遊爺雑記帳

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ロシアのウクライナ侵攻 中国の対応は

2022-03-05 01:55:55 | 中国 全般
  ロシアのウクライナ侵攻。かねて活動を活発化させてきたウクライナ国内の進路勢力に、独立化させ、その国々の要請で出兵、ウクライナ政権を親露派への交代を実現させる。
 一見言い訳が通りそうにも見えかねないが、誰にでも見破られる稚拙な戦術のプーチン大統領。
 ところが、過去のクリミアでの成功体験と、ウクライナの大統領支持率低下をチャンスとみたのは大誤算。露軍が全土を包囲し攻め込んだことろが、これが意外な国民の団結での抵抗に遇い、想定外の長期化。
 戦術見直しと、軍配備見直しの時間稼ぎの為、休戦会議を開いています。
 計算違いで精神錯乱まで起こしていて側近の声を聞かないとのうわさ話が少なくないプーチン氏と、ウクライナ双方とパイプを持ちつ調停役が求められますが、それは中国だとの声が少なくない。
 中国は、国連での対中制裁決議では、インド等の35か国と共に棄権。制裁反対ではない国際世論を配慮した、微妙な選択でした。
 ロシア、ウクライナ双方にこの国ならと思わせる外交の実力を備え、経済的苦境に手を差し伸べてくれる財力を有する国など数えるばかり。
 それが可能な国のひとつに、中国が注目されているようです。
 
混乱気味の中国が、ウクライナ問題で最も恐れていること(ニューズウィーク日本版) - Yahoo!ニュース 3/3(木)

中国の論調はロシア寄り、反欧米に傾斜しているが、一方で紛争拡大のリスクや経済の混乱は避けたい。中国内部では対応をめぐり分裂が起きている可能性も

ウクライナ問題をめぐって、中国は反欧米姿勢を固めることにしたようだ。少なくとも今のところは――。

ロシアがウクライナに軍事侵攻した翌日、中国の習近平(シー・チンピン)国家主席はロシアのウラジーミル・プーチン大統領と電話会談し、中国外務省の汪文斌(ワン・ウエンビン)副報道局長は定例会見で、ロシアの「安全保障に関する正当な懸念を理解している」と発言。

侵攻前日には、同省の華春瑩(ホア・チュンイン)報道局長が「現在の緊張の元凶」はアメリカだと批判し、ロシアへの暗黙の支持を示した。

とはいえそれ以前には、王毅(ワン・イー)外相らが、ウクライナ危機の責任論を避け、国家の主権を重んじるとの声明を発表していた。

2月4日に習とプーチンが行った首脳会談を、ロシア側に立つ姿勢の表れだと米政府が見なしたことに、中国当局者らは不快感を覚えたとの報道もある

ウクライナをめぐる緊張は誇張で、欧米の情報機関の目くらましにすぎないと退けていた
中国にとって、ロシアの軍事侵攻は予想外だったと主張するアナリストもいる

それが事実なら、混乱気味の反応にも納得がいく政府筋の表向きの発言と現実の溝からは、ほかの大国の動きをどこまで真剣に受け止めるべきか、多くの場合に理解していない中国の姿が浮かび上がる

ここへきて中国の論調がロシア寄りに傾斜しているのは、ロシアとの極めて有益な連携関係を最優先すると決断したことを意味しているのかもしれない

あるいは、プーチンがさらに大胆な行動に踏み切ることはないと判断している可能性もある

中国にとって理想的なのは、2番目のシナリオだろう。それなら、欧米を悩ませつつ、紛争拡大のリスクや経済の混乱を避けられる。

だが他国との関係を最重要視する一派と、イデオロギー状況が自身のキャリアに与える影響を最大の関心事とする一派の間で、分裂が起きている可能性もある

前者に属するのは主に、国外でより多くの時間を過ごしてきた経験豊富な外交関係者だ。後者のグループはより若く、メディアを重視し、習体制のナショナリズムを出世の基盤にしている

こうした事態は、
世代交代の流れを反映しているのかもしれないその象徴が外務省報道局長の華だろう。欧米メディアへの攻撃を強める華は、ロシアが不変の同盟相手と見なされた2000~2010年代に昇進してきた。それに対して、年上の高官らはロシアが最大の敵だった「中ソ対立」時代の余波の中で成長した世代だ。

あるメディアがSNSに誤って投稿した「命令」

指導部から明確な指示があれば、若手の一派は態度を一変させるかもしれない。だが、
欧米との関係悪化という短期的懸念にもかかわらず、中国がロシアとの連携を危険にさらすことはなさそうだ

中国の最終的な公式見解は、あるメディアがSNSに誤って投稿した「命令」により近いものになるだろう。親ロシアのコンテンツだけを投稿し、親欧米的なものは削除せよと、命令にはある

ただし、
ロシアがウクライナ東部のドネツクとルガンスクを独立した共和国として承認したことは、中国にとって問題含みだ。両地域の分離独立が許されるなら、台湾や新疆ウイグル自治区は?

中国はこの矛盾を、単に無視して片付けるだろう。いずれにしても、ロシアが両地域を併合すると、中国はみているはずだ。

中国にとってより深刻な懸念は経済制裁、特にロシアを支持する国などに対する2次的制裁だ。中国経済と中国エリート層の生活は今も、アメリカと密接に結び付いている

中国は公にはロシアへの支持を表明する裏で、真剣に支持していないとアメリカに伝えるのではないか

中国の立場が本当に試される場は、国連安全保障理事会で採決予定のロシア非難決議案かもしれない。決して賛成はしないが、棄権を選べば、不満を示すシグナルにはなる(編集部注:25日の採決で中国は棄権)

当面は、経済制裁の最悪の影響を回避する手段をロシアに提供し、ロシア寄りの報道を続けるだろうが。

【ジェームズ・パーマー(フォーリン・ポリシー誌副編集長)】

 ウクライナ問題をめぐって、中国は反欧米姿勢を固めることにしたようだ。少なくとも今のところはと解説しておられるのは、WSJに投稿している、フォーリン・ポリシー誌副編集長のジェームズ・パーマー氏。

 ロシアの侵攻前日には、中国外務省の華春瑩(ホア・チュンイン)報道局長が「現在の緊張の元凶」はアメリカだと批判し、ロシアへの暗黙の支持表明。
 ロシアがウクライナに軍事侵攻した翌日、中国の習近平国家主席はロシアのウラジーミル・プーチン大統領と電話会談し、中国外務省の汪文斌副報道局長は定例会見で、ロシアの「安全保障に関する正当な懸念を理解している」と発言。
 一方、2月4日に習とプーチンが行った首脳会談を、ロシア側に立つ姿勢の表れだと米政府が見なしたことに、中国当局者らは不快感を覚えたとの報道もあると、身勝手な情報錯乱も。

 中国にとって、ロシアの軍事侵攻は予想外だったと主張するアナリストもいる。それが事実なら、混乱気味の反応にも納得がいくとジェームズ・パーマー氏。
 政府筋の表向きの発言と現実の溝からは、ほかの大国の動きをどこまで真剣に受け止めるべきか、多くの場合に理解していない中国の姿が浮かび上がるとも。

 ここへきて中国の論調がロシア寄りに傾斜しているのは、ロシアとの極めて有益な連携関係を最優先すると決断したことを意味しているのかもしれない。
 あるいは、プーチンがさらに大胆な行動に踏み切ることはないと判断している可能性もあると、ェームズ・パーマー氏。
 
 だが他国との関係を最重要視する一派と、イデオロギー状況が自身のキャリアに与える影響を最大の関心事とする一派の間で、分裂が起きている可能性もあるとも。
 前者に属するのは主に、国外でより多くの時間を過ごしてきた経験豊富な外交関係者だ。後者のグループはより若く、メディアを重視し、習体制のナショナリズムを出世の基盤にしているのだそうです。
 そうした分裂は、世代交代の流れを反映しているのかもしれない。
 ロシアが不変の同盟相手と見なされた2000~2010年代に昇進してきた外務省報道局長の華氏が、その象徴だと。

 ロシアがウクライナ東部のドネツクとルガンスクを独立した共和国として承認したことは、中国にとって問題含みだ。両地域の分離独立が許されるなら、台湾や新疆ウイグル自治区は?

 中国にとってより深刻な懸念は経済制裁、特にロシアを支持する国などに対する2次的制裁だ。中国経済と中国エリート層の生活は今も、アメリカと密接に結び付いている。
 中国は公にはロシアへの支持を表明する裏で、真剣に支持していないとアメリカに伝えるのではないかと、ジェームズ・パーマー氏。
 国連での対露非難決議投票で、棄権票を投じた中国。
 対露制裁には不満を示しつつ、国際世論に反抗する意思はあらわにしないという、台湾侵攻を抱えるなかでの微妙な投票。

 プーチンの誤算に伴い長期化しているロシアの侵攻、
 調停出来るのは、両国から信頼されている中国が適任と唱えておられるのは、手島氏。
 
ウクライナの戦い 陰の主役、中国 | | 手嶋龍一 | 毎日新聞「政治プレミア」 2022年3月4日

 「プーチンの戦争」をやめさせる仲裁役にどの国が名乗りをあげるのか――国際政局の奥深くでいま息詰まるような攻防が繰り広げられている。

 第三次世界大戦を食い止めようと仲介に名乗りをあげた国もある。だが、
ロシア、ウクライナ双方にこの国ならと思わせる外交の実力を備え、経済的苦境に手を差し伸べてくれる財力を有する国など数えるばかりだ

 
仲介外交の今後を窺(うかが)わせる電話協議があったウクライナ東部にいた中国人がポーランド国境に近いリビウに向かう途上で銃撃された事件がきっかけだった。携えていた荷物が軍事物資だと見なされ何者かに狙撃されたらしい。

 中国の王毅外相はウクライナのクレバ外相に電話して病院に収容された中国人を保護するよう求めたという。

 
ウクライナ東部はかつて「ソ連の兵器廠(しょう)」といわれ、ミサイルや航空機エンジンの製造工場が建ち並んでいた。それゆえ、軍の近代化を進める中国は、ウクライナに軍事スタッフを次々に送り込み、最新鋭のミリテクを導入してきた

 筆者のインテリジェンス小説「鳴かずのカッコウ」は、中国の情報当局者が空母「ワリャーグ」(後の「遼寧」)の推進エンジンを設計したウクライナ技師をリクルートする場面から始まるが、現実の出来事をほぼ忠実に写し取って筆を執った。

 今回、銃撃された男性が中国軍の関係者なのかは不明だが、
ウクライナと中国はミサイル・航空機分野でいまも緊密な連携関係にある

 
クレバ外相はこの機を逃さず、ロシア軍の侵攻を阻止してほしいと要請した。王毅外相も「外交を通じて戦争を終わらせるためにあらゆる努力を惜しまない」(3月1日)と約束した。中国外務省はこの王毅発言を中国メディアに報道させ、プーチン・サイドにも「仲介の意志あり」と伝えたのだろう
 
 ウクライナとも太いパイプをもつ中国の調停が功を奏すれば、最前線で砲火にさらされている市民の命は救われる。だが、中露の連携は確かなものがあり、中国の調停工作はロシア寄りにならざるをえないだろう。

<後略>

 仲介外交の今後を窺(うかが)わせる電話協議があったのだそうです。
 きっかけは、ウクライナ東部にいた中国人がポーランド国境に近いリビウに向かう途上で銃撃された事件。
 今回、銃撃された男性が中国軍の関係者なのかは不明だが、ウクライナと中国はミサイル・航空機分野でいまも緊密な連携関係にある。
 クレバ外相はこの機を逃さず、ロシア軍の侵攻を阻止してほしいと要請した。王毅外相も「外交を通じて戦争を終わらせるためにあらゆる努力を惜しまない」(3月1日)と約束した。中国外務省はこの王毅発言を中国メディアに報道させ、プーチン・サイドにも「仲介の意志あり」と伝えたのだろう。と手嶋氏

 他に、TVでみたのだと思いますが、ウクライナから中国に仲介の依頼があったとも。中国はウクライナから小麦を大量に輸入していて、貿易のパイプがある。手嶋氏が指摘されている様に、中国の第一号の空母「遼寧」は、ウクライナから購入。

 ウクライナとロシアとの会談が 2度開催されましたが、ロシアが無条件降伏を迫る内容で、交渉は成立しません。
 両国との太いパイプを持つのは中国。
 台湾併合を狙っている習近平とすれば、ロシアのウクライナ併合への世界中の世論沸騰は、早期に鎮静化したいはず。
 習近平の、仲介への乗り出しや如何。



 # 冒頭の画像は、プーチン大統領と習近平主席



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