遊爺雑記帳

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米英大学からバカ呼ばわりされた東京都

2020-07-08 01:16:26 | my notice
 7月5日に投開票された東京都知事選は、現職の小池百合子氏が歴代2位となる約366万票を得る圧勝に終わりました。
 これが、東京都民の方々の意思なのですね。
 2位が宇都宮健児氏で  84万4151票。何故か多くのメディアが持て囃す山本太郎氏は3位で、 65万7277票。そして、維新が推薦の前熊本県副知事・小野泰輔氏が4位で、61万2530票。
 小池氏圧勝の陰で、メディアが持ち上げた山本氏の凋落と、かたや小野氏の健闘がみられ、都民の方々の心意気の片りんも感じられました。
 そんな都民の方々の意思ですが、東京都が取りまとめた新型コロナウイルスの、基準を設けない対策の新たなモニタリング項目について、米ハーバード大学やニューヨーク大学、英オックスフォード大学など世界の指導的専門研究機関12大学で構成する「グローバルAI倫理コンソーシアム」での議論の評価は、「意味がない。理解不能」と判断されたのだそうです。
 伊東乾氏は、「くるくるぱぁ」の仕儀と断じざるを得ませんと。

 

米英大学からバカ呼ばわりされた東京都 「基準を設けない対策」は都知事選への政治利用か(1/6) | JBpress(Japan Business Press) 2020.7.7(火) 伊東 乾

 6月末日、東京都が新型コロナウイルスの対策本部会議を開き、見直しを進めてきた新たなモニタリング項目を取りまとめたとの報道がありました(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200630/k10012490111000.html)。

「感染状況や医療体制を専門家に分析してもらい、都が評価して注意喚起するかどうかを判断」するということで、7月1日から試験的に運用されているらしいのですが・・・。

 
先に結論を記します。「くるくるぱぁ」の仕儀と断じざるを得ません

 私が言っているのではない。米ハーバード大学やニューヨーク大学、英オックスフォード大学など世界の指導的専門研究機関12大学で構成する
「グローバルAI倫理コンソーシアム」での議論です。
 このコンソーシアムで、東京都の話題を提供したところ、「意味がない。理解不能」と判断されました。
 なぜでしょうか?

 
ダメの三段重ね、意味不明の重箱がおせち料理のように三重に重ねてあるから、一般読者の印象に残りやすいよう「くる」「くる」「ぱぁ」と記述してみました
 具体的に見てみましょう。

どこの「部族長老会議」か?
 東京都は「新たな感染者数」や「感染経路が分からない人の数」や「その増加比率」「入院患者の数」など「感染状況と医療体制を示す
7つの項目」を、前の週や緊急事態宣言が出されていた期間中の最大値と比較しながら「専門家に分析してもらう」という。
 これがまず
ダメの1段目。「くる」です。
「専門家の分析」の結果をもとにモニタリング会議を開いて「都が」現状を評価、状況が悪化したと判断した場合は、都民に不要不急の外出自粛の協力など注意喚起を行うというのが、ダメの2段目、雛飾りや五月人形でいえば二段飾りとでもいえそうです。
 手順だけの虚飾ですが、「くる」の2つ目。

 そして、
最終的なダメの致命傷が、「新たなモニタリング項目に、都民に警戒を呼びかける基準となる数値は設けない」というものです。

 
これはもう、誰が見てもシラフなら分かる「ぱぁ」の仕儀で「メン」「タン」「ピン」ではないですが、ダメがダメを損ねて終わりつつある「くるくるぱぁ」な状況でしょう。
 少なくとも2020年代のデータ駆動型、知識集約型グローバル社会の中ではあり得ない「部族長老会議」での対応となっている。

 よろしいでしょうか?

 
世界各国では、時々刻々のコロナ関連データが正確にオンラインで集計され、人間の談合、適当な腹芸ではなく、地域内での最適化などシステムを駆使する対策が取られ、あるいは急ピッチで準備されています

 
ところが日本のシステムは、ファックス送信データを手打ちするとか、もうお話にもなっていないことが報じられたのを読者もご記憶と思います。

 どれくらい正しいのか分からない、また場合によっては数字に手心を加えられる、
システマティックでないデータをもとにまず、専門家に分析評価「してもらう」・・・
 これは要するに、
行政としての責任を取らず、正体不明・責任所在も不明で着脱自在の「専門家会議」の相談、もっと露骨に書くなら「談合」でたたき台を作らせるわけですから、この時点で客観性がほとんどない

 
サイエンスの教育を受けた人なら、データとして信用できないと断じる必要がある「センテンス」が出てくる。いわば「部族会議1」ですね。

 
この「センテンス」を、さらに別の「部族会議2」、いわば長老会議を誰が主催するのか。女酋長か何か分かりませんが、ともかくやはり「人間が相談して」よきに計らう、と言っている

 さらにその際、
判断の基準となる数値は設けないというのは、最初から、責任を人に押しつけた「センテンス」をもとに、好き勝手な匙加減で物事が決められてしまう

 しかも、手続きだけは仰々しく、だから一度決まったものは容易に変えられないという、大学内にもかつて山ほどあり、
急ピッチで解体改革が進められているような「陋習」、ダメ儀式の典型になっている。

 行政側がこのようにしたいのは、よく分かります。つまり、余剰の病床数とか、今後の推移によっては何がどうなるか分からない。ここは
融通の利きやすいよう、あれこれ後々自らの首を絞めかねない指標は避けたい

 さらに
時節は都知事選の真っ最中、選挙人気も目に入れながら、下手に数値などは定めず、「柔軟」に対応していきましょう・・・ということでしょうか。

 しかし、このコロナの状況下での対策、持続化給付金一つとっても
「柔軟な対応」に任せた結果がどうなっているかは、天下に周知のとおりです。
 
「柔軟」ではなく「放埓」と断じねばなりません。何が求められているのか?

 
根拠に基づく政策、エビデンス・ベースト・ポリシーが2020年代のグローバル・スタンダードにほかならないのです。 「有力者」の声が大きいという、フィリピンかブラジルみたいなガバナンス不在は、本当に、世界に恥じるべき失態と国民一般が理解共有する必要がある。

 日本の痛いところです。

何を信用すればよいか?
グローバルデータの「正気」に聞け!
 つまり、
都が出してくるあれこれは根拠がない。数値の裏づけが欠如している

「情報はあり余るほどあるけれど、私たち素人には、何を信用したらいいのか分かりません、どうしたらいいんですか?」という問いが常にあります。

 そこで「専門家を信用しなさい」というのですが、例えば福島第一原子力発電所の事故以降、どの程度妥当でしたか?  今のコロナ対策はどうですか?

「人」や「権威ある先生」ではなく、データそのものを直視する、データ駆動科学(Data-Driven Science)の基本姿勢を強調したいと思います

 2020年7月1日現在、全世界でどの程度コロナの被害は出ているのか?
 最新のデータによれば、全世界の総感染者数=1059万1079人、総死者数=51万4021人です。

 そこで、死者数を感染者数で割り算して恐ろしい名前ですが、致死率=0.04853…となる。
 1000万人が罹患して、50万人死ぬ、致死率約5%の病気であるという、グローバルデータを直視した「正気」の原点をまず押さえておきましょう。

「8割おじさん」といってもまだ若い人ですが、彼が42万人という犠牲者数に言及したことを「済んでみれば何でことはない」「大げさ」などと非難する文字列も目にしました。

 
そういうのはサイエンスの1の1を知らない落書きで、全世界ではすでに非常に多くの人が亡くなっている

 日本や東京都の人口や罹患率を念頭に置けば、7月1日時点で全世界の1000万患者数に対して50万人死亡という現実は、東京都の1400万都民に対して、42万人死亡するかもしれないというデータです。

 この予測は、およそ穏やかなものであったと言わねばなりません。何も大げさなことではない。

 今年1年、あるいは向う3年、今回パンデミックでの総死者数の推移をみて、杞憂であったと言えればまだしも、グローバルに見ればいまだ第1波がウナギのぼりの最中に、すでに済んだと勘違いするようなことがまず間違いです。

 7月頭時点での感染者数増大は、第1波の拡大を都市封鎖で押さえ込んでいたのが、規制が緩むと同時に必然として増えている「第1波ど真ん中」以外の何ものでもない。

 同様に
マクロなデータを確認すると、興味深い事実が浮かび上がってきます。

「20人に1人は死ぬ」と考える
 幾つかデータを並べてみましょう。すべて2020年7月1日時点の数字です。

米国:
総感染者数=272万7853人、総死者数=13万0122人、致死率=0.0477…

ブラジル:
総感染者数=140万8485人、総死者数=5万9656人、致死率=0.0442…

ロシア:
総感染者数=64万7849人、総死者数=9320人、致死率=0.0143…

インド:
総感染者数=58万5792人、総死者数=1万7410人、致死率=0.0297…

英国:
総感染者数=31万2654人、総死者数=4万3730人、致死率=0.1398…

スペイン:
総感染者数=29万6351人、総死者数=2万8355人、致死率=0.0956…

ペルー:
総感染者数=28万5213人、総死者数=9677人、致死率=0.0339…

 これと、先ほどの全世界の数字、

総感染者数=1059万1079人、総死者数=51万4021人、致死率=0.0485…

 を比較してみると、
米国やブラジルが平均程度、ロシアが低いのは本当の数字なのだろうか?
 
インドの方が米国より致死率が低く出てしまっているのは、どういう統計によるものだろう?
 
欧州の致死率は世界平均の2倍や3倍になっている・・・など 素朴な疑問が浮かび上がってきて当然でしょう。

 ここで必然的に問わねばならないのは、日本の数値になります。

日本:
総感染者数=1万8593人、総死者数=972人、致死率=0.0522…

 約5%の致死率というのは、全世界平均と大体同じ程度と分かります。

 さらに東京都を見てみると

東京都:
総感染者数=6225人、総死者数=325人、致死率=0.0522…

 計算間違いかと思い検算してみましたが、きれいに数字が合っていました。

 つまり、いま公表されているデータがどの程度信用できるかは別にして、日本で、あるいは東京で、新型コロナウイルスに罹患したら、5%の致死率、は世界平均に照らしても納得のいく数字です。

 記憶しやすいハンディな「黄金律」として整理するなら、この病気に罹ると20人に1人は死ぬと考えておくと、メディアなどで日常的に目にする数字を判断しやすい。

「本日、東京都で確認された感染者数は60人」

 という報道があれば、「3人亡くなるのだな」と理解するのが安全です。

「本日は50人を割って40人でホッとしている」などとアナウンサーが言ったとしても、「ああ、2人も亡くなるのだな。マスコミというのは原稿を棒読みにするだけで、何も考えておらず無責任だな」などと考えるのが、より慎重かつ賢明と思います。

 7月1日の感染者は日本全国で75人、東京都内だけで67人との報道。これは

世界標準で考えれば 3.6人
日本の値で考えれば 3.9人

 亡くなると報道していると解釈すべき数字です。つまり今日だけで、4人が新たに亡くなるのです。

 これをどの程度「大したことない」数字と思うか、それとも警戒すべき犠牲者数と考えるかは、読者一人ひとりにお任せすることにしますが、
何にしろ東京都は何の数値基準も設けないと言っている

 
これを責任ある行政の態度と考えることができるか・・・
 
グローバルAI倫理コンソーシアム内の見解は、冒頭に記した通り、こんなものは箸にも棒にもかかりません

「選挙前」などのミクロな政治状況で左右されるパンデミック対策ほど、愚かな話はなく、そんなものに左右される東京都民は(私もその一人にほかなりませんが)誠に不運、不幸と言うしかありません。

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伊東 乾のプロフィール

作曲家=指揮者 ベルリン・ラオムムジーク・コレギウム芸術監督
1965年東京生まれ。東京大学理学部物理学科卒業、同総合文化研究科博士課程修了。2000年より東京大学大学院情報学環助教授、07年より同准教授、慶應義塾大学、東京藝術大学などでも後進の指導に当たる。若くして音楽家として高い評価を受けるが、並行して演奏中の脳血流測定などを駆使する音楽の科学的基礎研究を創始、それらに基づくオリジナルな演奏・創作活動を国際的に推進している。

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 ダメの1段目の「くる」は、「感染状況と医療体制を示す7つの項目」を、前の週や緊急事態宣言が出されていた期間中の最大値と比較しながら「専門家に分析してもらう」という点。
 
 「専門家の分析」の結果をもとにモニタリング会議を開いて「都が」現状を評価、状況が悪化したと判断した場合は、都民に不要不急の外出自粛の協力など注意喚起を行うというのが、ダメの2段目の「くる」。

 そして、最終的なダメの致命傷が、「新たなモニタリング項目に、都民に警戒を呼びかける基準となる数値は設けない」というものだと伊東氏。
 これはもう、誰が見てもシラフなら分かる「ぱぁ」の仕儀だと。

 サイエンスの教育を受けた人なら、データとして信用できないと断じる必要がある「センテンス」が出てくる。いわば「部族会議1」ですねと。
 この「センテンス」を、さらに別の「部族会議2」で、やはり「人間が相談して」よきに計らう、と言っていると。
 さらにその際、判断の基準となる数値は設けないというのは、最初から、責任を人に押しつけた「センテンス」をもとに、好き勝手な匙加減で物事が決められてしまう。

 行政側がこのようにしたいのは、行政側がこのようにしたいのは、よく分かりますと伊東氏。融通の利きやすいよう、あれこれ後々自らの首を絞めかねない指標は避けたいのだと。

 根拠に基づく政策、エビデンス・ベースト・ポリシーが2020年代のグローバル・スタンダードにほかならないのです。しかし、都が出してくるあれこれは根拠がない。数値の裏づけが欠如していると伊東氏。
 何にしろ東京都は何の数値基準も設けないと言っている。これを責任ある行政の態度と考えることができるか・・・ と。

 普通の会社ではありえないこちですね。その肝心なところを、発表された通りに、右から左にそのまま報道し、国会議員に復帰するのかとか、次期総裁をねらうのかとか、政局話に熱中するメディアも低質。

 一連の新型コロナウイルスの武漢肺炎感染対策で、常に先頭を走り、アイデアを具現化しているのは、大阪府の吉村知事。
 「グローバルAI倫理コンソーシアム」では、吉村知事をどのように評価するのか、聞いてほしいところです。
 「大阪モデル」をいち早く掲げ、毎日の記者会見でも、指標データを基に説明しておられます。府民の方々は解りやすく、一致団結しておられる様子で、成果もあがっている様子ですね。

 都知事選で、立候補されて初めて名前が知られた小野氏が、あれだけメディアが持て囃した山本氏に肉薄したのは、データに基づき、果敢な政治英断を下す吉村知事の維新の推薦を観た都民の方々の評価だと感じました。
 日本がだめなのではなく、東京都の官僚なのか、小池知事なのか、都の施策とそれを右から左に垂れ流すメディアに反省いただかねばならないようですね。
 都の新聞では職員に不人気の小池知事との評価のようですから、記事でも指摘されている旧態の仕事ぶりで知事に抵抗している都の職員、官僚に問題がありそうですね。
 維新も、橋下、松井両氏がトップになり、協力スタッフを擁し、大改革を推進し、今日に至っています。小池知事も、小野氏を副知事等に迎え入れて、維新流の改革を進められたら、都の旧態改革がすすめられるのではないでしょうか。


 # 冒頭の画像は、小野泰輔候補


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1 コメント

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Unknown (詠み人知らず)
2020-07-08 17:28:24
何かよくわからん記事ですねぇ…有名大学がまだ終わってないことで何言っても?でしょう…特に米国や英国のコロナによる被害は日本の数十倍(検査数があるので死者数)。自国もまだてんやわんやしているのにその実績も無い物で語る資格ないと思います…しかし私も何もせず他人にだけ汗をかかせている小池都知事の無能さは感じておりますが…。
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