魅惑の日本映画

日本がこれまでに生み出した数々の名作、傑作、(珍作?)の映画を紹介していきます。

血と砂★★★★

2008年03月28日 | Weblog

【概要】
昭和20年夏の北支戦線で、歴戦の勇者・小杉曹長(三船敏郎)は佐久間大尉(仲代達矢)の命により、八路軍の猛攻によって全滅したヤキバ砦の奪還に向かった。従えるは、何と軍楽隊の少年兵たち。今まで楽器しか持ったことのない彼らを叱咤激励しながら、小杉は砦の奪取に成功するが…。
Amazon.co.jpより抜粋

【感想】
舞台や慰安婦の描写など、ほぼ「独立愚連隊」と共通しているのですが、こちらは「独立愚連隊」と比べるとさほど知られていなく、映画の題名から誤解されがちだと思うので今回取り上げました。

結末は全員玉砕になってしまう戦争の虚しさを訴えた映画ですが、本作はその面より、楽器しか持ったことのない学生たちと曹長(三船)との交流を描いた青春映画ととらえたほうがいいかもしれません。

三船敏郎はやはり貫禄があり、この主人公にぴったりでしたが、今回この映画で一番気になったのが葬儀屋の伊藤雄之助 。
どうしようもないへたれ役を見事に演じきっていました。彼は本当に凄いと思います。憎たらしい役まで色々な役をやりますが、ここでも彼の良さが発揮されていたと思います。戦争をやったことの無い一般人らしさがよく出ていました。おかしい!

この映画は前半コミカルに、そして後半は怒涛の展開なわけですが、そう言うのって弱いんですよね。また、楽器隊の演奏が流れるラストは涙を禁じえませんでした。楽器を通して徐々に心を開いてきた捕虜の中国人の陳が日本兵にうれしそうに終戦を知らせる紙を持ってきたものの、日本兵に撃ち殺されてしまう皮肉な結末。

「その日、8月15日」

この映画は「独立愚連隊」や「日本のいちばん長い日」や「沖縄決戦」にも通ずる要素をもった戦争映画の傑作だと思います。

監督 岡本喜八
脚本 佐治乾、岡本喜八
原作 伊藤桂一
音楽 佐藤勝    

小杉曹長 三船敏郎
葬儀 伊藤雄之助
出刃 佐藤允
営倉 天本英世
お春(金春芳) 団令子
佐久間大尉 仲代達矢
コンダクター 大沢健三郎
大太鼓 根津克己
小太鼓 木下陽夫
トランペット 樋浦勉
クラリネット 仲村紘一
アルトサックス 阿知波信介
テナーサックス 宮尾博
トロンボーン 伊東昭夫
フルート 西川明
チューバ 関富士夫
スーザホーン 木村豊幸
ホルン 金井和博
ピッコロ 日吉としやす
陳 木浪茂

1965年東宝作品(モノクロ・シネスコ)

五日ぶりの更新ですね。仕事が忙しくてなかなか。
本日、いや、もう日をまたいでしまったので昨日になりますが、桜満開の小石川植物園に行ってきました。そう、黒澤明監督(山本周五郎原作)の「赤ひげ」の舞台となった小石川養生所がかつて存在した場所です。桜も楽しみましたが、しっかりとあの井戸も見てきました。写真など、明日アップします。



履歴です↓

ハウス(HOUSE)
相棒(最終回SP『黙示禄』…番外編)

悪い奴ほどよく眠る
無法松の一生
蜘蛛巣城
江分利満氏の優雅な生活
大江山酒天童子
日本沈没

妖星ゴラス
斬る
待ち伏せ
殺人狂時代
太平洋奇跡の作戦キスカ
赤毛

戦国野郎

ブルークリスマス
大盗賊(東宝)
座頭市と用心棒
ガス人間第一号

電送人間
美女と液体人間
赤ひげ
世界大戦争
椿三十郎

用心棒
モスラ(1961年度版)
新幹線大爆破
隠し砦の三悪人
日本のいちばん長い日

☆はじめに☆

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