この作品は省三40歳からの軌道です・・・。ご興味が御座いましたら華シリーズもお読み頂けましたらうれしゅう御座います・・・お幸せに・・・。
冬の空 (省三の青春譚)
冬の空 どんよりと覆う空は 心を閉ざすのか・・・。
4
書こうと焦れば焦るほど前に進まなかった。
省三は倉敷の町波に身をおくことが多くなっていた。夜の人家の明かりが川面で揺れる中にしだれ柳が影を落とす様に江戸時代の幕末を見ていた。黎明が夜のしじまを拓き石畳のうえに広がる様を見て行き来した人々の心に迫ろうとした。代官所あとのアイビスクエアーを訪れ元奇兵隊が襲撃する様を頭に浮かべた。中橋の上に横たわり何度も朝焼けを見たのだった。
なぜに倉敷代官所が襲撃されたのか・・・。省三は色々な想定を巡らせた。その結論がでない限り書けないと思ったからだった。省三の中に一人の男が現れ語ったのだった。その男はついて来いと言いすたすたと進んだ。そして、大橋家の中へ入っていった。門構えの広い屋敷だったが、一つ一つの部屋は狭かった。
「人としての道で・・・止む無くやった・・・人が何かをする発端は拉致もないことが多い・・・国民の困窮を見捨てる勇気がなかったのだ・・・それが正義かどうかは分らんが・・・動いていた・・・時代が・・・己が・・・妻や子の思いを考える余裕すらなかった・・・私は流れに乗っていた・・・世間がなんと言おうが・・・行動を非難しょうが・・・走るしかなかった・・・」
男はそう言って頬杖をついた。
省三はそれだけで何もかも理解できた。かかっていた雲がさっと晴れるようだった。
気がついたときには辺りは朝焼けの中で日々の営みが始まろうとしていた。
省三は頭を振り目をしばつかせた。確かに石畳を歩く足音を聞いたと思ったがそれは泡沫の夢の中だったのかと思った。だが、疑問は掻き消えていのだった。
これで書けると省三は思った。
書けただけスタジオに持って行きコピーさせた。それを全員に配った。
「分からない漢字は両親に聞くのではなく辞書を引くように・・・その時前後の漢字を見、意味も知ること・・・意外とよく似た言葉があるものだ・・・言ってみれば親戚のようなものが・・・次の練習日までには読めるようにしておくこと」
初めての台本に、漢字の多い事に吃驚していた。まだ一場が終わったところだった。子供たちを犬や猫に使い、元奇兵隊にするつもりだった。その頃の奇兵隊には年端の行かない子供たちがたくさんいたのだった。
皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。
恵 香乙著 「奏でる時に」
あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。
山口小夜著 「ワンダフル ワールド」文庫本化決定します・・・。
1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。
山口小夜著「青木学院物語」「ワンダフル ワールド」の文庫本・・・。
作者のブログです・・・出版したあとも精力的に書き進めています・・・一度覗いてみてはと・・・。
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