遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

テロ犯罪の準備・計画を取り締まることに、何故反対するのか

2017-04-27 23:58:58 | 民進党の正体
 「テロ等準備罪」の創設に、野党が反対しています。既存の法律でもテロに対処できると言うのですが、グローバルで、急速に進化しているテロ活動の取り締まりに対処する為、法体系を整備しなおすことに、過度な反応を示し、反対する現状維持(=変化への対応放棄は退化)の主張は、本意を測りかねます。戦前の様な国家権力の横暴を危惧するというのですが、自分達が法案の対象とする様な行為をする可能性があるから反対していると疑われてもしかたのない姿勢に見えるのは、遊爺だけでしょうか。
 

テロ等準備罪と「国会答弁法」 (4/27 産経 【宮家邦彦のWorld Watch】)

 今こそ、反対のための反対をやめ、政治をゲームの如(ごと)く扱わない姿勢を示すときだ。18日、英国のメイ首相が総選挙実施を表明した際、野党に呼びかけた言葉だ。同時期日本では衆院法務委員会で、テロ等準備罪を新設する組織犯罪処罰法改正案の審議が始まった。今回は立法に関する日本と欧米諸国との考え方の違い
について考えてみたい。
 共謀とは英語でコンスピラシー、つまり「徒党による謀議、合意」を意味する。
英米法では「反社会的な目的を達成するため秘密行動を決意する」行為自体に刑事責任が問われる。
英国の共謀罪は「コモンロー」、すなわち中世以来イングランドで発展した伝統、慣習、先例に基づく判例法の一部として確立したそうだ。これに対し共謀罪が成文法上の犯罪である米国でも、その定義は英国のコモンローに基づくという。法案に反対する識者は英米で共謀罪が労働運動や反戦運動に適用されたことを批判している。
 では、
英米以外はどうか。欧州大陸諸国は英米的「判例法」ではなく「成文法」主義だ。興味深いことに、大陸諸国の多くは組織犯罪に対して「徒党による合意」ではなく「犯罪組織への参加」自体の刑事責任を問う。つまり、具体的行為に関する共謀がなくても、その種の組織に参加するだけでアウト
なのだ。
 
OECD(経済協力開発機構)加盟35カ国をみると、上記のような英米法的「合意罪」を採用する国が7カ国、大陸法的「参加罪」採用が13カ国、両者を併用する国が14カ国となっている。もうお分かりだろう。最後の1カ国、すなわち「合意罪」も「参加罪」も採用していない唯一の国が、わが日本
なのだ。

 日本の刑法体系は「法益侵害行為」のみを罰する古典的建前が基本だから、国際組織犯罪防止条約(TOC条約)が求めるような「合意罪」または「参加罪」のいずれも刑事責任を問えない。しかし、IT技術の発達により情報の処理伝達速度が飛躍的に向上した21世紀に侵害行為の発生を待っている余裕はない。

 法務委員会での法案審議を見聞きして違和感を覚えたことがある。一部マスコミが「法案審議の際、常に法務省刑事局長の出席を認める」前代未聞の採決が行われたと報じたからだ。野党側は「法務大臣隠し」と批判しているそうだが、筆者にはなぜ問題なのかさっぱり分からない。

 誤解を恐れずに言えば、
日本は「判例法」主義でも、「成文法」主義でもない、「国会答弁法」の国だ。法律の解釈運用は関連国会答弁が国会議事録に掲載されて事実上確定していく。法案に反対する側は、国会答弁が混乱し解釈運用が決まる前に廃案にしようとする。これに対し、守る側はしっかりとした答弁を議事録に残そうとするのだ。日本が「国会答弁法」主義を続ける以上、今回のような国際条約批准のための重要法案制定の際は、国会の関連委員会質疑の中で刑事局長のような法律の専門家が審議に加わるのも当然ではないか。法律の専門家の答弁を封じ、大臣の「問題答弁」を引き出そうとする昔ながらの戦術は冒頭引用したメイ首相の「反対のための反対」そのもの
ではないか。

 テロ等準備罪は対象が組織的犯罪集団に限られる。
一般人は調査対象とはなっても、捜査対象になる可能性は極めて低い。TOC条約は既に世界の187カ国・地域が締結した。世界のテロリストがネット技術を駆使し、ネット上で重大テロ事件を計画・実行する現実に鑑みれば、オリンピックなどのスポーツイベントの有無にかかわらず、日本が新たに立法措置をとるのは至極当然であろう。277もの犯罪が対象で冤罪(えんざい)を生む恐れがあるとの批判には運用の厳格化で対処すればよい。そのためのプロ・専門家による国会審議ではないのか。やはり、客観的に見て、テロ等準備罪創設の機は熟していると考える。

 日本は「判例法」主義でも、「成文法」主義でもない、「国会答弁法」の国だとの指摘は、斬新な指摘で、言い得て妙。
 この日本の国会の風習を悪用して、反対する法案潰しを謀る野党の、法律の専門家の答弁を封じ、大臣の「問題答弁」を引き出して審議を混乱させ、廃案化を狙う昔ながらの戦術は、「反対のための反対をやめ、政治をゲームの如く扱わない姿勢」を求める、メイ首相の言葉がそのまま当てはまると、宮家氏は指摘されるのです。御意。
 反対の為の反対をし、対案を求められると、現状で十分とし立法の取り組みを放棄する野党議員。とても激動のグローバル社会の荒海を乗り切ることを期待させない怠惰ぶりです。何でも反対を唱えるだけで、国費を浪費する国会議員。もちろん、そんな議員を選出しているのは選挙民(投票に行かない人を含む)。
 一度は政権の座に就きながら、野党に転落した民進党。何故選挙民が転落させたのかが、まだわかっていない。「2番では駄目ですか」の発言で、大幅に支持を失い、二重国籍問題で追及される最中の党代表選挙戦では、党員の投票が締め切られるまで真実を隠した党首が選出され、他党の議員の疑惑追及では、秘書の行為への責任を追及しながら、自分の秘書の行為は秘書のせいにして知らぬふりの政調会長(当時)。そんな議員を重用して国会で、反対の為の反対の質問に立たせる民進党が野党第一党。

 レッテル張りのポピュリズムで、かつて政権交代風にのって政権の座についた夢よ再びと、政局優先の活動をする野党第一党や、その手法を真似る他の野党。風で選んだ失敗を反省して目覚めている国民が増えたのが、安倍・自民党の独走を許しているとは気づいていない。日本の国会議員(含、驕る自民党議員)は、宮家さんが指摘される通りで、メイ首相の言葉を肝に銘ずべきですね。



 # 冒頭の画像は、予算委員会で質問し、安倍首相にたしなめられて逆切れする、ガソリーゼ・山尾



  この花の名前は、オミナエシ


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