北京の青空もf16

2006年 帰国。いつの日かまた中国へ

鼻濁音

2007-04-01 00:28:57 | 中国語
標準的な日本語には、鼻濁音がある。が行音が文節の頭以外に来たときに、鼻に音が抜け、鼻濁音化するのだ。マンガ、シギン、カンゲン、イチゴ、などなど。一応これが美しい日本語言われている。だが実際には消滅していく傾向にあるという。また、四国や中国地方より西ではもともと鼻濁音はほとんどないそうだ。
最近知ったのだが、ぼくの出身地である長野県は、東北地方と並んで鼻濁音がよく残っている地域なのだ。自分が話す言葉を注意していると、見事に鼻濁音になっている。ところが、妻にはほとんど鼻濁音がない。わずかにnのあとの音が鼻濁音になるだけだ。ちなみに彼女は東京出身。世代的にもぼくより若い。これまで、ぼくは濁音と鼻濁音の区別をまったく意識していなかった。文節の頭以外の「が行音」は、鼻濁音以外なかったのだ。
このことに気づいて、北京時代にあれほど苦労した中国語の発音矯正の謎がひとつ解けた。中国語にはこの「が行音」の鼻濁音は存在しないのである。始めのうちは、老師に何度注意されても、注意されていることの意味すら分からなかった。例えば「インガイ」という単語のガは、無意識の内に鼻濁音になってしまうのだ。イーガというガの音も当然ンガになってしまう。老師が濁音と鼻濁音を交互に発音しても、始めは音の違いすら区別できないのだ。自分でも、どうして鼻濁音になってしまうのか、まったく訳がわからなかった。老師はいままで何人も日本人の学生を指導して来たのだが、鼻濁音がこれほど強い学生はいなかったのだろう、どうしてぼくが発音すると鼻濁音になってしまうのか不思議で仕方がないといった感じだった。結局、鼻濁音から解放されるのに、3ヶ月以上かかってしまった。
いつか老師にあったら、なぜあれほど鼻濁音に苦しんだのか、その理由をぜひ説明したいと思っている。中国語を学ぶ場合には、長野県出身者ならではの苦労があるのだ。

最新の画像もっと見る