遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

安倍政権 集団的自衛権見直しを先送り 何故?

2013-11-08 23:55:43 | 日本を護ろう
 安倍政権は、内閣法制局人事の異動まで行って、目玉政策として掲げていた集団的自衛権の見直しを延期することにしたのだそうです。読売が一面トップで報じていますが、スクープなのだそうですね。
 当初は、憲法改正を掲げ、そのための手続きの96条の改定を声だかに唱えていました。しかし、いつのまにか取り下げて、憲法解釈の変更で集団的自衛権の行使を可能とする方向に転じました。これは、15年振りに行われる日米防衛協力の指針改定に欠かせない重要事項であり、ここへきての延期は大きな影響を及ぼし、推進を約束した日米2+2に背くことになりかねません。
 つまり、ルーピー鳩がオバマ大統領に「トラストミー」と言っておきながら裏切り、日米同盟にヒビを入れた行為に準じる裏切り行為と言えます。
 安倍政権は、鳩の失政を認識しているはずなのに、何故目玉政策を取り下げたり、後退させているのでしょう。
 
集団的自衛権の解釈見直し、来夏に先送り : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
 
日米の対中抑止影響も 集団自衛権見直し先送り 防衛指針改定骨抜きの恐れ (11/8 読売朝刊)

 政府が集団的自衛権の行使を禁じる憲法解釈の見直しを来年夏まで先送りする方針を固めたことは、「日米同盟の強化により中国を抑止する」(外務省幹部)という政府の安全保障政策の立て直しを後退させる可能性がある


 日米両政府は先月の外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)で
2014年末までに日米防衛協力の指針(ガイドライン)を改定することで合意している。中国の軍備増強や尖閣諸島(沖縄県)周辺を巡る威圧的な活動を念頭に、日本側が?集団的自衛権の行使容認?武装外国人による離島占拠のようなケースに自衛隊が自衛権に基づいて対処できる法整備━━といった憲法解釈などを見直すことが改定の前提
になっていると防衛省幹部は解説する。
 ガイドライン改定には、民主党の野田内閣で森本敏防衛相(当時)が意欲を示したが、オバマ政権は積極的ではなかった。今回合意したのは、「憲法解釈見直しなどにより、
自衛隊がより積極的な役割を担うようになるという米側の期待感
がある」(防衛省幹部)ためだ。
 しかし、新たな憲法解釈が決まるのが来年夏になると、自衛隊と米軍による図上演習といった、改定に必要な作業が間に合わず、新解釈を十分には反映できなくなる恐れがある。ガイドライン改定が骨抜きになれば、米国防総省などの安倍政権に対する不信感が生じることは避けられない。
 政府による
憲法解釈見直し先送りは、消費税率を8%へ引き上げるかの検討を優先させるために見送られたのに続き、2度目となる。今回の先送りにより、自衛隊の活動拡大の根拠となる法改正が審議されるのは15年の通常国会となる公算だ。15年には統一地方選や消費税率10%への引き上げが予定されており、今以上に公明党に配慮が必要となるとの指摘もあり、法改正を実現できるかどうか疑問視する声も出そうだ。

 安倍首相は、2月の訪米でのオバマ大統領との会談でも見直しを約束していました。
 
「日米防衛協力のための指針」見直しへ向けた取組

 オバマ大統領は、鳩に続いて、安倍首相にも約束を裏切られることになるのでしょうか?
 何故遅らせているのかについて、中国、韓国との関係を悪化させることを懸念する米国の指示だと言う評論家がいます。オバマ大統領とも、2+2でも約束したことですから、今更それはないだろうと思いますが、それなら米国との約束違反にはなりませんが。
 
安倍首相が集団的自衛権見直しを先送りすると書いた読売の大スクープの衝撃(天木 直人) -  Yahoo!ニュース

 憲法改正は控えて、憲法解釈で集団的自衛権行使を可能にせよと、米国が安倍政権に言っているというのは、スーパーニュース・アンカー(ytv)での青山繁治氏。
 米国のどの勢力が言っている事なのかが問題と指摘するのも青山氏。

 安倍首相が、目玉政策だった、河野談話見直し、憲法改正の看板を下ろしてしまったのは米国の圧力であることは、衆知のこととなっていますが、米国と約束した集団的自衛権の実行について延期する理由は、今日のスクープ記事ですから定かではありませんので、今後の続報を待つしかありません。

 しかし、こうした遅れが、日米安保条約や、15年振りに行われる日米防衛協力の指針改定に影響を及ぼすことは間違いないことです。そして、中国の侵略に対する抑止力強化に逆行する動きともなります。
 8%に値上げする消費税を、更に2%上げて10%にするか、しないか、を巡って論争が始まっているのだそうです。記事が指摘するように、延期すれば時期が重なり混乱は増すことになります。
 先送りしない、決める政治、実行する政治を標榜する安倍政権。決められない、口先だけの先送りの民主党に似て来たような昨今と気がかりなのは、遊爺だけではない様ですが...。





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3 コメント

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インテリ宰相 (RYU)
2013-11-09 00:43:42
安倍さんの深謀遠慮か、ここまで来ると判断力が無いと言われて仕方ないですね。現行憲法の枠組み内で、集団的自衛権を容認し、専守防衛を基本とした自衛隊の運用を考えていたと思っていたので、心外としか言いようがありません。
NSC創設は結構なのですが、侵略に対しては、武力を背景とした国益の主張を展開する事が、外交戦の要だと思うので、こっちも掛け声倒れになるかと。それから、ロビー活動をする気が無い、というのも、留学生増員計画との関連が無いですね。やはり、根は文弱な方なのかと思ったりします。
返信する
Re: インテリ宰相 (遊爺)
2013-11-09 16:04:28
RYU 様 コメントをありがとうございます。

> 集団的自衛権を容認し、専守防衛を基本とした自衛隊の運用を考えていたと思っていたので、心外としか言いようがありません。

 そうですね。
 安倍首相は、本文に書かせていただいた通り、政権奪取にチャレンジ(対民主党)した時、総裁選(対石破氏)に臨んだ時、首相に就任した当初に掲げていた政策を次々と降ろしたり後退させているのですね。
 そして、今度は集団的自衛権でも後退。本文の繰り返しになりますが、これでは民主党政権と同じ嘘つきになりますね。
 一体何がそうさせているのか、気がかりです。

 第一次政権時に突っ張って、米国の不評をかったため、米国の要求を聞き入れている為なのでしょうか。消費税の8 + 2 %上げに向けて始まっていると噂される、閣内・党内、与党内の融和の為なのでしょうか。
 注視が必要ですね。

 
返信する
大人の事情 (RYU)
2013-11-09 21:32:46
遊爺さま、こんばんは。

そうですね。内閣は結束を固めている一方で、党内には、派閥復活の動きもありますから、新人議員の掌握は、前回とは比較にならない速度で進むのではないでしょうか。

小泉チルドレンが、結果、解体してしまったのに対して、党としても、守旧派を中心として、今回は、紐帯を強める、というのは、生存本能から当然とも言えます。野党で燻ぶる政界再編に動きに対してソフトランディングを図っているのかも知れませんね。

石破氏は、議員教育を重視していますが、次の選挙戦にて、また安定与党として勝ちたいと考えているのでしょう。北朝鮮で政変が起こる事を見越して、不要の戦争に巻き込まれないための布石であったとしても、対中関係では、日本が主体ですから、米国との協力は強めた方が良い、と思います。鳩山由紀夫とは違うところを見せて欲しいです。
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