乙女的日記*B

永遠の乙女を目指す日記。(B面)

oasis *オアシス

2004-09-28 | 映画館で。
上手に生きられない青年と脳性麻痺の女性のラブストーリー。

型破りの問題作と評判の作品ですが
蠍座の田中氏の評による『逃げていない』映画です。
なんとなく見てはいけない部分なのではないか?と、言う考え方こそ
偏見なのであるなと思った。
恋愛する気持は 誰もが同じなのだ。
いや。人間としての感情が。

女性が流す一筋の涙にそれを感じた。
切なかった。

恋する2人には 特別な会話なんて要らない。
一緒にいられるだけで 幸せなのだから。(ありきたりな言葉だな。)
2人のデートは 本当にステキだった。

純愛なんて、当人同士にしか分からないものだ。
苛立ちややるせなさも多い展開だったけど
2人だけに通じる『愛』が とても美しかった。
それは、色んな場面に 光として描かれていたように感じる。
ラストの 部屋に舞うチリがキラキラして綺麗だった。



しかし、通常通りに上手に生きるってなんなんだ?と、思った。
ここに登場する上手に生きる人達は、
人間の持つ汚い感情から それぞれが自分勝手に生きていた。
世間一般の代表みたいな描き方なんだろう。

そんなものなのだろか・・・と、遠い目になった。

『人って、結構優しいんじゃないですかね。』って、(確かこんなセリフ)
ある人が言った言葉なのだけど(全く違う話題でなのですが・・)
そんな事言わない人だと思っていたので 余計に心に残っていて。

そう思うんです。最近。
(って、思った出来事が地下鉄であったのですが、長くなるので、また。)

ある事がきっかけで、未知な分野の本や映画を観るようになって
まだ全然途中で、こんな事を発言するのは おこがましいのですが。
このような障がい者への偏見や先入観の問題に面したとき
先ずは、自らを問う
健常者としての いや、人間としての倫理を問うべきだと
とても思うのです。 
(それは、面した時だけじゃないな。常日頃の場面の事です。)

あ。とても重い下りになりましたが、
この映画は、微笑んだり笑ってしまったりするシーンが
散りばめられてて、それがごく普通の恋愛する男女として
描かれています。
観終わった残像は、
2人の笑顔です。

                         ジャンル:ラブストーリー 

                         監督・脚本:イ・チャンドン
                         出演:ソル・ギョング/ムン・ソリ
                         製作:ミョン・ゲナム
                         撮影:チャ・ヨンテク
                         美術:シン・チョミ
                         音楽:イ・ジェジン
                         衣装:チャ・ソンヨン
                         配給:シネカノン

                         2002年/韓国/132分/1:1.85/SRD