北京の青空もf16

2006年 帰国。いつの日かまた中国へ

看板

2006-02-24 23:36:45 | 留学生活
街を歩いて目につく病院の看板広告。タレントや看護婦の写真入りの大きな看板。テレビやラジオでも病院のCMが多い。中国でも消費者を騙す広告がたくさんあるという。いかにも名医が担当します風なCMは、かえって真偽のほどを疑いたくなる。しかし、毎日目にしていると、ひょっとして、本当にいい病院じゃないだろうかと思ってしまう。慣れというものは恐ろしい。雲南省から帰って来て、あらためて病院広告の多さを再認識した。日本に帰ったら、再認識することがたくさんありそうだ。日常に慣れすぎないために、時に旅は必要らしい。(写真:歯科の看板。この女性は誰だろう?サインがあるところを見るとタレントかな。)

yupiter_photoを更新(02/24)

瓦猫

2006-02-21 23:07:16 | 留学生活
今日は授業の一貫として、国家博物館の特別展「中国非物質文化遺産」を見に行った。「非物質文化遺産」は日本語で言えば、無形文化財といったところか。
雲南省のコーナーで「瓦猫」を見つけた。形は少し違うが、麗江でみた屋根の上の猫の仲間だ。自宅に戻り、ネットで調べると「瓦猫」は雲南省の少数民族にみられる独特の風習とのこと。一説によると本来は悪鬼を食べる虎だが、形が猫ににていることから「瓦猫」と呼ばれて、魔を払い福を納めると信じられている。瓦猫を屋根に置く時には、鶏を捧げその血を瓦猫の頭にかけて、魂をこめるらしい。この説明はネット上のいくつかのホームページに全く同じ文章で引用されているので、どれかが原文なのだろう。
我が家に来たのも何かの縁なので、ぜひ福を運んで来てほしい。鶏の捧げ物はできないから、代わりの物を考えよう。(写真:展示されていた「瓦猫」。麗江のものより顔が立体的だ)

今日から下学期

2006-02-20 21:31:40 | 留学生活
始まる前は長いと思った冬休みもあっと言う間に終わり、今日から下学期。留学も残り半分だ。またしばらくは、中国語に専念しよう。
もちろん、時間を見つけて撮影にもでかけるつもりだ。いまは、雲南で撮影したフィルムの現像まち。どんな写真があがってくるか楽しみだ。(写真:麗江から我が家にやってきた猫。口の開けっぷりが見事だ。沖縄・竹富島のシーサーを思わせる。これの大きいものが民家の屋根に乗っている。土産物屋での値段は40~50元だったが、製造元の瓦屋さんを偶然発見、15元で手に入れた。)

雲南省の旅4

2006-02-19 22:52:06 | 
麗江に着いた時、まるでテーマパークに来たみたいだと思った。世界遺産に指定されている古城地区は車両規制され、車を気にせず歩くことができる。土産物屋やレストランの従業員の女の子たちはそろいの民族衣装を着ている。街を歩いているおばあちゃんたちも民族衣装だ。でも女の子たちが穿いているのはジーンズだったりする。女の子たちのはユニフォームで、おばあちゃんたちのは普段着なのだろう。
麗江古城はいたるところで「麗江らしさ」が演出されている。広場ではおばちゃんたちが納西族の踊りを踊り、観光客も踊りの輪に自由に加わっている。毎晩、古楽の音楽会が催され、東巴の舞も見ることができる。夜になると、観光客は水路に灯籠を流す。願いが叶うという。灯籠はもちろん有料だ。歴史と文化をベースにした地域らしさの演出という点でインドネシアのバリ島と似ている。
麗江の近くに束河という村がある。麗江と比べ小規模ながら静かで美しいとガイドブックに書かれていたので行ってみた。村に入るのに35元の入場券を買う必要がある。麗江を小さくした感じで、開発の方向性は同じだ。商業地区の奥には昔ながらの石造りの村が残っている。
若い頃は観光地というとそれだけで行く気がしなかった。歳をとったせいだろうか、いつの間にか、観光地はもそれなりに楽しむことができるようになっている。もちろん、自分だけの楽しみを探すのが一番おもしろいことには変わりはないが。(写真:麗江のトイレ。2階建ての公衆トイレは初めてだ。トイレのデザインを見ただけで、観光地としてのレベルの高さが分かる)

yupiter_photo麗江の写真をUP(02/19)

雲南省の旅3

2006-02-19 12:15:45 | 
大理でも麗江でも光が奇麗にあたっているところを探しながら歩いた。見知らぬ場所に行くと、それだけでシャッターを切りたくなる。光の状態がよいとなおさらだ。
青空がきれいだったせいだろうか、大理では色が気になった。メインはモノクロで撮影したが、数回気分をカラーに変えて街を歩いた。GRDはほとんどカラーで撮影した。
写真家・渡部さとるさんのワークショップに参加した時に、モノクロの目とカラーの目があることを聞いた。モノクロの目をもっていると、モノクロ写真が上手く撮れる。カラーの目をもっているとカラー写真がよい。これは自分の好みとは関係ないらしい。
モノクロで撮る時と、カラーで撮る時は目に入ってくるものが全然違う。モノクロの時は、光の状態とモノクロにした時の雰囲気を想像するが、カラーの時は色を探すようになる。だから、ぼくはモノクロとカラーは同時に撮れない。頭の切り替えには少し時間がかかるので、それぞれ時間を区切って撮影してみた。
GRDで撮った写真を見ながら、モノクロもカラーも違和感なく、自分の写真として並べることができるといいなぁと欲張りなことを考えた。(写真:大理とその近くの周城では、藍や天然素材を使った染物が有名)

yupiter_photo大理の写真をUP(02/18)

雲南省の旅2

2006-02-18 15:39:15 | 
麗江に着いたのは、2月12日。この日はちょうど中国の「元宵節」。春節から数えて最初の満月の日だ。元宵節には、灯籠を飾り、花火をあげ、家族そろって「元宵」という胡麻や落花生の餡が入った団子をゆで汁に浮かべて食べる。麗江の広場は若者があつまり、踊ったり歌ったりたいそう賑やかな夜だった。残念ながら、たこは頭痛のため早めにホテルに帰って休憩。
麗江は納西族が主に住む町で、古城は800年ほど続く古い町並みを今に残しており、世界遺産にも指定されている。納西族はチベットや中国の仏教の影響を受けた「東巴(トンパ)教」という独自の宗教をもち、東巴文字という象形文字を持っていることで知られている。伝統的かつ神秘的な町を期待して麗江行きを決めたのだった。
ところが狭い路地は、いたるところ土産物屋、食堂、旅館。観光客の数も半端じゃない。「世界遺産がこんなになっていていいのか!」と思うほどだ。東巴文字もすでに商品化され、記念グッズには東巴文字が刻まれている。
しかたがないので、いつものように店や人の少ない路地を選んで歩いてみた。木造と土塀の民家、すり減って丸みをおび、つやつやとした石畳はいい雰囲気だ。なんども同じを場所を歩いているうちに、土産物屋にも慣れ、違うものに目が向くようになってきた。町の人の暮らしを支えているのは豊富な湧水と水路。同じ水路で野菜を洗ったり、洗濯をしている。(野菜を洗っている隣で、洗濯洗剤を使っているのが心配だ。)子供たちは石畳の上を駆け回っている。女性は編み物をよくしている。歩きながら編んでいる人もみかける。家によっては、屋根の上には、縁起物の猫の置物が飾ってある。沖縄のシーサーみたいだ。
しばらくするうちに、土産物屋の事情も分かったきた。革製品は手頃でデザインのよいバックや財布がたくさんある。職人がいる店では、特注も受け付けている。工芸品を作ったり、売っている人は他の地域の出身者が店を開いていることが多いらしい。似たような店が多く、同じようなような商品を扱っているが、よく見るといいものとそうでないものの差が見えて来ておもしろい。
若い東巴(このばあいの東巴は東巴教の宗教者の意味)とも知り合った。彼は伝統的な東巴紙作りの技術を受け継いでいる。正式な東巴文字も書くことができる。彼の扱う商品は比較的伝統的なスタイルで、他の店とは一線を画していると思う。
彼の話す納西語の発音をまねすると、「君は(中国語)の標準語より、納西語の発音の方が正確だ。」とからかわれた。納西語は日本語と発音が似ているのだ。
納西古楽のコンサートにも行った。毎晩催される観光客向けの演奏会。これだけきくと内容はあまり期待できない気がするが、数百年の歴史をもつ楽器を奏でる老人たちの風格は、まさに「仙人」そのものだった。演奏がおわったら雲に乗っても不思議じゃない。
麗江は奥が深い。数日間の滞在では気づかないすごいものが隠されている(気がする)。(写真:麗江では猫は縁起がよいらしい。東巴文字で「猫」を意味する文字は、猫の顔なのがすごい)

雲南省の旅1 

2006-02-18 13:59:52 | 
今回の旅の目的地は大理と麗江の2カ所。
大理はおもに白族が住む町で大理石の名前の由来になったところだ。新しく開発された新城地区と1000年以上の歴史をもつ古城地区に分かれている。(中国語でこの場合の「城」は都市の意味。)人口はおよそ30万人、そのうち3万人ほどが古城で生活している。古城は城壁に囲まれ、東西南北の4つの門がある。ツアー客にとって、観光のメインはもちろん古城だ。
古城のメインの通りは、お土産の店とホテルが軒を連ね、観光客でいっぱいだ。しかし、一歩裏通りに入ると昔ながらの民家が並び、観光客はほとんど見当たらない。ぼくたちが歩くのは、こういったマイナーな通りだ。もちろん繁華街もたのしい。無国籍風のカフェがたくさんり、内装もおしゃれでコーヒーと洋食が安くておいしい。早い時期から外国人旅行者を受け入れて来たと言われるだけあって、街によく馴染んでいる。カフェの雰囲気からは、ヒッピー文化の影響を強く感じた。インドやネパール同様に、かつてはピッピーたちの溜まり場になっていたのではないかと想像している。裏通りにもかなりいい感じのカフェや宿がある。大理に行ったら、絵はがきのような名所旧跡より、裏通りやカフェがおすすめだ。(写真:裏通りでみつけたクラブ。紫と金の配色が見るからに危険な感じだ)

明日から旅行

2006-02-07 23:54:52 | 留学生活
雪の後は、打って変わって抜けるような青空。いつもは見えない遠くの風景まで見えるほど空気が澄んでいる。大気汚染物質は、雪と一緒に地上に降ってしまったのかな。
明日から17日まで雲南省へ旅行。旅に出るのは久しぶり。持って行くカメラは、いつものローライコードとリコーGRD。サブにリコーGR1。コードにはモノクロを25本、GRDには1GのSDカードを2枚用意した。この旅行でこの1ヶ月の写真モードも一区切りだ。(写真:こんなにきれいな雲もひさしぶり。)

立春には春巻き

2006-02-06 12:19:37 | 留学生活
「立春には春巻きを食べるのよ。」老師にそう言われていたのを思い出したのは昨日のこと。春巻き食べそこねたなぁと思っていたら、夜に出かけた茶館でお茶請けに小さな春巻きがでてきた。値段が高いだけあって気が利いてる。一口サイズの春巻きのさくさくした皮の歯ごたえは最高だった。
立春になるとともに春節が終わった。近所の小さな食堂も営業を始め、道ばたで包子(バオズ)を蒸かしている。地方から都市部へのUターンラッシュも昨日がピーク。今日からいつもどうりの街だ。(写真:今日は朝から雪。この様子だと積もりそうだ。)

yupiter_photo更新(02/06)

胡同のライカ使い

2006-02-04 11:09:37 | 留学生活
「それ、ローライだろ。家にもたくさんカメラがあるから見て行きなよ。」2眼レフのカメラで小さな商店街を撮影していると、いきなりドアが開き、明るそうなおじさんに声をかけられた。また、骨董屋かな?以前にも骨董屋のお兄さんに店に連れ込まれたことがあった。
先を急いでいる訳でもないので、お言葉に甘えて店の中に入ると、意外にもそこはテーブル八卓ほどのレストラン。昼時を過ぎた頃、客はまばら。「写真、おれが撮ったんだ。見て行ってくれよ。」壁には掛けられた写真はすべてモノクロの胡同。胡同に差し込んだ美しい光が、そこに暮らす人たちの姿を浮かび上がらせている。胡同は路地という意味、胡同の両側は昔ながらの住宅。北京にはかつて網の目のように胡同があったが、再開発によって昔の姿は急速に失われている。
「暗室もあるんだ。」レストランを抜け、住居スペースの2階へ案内される。モノクロとカラーの引き延ばし機が一台ずつ。六つ切りの印画紙の箱の他に、全紙の印画紙もある。立派な暗室だ。カメラはキャノンのEOS1、ライカM6、ハッセル、リンホフ、ローライフレックス(しかも2台!)、HORIZONというロシア製のパノラマカメラまである。カメラバッグごとに器材が分かれているのはさすがだ。
「いままでほとんどのカメラを使って来たから、一目見ればどの機種でどんなレンズかわかるよ。さっきは、窓越しにローライが見えたから、モノクロ好きに違いないと思って声をかけたんだ。」やはりローライには、人を呼び寄せる力があるらしい。
「胡同を撮る時は、ライカが一番いいよ。カメラを持って行くとみんな隠れてしまうから、隠し持って近づき、さっと撮るのが一番。」写真を撮った時の様子を、身振り手振りを交え、笑顔で説明してくれる。初めて知り合った北京のライカ使いは、近所の胡同を20年間撮り続けているレストランの老板(ラオバン:社長)だった。(写真:胡同の店の多くは、春節のため閉まっている)

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