魅惑の日本映画

日本がこれまでに生み出した数々の名作、傑作、(珍作?)の映画を紹介していきます。

憲兵と幽霊★★★

2008年09月02日 | Weblog

★あらすじ★

天知茂が冷酷な憲兵少尉を演じたことで話題となった怪奇スパイサスペンス。野心あふれる憲兵少尉・波島の謀略によって、田沢は無実の罪で銃殺され、彼の妻も波島の手に落ちる。波島に恨みを抱く田沢は亡霊となって蘇り、波島は次第に常軌を逸していく。
(DVD NAVIGATOR」データベースより)


☆感想☆

タイトルとは違って意外と普通の映画
エログロ路線を期待すると肩透かしをくらいます

とはいえ、
天知茂の魅力満載の一篇。
大衆映画的ながらも、巨匠中川信夫のセンスが時折見ることの出来る怪奇映画。

憲兵とバラバラ死美人(のちに記載予定)では、良い憲兵悪い憲兵という構図がなされていたのが、中川信夫の憲兵物は憲兵を徹底して悪として描いています。
幽霊やサスペンスという分かりやすい形式をとりながら、完全に日本軍批判、反戦映画ですねこれは。

天知茂は色気違いで、殺人狂で、自分の罪を他人になすりつけるどうしようもなく悪い奴ですが、75分間全編を引っ張って、凄まじい最期を見せつけます。

ホラーというか、憲兵シリーズは決してホラーじゃないんですよね。
というよりもむしろサスペンス色が強く、幽霊は確かに出てきますが、
その幽霊の演出も、波島(天知)が徐々に正気を失っていく過程での幻影と受け取ることも出来ます

ラストの墓地に、十字架にかかげられた波島が殺した人々が暗闇から現れるシーンは、名シーンですね。
当時としては大変斬新で洗練られた画面だと思います。

久保菜穂子と中山昭二が再会を誓い合うラストで終わるハッピーエンド。
どんなに不条理で恐怖に満ちた物語でも、中川信夫監督はいつもそういう終わらせ方をします


監督 中川信夫 
製作 大蔵貢  
脚本 石川義寛 
音楽 江口夜詩 
   
波島  天知茂 
田沢  中山昭二 
しず  宮田文子 
明子  久保菜穂子 
張覚仁 芝田新 
紅蘭  三原葉子 
踊り子 万里昌代 

1958年度新東宝作品(モノクロ・シネスコ)

履歴↓

亡霊怪猫屋敷


激動の昭和史 軍閥

相棒(劇場版)
おとうと
衝動殺人 息子よ
満員電車
八甲田山

黒い十人の女
穴(大映)
血と砂
ハウス(HOUSE)
相棒(最終回SP『黙示禄』…番外編)

悪い奴ほどよく眠る
無法松の一生
蜘蛛巣城
江分利満氏の優雅な生活
大江山酒天童子
日本沈没

妖星ゴラス
斬る
待ち伏せ
殺人狂時代
太平洋奇跡の作戦キスカ
赤毛

戦国野郎

ブルークリスマス
大盗賊(東宝)
座頭市と用心棒
ガス人間第一号

電送人間
美女と液体人間
赤ひげ
世界大戦争
椿三十郎

用心棒
モスラ(1961年度版)
新幹線大爆破
隠し砦の三悪人
日本のいちばん長い日

☆はじめに☆


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