遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

中国 輸出不振でGDP伸び率低下

2011-10-20 00:16:26 | 中国 全般
 昨日、中国の少子高齢化現象が進んでいることを取り上げました。今日は、輸出の伸び率低下によりGDP成長率も鈍化していると言う話です。
     2010年  2011年 1 ~ 9月
 輸出  31.3%      22.7%
 GDP   10.4%       9.1%
 

中国輸出不振で減速 GDP伸び鈍化欧州危機の影響も (10/19 読売朝刊)

 中国の景気が、減速しつつある。中国国家統計局が18日発表した2011年7~9月期の国内総生産(GDP)の速報値は、物価の変動を除いた実質で前年同期に比べて9・1%増と、3期連続で前期の伸び率を下回った。欧州の財政・金融危機に伴って、欧米への輸出の不振
などが響いた。しかし、インフレ圧力もなお強く、中国政府は金融緩和などの大胆な対策はとりにくい状態だ。(北京幸内康)

 北京大学国家発展研究院などが9月、製造業が集まる広東省の6市の中小企業の経営状況を調査したところ、
7割超の企業が今後半年、利益が全くないか小幅の赤字
に陥る見通しだった。
 民間の中小企業が多いことで知られる浙江省温州市では、
金融引き締めの影響で銀行からの融資が途絶えたため、闇金業者が横行し、年率100%超の利子をとる業者もでているという。国営新華社通信によると、最近、80社以上の経営者が資金繰りに行き詰まって逃亡
するなどした。
 中国経済を支えてきた
輸出も変調
が目立つ。9月は輸出が前年同月比17.1%増と8月(24.5%増)から減速した。欧州連合(EU)向けの輸出が、9月は前年同月比9.8%増と8月(22.3%増)から大幅に縮小したことが響いた。EU向け輸出は、全体の約2割を占め、輸出先として最大だ。
 また、
アメリカからは人民元の切り上げ圧力
が強く、人民元の対ドル相場はさらに上昇が続きそうで、中小輸出企業には打撃となる。
 インフレを抑えるため、中国政府は昨年秋以降、5回にわたって利上げを行うなど、金融引き締めを行ってきた。2010年の実質成長率は10.4%と高かったものの、不動産価格の高騰や、消費者物価指数の上昇が庶民の暮らしを圧迫しているためだ。
 9月の消費者物価指数(CPI)は6.1%と2か月連続で前月の伸び率を下回った。18日に国家統計局が発表した主要70都市の
住宅価格統計では、新築住宅の価格指数が前月に比べて落ちた都市が17と、前月の16から増えた。横ばいの都市は29で、価格上昇が鈍化する傾向
が表れている。
 市場では、金融緩和を求める声も出ているが、インフレを警戒する中国政府は、中小企業の資金繰り難に対しては、闇金融の監視強化や、中小企業向けの税財政支援策で対応する方針を示している。
 三井住友銀行中国・薗田直孝企業調査部長は「(2008年秋の)リーマン・ショック後の急減速に比べると、金融緩和が必要な状況ではない。欧州の危機をにらんで、中国政府は政策を変えられない状態」と分析している。

 中国の景気後退の記事は、北京オリンピック以後幾度となく出てきています。これを国内のインフラ建設投資や、昨日触れた一人当たりGDPを高めることなどで個人消費を高めることなどで内需拡大を達成し、凌いできていました。その中国の内需が、海外からの投資を呼び込み経済を更に活性化させる好循環も産んでいました。
 今回も、輸出もGDPもそれそのものが減ったと言うわけではなく、伸びているけど伸び率が鈍化したと言うだけの話です。政府も金融緩和策の出動までには至らないとの見方のようです。
 果たして、これまでと同様にこの鈍化は歯止めが効いて、凌げるのでしょうか。
 
 輸出の伸びの鈍化は、欧州の経済危機が原因との事です。リーマンショックで米国を筆頭に世界各国で生じた金融危機での経済不況は、原因が解っていましたし、あえて一言で言い切ると、マネーゲームの行き過ぎた火遊びが原因(これは資本主義自由経済の終焉かどうかの議論は、ここでは置いておきます。)で、その後始末にどれだけの経費と時間が必要かという話でした。
 トンネルの出口は見えづらかったのですが、方向は見えていました。
 今回は、国の財政破綻=デフォルトが現実に発生することを実感させ、それをどう救済できるのかという話です。主要各国が、リーマンショックに財政出動で乗り越えようとし疲弊したところでの破綻救済ですから、容易ではありません。不良国債を抱えた銀行への対策は、日本の金融危機で破綻した大手銀行や証券会社、すべての銀行への自己資本強化のための政府の貸付があったときのことを思いださせてくれます。
 この資金不足の為、欧州から中国や、アジア各国への投資されていたマネーが引き上げられているのだそうで、輸出の伸びの減少のほかに、このマネーの動きの影響も考える必要があります。

 次に、中国の内需拡大策。
 北京オリンピックの後が懸念された冷え込みは、万博や話題の新幹線などのインフラ整備への投資、個人消費奨励策で、車や家電などの先食いで需要を拡大してきました。これに乗じた、不動産バブルが発生しています。
 しかし、こうした人為的景気対策も、行きづまりが見えてきて、たとえば自動車の購入が大幅ダウンするとか、土地の価格上昇が止まってきているといった現象が出始めています。

 つまり、これまであった内需拡大のカードが、手詰まりになってきている点が、これまで危機を凌いだ状況とは違っている可能性があるのです。

 安価なコスト(為替の操作という有利なハンデ戦も含め)による輸出と、世界一の人口を誇る内需に期待する海外からの投資により成長を続けてきた中国経済。
 輸出が減り、海外からの投資が引き上げ、不動産バブルが弾ける時がきたら、規模が大きくなっている分、反動も大きく、世界経済に与える影響は計り知れないものがあります。もちろん、日本経済も甚大な被害を蒙ります。
 
 中国に依存している企業は、中国以外の国への分散を準備し行動を始めておく必要はありそうです。
 そのためにも、国の採るべき政策として、TPP加入が不可欠になります。

 # 冒頭の写真は、日本の森ビルが建てた「上海環球金融中心」(492m)と、それよりも高い「上海中心」(632m)




  この花の名前は、ホソバヒャクニチソウ

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