絶対合格

熱血塾教師35年+教育コメンテーターのオールマイティー井澤が 「受験」、「子育て」の成功法を公開!

開智小学校(開智学園総合部)入学試験の傾向と対策(No.580)

2016年12月23日 10時11分55秒 | 受験・学校

傾向分析と対策

1)特色ある入試制度と受験者数の変化

 第1志望受験と併願受験で入試科目及び合格基準等が分かれています。一言で言えば、「第1志望受験の方は入試科目が1科目(ペーパーB)多いかわりに併願受験より合格基準ラインを下げるので合格しやすくなるが、手続きの延納を認めないし、手続き後に入学辞退しても一切返金しない。他方併願受験は5科目(ペーパーBなし)だけで受験できるかわりに、合格基準ラインが上がり、競争率も上がるが、延納手続きが出来る。」いうことです。他校にない複雑な制度ですので詳細は入学試験要綱等をご覧下さい。平成29年度入試も第1志望受験のほうがかなり有利だったとのことです。

尚、開智望小学校開校の影響もあり、ここ数年総合部の受験者数が前年より減り続け、実質競争率が下がってきており、以前より合格しやすくなってきている。

 

(2)行動観察

傾向-生徒達を「素」にかえして判断!                                     

平成27年9月-「みんなで協力して指先だけでフラフープを持って運びましょう。」

平成28年9月-「2種類のボーリングゲームをして、どうすればたくさん倒せるのかグループで相談しながら遊びましょう。」

対策-「素」にかえったとき、初めて会ったお友達と仲良く行動でき、先生の指示(お約束)を理解してその通りに行動できるかが試されています。

 

(3)作業

傾向-条件絵画、貼り絵等が出題されています。「発想の豊かさやユニークさ」そして「豊かな色彩感覚等」、「作業の丁寧さ・緻密さ」が評価されます。

平成27年9月―「卵から何が生まれたかわかるように画用紙に描きましょう。」

平成28年9月-「ドアの絵を切り抜き、それをもう1枚の画用紙に貼り、そのドアを開けたら何が出てくるかを想像して絵を描きましょう。」

対策-日頃からはさみやのりをつかって自由に工作したり、いろいろなものをつかって何かを作る習慣を身につけることが大前提です。そして、お子様の作品の良いところをほめ、お絵かきや工作で自己表現することが楽しみとなるようにもっていきます。(強所伸展法)

 

(4)ペーパー試験

傾向-中学受験(一貫部)の算数で良問出題で定評ある開智ですので総合部でもすばらしい良問が出題されています。基礎的な知識・常識を問う「ペーパーA」、と図形認識など応用力・思考力を問う「ペーパーB」に分かれており、他校に類のない特色ある問題が出題されています。

 平成28年はペーパーBで図形の合成(テトリス型)問題が50%、約束問題(ルールにしたがって図形を塗り分ける問題)が50%出題されています。

平成24~28年とモデルなしの傾向が続き、初めて見た図形の問題でその場で知らされたルールを理解し、すぐにあてはめるという問題で、理解力と即答力が問われています。

平成28年もペーパーAについては出題範囲がいっそう広くなり、お話の理解(記憶)、生活常識問題、条件迷路が出題されました。なお、それぞれの問題の試験時間が短いので即答力が試されています。今後もこの傾向が続くと思われます。

対策-初めて聞いたルールをその場で理解して、すぐにあてはめる能力と筋道立てて考える論理思考力を育成することが大切です。このような思考力重視の傾向に対しては、「基礎的な知識を身につけそれをベースとしてじっくりと考えぬく習慣」を身につけることが大切です。生活常識の問題はそもそもお子様がそれを知らないとまったく出来ません。家庭内のコミュニケーションを深め、年齢なりの生活常識を身につけさせることが肝要です。

 

(5)個別面接(生徒本人面談)

傾向-なにか材料を与え、その場で考えさせ、話をさせる。その答えのユニークさよりもそう答え

た理由説明がポイントであったと思います。発想の豊かさや自己表現能力(筋道立てて自分の考えを説明できる力)も問われています。

平成24年~28年9月と「何かを見せてそれについて答えさせたり、行き先を設定をして、何を持っていくかを質問する。」ことから話が始まり、受験者にいろいろなことを自由に話させる面接試験でした。他校のよくある生徒面接試験とはかなり違います。

対策-自分がどう思ったか、考えたかを相手に筋道立ててわかりやすく話す習慣をつけると良いと思います。

 

(6)運動

平成27年9月-ジクザク平均台、グーパー、アザラシ歩き、ロープぶら下がり、前転。

平成28年9月-マットで前転2回。跳び箱、バランス、大縄跳び(ゆうびん屋さんを10回跳ぶ)つなひき(網ひき)など。

毎年種目が大幅に入れ替わりますが、それほど難しい種目はなく、指示をしっかり聞き、理解することとが大切で、加えて待っている間の姿勢その他も当然評価対象になります。

 

まとめ

 結局、今年も開智はペーパー試験の知識・技術を磨くだけでは合格は困難です。ベースとなる知識に加えて、思考力・自己表現能力があり、「6歳なりの精神年齢がある子」が確実に合格しているのです。


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 学ぶ楽しさを知り、学ぶ姿勢... | トップ | 幼児教育の大切さを夫婦で話... »
最新の画像もっと見る

受験・学校」カテゴリの最新記事