
日中それぞれの国別貿易額(2009年)は、中国の輸出が、1位=米国、2位香港、3位=日本で、輸入は、1位=日本、2位=韓国、3位=台湾。日本の輸出は、1位=中国、2位=米国、3位=韓国で、輸入は、1位=中国、2位=米国、3位=オーストラリアです。
国・地域別情報(J-FILE) - ジェトロ
日本の対中貿易は、輸出入の差し引きで赤字と言われていますが、実は黒字なのだそうです。
対中国赤字実は「黒字」 10年貿易統計 第三国経由の輸出表に出ず (1/28 朝日朝刊)
財務省が27日発表した2010年の貿易統計(速報)によると、対中国の貿易収支は3208億円の赤字だった。ここ5年は縮小しているものの、88年から構造的に赤字が続く。しかし統計を「裏側」からみると、実は日本の「黒字」だ。(神谷毅)
10年の日本の貿易黒字は09年の約2・5倍の6兆7702億円で、2年連続で前年より増えた。輸出額は09年比24・4%増の67兆4059億円。輸入額は同17・7%増の60兆6357億円。
中国の成長に引っ張られて日本の輸出は伸び、中国向けの輸出は過去最高の約13兆円となった。しかし、この数字には「ワナ」がある。貿易の統計では、第三の国・地域を経て輸出された物品は、最終目的地ではなく経由地への輸出とみなされる。一方、輸入の場合は原産地を輸入相手とみなす。つまり第三の国・地域を経て日本から中国に入った物品は、日本の統計では「中国への輸出」にならないが、中国の統計では「日本からの輸入」になる。
そこで、貿易相手の統計もみることで輸出の実態を正確に把握できる。この点に注目して日本貿易振興機構(ジェトロ)が「東アジア貿易の流れ」11図"を調べたところ、日本は10年、中国に約2兆1千億円の貿易黒字だと分かった。09年は約7700億円。金融危機後に世界貿易が縮小した影響もあるが、急増したことになる。
中国の輸入をみると、その6割超が部品や素材、製造装置といった「中間財・資本財」が占める。うち2割ほどが日本からだ。
中国は09年にドイツを抜き世界一の輸出国になった。世界の工場として、中国が原材料を輸入して完成品を輸出するためには、中間財・資本財が必要だ。中国が輸出すればするほど、日本からの中間財・資本財の輸入が増えて日本が潤う。
同じような構図は、アジアのほかの主要国にも当てはまる。韓国と台湾、タイの輸入に占める中間財・資本財の割合も5~7割と高く、その2~3割を日本が占める。
中国などに引っ張られて伸びている日本の輸出だが、世界と比べると、まだ元気がない。輸出額を月ごと(季節調整済み)でみると、ピークの08年1月より昨年12月は約2割低い水準にとどまる。一方、世界銀行加盟国の輸出額は、ピーク(08年7月)の約1割減まで回復している。
財務省が27日発表した2010年の貿易統計(速報)によると、対中国の貿易収支は3208億円の赤字だった。ここ5年は縮小しているものの、88年から構造的に赤字が続く。しかし統計を「裏側」からみると、実は日本の「黒字」だ。(神谷毅)
10年の日本の貿易黒字は09年の約2・5倍の6兆7702億円で、2年連続で前年より増えた。輸出額は09年比24・4%増の67兆4059億円。輸入額は同17・7%増の60兆6357億円。
中国の成長に引っ張られて日本の輸出は伸び、中国向けの輸出は過去最高の約13兆円となった。しかし、この数字には「ワナ」がある。貿易の統計では、第三の国・地域を経て輸出された物品は、最終目的地ではなく経由地への輸出とみなされる。一方、輸入の場合は原産地を輸入相手とみなす。つまり第三の国・地域を経て日本から中国に入った物品は、日本の統計では「中国への輸出」にならないが、中国の統計では「日本からの輸入」になる。
そこで、貿易相手の統計もみることで輸出の実態を正確に把握できる。この点に注目して日本貿易振興機構(ジェトロ)が「東アジア貿易の流れ」11図"を調べたところ、日本は10年、中国に約2兆1千億円の貿易黒字だと分かった。09年は約7700億円。金融危機後に世界貿易が縮小した影響もあるが、急増したことになる。
中国の輸入をみると、その6割超が部品や素材、製造装置といった「中間財・資本財」が占める。うち2割ほどが日本からだ。
中国は09年にドイツを抜き世界一の輸出国になった。世界の工場として、中国が原材料を輸入して完成品を輸出するためには、中間財・資本財が必要だ。中国が輸出すればするほど、日本からの中間財・資本財の輸入が増えて日本が潤う。
同じような構図は、アジアのほかの主要国にも当てはまる。韓国と台湾、タイの輸入に占める中間財・資本財の割合も5~7割と高く、その2~3割を日本が占める。
中国などに引っ張られて伸びている日本の輸出だが、世界と比べると、まだ元気がない。輸出額を月ごと(季節調整済み)でみると、ピークの08年1月より昨年12月は約2割低い水準にとどまる。一方、世界銀行加盟国の輸出額は、ピーク(08年7月)の約1割減まで回復している。
中国全体の貿易黒字も、2008年=約3,000億ドル、2009年=1,961億ドル、2010年=1,831億ドルと、2008年をピークに減少を続けていて、中国人民銀行金融政策委員の李稲葵氏によれば、2011年は1,500億ドルに減少し、2, 3年で中国の貿易黒字の対GDP比が1%未満に低下すると予測しているとのことです。
中国の貿易黒字、今年は1500億ドルに減少へ=人民銀行金融政策委員 | Reuters
遊爺はかねて中国の覇権拡大を可能にしている財源の貿易黒字を減少させて、軍備拡大余力を減少させるべきと唱え、「アジアの真実」さん(現在blog休止中)の「中国製品不買運動(チャイナフリー)」に賛同し、リンクのバナーを文末に掲載させていただいたりしていました。不買と同時に、中国向け輸出は増大させ、貿易黒字(中国側は赤字)にすることも唱えてきました。
ここへきて、中国全体の黒字が減少しはじめ、日本の対中貿易が実質黒字に転換しているとは、朗報であり祝杯をあげてしまいました。
貧富の格差、地域での格差対策に注力する中国は、国内の購買力はますます増大し、輸出余力が減少し、輸入が増える(少子高齢化へのターニングポイントを迎える数年先まで)と考えられます。(少子高齢化が進めば、国内の生産人口が減り、輸入が加速されることも考えられる)
実は遊爺も唱えた、中国富裕層向けの輸出ですが、安全と品質の高さを求める富裕層だけでも日本の人口に匹敵するので、そこに的を絞ればよいと考えましたし、事例が報道される機会も増えてきていますね。
ところが、中国でものが売れたら、世界中どこに行っても通用するといわれるくらい、中国での販売は厳しいのです。安易にブームに流されて痛い目に遭ったり、技術を盗むのに利用されて、用が済んだらお払い箱(人も合弁会社も)ということも当然生じています。
そこで、中国進出を『「中国の国産品にはないもの、真似したところで手間がかかり、中国メーカーが造れないものを商品として送り込むことが重要なヒント』と紹介する「しゃぼんだま石鹸」の事例を紹介し警鐘を鳴らしている記事がありました。上述の朝日の記事にある部品や素材、製造装置といった「中間財・資本財」も、各メーカーは真似をされないことを工夫しながら輸出をしている話をよく見聞きしますね。
甘く見てはいけない中国消費市場攻略 「日本で売れるから中国でも売れる」 「高いものほどよく売れる」の迷信|China Report 中国は今|ダイヤモンド・オンライン
政治が信頼できないとして国債格付けが下げられましたが、日本の国や企業への評価はなされています。
このまま、対中貿易黒字を拡大させ、軍事力拡大余力の削減=覇権拡大に歯止めがかかっていくことを願っています。




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