

ブルークリスマス
大盗賊(東宝)
座頭市と用心棒
ガス人間第一号

電送人間
美女と液体人間
赤ひげ
世界大戦争
椿三十郎

用心棒
モスラ(1961年度版)
新幹線大爆破
隠し砦の三悪人
日本のいちばん長い日

☆はじめに☆


相棒(涙)

2008年12月13日 | Weblog
私の予想が見事に外れそうです・・・

「相棒Season7」のとこです。

公式サイトには「Season7をもって亀山薫が特命係を卒業」みたいなことが書いてあったので、文字通り、薫が特命係からいなくなり、違う部署で活躍する姿を描く、みたいな感じだと思っていたんです。
毎回出てこなくても、重要な回には出るかな、みたいな感じで。

ところが毎日新聞のインタビューを見ると、本当にもうこれっきり寺脇さんの出演はないようですね。

まあ、話を見ていないうちにいろいろ憶測するのははばかられますが。

そうですか、元日SPは田畑智子ですか、
どうなるかわからないけど、あたたかく見守りましょう・・・

大魔神逆襲★★★★

2008年12月13日 | Weblog

★あらすじ★

大雪・洪水などの災害が、全て魔の山に棲む荒神のしわざと信じられていた頃…。
荒川飛騨守は近隣諸国を侵略しようと企み、瓜生の里の村人達を捕らえて武器作りに酷使していた。
そこで、鶴吉・大作・金太・杉松ら4人の子供は、自分達で村の人々を救い出そうと、“魔神の御山”を越える決死の旅立ちを決意する。
ところが、道中数々の困難に見舞われ、遂に鶴吉が自らの身を神に捧げて神の怒りを鎮めようとした時…
武神像が腕を振り上げ憤怒の形相に変わり、神の使いの鷹が現れると共に吹雪が起こり、地響きをたてて大魔神がやって来る。
(Amazon.co.jpより抜粋)


★感想★

「逆襲」って…、
あれ、大魔神って今回そんなひどい目にあいましたっけ?
むしろ前作のほうがひどかったような…
1作目で頭に杭を打たれて、2作目で全身ぶっ飛ばされてだいぶ散々な目にあってますけど…
今回はせいぜい人が荒神の山に立ち入ったくらい。
ああそうか、前2作の怒りが溜まりにたまって3作目で逆襲??
(でも3作とも時間的、場所的に統一されていないしなあ)
という疑問を抱くのはやめにしましょう


大魔神3部作の最終作です。
「~怒る」が8月公開、そして本作が12月10日。
(だからそんなに急がなくてもっ)と思いますが、1年のうちに質の高い時代劇特撮映画を3本も見れるなんてなんとも豪華じゃあないですか。しかも監督は森一生。完全に子供向けではなく、一般映画として製作されていたんですね。


前回も言ったように、3作とも悪者を大魔神が懲らしめるという基本軸があり、3作を差別化する要因は特徴的な舞台設定ということでしょうか。

1作目は大魔神の細やかな設定に重点を置き、

2作目は湖が舞台で水を意識した内容でした。

そして「逆襲」の舞台は雪山。それに加えて子供たちが険しい山を越えて捕らわれの身の村人を助けに行くという一種のロードムービー的な要素も取り入れ、全3作の中では最後にして異色の回に仕上がっています。


本作は雪と雪の中の大魔神と子供の演出がメインで、悪役の設定が少しだけ(前作以上に)ステレオタイプな感じがします。だから、重要なのはそこではないんですねきっと。大魔神だって、今回は子供の依頼で特別に登場したって感じですもんね。


悪役の設定が薄めな分、大魔神の演出は前2作以上に見事な出来栄えです。今回は荒神(大魔神)の使いの鷹を登場させて悪者から子供たちを助けます。(この辺りも、荒神が子供を助ける理由はないのですが、今回は特別サービス。)
この鷹は鉄砲で撃たれて雪の中に落ちてしまいますが、雪の中から光が差し、鷹は復活します。
この辺の特撮も文句の言いようがない。


大魔神の登場シーンもかっこいい。
柔和な表情の武神像が大魔神になり動き出し、瞬間移動(!)します。そして雪山にやってくるんですが、光とともに雪の地面から現れる場面はもうやられたなと思いました。(この雪の特撮は、ソフトクリームの原料を使用したそうです。)
剣を抜くシーンもかっこいいし、特撮の見せ方が本当に上手いなと思いました。大映とか東宝のクオリティの高い特撮を見た後に同年代の他の作品をみるとがっかりしますけど

このシリーズは大魔神がどうやって登場し、どうやって消えてゆくかも見所のひとつです。
今回は雪魔神ですから、武神像に姿を戻した後に、粉雪となりふわっと形をなくします。
これも綺麗な演出です。

ラストシーンにスタッフ・キャストのクレジットを持ってくるのは1966年当時としては珍しいのでは?ちょっとした余韻を味わえていいです。

それから最後に、北林谷栄はやっぱりいい女優です
彼女のおばあさん役は本当にいい味出してます。


監督 森一生 
特技監督 黒田義之   
脚本 吉田哲郎 
音楽 伊福部昭 


鶴吉 二宮秀樹 
大作 堀井晋次 
金太 飯塚真英 
杉松 長友宗之 
庄八 山下洵一郎 
三平 仲村隆  
老婆 北林谷栄 

1966年度大映作品(カラー・スコープサイズ)

履歴↓

大魔神
大魔神怒る

相棒Season7 「還流~密室の昏迷・悪意の不在~」

その夜は忘れない
ど根性物語 銭の踊り
億万長者
憲兵と幽霊
怪猫亡霊屋敷

日本列島
激動の昭和史 軍閥

相棒(劇場版)
おとうと
衝動殺人 息子よ
満員電車
八甲田山

黒い十人の女
穴(大映)
血と砂
ハウス(HOUSE)
相棒(最終回SP『黙示禄』…番外編)

悪い奴ほどよく眠る
無法松の一生
蜘蛛巣城
江分利満氏の優雅な生活
大江山酒天童子
日本沈没

妖星ゴラス
斬る
待ち伏せ
殺人狂時代
太平洋奇跡の作戦キスカ
赤毛

戦国野郎

ブルークリスマス
大盗賊(東宝)
座頭市と用心棒
ガス人間第一号

電送人間
美女と液体人間
赤ひげ
世界大戦争
椿三十郎

用心棒
モスラ(1961年度版)
新幹線大爆破
隠し砦の三悪人
日本のいちばん長い日

☆はじめに☆


怪奇大作戦について(突然ですが・・・)

2008年12月09日 | Weblog

邦画紹介は年内にあと2本は書く予定です


もう年末ですね(って前回も言ったけど
年末になると思い出すのが
冬という季節にふさわしい怪奇大作戦なんですよ。
怪奇大作戦ってご存知ですか??
もうDVDも発売されていて結構有名になったかと思うんですが、ご存じない方ざっくりとした紹介をします。


怪奇大作戦とは1968年の冬に放送が開始された円谷プロダクション製作の科学犯罪ドラマです。
当時としては、「ウルトラマン」や「ウルトラセブン」と同じ系列として製作されていましたが、今こうして見てみると完全に大人向けのドラマであることがわかります。


大まかな内容は、普通の捜査では解決できない不可思議な事件をSRI(科学捜査研究所)という半官半民の5人のグループが解決していく、みたいな感じです。


非常にダークなテーマで、事件の背後には人間の歪んだ愛情や、人知では推測不可能な心理状態、そしてなんと言っても不条理な社会問題が根底にあるのです。


この部分、「相棒」とリンクする部分で好きです。
準主役(というかもはや主役級)の岸田森の好演が光る牧史郎もなんか右京さんとかぶります。まったく違うタイプの人間なんでしょうけど。

そして、毎回の奇抜なトリックがこれまた面白く、科学というよりもむしろ、Xファイル的な要素が強く、空想科学がほとんどで、中にはモンスターも登場します。
そういったSFを一般の事件にさりげなく織り交ぜる演出も見事です。

40年も前にこんなドラマが製作されていたのかと思うとただ感心するのみです。



中にはこんな意見もあるようです。
「68年当時も異常犯罪は存在し、マスコミでも話題になっていた。だから、怪奇大作戦が一概に先見の眼を持っていたかと言うと、そうは言えないのではないか。」・・・・

しかし、その事実があったとしても、それを映像として表現していくというのはかなりの問題意識を持っていないと出来ないことです。今でも、そういうドラマがどれだけあると思います?

後に各話の一口コメントでも書く予定です。
らいでんさんのファンサイトが閉鎖されてしまって本当に残念です。いろいろ情報など大変お世話になったサイトです。)


以下、全26話リストです。(自分なりにジャンルを分類してみました。結構バラエティにあふれる内容ですよね。意味あるような無いような・・・)


壁ぬけ男 科学技術

人喰い蛾 細菌

白い顔 科学技術

恐怖の電話 科学技術

死神の子守唄 科学技術

吸血地獄 ホラー

青い血の女 科学技術+ホラー

光る通り魔 突然変異

散歩する首 科学技術

死を呼ぶ電波 科学技術

ジャガーの眼は赤い 科学技術

霧の童話 科学技術

氷の死刑台 科学技術+突然変異

オヤスミナサイ 科学技術

24年目の復讐 突然変異

かまいたち 科学技術

幻の死神 科学技術

死者がささやく 科学技術

こうもり男 科学技術

殺人回路 科学技術

美女と花粉 科学技術

果てしなき暴走 科学技術

呪いの壺 科学技術

狂鬼人間 科学技術

京都買います 科学技術+ファンタジー

ゆきおんな ファンタジー


履歴↓

大魔神
大魔神怒る

相棒Season7 「還流~密室の昏迷・悪意の不在~」

その夜は忘れない
ど根性物語 銭の踊り
億万長者
憲兵と幽霊
怪猫亡霊屋敷

日本列島
激動の昭和史 軍閥

相棒(劇場版)
おとうと
衝動殺人 息子よ
満員電車
八甲田山

黒い十人の女
穴(大映)
血と砂
ハウス(HOUSE)
相棒(最終回SP『黙示禄』…番外編)

悪い奴ほどよく眠る
無法松の一生
蜘蛛巣城
江分利満氏の優雅な生活
大江山酒天童子
日本沈没

妖星ゴラス
斬る
待ち伏せ
殺人狂時代
太平洋奇跡の作戦キスカ
赤毛

戦国野郎

ブルークリスマス
大盗賊(東宝)
座頭市と用心棒
ガス人間第一号

電送人間
美女と液体人間
赤ひげ
世界大戦争
椿三十郎

用心棒
モスラ(1961年度版)
新幹線大爆破
隠し砦の三悪人
日本のいちばん長い日

☆はじめに☆


相棒7話「最後の砦」とXファイルとその他いろいろ

2008年12月06日 | Weblog

とうとう12月に入ってしまいましたね。
年内ももうそろそろ見納めです。
年末になってくるといろいろTV番組も編成が変ってきていよいよ新年だなと思わせてくれますが(TVっ子ですみません
新年早々見逃してはならないのが

「相棒」元日2時間半スペシャル
ですよね

来年はどんな内容か、誰が脚本か(監督は恐らく和泉聖治さんで間違いないでしょうが)まだ公式ブログでも公開されていません。
多分殺人ウイルステロの話「レベル4」前後編が終わったころ明らかになると思います。
待ち遠しい

ところで、皆さんは今週の相棒をご覧になりましたでしょうか??
とんでもない大傑作でしたよ。
もう、2時間スペシャルばりの重厚感!
これが相棒の真骨頂ですよ

内容は警察の取調べの際の監督官制度がベースとなっていて、
暴力的な取調べをして被疑者(しかも誤認逮捕が後で右京さんによって明らかになってしまう)を殺してしまった警官と、それを黙認した監督官の苦悩を描いていました。

今回も右京さんの言葉ひとつひとつが心にしみました
亀山さん卒業を知っている視聴者は、亀山さんの表情を見る度に動揺してしまうのでした。

この話、決してハッピーエンドに終わっていないのがいい。
結局、取調べの際の暴力行為は隠蔽されてしまいましたし、
右京さんに諭されて心を入れ替えた警官にも苦い思い処分が下されました。

小野田官房室長官、大河内監察官が出てくるとやはり物語が締まりますね。
この二人を上手に描けるのは輿水さんと櫻井さんくらいですかね。
こういう制度の矛盾をつくストーリーにたけているのは明らかに櫻井武晴脚本ですけどね。


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先日、Xファイル~真実を求めて~を見てきました。
2002年放送の最終回『真実』で2012年に異星人が世界を侵略するという真実を知ってしまったモルダー&スカリーでしたが、その話と全くかけ離れた本作、
けっこう悪い批評がおおかったのですが、私は十分、思いっきり楽しめました。

UFO関係やSF
もの、そしてホラー、超常現象と様々なジャンルを含んでいるXファイルですが、中には普通の、ごく一般の人間が異常な犯罪を犯すというケースもあって、その人知を超えた人の不可解な心情を描くのもXファイルの面白さなのです。

「フェチシズム」とか「グロテスク」とか「ホーム」とかを彷彿させましたね。
十分面白かったですよ。


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大魔神逆襲・・・ついにDVD買っちゃいました!
逆襲はさすが!楽しめました。
ついでに風速七十五米も買ってみてみたのですが、
けっこう普通でした

ほんとはもっと書きたいんですけどね
先日またまた神保町シアターに行ってきて「にあんちゃん」を見てきました。
そのレビューも近いうちに必ず!!

それでは

履歴↓

大魔神
大魔神怒る

相棒Season7 「還流~密室の昏迷・悪意の不在~」

その夜は忘れない
ど根性物語 銭の踊り
億万長者
憲兵と幽霊
怪猫亡霊屋敷

日本列島
激動の昭和史 軍閥

相棒(劇場版)
おとうと
衝動殺人 息子よ
満員電車
八甲田山

黒い十人の女
穴(大映)
血と砂
ハウス(HOUSE)
相棒(最終回SP『黙示禄』…番外編)

悪い奴ほどよく眠る
無法松の一生
蜘蛛巣城
江分利満氏の優雅な生活
大江山酒天童子
日本沈没

妖星ゴラス
斬る
待ち伏せ
殺人狂時代
太平洋奇跡の作戦キスカ
赤毛

戦国野郎

ブルークリスマス
大盗賊(東宝)
座頭市と用心棒
ガス人間第一号

電送人間
美女と液体人間
赤ひげ
世界大戦争
椿三十郎

用心棒
モスラ(1961年度版)
新幹線大爆破
隠し砦の三悪人
日本のいちばん長い日

☆はじめに☆