魅惑の日本映画

日本がこれまでに生み出した数々の名作、傑作、(珍作?)の映画を紹介していきます。

暗黒街の対決★★★★

2009年03月22日 | Weblog

三船さんはやっぱりカッコいい。
鶴田さんはなんか水っぽい(失礼しました)。
司葉子は清楚でいつも素敵です。


二つのヤクザが町を支配し、そこへ汚職刑事というよそ者がふらりと現れるという設定は、まあどこかで聞いたことがあるような設定なんですが、60年代当時の雰囲気を味わうことが出来、天本英世、ミッキー・カーチスの妙な歌も聞けるということでは、一見の価値ありです。

いやいや、本篇も勿論面白かったです。なんてったって岡本喜八ですからね!

で、喜八作品にはやはり佐藤勝の音楽でしょう。
決して特徴的な旋律ではないのですが、物語をだるくさせない軽妙なBGMは佐藤氏ならでは。岡本喜八作品の明るさを彼の音楽が多かれ少なかれ支えていることは間違いないでしょう。


三船&鶴田の二大スターを当時まだ監督としては新人の喜八監督は上手く料理しています。どっちにも見せ場を作って、鶴田浩二は死んじゃいますが、まあオイシイ役どころですよね。
三船刑事の苦みばしるだけじゃない、楽しんでるような演技もいいです。
実は・・・な展開もお約束ですが、そのお約束が心地よい。


東宝のお馴染みの面々が登場する和製ハードボイルド映画といった感じの作品です。「結婚のすべて」でデビューし、「暗黒街の顔役」や「独立愚連隊」などのアクション映画の路線上にあたる作風です。
西部劇、ハリウッドの雰囲気を意識しているのか、内容は極めて通俗的で毒にも薬にもならないんですが、そこは喜八監督。下手をすれば単調になってしまうストーリーをこなれた手つきでまとめてるじゃん(偉そうに…、)


最後に、この映画を見る際は、「1960年度公開」ということを頭にたたきつけてみることをお勧めします。
49年前の映画なんです。
そんな昔の映画が面白いって、素晴らしいことじゃないですか。

 


監督 岡本喜八
原作 大藪春彦
脚本 関沢新一
音楽 佐藤勝


藤丘三郎 三船敏郎
村山鉄雄 鶴田浩二
サリー   司葉子
大岡    河津清三郎
柴田    中丸忠雄
天堂進   平田昭彦 
杉野    ミッキー・カーチス
市野    天本英世 
小塚音吉 田崎潤
弥太    佐藤允
署長    小杉義男
望月次席 中谷一郎
三宅警官 夏木陽介

1960年度東宝作品(カラー・東宝スコープ)

過去のレビューはこちら


どうしようかな~(汗)

2009年03月16日 | Weblog

トイレット部長を見てきました。
池部良のコミカルな演技がとても面白かったです。

さて、ここで思ったことですが、
映像ソフト化されていない作品を紹介する意義です。

見たことのある人は共感、反感、いろいろなことを思って下さるでしょう。
見たことのない人は、
「ああ、見てみたいなあ」とか
「機会があれば見てみよう」あるいは
「別にいっか・・・」と思うでしょう。

でもあまり未ソフト化の作品ばかり取り上げてもなあなんて思っちゃいましてね・・

ああ、東宝は名作をまだ埋もれたままにしておくのか!!

いや、おいしいものは後にとっておくということなのでしょうか、

いづれにせよ私が東宝さんにDVD化してもらいたいのは、

あすなろ物語

ジャコ萬と鉄

下町(ダウンタウン)

カモとねぎ

大盗賊

国際秘密警察(未見なので・・・)

などなど、あ、まだいっぱいありますけどね。

ま、これからはソフト化しているものに焦点を当てていきますのでよろしくお願いいたします。。。


ああ爆弾★★★★☆

2009年03月04日 | Weblog

★あらすじ★

昔気質のヤクザ組長・大名大作(伊藤雄之助)が3年ぶりに出所し、自分のシマに戻ってみると、そこは新興ヤクザの矢東(中谷一郎)に乗っ取られていた。怒りに燃える大作は、子分志願者の太郎(砂塚秀夫)に万年筆型の爆弾を作らせ、矢東を殺す計画を立てるのだが、万年筆は矢東の手を離れ次から次へと人手に渡ってしまう…
(Amazon.co.jpより抜粋、改稿)

★感想★
感想書いてみたんですが、通り一遍のことしか書けない…
そりゃね、この映画、そう簡単に歯がたつもんですか…
面白かったですよ。
見ていない人は見て損はないと思いますよ。


異色作異色作って言ってるけど、中身を見てみれば、「ああ、これは喜八映画に間違いないな」とほとんどの(?)人が思うでしょう。
狂言歌、ジャズ、ロックと映画全体のBGMは自由奔放で、登場人物たちの仕草やセリフに合わせて流れていて面白い。

明らかに「ウエストサイド物語」を模しているんですよ~。とでも言いたげな矢東(野党の矢東って…笑)の登場シーン、それに引き替え狂言、浪曲のBGMのみの大名大作。

計算された構図と佐藤勝の音楽がこれほどまでにしっくりと、否、しっくりではなく妙な違和感があるんですがでもこれ以外になにか選曲でもあるのかというくらい合っている。佐藤氏もそうとう楽しんでるんじゃないかと思わせます。

全篇通して登場人物のセリフが歌になってしまう、和製ミュージカルといった趣があるんですが、ミュージカルという枠で見るとどうもしっくりこない。
かと言って普通の映画とも言えないし、う~ん。こんな観客に対して挑戦的な映画、当時はどんな風にとられたのでしょうか?

銀行員が金を数えて、10円が足りないことも「10円足りない~」と歌になってします。
沢村いき雄の、会社の金を横領しようとたくらむ(といっても可愛いもの)タクシーの運転手の「300万、300万、300万」も歌になってしまう。
バカバカしいけど、面白い。
万年筆の行方も、落ちもだんだんわかってきちゃうけど、面白い。
なんだ、結構オーソドックスな映画なんじゃん!
と思ってみたりするけど、やっぱりそんなわけがない。

今でこそ観客の常識を破るかのような斬新な画の映画がいくつかつくられるようになりましたが、その40年以上も前にこんなとんでもない映画が作られていたとは。

「日本のいちばん長い日」や「沖縄決戦」を撮る監督ですが、そういう重厚な映画はむしろ異色作で、よくカルト作と言われるけど、こういう映画こそが岡本喜八って感じがしますけどね。

最後に、伊藤雄之助砂塚秀夫
あなたたちは本当にいい仕事をしますね~
二人がなにかしゃべっているだけで面白いんだからすごい。

 

 

監督 岡本喜八
脚本 岡本喜八  
原作 コーネル・ウールリッチ 
音楽 佐藤勝 
 
 
配役    
大名大作  伊藤雄之助 
大名健作  高橋正 
大名梅子  越路吹雪 
田ノ上太郎 砂塚秀夫 
矢東彌三郎 中谷一郎 
椎野武三  沢村いき雄 
椎野松子  本間文子   
乾分テツ  天本英世 
銀行支店長 有島一郎 
社員竜見  二瓶正也 
銀行秘書  桜井浩子

1964年度東宝作品(モノクロ・東宝スコープ)

過去のレビューはこちら


ジャコ萬と鉄(東宝)★★★★

2009年02月12日 | Weblog

★あらすじ★
あらすじは、これでも読んで下さい。

★感想★

1949年と言えば、私の母が生まれた年です。
もうそのころに三船敏郎がこんなに大人になっているんだから、時代というものを感じさせますね。
同じ年に三船敏郎は「静かなる決闘」にも出演していますが、顔のつくりが他の俳優と違いすぎ。撮影部志望から俳優にさせられちゃっただけありますね。

劇場に入って「この映画のフィルムの保存状態が悪く、所々欠落箇所があり、本来の上映時間より8分短くなっている」という旨のアナウンスがありました。確かにフィルムが途中でブッツリ切れて分からない部分もあるんですが、鑑賞する上で何の問題もありませんでした。
完全版フィルムがあるなら別ですが、将来DVD化される際も安心できますね。

話の内容はニシンの漁の季節に、北海道で九兵衛に雇われた漁師達がニシン漁に奮闘するという流れなのですが、その中で、海で死んだと思われた九兵衛の息子・鉄が帰ってきたり、九兵衛が樺太から引き上げる際に死んだと噂された鉄が現れたりと、まあ俗な言い方をすれば様々な人間模様がくり広げられるわけです。

脇役陣では清川虹子と藤原釜足を書かないといけませんね。
清川虹子はもっと後年あるいは亡くなる以前の姿しか見たことないので、こんなに若い(そうは言ってももう相当な年でしょうが)姿を見れたのでちょっとうれしかったです(何が?)
藤原釜足は妻の尻に敷かれ気味な役が本当に板についていて笑わせられます。こんな前の作品でも後年と老けが変らないのが不思議でした。

この映画の見所はジャコ萬(月形)と鉄(三船)の男の対決!なんでしょうが、見る限りその印象はそれと言ってなかったです。取っ組み合いの喧嘩はありましたけど。
ただ、月形龍之介と三船敏郎が同じ画面に並んでるってそうないですからね、貴重です。それだけでも見る価値はあるかもしれません。

面白かったのは三船敏郎の南方で覚えた珍妙な踊り。
「ウラウラウララ」(だっけ?)と声張り上げて歌い、変な踊りをする三船敏郎はもの凄く生き生きしていて、そう、こういうひょうきんな役も意外としっくりくるんだなと感心させられました。

鉄(三船)は毎週土曜になると、ソリで都会まで向かい、教会へ行きます。
その理由は教会でオルガンを弾く少女(久我美子)を見る為です。
男らしい鉄がなにも言えないでただデレっと見つめるだけというギャップがなんとも微笑ましいですね。
この時の久我美子はまだ少しふっくらとしていてあどけなさが残っています。

荒々しい漁師の世界⇔荘厳な教会(の賛美歌)という組み合わせも何と無く黒澤明らしい。

後味の良さは、黒澤脚本&谷口監督、そして三船敏郎の底抜けの明るさでしょうか。東宝らしい「ジャコ萬と鉄」でした。


さて、次回は怪作「ああ爆弾」です。


監督 谷口千吉
脚本 黒澤明、谷口千吉
原作 梶野悳三『鰊漁場』
音楽 伊福部明

出演…
三船敏郎
月形龍之介
進藤英太郎
原泉子  
藤原釜足
清川虹子
浜田百合子
松本光男
久我美子 

1949年度製作
東宝、49年プロ(モノクロ・スタンダード)

前回の映画→カモとねぎ

過去の映画のレビューはこちらへ。


カモとねぎ★★★★★

2009年02月06日 | Weblog

★あらすじ★
その端正な風貌から“貴族詐欺師”と呼ばれる石黒信吉(森雅之)とキザなチンピラ丸木久平(高島忠夫)、森洋介(砂塚秀夫)の3人の詐欺師は、競艇で八百長を仕組み、まんまと300万円を手にしたが、丸木と森の不注意からその金を謎の女(緑魔子)に持ち逃げされてしまった。女の残したマッチを手掛りに、3人はようやくのことで暴力バーのホステスである女、麻美を見つけたのだが彼女は情夫の保釈金にその300万を使っていた…。
(goo映画より抜粋・一部改訂)


★感想★

(注)上のあらすじですが、文章に書いてあるのは映画の序の部分です。
これもまた神保町シアターで見てきました。
森雅之って、あんまり私見てなかったんですが、本作で彼の魅力をしっかりと認識できました。
森雅之の七変化。それがこの映画の見所のひとつですが、その変装ぶりが全て板についていて笑わせるし感心させられます。


まずは冒頭の競艇で船に乗って釣りをするよれよれの森雅之に思わず吹きました。
タイトルクレジットのお洒落さとスキャット、そしてこの冒頭は相当ボルテージ高いです。
丸木(高島)と森(砂塚)が乗る車は按摩(マッサージとは言わない)機能つきなんですが、これ完全に小ネタの域にはいってます。

結局、麻美は300万円を返すまで詐欺師達のグループの一員になります。
ここからこの映画のストーリーは進行していくわけです。まず手始めに麻美の働く違法暴力バーに森雅之が弱弱しい税務署の係長に扮し、客として潜入します。そこで注文するのはなんとソーダ水
他のホステス達にも3つソーダ水を注文します。
税務署の係長だと知った店員は慌てて森雅之に口止め料を払うのでした。


それから青少年を性の不道徳から守る会(うろ覚えなので適当)の山岡久乃に教育映画と偽りアダルトビデオを見せちゃいます。
(あげくその会の援助金をパクるという…)
ビデオをを見た山岡久乃がまんざらでもないといった印象を受けたのがおかしかったです。
この時の森雅之は教育委員会委員長。その助手が砂塚秀夫で、かれは以前顔を見られているので、銀歯の入れ歯(しかも出っ歯)をして現れます。古典的な笑いなんですけど、劇場内は爆笑でした。


さて、散々笑わせたところで、今度の舞台は毒物を垂れ流す工場です。
そこに不発弾が埋まっている噂を聞いた森雅之詐欺団は自衛隊(!)に扮して工場内の職員を全て立ち退かせ、金庫を破ります。
金庫の中に簡単な金庫と会社が隠していた海水の毒物調査の資料を発見します。
そして見つけ出すつもりはなかった不発弾を見つけてしまい、そのまま慌てて逃げ帰るという…
逃げる際に工場の人に
「不発弾がありました、自衛隊を呼んで下さい。」
って、本当におかしい

森雅之は被害者の娘(桜井浩子です)にその毒物の科学調査の資料を渡します。やさしいですなあ。
その工場の会社はベトナム特需で悪徳をはたらく会社で、森雅之たちはその極秘資料で会社を脅しにかかります。

社長が東野英治郎というのもうけますね。悪いエロ爺ってかんじがして。
緑魔子の簡単な色じかけにころっと引っかかってしまいますし。

**********************

なんだか小ネタ満載の映画なんで、ストーリーを追っているだけになってしまったので、ここらへんで感想でも書くとしましょう。

この映画の良さは、ただ単に詐欺師のコメディだけにとどまらず、当時の社会の悪も登場させている点です。それは決して社会派、社会批判ではなく、マグカフィン(どうでもいいこと)に留めているところが物語りに奥行きを持たせ、でも重くない爆笑篇として成立しているのがいいですね。

とかなんとか言っても深いこと考えないで楽しんで見るのが一番なんですが。

この映画ではどんな巨悪も、逆にどんな道徳的なことも鼻先で笑っている気がします。
悪徳会社も青少年を守る会も関係ない、俺達は俺達の仕事をやるまでだ、とでも言いたげな。

またこの映画の更に良いところは、この詐欺師たちにきっちりオチを用意している所。
社長から巻き上げた金を持ち逃げした丸木と森の乗った飛行機は墜落し、丸木と森は海の真ん中に残されてしまうし、森雅之も山岡久乃の執念で逮捕されてしまいます。
(結局、緑魔子が保釈金を払って釈放されます。でもこの保釈金、競艇で森雅之たちが詐欺をはたらいて得た金をパクったやつですからね。まさに森雅之曰く「ありがとう、と言っていいのか。」)

ここがポイント。
どんなに軽妙で面白くても、彼らは所詮詐欺師なのです。
彼らが成功したままで終わると、まあそれでも構わないんですが、無一文になるというオチを用意してくれたほうが更に親切です。

さて、本作を見て気づいたのは森雅之の魅力と、緑魔子の可愛さと、砂塚秀夫の演技力です。

緑魔子はいつでも元気いっぱいで気持ちいいくらいに金庫破りを演じています。彼女の見せない色気も最高にいいです。

砂塚秀夫は本当に素晴らしい役者で、岡本喜八監督の常連ですが、にっかつ、任侠、ゴジラ、時代劇と幅広く出演しています。彼の魅力は何と言っても独特の台詞回しですね。いつも一筋縄ではいかない、と言うか一言では形容しがたい不思議な良さがありますね。
わけも無くオカマ言葉なのがうけます

それから、谷口千吉監督が毒のある(と言っても大したことないですが)コメディを撮っていたことに驚きです。


なんだか長々と意味のない感想をつらつらと書いてしまいましたが、まあ要するに、また言いますがこの映画は深いこと考えないで見るのが一番なんですね。


ああ、いつかDVD化されるといいなあ。
これVHSにもなってないんですが(私の知っている限り)、何故でしょうか?別に内容は何の問題もないし、A級クラスの俳優陣を起用してるし、何より面白いのに…

最近、昔の邦画のリリースをしていない東宝さんですが、いつかソフト化されていない数々の名画をリリースしてくれる日を待ち望んでいます。


監督 谷口千吉
脚本 松木ひろし、田波靖男
音楽 真鍋理一郎


森雅之
緑魔子
砂塚秀夫
高島忠夫

山岡久乃

小沢昭一
東野英治郎 

1968年度東宝作品(カラー・スコープ)


●リバイバル情報●

神保町シアターでは次回「東宝文芸映画の世界」を特集します。
私がチェックしているのは元祖「ジャコ萬と鉄」と「あすなろ物語」。
特に「ジャコ萬と鉄」はなかなか見られない三船&月形、そして黒澤明脚本なので必見です。監督は谷口千吉です。

「カモとねぎ」は2/18~2/24まで浅草新劇場で公開します。


★過去のレビューはこちらをご覧下さい。★


過去のレビュー

2009年02月06日 | Weblog
まだまとまってませんが、これから50音順とか、ジャン別とか分ける予定です。

暗黒街の対決

ああ爆弾
カモとねぎ

ジャコ萬と鉄

婚期

下町(ダウンタウン)
相棒Season7「ノアの方舟」
静かなる決闘
しとやかな獣
女の中にいる他人

相棒Season7「レベル4」

大魔神

大魔神怒る

大魔神逆襲

相棒Season7 「還流~密室の昏迷・悪意の不在~」

その夜は忘れない
ど根性物語 銭の踊り
億万長者
憲兵と幽霊
怪猫亡霊屋敷

日本列島
激動の昭和史 軍閥

相棒(劇場版)
おとうと
衝動殺人 息子よ
満員電車
八甲田山

黒い十人の女
穴(大映)
血と砂
ハウス(HOUSE)
相棒Season6「黙示禄」

悪い奴ほどよく眠る
無法松の一生
蜘蛛巣城
江分利満氏の優雅な生活
大江山酒天童子
日本沈没

妖星ゴラス
斬る
待ち伏せ
殺人狂時代
太平洋奇跡の作戦キスカ
赤毛

戦国野郎

ブルークリスマス
大盗賊(東宝)
座頭市と用心棒
ガス人間第一号

電送人間
美女と液体人間
赤ひげ
世界大戦争
椿三十郎

用心棒
モスラ(1961年度版)
新幹線大爆破
隠し砦の三悪人
日本のいちばん長い日

☆はじめに☆

2008年に見た映画批評!!!(^ ^)

2009年01月21日 | Weblog

今年見た映画をざっと並べてみました。
たまにはこんな風にしてみるのも変わりばえがあっていいかと。
多分もっと見てると思いますが、思い出せる限り挙げてみました。
偉そうなこと書いて申し訳ないですが、暇なときに読んでやってください


○映画館で見た映画○

衝動殺人 息子よ★★★★★
詳しくは履歴へ

にあんちゃん★★★★☆
神保町シアターにて鑑賞。どんな苦境に立たされても、決してあきらめることのない
登場人物達の前向きさに涙。北林谷栄絶品の演技。

相棒★★★★
詳しくは履歴へ

インディジョーンズ・クリスタルスカルの王国★★★★
ありえないだろ!と毎回突っ込みを入れてしまうこの快感はなんなんでしょう。
兎に角、気持ちいいくらいにあらゆることを無視して突っ走るテンションの高い映画でした。
3回映画館に足を運ぶほどはまりました。

ハムナプトラ★★
ありえないだろ!と突っ込みを入れるのが疲れる…
どうして役者が変わったんだろう・・・
これはもうハムナプトラじゃないね、ジェットリーのCG画には思わず吹いてしまった。

Xファイル・真実を求めて★★★★
Xファイルのダークな世界を堪能できる一品。
最終回の流れは一旦保留で、今後の展開に期待できる内容でした。

崖の上のポニョ★★★★
何も考えず見てください。それがこの映画を楽しめる方法です。
細かな批評なんて、そもそも必要ないのかもしれませんね。

WALL・E(ウォーリー)★★★★☆
大好き!とにかくウォーリーがかわいすぎる!!お掃除ロボのモーも最高!
ストーリー的にもうならせるものがある。

ザ・マジックアワー★★★★☆
これも深いことは考えずに見たい作品。
ご都合主義万歳!!
上映中笑いがたえない作品。黒い101人の女って…

私は貝になりたい(2008年度)★★★★
映像、音楽が見事な作品。日本の風景を大画面に、壮大な音楽で観客に見せる演出は砂の器を彷彿とさせます。
リメイクする意味のある、また、リメイクで成功した作品。
仲間由紀恵のがんばってるシーンと草剛の役と演技は必見です。

 

○DVDで見た映画○

帝銀事件 死刑囚★★★★
歴史的大事件にメスを入れた映画。
帝銀事件についての詳細を知ることができる興味深い作品。
主人公と事件被害者のくだりは必要?

透明人間(東宝)★★★☆
戦後すぐゆえ、軍国主義批判の強い一品。昔の特撮はメッセージ性が濃いのが特徴。
透明の特撮も見事。従来の透明人間ものとは一線を画す映画。

憲兵とバラバラ死美人★★★
名前は猟奇的だが、幽霊がちょこっと登場するサスペンス・ホラーといった趣の作品。
普通に面白かった。

破戒★★★★☆
市川崑監督の重厚な雰囲気が味わえる。
差別に苦しむ出身の苦悩を見事に映像化した格調高い映画。
最後の希望の持てる展開が最高です。

釈迦★★★★
これは絶対大画面で見たい映画。話は釈迦にまつわる人々の話をオムニバス形式で描いたもの。
宗教映画としてではなく、大映のオールスターを味わえ、昔の映画の底力を楽しめる作品。

太陽を盗んだ男★★☆
これ、コアなファンがいるそうで、私も見てみたんですけど、アイディアは面白いと思うんですが、
なんというか、単調で、飽きてしまった。でも70年代の熱い何かを感じました。

天国と地獄★★★★
言わずと知れた黒澤サスペンスの傑作。単なる誘拐事件ではなく、自分の息子ではない子供を
犯人はそのまま人質として金を要求するのがこの映画のポイント。
椿三十郎で断念した黒白の画面の中に映る赤の映像効果映える。

酔いどれ天使★★★★
60年前、戦後3年ながら、しっかりとした脚本で見終わった後何故か心が温まる作品。
ヤクザの壮絶な最期を描きつつも、志村喬と千石規子の存在でほっとさせる。
三船敏郎の鋭い演技が冴える。

炎上★★★
三島由紀夫自体私の得意とする分野じゃないので、どうかと思って見たけど、市川監督らしい、
芸術的センスの素晴らしい映画でした。感情輸入できる人物がいないので、見ていてつらかったけど。

奇厳城の冒険★★★
「大盗賊」の姉妹的映画。ハチャメチャさが売りのこのシリーズですが、今回はそのハチャメチャさが
さらに無茶苦茶になった感じ?愛すべき映画です。

大阪城物語★★★
これも大画面でみたら、大仏の特撮とか、城が崩れる特撮とか、
三船敏郎の豪快さをもっと楽しめたのかもしれません。
伊福部明の音楽も重厚感があって文句なしなのですが、いささか大味。

あにいもうと★★★★
地味な話ながら、京マチ子の演技力に改めて感動する作品。
話は適当に完結せず、また続きそうな感じなので、また見たくなるような映画。
森雅之、久我美子、京マチ子が兄姉妹だなんで、豪華すぎる!

野火★★★★
戦争中の、人間が人間でなくなる様を描いた壮絶なドラマ。
船越英二はこのために断食したというから、役者魂を感じます。
普段の女の尻を追っかける軽々しい役とはぜんぜん違う船越英二が見られます。

クライマーズ・ハイ★★★★☆
日航機墜落事件を取材する地元記者の苦悩、いや、そんな生易しい言葉では説明できない。
みんながんばってる!もうそれだけで感動してしまいました。
題名の意味が、物語後半で、ようやく分かる、よくできてるなあ。

私は貝になりたい(1958年度)★★★☆
戦争犯罪、刑の執行の矛盾を描いた画期的な映画。
主人公達の演技も自然で、(子役を抜かせば)リメイク版よりもいいとおもうんですが、
ちょっと、あっさりしてるかな。
それもそのはず、この映画を見た人たちは戦争被害にあった人、戦争経験者が多数。
戦争をしらない私達のような人々にとって見れば、この映画はすこしわかりづらいかも。
だからこそ、今リメイクする価値があるのです。

 

○DVDで見た外国SF・ホラー映画○

アンドロメダ★★★★
未知の宇宙ウイルスに感染した一つの村で生き残っていたのは赤ん坊と酔っ払いだった。
その謎を解き明かすための細かな設定が面白い。今流行のウイルス系の話ですが、30年以上も前に
こんなのがつくられていたんですね。感心です。

サイレント・ランニング★★★☆
ウォーリーとモーを彷彿とさせるロボット・ヒューイがせつな過ぎる!
緑を守るというコンセプトはウォーリーにもあるから、ウォーリーは少しだけ影響されたのでしょうか。
主人公が他の乗組員を殺して自分も爆発してしまうというストーリーは独特です。

地球爆破作戦★★★★
よくあるコンピュータの反乱ものですが、コンピュータの静かな恐怖、ラストのインパクトなど、どんなSF映画よりも怖い…。全てを支配するような防衛用コンピュータは作られることはないと思いますが(いや、その確証はないけど)。ひとたび機械の便利さに慣れてしまった私達に痛烈なメッセージを残します。
日本語のタイトルどうにかならんものかと。普通にコロッサスでいいじゃん…

クローバー・フィールド
ホームビデオ形式で語る、というのはぜんぜん新しくない。
映像がリアルっていうけど、それほどでも。宇宙人(?)だって、エイリアンとなんら変わらない。
ん~、なんだかよくわからない映画でした。

タイムマシン★★★☆
昔のやつです。遥か未来に行って、地底人と対決する話のほうのやつです。
主人公の自分勝手さぶりにいささかいらっとしますが、話の展開はちゃんとしてるので面白かった。

双頭の殺人鬼★★★
これぞB級映画の決定版!新東宝のスタッフが製作に携わったくらいですから、その質は確かです。
新聞記者の肩から目が出現するシーンは結構インパクトあります。
昔の映画って、残酷じゃないから好きです。今リメイクしたらそうとう怖くてそうとう気持ち悪くなるんだろうな・・・
たまに見たくなるんですよね、ゲテモノ、キワモノ映画って。

ハプニング★★★★
植物の恐怖、という展開はありそうであまりなかった?
物語の序盤で明かされるのでシャラマン監督の驚く展開はありませんが、じわじわと迫る見えない適の描写は凄く怖かった。ウイルスとも違う、新しい人類を脅かすもの(というか、人類が脅かしているからなんですが)。
驚愕のラストシーンも納得です。


そうとうコアな部分に入っちゃってるのもありますが、見てない方は是非ご覧くださいね

それではまた今度。


日本のいちばん長い日(改訂版)★★★★★

2009年01月07日 | Weblog
もうすぐ一周年記念!
てことでもう一回原点に帰るという意味で、
この映画のレビューを書き直しました。

いや、ただ単に書き直したかっただけなんですけど・・・

★あらすじ★
大宅壮一の原作を元に、昭和20年8月14日から15日にかけての太平洋戦争終結(ポツダム宣言の受託如何)をめぐって緊迫したドラマを展開する軍・政府部内の様々な人間像をドキュメンタリータッチで描き出し、歴史の大きな転換期を24時間という限定した時間の中に凝縮して浮き彫りにした作品。
(東宝特撮映画全史より一部改定して抜粋)


★感想★

東宝創立35周年記念映画。
岡本喜八、いや、日本映画界における代表作。

そもそも私は戦争映画が嫌いで、その理由は予告編にあるのですが、昔の大抵の戦争映画は、明るい音楽で、「興奮!迫力!」などを歌い文句にして、戦争高揚映画のようにとらえてしまいがちだったからです。
(実際に中身を見てみれば、そのほとんどが、戦争の悲惨さ、虚しさを訴えているものなんですがね。)

戦争映画を見るきっかけになったのは「キスカ」という戦争映画にしては珍しい全員玉砕を避けられるというパッピーエンドで終わる作品で、そんな映画ですらも、反戦のメッセージが込められている事。これが私が戦争映画を見られるようになったきっかけです。(このブログでも紹介しています。)


そして「日本のいちばん長い日」は私にとって戦争映画の概念をさらに覆す、ああ、こういう視点で描く戦争映画もあるんだあ。と思わせる作品でした。


だって戦争で日本人が死ぬ場面が無いんですから。
それを抜いて、戦争の悲劇を克明にするというのは凄い。
逆に、そういう場面を排除したことが成功につながったのかもしれませんね。

映画というメディアの性質上、小説などの原作では描けない視聴に訴えかけるインパクトが大切なのですが、この映画は以外に淡々と進んで行くんです。

でも、全編に渡って緊張感があふれている。


******************************


この映画はは、歴史上公式な終戦の日を描いているため、戦闘機が飛び交ったり、爆撃されたりというシーンは前半のこれまで日本が歩んできた惨たらしい歴史を紹介するシーンのみで、後は政府と軍、宮内省の攻防を描いています。
(日本の降伏時期をおくらせようと企図した陸軍将校達が近衛第一師団長森赳中将を殺害、師団長命令を偽造し宮城を占拠したクーデター事件)

前半は、仲代達也の淡々としたナレーションで、ごく簡単に、ごく分かりやすく太平洋戦争から広島、長崎の原爆投下、そしてアメリカ、中国、イギリスが日本に無条件降伏を要求するまでを説明します。
その間、映画のタイトルがいっこうに現れず、20分くらいでようやく登場するんですが、それまでの説明が、決して飽きることなく簡潔にまとめられているので見入ってしまいます。

その後も、このぬきさしならない状況の中で話はどんどん進んでいき、無駄な場面が一切ない。(変なロマンスも皆無!この映画は余計な場面を一切排除し、それが現実味をだし、長尺を忘れ去れます。)

唯一登場する女性は(特攻隊の場面で見送るお母さんは抜きますよ)新珠三千代のみ。それも台詞極少。
それでもあっけらかんとした態度を保つ女中(内心は怖くてたまらない)は強烈な印象を残してくれました。


陸軍将校達の暴走、暴動は、それが信念として自分達の中で立派に成立しちゃってるのが怖い。
(実際に戦地に立ったり、爆撃を受けたりした庶民のことを真に考えていないんですよね。「今ここでポツダム宣言を受諾したら、戦死して逝った人たちに申し訳がない」なんていうのは勝手な理屈です。)


三船敏郎はじめ、出演者それぞれも迫真の演技で、158分は瞬く間に過ぎていきます。このとき三船敏郎は47歳だったっていうんだから驚き。
貫禄ありすぎです




岡本喜八監督作品ですが、極めて重厚な作り。
明治時代に突入する時期を描いた「赤毛」の後に見たものですから、よけい感慨深かったです。
「赤毛」と「日本のいちばん長い日」を関連付けて見るのも面白いと思います。 

一種の記録映画のようでもあり、かつ映画の面白さもとことんまで詰めた60年代日本映画の傑作です。

物語のラスト、太平洋戦争の日本人の犠牲者の数が数字で表示されます。
(佐藤勝の音楽と明朝体の説明文は日本沈没を予期させます。)

仲代達也のナレーションもぐっと来ます。
「ただ祈るだけ」
そう、私たちに出来るのはそんなことくらいかもしれない。
しかし、そんなことすら出来なくなれば、もう私たちの未来は無いでしょう。

エンドロール(正式にはエンディングクレジット・スタッフとキャストの名前を映画の最後に流すあれ。私はあれを見終わらないと映画館の席が立てません。)を用いるのもこのころの邦画にしてはめずらしいですよね?
この時の音楽が、今まで劇中で使用されたことの無い、軍歌のような、節のきいた曲が流れるんですが、軍人のテーマというよりはむしろ、平和を、そして日本の未来を願う人達のテーマ曲に思いました。

最後の鐘の音。
佐藤勝氏は失敗だったと言ったそうですが、岡本喜八監督はあれで正解だったと言ったそうです。
で、私もいい効果音だと思います。
 

どんな戦争映画よりも説得力のある日本映画の底力を見せ付けられた映画でした。
戦争映画としても傑作の出来栄えだし、もう、そんなジャンルを遥かに超えた存在ですね。


監督 岡本喜八
脚本 橋本忍
音楽 佐藤勝

東郷外相     宮口精二
松本外務次官  戸浦六宏
鈴木総理    笠智衆
米内海相    山村聡
阿南陸相     三船敏郎
岡田厚相    小杉義男
下村情報局総裁 志村喬
井田中佐     高橋悦史
竹下中佐    井上孝雄
椎崎中佐    中丸忠雄
畑中少佐     黒沢年男
NHKナレーター 加山雄三

ナレーション   仲代達也

その他オールスター

1967年度東宝作品(モノクロ・シネスコ)158分


下町(ダウンタウン)★★★★☆

2009年01月04日 | Weblog

★あらすじ★

【注意】
以下の文章はgoo映画の「下町」に記載されているあらすじです(一部改訂)。
物語のラストまで書かれているので、ネタバレが嫌な方は飛ばして下さい。



戦後四年の早春。
りよは今日も下町の工場街を茶の行商をして歩く。
彼女はまだシベリヤから還らぬ夫を幼い留吉と共に待っていた。
とある鉄材置場の番小屋の男鶴石は親切だった。
彼女を火にあたらせ、茶まで買ってくれた。
彼はシベリヤの復員者だった。
二人は身上話をしながら一緒に弁当をつかった。
りよは幼友達きくの二階を借りている。
きくは療養所の夫のため闇の女をしている玉枝へ部屋を貸し、客の世話をしてその上前をはねていた。
きくはりよにもそういう商売をしたらと持ちかけてくる。
翌日りよは留吉を連れて行商に出た。
三人分のおかずを買い鶴石の小屋を訪ね、三人は楽しい昼飯を食べた。
留吉は彼によくなついた。
その夜、おきく夫婦と玉枝は売春の疑いで警察に呼ばれた。
鶴石の休日に、浅草へ遊びに行った帰途、激しく雨に降られ、三人は小さな旅館で休んだ。夜半、鶴石が彼女にささやきかけてき、抱こうとした。

「いけないわ。わたし、シベリヤのことを考えるのよ」

鶴石はぎくりとし、そのまま動かなかった。
一瞬りよの心は崩れ、りよの方から鶴石の首を激しく抱いた……。

翌朝、鶴石は固く結婚を約束した。
夫の死目に会えず、一人骨壷を抱いて故郷へ発つ玉枝を見送った翌日、りよ親子は鶴石の小屋を訪ねた。
小屋には見知らぬ男達が集り、なかを片づけていた。
神棚にはお燈明が上っている。
男達は彼女に鶴石の死を告げた。
前日、大宮から鉄材運びの帰途、トラックもろとも河に落ちたという。
りよは声も出なかった。
「りよどの二時まで待った」
黒板に鶴石の字で書いてあった。
小屋を出たりよは噴き出る涙をそのまま、留吉を連れ、川風に吹かれながら、とぼとぼ土手を歩いて行った。


★感想★

私の山田五十鈴のイメージは、「どん底」の毒婦 「億万長者」の口達者な芸者が強く印象に残っていて、今回の役どころは新鮮でした。

戦後間もない下町に生きる女。
しかも子供をつれ、シベリアに抑留されている夫を待ちながら売れ行きのよくないお茶を売りながら間借りして生活している健気な母親。

部屋を貸しているきくは新しい夫を紹介するが、りよはあまり乗り気ではない様子。そんな折、りよは茶売りの途中、偶然にも鶴石のバラック小屋で弁当をつかわせてもらう。その日をきっかけに、子供を連れて一緒に浅草にも行った。前半は、そんなささやかな鶴石との幸せな時間を描く。

同年に公開された「どん底」では心のそこから憎みあう泥棒と毒婦の骨肉のバトルが見ものだった二人の共演(競演)でしたが、今回は純粋に愛し合う者同士の慎ましやかな関係が本当に心に突き刺さるくらい切ない

二人の、控えめな台詞、相手を思いやりながら、ひとつずつ言葉を選びながら発している感じがして、なんて思慮深いんでしょうか昔の映画は

同じ家に住まわせてもらっているパンパンとして生きる女との交流や、お惣菜屋のおばさんとの微笑ましい会話など、下町に生きる人間達の関係も描かれています。
葛飾区役所とか、うちの近所ですよ
荒川区とか、江戸川区とか、昔の下町を垣間見ることが出来ます。


山田五十鈴の「母親」を十二分に堪能できる作品でした。
彼女は芸達者ですねぇ。
鶴吉のバラック小屋を去り、子供と二人で土手を歩いて行く姿は、どこか頼りなげですが、彼女の表情はきりっと引き締まり、もう子供を支えに生きていく心情が伝わってきます。

三船敏郎は「椿三十郎」や「用心棒」などの豪快な役と、「静かなる決闘」のナイーブな役が入り混じった複雑な役を好演しています。
ここらへん、「無法松の一生」に通じるところがありますね。(無法松はよりいっそう悲劇的なんですけど。)
兎に角、こういう役を見るのは後年の三船出演映画では甚だ困難です。

ま、この映画を見ること自体困難なんですが…
(ほんとに何でこれDVDにならないのかなあ、林芙美子原作だし、三船&山田コンビの代表作だし、あ、音楽が大魔神に似てるから?理由はなんにせよ一日でも早いDVD化を望みます。)

59分の小品ながら、非常にいい映画を観ました。
この映画、VHSにもDVDにもなってないので、全く私のアンテナに引っかかってきませんでした。(私の邦画情報源はもっぱらAmazonです…)
そういう滅多に見る機会のない映画を上映してくれるのが「リバイバル上映」というやつで、神保町シアターは1ヶ月ごとに女優、俳優、監督、原作、配給会社など様々なジャンル毎に特集を組んで上映しています。
で、今月は山田五十鈴の特集月間。
毎回チェックして、ソフト化されていない気になる映画を観ています。

山田五十鈴特集は1月9日までやっています。
この「下町(ダウンタウン)」も9日が最終日です。
お暇な方は是非是非ご覧ください!!
(なんか、神保町シアターの回し者みたいですけど、ほんと見て損はありませんから。)

神保町シアターホームページ


監督 千葉泰樹
脚本 笠原良三 吉田精弥
原作 林芙美子
音楽 伊福部昭

出演
山田五十鈴
三船敏郎
田中春男
多々良純
淡路恵子
村田知英子 

1957年度東宝作品(モノクロ・スタンダード)

履歴↓

婚期

下町(ダウンタウン)
相棒Season7「ノアの方舟」
静かなる決闘
しとやかな獣
女の中にいる他人

相棒Season7「レベル4」

大魔神

大魔神怒る

大魔神逆襲

相棒Season7 「還流~密室の昏迷・悪意の不在~」

その夜は忘れない
ど根性物語 銭の踊り
億万長者
憲兵と幽霊
怪猫亡霊屋敷

日本列島
激動の昭和史 軍閥

相棒(劇場版)
おとうと
衝動殺人 息子よ
満員電車
八甲田山

黒い十人の女
穴(大映)
血と砂
ハウス(HOUSE)
相棒Season6「黙示禄」

悪い奴ほどよく眠る
無法松の一生
蜘蛛巣城
江分利満氏の優雅な生活
大江山酒天童子
日本沈没

妖星ゴラス
斬る
待ち伏せ
殺人狂時代
太平洋奇跡の作戦キスカ
赤毛

戦国野郎

ブルークリスマス
大盗賊(東宝)
座頭市と用心棒
ガス人間第一号

電送人間
美女と液体人間
赤ひげ
世界大戦争
椿三十郎

用心棒
モスラ(1961年度版)
新幹線大爆破
隠し砦の三悪人
日本のいちばん長い日

☆はじめに☆


「相棒」元日SP~ノアの方舟~★★★★

2009年01月02日 | Weblog

あらすじは公式サイト



皆さんあけましておめでとうございます。

年明け早々まずはコレを見ないといけませんね。
亀ちゃんなき「相棒」がどういう展開をむかえるのか、
もうこの2週間ずっときになっておりました。

そもそも、私にとって相棒・元日2時間半スペシャルの位置付けは
元日のお祭り的な作品なんですよね。(自分で勝手に思ってることなので)
ストーリも大掛かり、舞台もも大掛かり、

すべてにおいてスケールが段違い。

そのスケールの凄さに毎年わくわくしながら楽しませてもらってるんです。


「汚れある悪戯」にしろ、「バベルの塔」にしろ、「寝台特急カシオペア殺人事件!」にしろ、まるで映画並みのテンションで物語りは進んで行きます。
(この規模を初回スペシャル、最終回スペシャルに持って行かず、初回と最終回は案外地味な感じなのも心憎い演出なんです。)

だから、たとえ亀山さんがいなくなっても、楽しんでやろうじゃないか!っていう気分で見始めました。ちょっと不安でしたけど…


しかし、そんな些細な不安も吹き飛ばすくらいに今回の元日スペシャルは面白かった
田畑智子演じる法務省官房長補佐官・姉川が今回一時的に右京さんの相棒になるわけですが、まだ若く、経験も少ないが一生懸命捜査する気持ちが垣間見れてすごく好印象でした

さて杉下右京と姉川は初対面ですが、彼女の、右京さんに対する印象はよかったみたいですね。右京さんの推理を尊敬の眼差しで見ていたように思います。
初期の薫・右京のような対立を期待していた方もいると思いますが、
第一亀山さんの置かれた状況と違いすぎますので

姉川は左遷させられたわけではなく、さらに自分で法務省を辞めようと思っていたそうですし、なにより、右京さんが変わったんです。

そう、亀山薫という人物と8年間組んだことによって、彼の人間味に触発されて、徐々に正確も丸くなったということではないでしょうか?
これはスタッフも最初からそんなことは計算していなかったでしょう、でもこれだけ話を進めて行く中で、人間関係のように計算でなく自然とそんな流れになった。
これは8年も続くことの出来るドラマならではの良さです


さて、内容についてですが、環境問題を取り扱った作品は一時間枠でも何度かありました。しかし今回はそれをさらに深く掘り下げた内容。
歴代の元日スペシャルにくらべて重厚で、政治的用語もばんばん飛び出すのは心地いいです。

過去に起きた事件が物語の全ての原因だった。というのはSeason7初の脚本家・徳永富彦の得意とする進行なのでしょうか。
いずれにせよ同じ脚本家の「沈黙のカナリア」と重なる点で興味深いです。


亀山なき「相棒」は果たして成功するのか?という不安は、今回見る限りではありませんでした。凄く楽しめました。
そりゃ、いたほうがいいんですけど。
もうそれは言わないこと


次回は本当に右京さんひとりみたいですね
それはそれで非常に楽しみでもあります。

 

脚本:徳永富彦
監督:和泉聖治

水谷豊 渡哲也 田畑智子 他

2009年度 テレビ朝日開局50周年記念 東映

履歴↓

相棒Season7「ノアの方舟」
静かなる決闘
しとやかな獣
女の中にいる他人

相棒Season7「レベル4」

大魔神

大魔神怒る

大魔神逆襲

相棒Season7 「還流~密室の昏迷・悪意の不在~」

その夜は忘れない
ど根性物語 銭の踊り
億万長者
憲兵と幽霊
怪猫亡霊屋敷

日本列島
激動の昭和史 軍閥

相棒(劇場版)
おとうと
衝動殺人 息子よ
満員電車
八甲田山

黒い十人の女
穴(大映)
血と砂
ハウス(HOUSE)
相棒Season6「黙示禄」

悪い奴ほどよく眠る
無法松の一生
蜘蛛巣城
江分利満氏の優雅な生活
大江山酒天童子
日本沈没

妖星ゴラス
斬る
待ち伏せ
殺人狂時代
太平洋奇跡の作戦キスカ
赤毛

戦国野郎

ブルークリスマス
大盗賊(東宝)
座頭市と用心棒
ガス人間第一号

電送人間
美女と液体人間
赤ひげ
世界大戦争
椿三十郎

用心棒
モスラ(1961年度版)
新幹線大爆破
隠し砦の三悪人
日本のいちばん長い日

☆はじめに☆