都知事選の野党候補者は、早くから立候補の意思を示していた宇都宮氏を野党が引きずりおろし、参議院選の結果を観て急遽立候補を思い立ったという鳥越を、4党が統一候補として推薦することになりました。
一方、自民党は、先だしじゃんけんの小池氏と、自公が推薦する増田氏とが立候補する、自由な形(世間は分裂と称しています)となりました。
遊爺は、都民ではありませんので投票権はなく、部外者なのですが、日本の首都の長なので、日本国民としては恥ずかしくない方が選ばれてほしいので、ひとこと書かせていただきます。
今回の都知事選では、猪瀬、舛添と知名度優先で選出された知事が不祥事で早期に辞任したことを反省し、資質と実績を優先した候補を望む声が多数でした。
野党では、蓮舫氏の掛け声が強かったのですが、彼女は都政を捨てて参院選に出馬しました。そこで、民進党内の他の国会議員や、俳優や、果てには古賀という迷言をはき、落伍者となっている人物(官僚だったがTBS等が煽って登用し、解説者に仕立てながらも利用するだけ利用して、旬を過ぎたらお払い箱にした)を統一候補にしようとするといった混迷ぶりでした。
共産党と民進党という、安全保障など基本政策が異なる党が統一候補を立てると言うのですから、都政とはいえ、野合となり、的確な資質で政治信念をもつ有能な候補者を統一候補とするのは、無理があるのですね。
そこで、誘いを固辞していたが、TBSの後輩が参院選で当選した結果を観て、急遽自分も政治家になり、アウトサイダーから、インサイダーになりたいと思ったという鳥越を、その知名度優先で、かつぐことにした野党。
知名度優先はやめようと言う風に逆らって、若者には知られていない、老害の兆候が顕著な鳥越をかつぐことにしたのですね。鳥越も、野党も、政策はなく、反自民、反安倍だけの野合の政局優先の候補者となっています。
東京都知事選挙が告示された。私はもう25年、東京に住んでいる都民だが、都知事選のたびにまともな政策論争が行われず、人気投票のような形で知事が決まる傾向が強まってきた。これにはいい面と悪い面がある。
いい面は石原慎太郎氏や猪瀬直樹氏のように、官僚機構や都議会にしがらみのない人が選ばれることだが、悪い面は青島幸男氏のように行政経験がないため、官僚のロボットになってしまうことだ。今回、有力候補とされる3人は、それぞれに長所と短所がある。
■末期ガン患者の擁立は人命軽視
最悪なのは、76歳の鳥越俊太郎氏(野党4党推薦)だ。彼は11年前に大腸ガンの手術を受けて「ステージ4だ」と宣告され、その後もガンが転移して合計4回の手術を受けたことを明らかにしている。
ステージ4のガン患者の5年生存率は15%。ガンが4カ所に転移して今も生存しているのはほとんど奇蹟だが、彼が知事の激務に耐えて任期4年をまっとうできるとは思えない。彼を担ぎ出した野党4党は、彼の寿命を縮める人命軽視である。
彼の立候補記者会見でも「私は昭和15年生まれで終戦のとき20歳だった」とか、政策は「これから考える」といい、強調したのは「改憲の流れを東京から戻す」とか「安倍首相はヒトラーと同じだ」といった話ばかりだった。
これは2年前の都知事選に出馬した細川護煕氏や宇都宮健児氏と同じく、反原発という国政の問題を主張する舞台に都知事選を利用しており、都民を愚弄するものだ。当選しても、青島以下の知事になるだろう。
<中略>
いずれにせよ健康問題を考えると、出馬を辞退することが本人のためだ。
■「反東京」の増田氏が都知事に立候補して何をするのか
常識的には、最有力なのは自民・公明推薦の増田氏だろう。元建設官僚で、岩手県知事や総務相の経験もある。政策も待機児童の解消や地震対策など手堅い。
問題は彼の持論が、東京一極集中反対だということだ。彼が座長をつとめる民間研究機関「日本創生会議」は、東京など都市圏への人口流出が進むと、2040年には全国896の市区町村が「消滅する」と警告し、これが安倍政権の「地方創生」と称するバラマキ財政の根拠になった。
さらに彼は総務相だった時代に「地方法人特別税」という制度を創設し、都税を毎年2000億円も地方に分配した結果、今までに1兆円以上の都税が地方に分配された。今回の立候補会見で、これまでの政策との整合性を質問されると「これからは東京と地方がともに繁栄する共生社会を実現する」と弁解したが、意味不明だ。
彼の「地方消滅」論は、国土政策としても誤りだ。住民は都市に移住するので、消滅するのは地方自治体であり、困るのは役人だけだ。人口が減少する日本で、今までのように国土の隅々までインフラ整備をすることはできない。投資は中核都市に集中し、東京は世界の大都市と競争すべきだ。
なぜ自民党は、こんな「反東京」政治家を候補に選んだのだろうか。
それは彼が舛添要一前知事と同じく、都議会や官僚機構のみこしになるタイプだからだ。岩手県知事の時代に、彼は県債の残高を7000億円から1兆2000億円へと70%も増やした。元建設官僚だけに、ハコモノが好きなのだろう。
猪瀬前知事は、増田氏を担ぎ出した張本人は自民党東京都連の内田茂幹事長だという。彼は東京の隅々まで利権の網を張りめぐらし、猪瀬氏がそれを是正しようとすると激怒し、都知事選でも都連は推薦しなかった。増田氏は都連に恭順の意を示したので、舛添氏と同じく「みこし」になると見たのだろう。
■小池氏は都政の素人だが改革は期待できる
こうして消去法でみていくと、残るのは小池百合子氏だ。彼女は前回の都知事選でも人気投票で舛添氏と並ぶ有力候補だったが、都連が拒否した。これは小池氏がかねてから都連の運営を批判し、石原伸晃会長や内田幹事長と折り合いがよくないためだと言われる。
彼女は閣僚経験はあるが、支援団体はまったくない「完全無所属」だ。常識的にはほとんど勝ち目はないが、東京の選挙を左右するのは組織票ではなく無党派の票である。1995年には自民・公明などが推薦して本命とみられていた石原信雄氏を破って、ほとんど選挙運動もしなかった青島幸男氏が当選した。
その後も石原慎太郎、猪瀬直樹と無所属で知名度の高い候補が当選する流れが続き、舛添氏はむしろ例外だ。都議会や都庁職員はコントロールしやすい「みこし」を求めるが、都民は官僚や議会とのしがらみのない独立系の候補を好む傾向が強い。
これは今、世界に広がっているドナルド・トランプのような独立系の候補が大きな支持を集める傾向と似ている。これはポピュリズムとか反知性主義などと批判される場合もあるが、国民が行政をチェックするのはデモクラシーの機能だ。独立系の候補は、官僚機構の「空気」を読まないで大胆な改革ができる。
もちろん、それがいい結果になるとは限らない。小池氏も出馬の記者会見のときは「都議会の冒頭解散」という公約を掲げて失笑を買った。知事には解散権はないので、都議会が不信任案を可決しないと解散はできない。
地方行政には素人だから無理もないが、専門家がサポートしないと危うい。また無所属の小池氏が当選すると、都議会は「オール野党」になるので、議会運営は大混乱になるだろう。本当に不信任案が出るかも知れない。
鳥越氏は論外として、増田氏と小池氏は一長一短だが、東京の成長を抑制しようという増田氏が知事になったのでは、東京に未来はない。無党派の都民が小池氏を当選させれば、東京が世界と競争する「メガシティ」に生まれ変わる可能性もある。
「鳥越氏は論外」「増田氏と小池氏は一長一短」 全く同感の結論です。
遊爺は、未だ片山氏の名前が取りざたされている頃から、増田氏を推奨していました。東京都一極集中を是正し、地方都市消滅対策を唱える増田氏が都知事になって実践していただく。日々のメディアを通じて知る資質の高さと冷静さ。地に着いた都政に期待していますが、「親韓」の評判が高いのが気がかりです。舛添が、朴槿恵と約束した、保育園建設予定地を韓国学校用地に貸与する件をどうされるのか。一国の大統領と、首都の長が約束するのもおかしな話ですが、約束してしまったものを反故にするには相当のエネルギーが必要です。待機児童問題を掲げる各候補共通のリトマス試験紙になる課題でもありますが、増田氏がどう取り組むのか、遊説中に明らかにしていただきたい。
「自民党をぶっ壊す」と言って総裁になった小泉氏。舛添と同じ穴の狢の自民党都議や官僚と証明された、リオ五輪の視察団。都議会を解散するとぶち上げて、都議会改革を唱える小池氏。期待は膨らみますが、勇み足は連発の予感。
7/14(木)〜青山繁晴・居島一平〜【真相深入り!虎ノ門ニュース】【Toranomon NEWS】
都知事選の話は、1時間48分経過したあたりからです。画面下部のルーラーで早送りしてご覧ください。
鳥越氏が論外であることは、一致していますね。記事と青山氏では推奨が別れています。多少のことは目を瞑って、都政の改革の大鉈を期待するなら小池氏。堅実な都政の実践を望むなら増田氏ということになりますね。小池氏と増田氏に票が割れ、高齢者の知名度に流れる鳥越票が漁夫の利をえるのか。日本の首都の有権者の皆様の見識が問われる選挙となりますね。
# 冒頭の画像は、記者クラブで会見した立候補予定者。この後、宇都宮氏は野党の圧力(?)で立候補断念。
この花の名前は、ツルニチニチソウ
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