魅惑の日本映画

日本がこれまでに生み出した数々の名作、傑作、(珍作?)の映画を紹介していきます。

椿三十郎★★★★★

2008年01月26日 | Weblog
【概要】
黒澤、三船コンビの傑作時代劇『用心棒』の続編的映画。ある藩のお家騒動に巻き込まれた凄腕の浪人・三十郎が、腹黒い家老たちの不正を暴こうとする若侍たちを手助けして大暴れする。
(「DVD NAVIGATOR」データベースより)

【感想】
「用心棒」の桑畑三十郎と椿三十郎は、キャラクター設定こそ同じものの、「用心棒」は八州回りが登場するため比較的江戸時代後期、「椿」は幕府の安定期の雰囲気が漂っていて、比較的江戸時代初期なので、二つの時代設定が完全に違うので厳密に言えば続編ではないのですが、まあ、そんなことはどうでもいい。主人公の三十郎の「私の名前は、~~三十郎です。もうそろそろ四十郎ですが…」と言う台詞や、敵を一杯食わせて数秒の内に全員斬ってしまうシーンなど、二つの作品に共通点が見られて楽しませてくれます。
「用心棒」はドライな雰囲気で、そこにユーモアが点在しているという感じでしたが、「椿」の方は全体的にユーモラスで、三十郎自身もどこか可愛らしい。
奥方(入江たか子)とその娘(団令子)も忘れてはいけない。若侍と三十郎が真剣に考えている最中も彼女達はマイペース。
捕らわれの身の小林桂樹もいいスパイスになっています。

「用心棒」では殺陣、そして「椿三十郎」では超有名な三船敏郎と仲代達也の決闘シーンがよく取り上げられますが、「椿三十郎」の面白さは、三十郎を含め、悪役もすべてのキャラクター設定と、脚本にあると思います。
時代劇と言えば「武士道残酷物語」や「上意討ち」のように重厚で暗い作品もあるのですが、私は「椿」のような娯楽映画に徹した痛快時代劇の方が好きです。

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織田裕二主演のリメイク版「椿三十郎」を見ました!
面白かったです。いろいろと現代風にアレンジしていて、凄い上から目線ですが、がんばってるなと思いました。松山ケンイチと、佐々木蔵之介がいい味を出していました。本家本元と比較検証するのは邪道ですのでやめますが、リメイク版を見た人は必ず黒澤&三船バージョンを見ることをお勧めします。


監督 黒澤明
脚本 黒澤明、菊島隆三、小国英雄
音楽 佐藤勝

椿三十郎:三船敏郎
室戸半兵衛:仲代達矢
井坂伊織:加山雄三
守島隼人:久保明
広瀬俊平:土屋嘉男
保川邦衛:田中邦衛
寺田文治:平田昭彦
見張りの侍木村:小林桂樹
睦田夫人:入江たか子
千鳥:団令子
次席家老黒藤:志村喬
竹林:藤原釜足
大目付菊井:清水将夫
城代家老睦田:伊藤雄之助


1962年度東宝作品(モノクロ・シネスコ)

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