遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

ロシアでは日本の没落を語るのが流行

2010-10-09 00:08:28 | ロシア全般
 露・メドベージェフ大統領が、北方領土を訪問すると、強気ですね。
 中国を訪問し胡錦濤主席と会談して、「第二次世界大戦終結65周年に関する中露両国元首の共同声明」を発表し、終戦記念日(露は9/2を記念日に法律を制定)の歴史認識アリバイ造りをしていました。

 露国内の最近の対日評価について、読売の記事がありましたが、国境を接する中国への警戒感を持ち続けるなかで、日本の政治と経済の両面での衰退から、日本に対して注目や配慮はされなくなってきているのだそうです。
 
対日「失望」露で拡大 「中国けん制の力ない」 (10/8 読売朝刊)

 【モスクワ=貞広貴志】ロシアのメドベージェフ大統領が11月の訪日前後という刺激的なタイミングでの北方領土訪問を検討している背景として、日本に対する「失望」の拡大が指摘されている。政治と経済の両面で日本には多くを期待できないという認識が政策決定者らの間に広がり、対日関係の悪化をかつてほど懸念しない状況が生まれつつある。
 「ロシアでは、日本を、強大化する中国への対抗力と位置づける論は弱まった。
今や日本の没落を語るのが流行であり、中国に焦点を当てる考え方が圧倒的に主流だ」
 長年にわたり日本報道に携わるタス通信のワシリー・ゴロブニン東京支局長は、6日付露紙に掲載された解説記事でこう指摘した。中ソ対立の歴史を経て
中国への根強い警戒感を持つロシアだが、日本はもはやその台頭をけん制する力を失ったとの認識だ。
 露メディアでは、領土問題に進展がないことについても、民主党政権が「(政治決断に必要な)世論の支持を失い、従来の立場にこだわり続けている」(独立新聞)ためとする論調が目立つ。
 経済面では、メドベージエフ政権の最優先課題である「近代化」に不可欠な投資の動きが鈍いことへの不満が挙げられる。
 今年1~6月の日本からの対露投資は全体の1.8%に過ぎず、ドイツの10分の1、中国の半分以下にとどまる。外交筋によると、大統領府内では「日本企業はリスクをとれない」との認識も広がっているという。
 ネステレンコ外務省情報報道局長は9月30日の定例記者会見で、「島々(北方領土)がロシアの領土であることは第2次大戦の結果として生まれた現実であり、国連憲章に明記されている」と主張した。
 これは戦勝国の「敵国に関する行動」を承認した憲章を根拠にして終戦後も続いたソ連軍の対日攻撃を正当化する原則論だ。メドベージェフ大統領が就任当初に唱えていた「創造的アプローチ」からの明確な後退であり、今の日本とは領土問題を解決する展望も期待も持っていないことをうかがわせている。
 
北方領土訪問は内政課題 対日交流議連会長

 対日交流議員連盟会長のポリス・レズニク露下院議員は、メドベージェフ大統領の北方領土訪問計画について、極東開発という内政の一環との見解を示した。(聞き手モスクワ・貞広貴志)
 
   ◇
--大統領の北方領土訪問は、日露関係を損なう。
 日本の反応については理解に苦しんでいる。訪問の趣旨は、極東地域の発展という内政事項であり、領土問題は二の次だ。大統領は最近、ソ連時代を含め国家指導者として初めて(極東の)ユダヤ自治州を訪れてもいる。クリル諸島(北方領土)訪問は、住民の悲惨な生活をこれ以上放置しないという意思表示だ。
--訪問は、日本の意向を無視する形だ。背景にある対日観は。
 日本に対して政治、経済両面で失望が広がっているのは事実だ。鳩山政権は前向きな方針を打ち出し、われわれも期待を持った。しかし、何も起きなかった。両国間の政治関係は強まるどころか弱まっている。対日議連には下院議員が87人も名を連ねているが、交流は5年間止まっている。経済面では、韓国や中国などが巨額の港湾事業を含む投資を行っているのに、日本の技術や投資は全くない。
--訪問は領土問題での対日圧力との見方もある。
 全く違う。
日本に圧力をかけることに何の意味もない。日本が(大統領訪問に)どう反応するかは日本次第だが、訪問先を指示するような言動は失礼だ。ロシアはクリル諸島に重大な利害を有しているのだから。

 鳩山政権が口先だけで、なにも実行しなかったことや、日本の投資が少ないことなどを日本への期待の衰退にあげていますが、尖閣諸島海域での民主党政府の対応が、露の強気に拍車をかけたことは、既に多くの方々やメディアで指摘されている通りです。
 
 露への投資について。
 何度も言ってきていますが、「サハリン1, 2」の開発経緯は、戦争終結後に条約を破り侵攻し北方4島を不法占拠したのと同等に、自国経済が困窮したときに投資を誘致したプロジェクトを、完成間近になって難癖ををつけ、資本を強奪または撤退を強要したのです。リスクを外国資本に負担させ、完成の果実を横取りするのです。共産主義の中国より露骨で横暴です。
 そのガスを日中に販売したいのですが、日本は買ってはいけません。欧州がガスや石油を露に依存していたために、どれだけ困っているか。今、脱露にどれだけ苦慮しているか、事実として学ぶことが出来ます。
 どうぞ中露で、騙しあい・化かしあいをしながら勝手にやってください。

 「対日交流議員連盟」という議員集団についてはよく解りませんが、一般的には日本に興味を持つ知日派(親日とは違う?)と考えられ、日露の窓口となる集団かと想像します。
 しかし、「住民の悲惨な生活」とは、経済的な問題を指すのか、領土問題での不安定な生活基盤をさすのか、この記事では不明ですが、大統領はこれを放置しないとの意思表示のために訪問する。大統領の行動を、他国が指示するのは失礼と言っています。
 総理大臣の戦没者をまつる神社参拝を近隣国から非難され、全閣僚が控えるという政府の国があります。議連会長の後者の指摘は、主権国家の議院とすれば普通の言葉ともいえますが、「住民の悲惨な生活」の状況を生み出した主犯は旧ソ連の不法侵攻による不法占領なのです。
 歴代の指導者がそうでしたし、プーチン首相も、メドベージェフ大統領も当初は返還交渉を口にしていました。

 過去の歴史で、信頼できない国の史実の多い国ですから、今更嘘つきといっても始まりません。むしろ、メドベージェフ大統領の変化に注目すべきでしょう。
 ソ連崩壊時に混乱するモスクワを立ち直らせた、支持率の高いルシコフ市長を解任しました。ルシコフ市長は、プーチン首相に支援を仰いだのですが、かないませんでしたが、次期大統領選をめぐる、メドベージェフ大統領とプーチン大統領の争いだとの報道が見られますね。
 
モスクワ市長解任にプーチンが激怒? | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
 
 メドベージェフ大統領は、政治とお金の問題の一掃を謳って次期大統領選に望もうとしているとの報道もありますね。
 
asahi.com(朝日新聞社):モスクワ市長を更迭、「信頼喪失」理由 ロシア大統領 - 国際
 
 国内事情で己の支持を獲得するために、敗戦国の日本バッシングをして国威を掲揚する。どうして日本の近隣の国々はこの手法を、困った時のなんとやらで起死回生時になると使うのでしょう。
 日本が、このカードを使うと屈服するからです。強い己を誇示できるからです。
 日本は、ソ連からは捕虜の問題を含め、多くの被害を受けているのであり、戦争の勝敗の理由だけで勝手な振る舞いを看過してはいけません。
 また、今回の大失政のような隙を生むと、近隣の国々は一斉に自国の国益のための行動を始めることも実例として生じたことを、学ばねばなりません。

 民主党政府は、口では「日露関係に重大な支障が生じる」と牽制していますが、実際に発生した場合は、大使の引き揚げも含め、各種対抗処置を実行し、近隣諸国に、日本は主権を護る国だとの失地挽回を期待します。
 露への進出企業、産業や国民生活の基盤に影響のある輸入品(例=蟹はがまんできるがウランは原発が止まる?)などの対策も必要となります。






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 中国・ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日―一極主義 vs 多極主義   
暴かれた中国の極秘戦略―2012年台湾乗っ取り、そして日本は…?
 
日本人が知らない「二つのアメリカ」の世界戦略


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Unknown (kk)
2010-10-13 07:14:43
著書『暴かれた中国の極秘戦略』で中国共産党政権による台湾乗っ取り戦略を描いた
袁紅冰氏が来日。台湾乗っ取り戦略の現況とともに、中国の対日本戦略を語ります。

尖閣諸島沖の衝突事件以来の日中関係の背後にあるものとは何か、そして中国はいっ
たい何を狙っているのか? 中国共産党政権内など中国内に余人をもって替えられない
情報網をもつ袁紅冰氏ならではの講演が聴けることでしょう。

■日  時: 2010年10月28日(木) 18:30~21:00(18:00開場)  定員70名

■会  場: 文京シビックセンター 区民会議室 5階会議室C

■使用言語:中国語(通訳有)

■主催: まどか出版

■お問い合わせ・お申込み
 mail予約 adm@madokabooks.com [件名 袁紅冰講演会 お名前 ○○○]
 電話予約 TEL:03-5814-9292    まどか出版 イベント係まで

■参加費: 500円

[講演者略歴]
袁紅冰(えん・こうひょう/Yuan Hongbing)
3 (33)
2010-10-13 07:15:49
訳『暴かれた中国の極秘戦略』著者、中国からの亡命作家・袁紅冰氏(現在オーストラリア在住)は近く来日、共産中国のグローバル拡張や、対日戦略の中核、2012年までの中国の政局などについて、日本読者に語る。

 ■日時:10月31日(日) 講演時邦間14時~16時 
 *中国語で講演、日本通訳付

 ■場所:東京都渋谷区道玄坂2-6-17 渋東シネタワー13階

 ■交通:JR、渋谷駅「ハチ公口」徒歩2分 東京メトロ、東急田園都市線渋谷駅2番出口直結

 ■会費:1,500円(特典付き:次回講演割引券付き、大紀元時報送料付き4回無料購読)

 ■予約:日本語で申込み ファックス:03-6407-9409 メール:info@my3.jp
(連絡先、氏名を必ずお入れください)

 ■予約:中国語で申込み ファックス:03-3381-7612 メール:info@epochtimes.jp
(連絡先、氏名を必ずお入れください)

 主催:ワールドビジネスマーケティング協会

 後援:株式会社 大紀元
Unknown (Unknown)
2010-10-13 07:16:42
胡錦濤報告(中国共産党機密資料)
「今回の資本主義世界の金融危機は、まさに始まったばかりで、今後も継続的に発展していくだろう。これは、資本主義の精神価値体系に大きな打撃を与えることになる。今回の危機は、マルクスが資本主義は必要的に周期的な危機を導き出すとした断定、レーニンが帝国主義は瀕死の資本主義だとした断定、マルクスと エンゲルスが社会主義は最終的に資本主義に勝利するとした断定がいずれも完全に正しかったことを証明している。ソ連・東欧大きな変化のあと、社会主義陣営は崩壊したと考える者もいる。こうした観点は欧州中心主義から出たものであり、彼らは中国共産党があることを忘れている。我々の党が政権を掌握しているかぎり、社会主義は崩壊することはない。小平同志はかって我々は『韜光養晦(今はがまんして来る日に備える)』すべしと指示した。一九八九年の六・四事件の政治的暴風のあとの険悪な国際環境のなかで、小平同志の政策決定は完全に正しかった。現在、十九年が経過し、我々は、六・四事件、特にソ連東欧の巨大 変化の不利な影響から脱け出して、戦略的発展期入ってきている。我々は、対外開放の度合いを強め、充分に経済・文化・社会の交流を進めて、世界各国に対して影響力を拡大しそれを強めていかなければならない。」

暴かれた中国の極秘戦略(著者 袁紅冰)より抜粋
Unknown (dd)
2010-10-13 07:17:18
歴史上、西洋列強は砲艦とアヘンをもって中国を植民地にした。現在歴史は逆転し、我々は対外開放政策を通して、資本主義経済の危機という有利な歴史的機会を捉えて効果的な措置をとり、次第にかつての列強を社会主義中国の経済的、文化的な植民地に変えていくのである。かつて西洋が我々に対して行った植民地化の本質は、帝国主義による侵略であった。現在、我々が彼らに対して行う植民地化とは、共産主義の理想が腐敗し没落した資本主義に勝利し、最終的に共産主 義をもって全人類を解放するという偉大な歴史的使命を担っていかなければならない。この使命こそが来たるべき歴史的段階における党の政治的大戦略の核心なのである。
Unknown (Unknown)
2010-10-13 07:17:48
震撼すべき、想像を絶する台湾への陰謀
*著者について
*前書き
  迫り来る台湾の大厄難――人類の危機と台湾の大厄難
*第一章 共産中国――理解されていない本当の中国
 1 中国はすでに亡国状態にある
    ――中国共産党の暴政は、東洋的皇帝権の継承者なのか、
        西洋の全体主義文化の現代への復活なのか
 2 中国共産党の経済改革
    ――自由資本主義の勝利にあらず
 3 中国共産党の経済発展の政治的効果
    ――民主化に向かうのか、全体主義を強化するのか
 4 第一章結論
*第二章 二〇一二年、戦わずして台湾に勝つ
      ――中国共産党の対台湾謀略の最高政治戦略
 1 中国共産党の台湾に対する政治戦略の確定
    ――理性的か非理性的か
 2 胡錦濤の個人的心理要素が台湾に対する政治戦略の確定に及ぼした作用
    ――歴史の荒唐無稽さか人間性の荒唐無稽さか
 3 中国共産党の台湾に対する策略の戦略および戦術設計
    ――非理性的な状況での精確な理性
 4 第二章結論
Unknown (Unknown)
2010-10-13 07:18:11
*第三章 国民党を篭絡し、民進党は分裂させ、傀儡党を立ち上げよ
      ――中国共産党の政治統一戦線
 1 国民党上層部に対する統一戦線計画
    ――恩讐を水に流すのか、裏切り者どもを呼び入れるのか
 2 民進党に対する統一戦線計画
    ――陰険な心理による人間性の弱点に対する洞察
 3 中国共産党を背景とした台湾社会民主党の公開結党計画
    ――民主の名を借りて民主を葬り去る準備
 4 第三章結論
*第四章 「市場一体」を経て「政治統一」に――中国共産党の経済統一戦線
 1 市場一体化と金融一体化
    ――経済的好機か、経済の絞首台の縄か
 2 台湾商人、強権に人質を取られた一群
    ――利益と良識のはざまで
 3 経済統一戦線の実施における謀略
    ――陽光の後ろの暗黒
 4 第四章結論
Unknown (Unknown)
2010-10-13 07:18:28
*第五章 メディアを統制し、学者と政治和尚を飼い慣らす
      ――中国共産党の文化・社会統一戦線
 1 メディアと出版の統制
    ――自由の表向きのもとで思想専制を実現する
 2 知識界への浸透
    ――大学教授を文化下僕に手なづける
 3 宗教と闇社会における統一戦線
    ――政治に汚染された信仰とマフィア化した政治
 4 第五章結論
*第六章 現在の中国外交戦略の重点
 1 外交戦略全体の調整
    ――台湾の首にかけられた鉄の手
 2 対米外交
    ――政治と商人との間の利益交換
 3 対日外交 
    ――利益誘導と威嚇
 4 第六章結論
*第七章 「軍事台湾攻略対応マニュアル」および統一後の台湾に対する処置
 1 「軍事闘争の準備」
    ――微笑の後ろの鉄血の陰謀
 2 統一後の台湾に対する政治法律的処置
    ――「まな板の上の鯉」
 3 台湾社会民主党の執政
    ――中国共産党の国民党に対する最後の恥辱
 4 第七章結論
Unknown (Unknown)
2010-10-13 07:18:44
*第八章 台湾政治の現状
 1 馬英九政府の全面的投降
    ――愚かなのか、裏切り売国なのか
 2 民進党の度量のなさ
    ――理想主義の凋落の悲劇
 3 民衆の安逸を貪る心情
    ――「憂患にあるからこそ生命は全うされ、安楽にあるため死を迎える」
 4 第八章結論
*第九章 台湾の絶望
 1 魂なき邦は必ず没落する
    ――残るは永久の悲哀のみ
 2 台湾政治戦略選択の第一策
    ――島国を超克する大英知の必要
 3 台湾の戦略的選択の第二策
    ――決死戦の英雄的心情を必要とする
 4 第九章結論
*第十章 台湾の希望
 1 鄭南榕の精神
    ――燃え上がる台湾の魂
 2 国家意志、台湾を主体とする文化価値、社会道徳の基盤および人民の自信を立て直す
    ――知識人と政治家の天から与えられた務め
 3 中国共産党の暴政の強大と衰弱
    ――運命は最後に誰に微笑むか
 4 第十章結論
*最終章 台湾よ、自由人たれ

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