魅惑の日本映画

日本がこれまでに生み出した数々の名作、傑作、(珍作?)の映画を紹介していきます。

大魔神★★★★☆

2008年11月20日 | Weblog

★あらすじ★

戦国の頃、丹波・花房領での魔神封じの祭の夜、家老の大館差馬之助とその一味は謀反を起こす。両親を討たれた幼い忠文と小笹は、巫女の信夫(しのぶ)とともに狼谷の洞窟にひそんで成長する。この山には魔神を封じた巨大な武神像がまつられており、領内に災いある時は防いでくれるという伝説があった。差馬之助ら悪の勢力が栄える一方、領民たちは困窮をきわめていた。その時、少女・小笹の祈りに応えて武神像に魔神が乗り移り、大魔神が誕生!大魔神は城下へ暴れ込み、すさまじい復讐をはじめる。

(DVD裏面より一部改稿して抜粋)



★感想★

いやあ、久しぶりの更新となってしまいました。
今回はここで取り上げるのも恥ずかしい(?)くらい有名な「大魔神」を紹介します。

〔例えば「椿三十郎」や「用心棒」は書けても、「七人の侍」はちょっと手が止まってしまう、とか、あれだけ大好きな「砂の器」も書いてないし。兎に角、有名な作品を書くのを何故かためらってたんですよねえ。今更書いてもなんだかなあ、なんて思っていたんでしょうかねえ。〕

私、何を隠そう子供の頃から「大魔神」が大好きで、保育園の時に母親が買ってきてくれたビデオがすべての始まりでした。「大魔神」を見てから、大魔神の絵ばかり描いたり、大魔神の真似ばかりして周りの人から不審がられたりしたものです。

そんな、ビデオが擦り切れるくらいまで見た映画を、なんだか知らないけどDVDで買ってみようと思ったわけです。

さて、大映のマークが出てから84分間。やっぱり面白かった。
曇った空から雷が出て、「大魔神」の荒々しいタイトルが画面に映し出される。

か、かっこいい…

そして炎をバックにこれまら荒々しい文字のスタッフ・タイトルクレジット。

そして魔神の迫力の要とも言える“眼”が岩面に映し出され、ドキッとさせます。

さて、導入部分からつかみはOKでした。

今回改めて見て興味深いなと思ったのは、冒頭、魔神封じの祭の際、南国チックなお面を覆った人が(おそらくこれが魔神)武神像役(おそらく)の人と戦うシーンです。

普通なら、なんでここで緑色の顔に赤色の模様のハワイのお面が出てくるの?おかしいねで流されそうですが、
日本の神話にだってバナナ型神話的な要素の話が登場するように、日本に残された伝説と世界の伝説がリンクすることって多いんですよね。

だから魔神が南国チックなのは、一見不釣合いなように見えて実にリアルなんですよね。
三部作ある中で、この作品だけ魔神に「阿羅羯磨…あらかつま」という名称が付けられ、細かな設定が心地良いです。

ストーリーは勧善懲悪といたって簡単。そこらへんのわかりやすさも、この作品が多くの人に愛され続けている理由なのでしょうか。しかし第一作の大魔神は善の人々にも荒っぽい。そこらへんは神なので、神聖な場を汚したら誰だって容赦しないよ。というのも説得力あります。

巫女の信夫(しのぶ)は親身になって小源太(藤巻潤)らの手助けをしますが、差馬之助によって殺されてしまいます。
その最期がまた怖い怖い
むしろ大魔神より怖いのでは思ってしまいます。

合成も高水準で違和感ゼロ。CGに頼りすぎている映画製作者さん達は見習ってほしいですね。

伊福部昭の音楽も、今回は「神」がモチーフの為かいつものゴジラっぽい音楽じゃなくてカッコいいです。

さあて、次は多分「大魔神怒る」でしょうね。


監督…安田公義 
特技監督…黒田義之 
脚本…吉田哲郎 
音楽…伊福部昭 

花房小笹…高田美和 
花房忠文…青山良彦 
猿丸小源太…藤巻潤 
左馬之助…五味龍太郎 
竹坊…出口静宏 
大魔神、元木半蔵…橋本力 
信夫…月宮於登女

1966年度大映作品(カラー・スコープサイズ)

履歴↓↓

日本列島

相棒Season7 「還流~密室の昏迷・悪意の不在~」

その夜は忘れない
ど根性物語 銭の踊り
億万長者
憲兵と幽霊
怪猫亡霊屋敷

激動の昭和史 軍閥

相棒(劇場版)
おとうと
衝動殺人 息子よ
満員電車
八甲田山

黒い十人の女
穴(大映)
血と砂
ハウス(HOUSE)
相棒(最終回SP『黙示禄』…番外編)

悪い奴ほどよく眠る
無法松の一生
蜘蛛巣城
江分利満氏の優雅な生活
大江山酒天童子
日本沈没

妖星ゴラス
斬る
待ち伏せ
殺人狂時代
太平洋奇跡の作戦キスカ
赤毛

戦国野郎

ブルークリスマス
大盗賊(東宝)
座頭市と用心棒
ガス人間第一号

電送人間
美女と液体人間
赤ひげ
世界大戦争
椿三十郎

用心棒
モスラ(1961年度版)
新幹線大爆破
隠し砦の三悪人
日本のいちばん長い日

☆はじめに☆


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