★あらすじ★
大雪・洪水などの災害が、全て魔の山に棲む荒神のしわざと信じられていた頃…。
荒川飛騨守は近隣諸国を侵略しようと企み、瓜生の里の村人達を捕らえて武器作りに酷使していた。
そこで、鶴吉・大作・金太・杉松ら4人の子供は、自分達で村の人々を救い出そうと、“魔神の御山”を越える決死の旅立ちを決意する。
ところが、道中数々の困難に見舞われ、遂に鶴吉が自らの身を神に捧げて神の怒りを鎮めようとした時…
武神像が腕を振り上げ憤怒の形相に変わり、神の使いの鷹が現れると共に吹雪が起こり、地響きをたてて大魔神がやって来る。
(Amazon.co.jpより抜粋)
★感想★
「逆襲」って…、
あれ、大魔神って今回そんなひどい目にあいましたっけ?
むしろ前作のほうがひどかったような…
1作目で頭に杭を打たれて、2作目で全身ぶっ飛ばされてだいぶ散々な目にあってますけど…
今回はせいぜい人が荒神の山に立ち入ったくらい。
ああそうか、前2作の怒りが溜まりにたまって3作目で逆襲??
(でも3作とも時間的、場所的に統一されていないしなあ)
という疑問を抱くのはやめにしましょう
大魔神3部作の最終作です。
「~怒る」が8月公開、そして本作が12月10日。
(だからそんなに急がなくてもっ)と思いますが、1年のうちに質の高い時代劇特撮映画を3本も見れるなんてなんとも豪華じゃあないですか。しかも監督は森一生。完全に子供向けではなく、一般映画として製作されていたんですね。
前回も言ったように、3作とも悪者を大魔神が懲らしめるという基本軸があり、3作を差別化する要因は特徴的な舞台設定ということでしょうか。
1作目は大魔神の細やかな設定に重点を置き、
2作目は湖が舞台で水を意識した内容でした。
そして「逆襲」の舞台は雪山。それに加えて子供たちが険しい山を越えて捕らわれの身の村人を助けに行くという一種のロードムービー的な要素も取り入れ、全3作の中では最後にして異色の回に仕上がっています。
本作は雪と雪の中の大魔神と子供の演出がメインで、悪役の設定が少しだけ(前作以上に)ステレオタイプな感じがします。だから、重要なのはそこではないんですねきっと。大魔神だって、今回は子供の依頼で特別に登場したって感じですもんね。
悪役の設定が薄めな分、大魔神の演出は前2作以上に見事な出来栄えです。今回は荒神(大魔神)の使いの鷹を登場させて悪者から子供たちを助けます。(この辺りも、荒神が子供を助ける理由はないのですが、今回は特別サービス。)
この鷹は鉄砲で撃たれて雪の中に落ちてしまいますが、雪の中から光が差し、鷹は復活します。
この辺の特撮も文句の言いようがない。
大魔神の登場シーンもかっこいい。
柔和な表情の武神像が大魔神になり動き出し、瞬間移動(!)します。そして雪山にやってくるんですが、光とともに雪の地面から現れる場面はもうやられたなと思いました。(この雪の特撮は、ソフトクリームの原料を使用したそうです。)
剣を抜くシーンもかっこいいし、特撮の見せ方が本当に上手いなと思いました。大映とか東宝のクオリティの高い特撮を見た後に同年代の他の作品をみるとがっかりしますけど
このシリーズは大魔神がどうやって登場し、どうやって消えてゆくかも見所のひとつです。
今回は雪魔神ですから、武神像に姿を戻した後に、粉雪となりふわっと形をなくします。
これも綺麗な演出です。
ラストシーンにスタッフ・キャストのクレジットを持ってくるのは1966年当時としては珍しいのでは?ちょっとした余韻を味わえていいです。
それから最後に、北林谷栄はやっぱりいい女優です
彼女のおばあさん役は本当にいい味出してます。
監督 森一生
特技監督 黒田義之
脚本 吉田哲郎
音楽 伊福部昭
鶴吉 二宮秀樹
大作 堀井晋次
金太 飯塚真英
杉松 長友宗之
庄八 山下洵一郎
三平 仲村隆
老婆 北林谷栄
1966年度大映作品(カラー・スコープサイズ)
履歴↓
大魔神
大魔神怒る
相棒Season7 「還流~密室の昏迷・悪意の不在~」
その夜は忘れない
ど根性物語 銭の踊り
億万長者
憲兵と幽霊
怪猫亡霊屋敷
日本列島
激動の昭和史 軍閥
相棒(劇場版)
おとうと
衝動殺人 息子よ
満員電車
八甲田山
黒い十人の女
穴(大映)
血と砂
ハウス(HOUSE)
相棒(最終回SP『黙示禄』…番外編)
悪い奴ほどよく眠る
無法松の一生
蜘蛛巣城
江分利満氏の優雅な生活
大江山酒天童子
日本沈没
妖星ゴラス
斬る
待ち伏せ
殺人狂時代
太平洋奇跡の作戦キスカ
赤毛
戦国野郎
ブルークリスマス
大盗賊(東宝)
座頭市と用心棒
ガス人間第一号
電送人間
美女と液体人間
赤ひげ
世界大戦争
椿三十郎
用心棒
モスラ(1961年度版)
新幹線大爆破
隠し砦の三悪人
日本のいちばん長い日
☆はじめに☆