「バロック舞曲と演奏法」から、前回のパスピエの次の曲はタンブラン。
パスピエ同様にこのタンブランというダンスも見たことも聞いたこともなく、楽譜からのイメージで練習していった。
タンブランという単語からなんとなく打楽器の「タブラ」が頭に浮かんで、2/4のリズムを「ドン・タタ ドン・タタ」と跳ねるような、ちょっとイスラムぽい音楽を想像してしまったのだ。
まあ、案の定全然違うみたいでした。
テンポはアンダンテくらい。八分音符もこれまたレガートです。dudududuで。
練習は4小節ごとの固まりの区切りと変化のつけ方を中心に。
シンプルな譜面でも音楽にするにはいろんなことを考えなければなりません。先生はすぐに私の演奏の真似をして「だってこうゆうふうじゃ、つまんないでしょ」と言います。
例えば繰り返しの後の5小節目。g e fis dと次の小節の頭のeまでは跳躍形なのでtututuで、その後のcis d eは連続音なのでdududuとレガートで。
前回、そう楽譜に書かれたので、そのように練習していったのですが、私のtututu音がスタッカートになっていたのが違っていました。
tuとduの違いは発音時のアタックの波形を決めるもので、tuだからといって音を短くしてはいけないのでした。
そうなると tututututudududu という微妙な違いです。
前回書いたように、スラーをほとんど使わないというだけでもアーティキュレーションを作るのにずいぶん範囲が狭まりますが、今度はスタッカートも使用範囲は想像以上に限定されるようで、先生の音楽は本当にチョー・ビミョーな世界のようです。
油絵と水墨画の違いみたいなことになるんでしょうか。
非常に面白くなってきました。