魅惑の日本映画

日本がこれまでに生み出した数々の名作、傑作、(珍作?)の映画を紹介していきます。

相棒(最終回SP『黙示録』)★★★★★・・・番外編

2008年03月19日 | Weblog

【概要】
あらすじは公式サイトへ。
以下の感想は一部ネタバレなんで、犯人が誰だか知りたくない人はは読まないほうがいいですよ。

【感想】
劇場公開へ向けて例外的に一度限り、テレビドラマ「相棒」の感想を書きたいと思います。これを見始めたのはSeason2からで、その時はこんなに世間から取り沙汰されるような番組ではなかったように記憶しているのですが。今は雲泥の差ですね。やはり、本当に面白い作品はいつかは日の目を見る日が来るんですね。

今回の『黙示録』ですが、大変満足しています。面白かった。タイムリーな裁判制度の矛盾、冤罪の問題を相棒ならではの鋭い切り口で描ききった、最終回に相応しいエピソードでした。真犯人が実は被害者遺族だったと言う点も、皮肉な結果でしたね。
普通のサスペンスなら、宮川一朗太とかを犯人にするんでしょうが(途中まで疑ってましたよ)そこは相棒。一番残酷な結末を用意します。でも、そういう現実もあるかもしれないから怖いですよね。

物語の根底は日本の死刑制度への問題点ですが、それに沿ってこの話で重要な点が三雲判事と杉下右京のくだりです。第一話「複眼の法廷」で、試験的に行われた裁判員の一人を死なせてしまう結果を作った三雲判事の責任をとらせた右京さんですが、彼もまた違法な捜査をしている。結果として三雲判事は裁判官を辞職させられてしまう。それは三雲判事の望んだ結果で、亀山さんの言うように、三雲判事を救ったんですが…
最後に小野田官房室長が亀山薫に言った台詞

「杉下の正義は時に暴走するよ。」

正義を追求する杉下右京もまた、どこかで正義をないがしろにしてしまうかもしれない恐ろしさを予知しています。これが相棒の、脚本家櫻井武晴さんの凄いところ。

最後、薫が右京にいつものように「ラーメン食いませんか。」と言うシーンでこの物語は終わります。まだまだいろいろな問題点を含みながらの最終回。
普通は一件落着、ハッピーエンドで終わるドラマが多い中、こんなに余韻の残るラストは今までに無かったなあ。
軍事衛星が物語のキーでSF仕立ての相棒Season5の最終回「サザンカの咲く頃」も、裁判制度を真正面から描いた「黙示録」も、外国ドラマのクリフハンガーとも違うラストを見せてくれました。

私も相棒関連の個人ブログはよく見るんですが、伊丹刑事やその他の小ネタ大好きです。今回はさすがに控えめでしたね。でもそれがかえって良かったと思います。

映画楽しみですね。絶対見に行きますよ!
それと、次回からは邦画専門に戻ります。

それから一つだけ。
最近、相棒の視聴者って、相棒のハードルをどんどん上げてきているような気がしますね。,
私なんかは、回を増すごとに成熟されてどんどん面白くなっている気がするんですが。音楽も相当クオリティ高いです。最終回のラストの選曲ですが、気に入らない人もいるみたいですね。私は張り詰めた緊張感が伝わってきていい選曲だと思いました。
みなさん、それぞれに相棒の世界観を作り出している証拠なのかな?これだけ長く続いて、話数もあるドラマってそうないですからね。映画が終わった後は、いつものように10月からではなく、もっとゆっくりいい作品を作って欲しいと思います。

今回のSeason6も、これほど内容の濃いドラマって他にありませんよ。

テレビ朝日・東映制作

監督 和泉聖治
脚本 櫻井武晴
音楽 池 頼広

杉下右京 水谷豊
亀山薫  寺脇康文
亀山美和子 鈴木砂羽
宮部たまき 高樹沙耶
伊丹憲一 川原和久
三浦信輔 大谷亮介
芹沢慶二 山中崇史
米沢守  六角精児
角田六郎 山西惇
小野田公顕 岸辺一徳
三雲判事 石橋凌
錦文忠  林隆三
茂手木  ベンガル
ゆり江  かとうかず子


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悪い奴ほどよく眠る
蜘蛛巣城
江分利満氏の優雅な生活
大江山酒天童子
日本沈没

妖星ゴラス
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椿三十郎
用心棒
モスラ(1961年度版)
新幹線大爆破
隠し砦の三悪人
日本のいちばん長い日
☆はじめに☆

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