北京の青空もf16

2006年 帰国。いつの日かまた中国へ

命がけの、、、

2008-06-11 19:39:20 | 写真
「英単語が覚えられないのは、命がけの会話をしないからですよ」と渡部さとる師匠に言ったのは、先週の日曜日だった。
言いっぱなしでは申し訳ないと思い、日曜日、会話相手として、2Bにたこを連れて行った。マレーシア在住の写真家鈴木光雄さんと英米文学卒というIさんが遊びに来ていたので、その場で英会話が始まった。
なぜ銀塩カメラを使うのか?どんな写真を撮っているのか?いきなり英語で質問されても、すぐに答えることは難しい。渡部師匠にあせりの色が見えた。「いやな汗をかいて」、命がけの会話の大切さがわかったらしい(笑) 一度話した内容は、2度目、3度目は楽に話せるようになる。たぶん、近いうちに役に立つはずだ。

ぼくは隣で聞いていたが、英語を話そうとすると中国語の文章が頭に浮かんでしまう。では、中国語ならスラスラ話せるのかと言うと、そうでもない。先週の金曜日、仕事で中国人と会う機会があった。会うまでは中国語で話しかけようと思っていたのだが、その中国人も含め全員が日本語で話していると、どうしても中国語の頭に切り替えることができなかった。命がけの会話が必要なのは、ぼくも同じなのだ。

2Bでの会話の後、場所を喫茶店に移し、写真のこと、旅のこと、語学のことなど、話をした。語学では「ある日突然聞き取れるようになった」という体験を語る人がいるが、写真のライティングやピント合わせなども「突然できるようになるらしい」。
渡部師匠に「写真のことがまだわかるようにならない」と話すと「それは命がけで撮ってないからだ」と言われ、すっかり仇をとられてしまった。

杉山次郎太 写真展

2008-02-11 10:32:07 | 写真
2Bの先輩であり、旅展の仲間でもあるjirotaさんの写真展「王のいた村」が新宿のコニカミノルタプラザで開催されている。
作品はポーランドの小さな村で撮影されたモノクロ写真だ。旅展の時は人物を中心した作品だったが、今回はいろいろな要素が盛り込まれている。そのためか、作品を見て行くと、村の中を一緒に歩いているような気分になれるのが楽しい。
ぼくが好きな作品は、男性がカフェにすわっている写真と、女性が二人が店の前に立っている写真。この2点は並んでいるので、ぐっと目を奪われる。花をもった女性の写真もjirotaさんらしい1枚だ。
作者本人に聞いたところでは、プリントは1週間に2枚づつ仕上げ、完成までに18週間かかったそうだ。その情熱と苦労はプリントの美しさに表れている。
今週火曜日からは渋谷のルデコで、恒例の2Bグループ展が開催される。同時開催される「花展」も楽しみである。





築地仁写真展

2008-01-17 00:40:27 | 写真
ブルーマンの帰り、築地仁さんの写真展を訪れた。2Bの新年会でお顔を拝見していたので、ギャラリーの窓から外を眺めているのがご本人であることはすぐに分った。ギャラリーに入ると、運良く観覧者は他にいない。とても美しいプリントを拝見した後、築地さんから話を聞くことができた。
作品が35mmフォーマットである理由を尋ねると、6×6や6×7でも作品制作をしていると前置きをしながら、35mmフォーマットは写真進化の到達点であり、レンズもフィルムは中判よりも優れているので、その点で35mmにこだわりたいとのことであった。写真はその歴史の中で、被写体の情報を伝える媒体として存在してきたが、被写体によりかからない写真そのものの存在の可能性を追求しているため、レンズなどの機材は最高のものを選択しているということも印象的だった。
最近、6×7で写真を撮っていることを話すと、6×7は6×6とは距離感が違うので、「一歩も二歩も、いや五歩も前にで出るとよいですよ」とアドバイスをいただいた。経験的には二歩くらい前に出た方がよいかなと感じ始めていたところなので、次からは五歩前に出てみよう。
6×6の話題になり、ローライフレックスを使っていることを話すと、レンズはプラナー?」と聞かれたので、クセノタールだと答えると、「それはすごい。クセノタールはプラナーより線が細くて描写が繊細で、ものすごくいいレンズだよ」という答えが返って来た。昨年のローライクイズのことも話すと、ぜひやってみたいとのこと。いまのところ、10問中7問が最高点だが、築地さんはいくつ正解するのだろうか。

初心

2008-01-03 11:55:24 | 写真
昨年の9月から、ブログの更新をしていなかった。
年末には、数人の方から、ブログが更新されていないことを心配していただき恐縮してしまった。毎日メールやネットはチェックしても、なんとなくブログを書く気持ちが起きなかった。
楽しいこと、おもしろいこと、思い出に残る事など、いろいろなったが、心の方向性が一度できてしまうと、なかなか切り替えることができない。新年を機に、再び書き始めようと思う。

年末は31日から故郷の岡谷に帰省した。東京よりも平均気温が10度低い。きゅっと引き締まるような冬の寒さだ。

家族全員が集まるの8月以来だ。兄弟が集まると決まってするのがトランプ。中学生になった姪と妻のたこも参加するようになった。子供の頃は、初詣も行かず、食事と風呂と睡眠時間以外はずっと兄弟3人でセブンブリッジばかりしていた。トランプで徹夜をすることも珍しくなかった。
今ではそこまで集中してやることは無くなり、ゲームのペースもだいぶゆっくりしている。それでも勝つとうれしい。特に新年のゲームで勝つと、その一年はツキがよいということになっている。
今年は久しぶりにぼくの一人勝ち。よい年になりそうだ。



ルデコ

2007-09-26 23:25:12 | 写真
今日は代休を取ることができたので、午後は渋谷のルデコへでかけた。現在ルデコでは、2F、3Fではワークショップ2B 17期、18期のグループ展、5Fでは2B有志3名による猫展、6Fでは漂流者個展と、ほぼ全フロアーで写真展が行われている。
グループ展はぎりぎりまで時間をかけて作品を仕上げていた人もいたようだ。数ヶ月前に見た作品がとても素敵なシリーズとして完成しているのを見て、感心してしまった。猫展は3人の視点の違いが明らかで見ていて楽しい。猫好きにはたまらないだろう。漂流者個展はブログに掲載された写真を中心に構成されている。展示自体はブログとは無関係に展示されているが、写真を見るとブログの記事を思いだしてしまう。ブログを読んだことのない人の目には、どのように映るのだろうか。
最近、自分の写真について、いまひとつ方向性が見いだせないでいる。ルデコで過ごた2時間は、とてもよい刺激になった。

写真展をハシゴ

2007-09-16 14:39:54 | 写真
昨日、ワークショップ仲間の写真展にでかけた。ギャラリーは四谷三丁目の駅から少し歩いた住宅街の洒落た喫茶店の2階。こぢんまりしているが、静かで雰囲気も良い。3人展のタイトルは「矩景」。意味をたずねると、「矩形=長方形」をもじったものだという。長方形の景色あるいはフィルムに写された景色というところだろうか。3人のうち2人は「旅展」の仲間でもあるが、今回はまったく違ったテーマでシリーズをまとめている。プリントも上手で、3人ともそれぞれの個性がよく出ている。昨日が最終日。見ることができてよかった。
その後、某グループ展を見に行った。モノクロ写真ということで期待していたのだが、自分の好みとは合わなかった。
ハシゴの最後は、ギャラリー・バウハウスの田村彰英写真展「BASE」だ。70年代に撮影されたカラー作品、モノクロ作品が展示されている。カラー作品のほうが時間の流れが感じられるのは、退色のためだろう。雰囲気がいい感じだ。モノクロのジェット噴射でゆらぐ空気は、想像力と不安感をかき立てる。この戦闘機はどこに向かう先は戦地であり、30年後の今でも変わりなく発着しているのだと。
写真を見る楽しみのひとつは、想像することだ。果たして、自分の写真は、見た人の想像力を刺激することができているのだろうか。

これはツァイスではない

2007-09-10 22:57:59 | 写真
土曜日、銀座でカメラ店を散策した。欲しいものはないのだが、ショーケースの中をのぞきながら、ぶらぶらするのは楽しい。クラシックカメラの一角で、コンタックスに気づいた。コンタックスといえばツァイスの銘機である。といっても手を出す気にはならない。携帯のキーホルダーで十分だ。そう思って、携帯を取り出し、キーホルダーと実物と見比べてみた。
あれ?なんか違うぞ。よく似ているが、微妙に違う。よくよく見ると、軍艦部のダイヤルが多いのだ。これ、コンタックスじゃないのかな?そう思って当たりを見回すと、キーホルダーそっくりのカメラを発見した。ニコンのS2である。なんだニコンかよ。この1年ずっとコンタックスだと思っていたのに。なんだか、たかがキーホルダーにがっかりした自分にがっかりしてしまった。

ひさしぶりの写真美術館

2007-09-09 11:43:48 | 写真
このところ仕事が忙しく、休日出勤しがちだった。ようやく一区切りがつき、久しぶりに土日が休みだ。迷うことなく写真展に行くことにした。まずは、恵比寿の写真美術館のキュレーターズコレクションと鈴木理策写真展。キュレーターズコレクションは、美術館の収蔵作品から、複数の美術館の学芸員が自分の視点で作品をセレクトし、古今東西の名作が展示されている。写真作品のクオリティもさることながら、学芸員のキャプションがおもしろい。いろいろな写真の見方、楽しみ方が示されている。エレベーターで2Fの鈴木理策写真展に向かう途中、女性二人の会話が耳に入った「理策さんの写真はすごいよかったけど、最後に見ればよかった。順番を間違えたね」ぼくは、心の中で「やっぱりそうなのか」と思ってしまった。というのは渡辺さとる師匠の日記で、「鈴木理策は最後に見るべき」と書かれていたので、その言葉に素直に従ったのだ。
鈴木理策写真展は、ものすごく良かった。展示の体験性が巧みに考えられていて、作品と空間の構成が抜群だった。桜の写真を見た時にはおもわずぐっときた。もう一度見に行こうかと思っている。鈴木理策の策にまんまとははめられた気分だ(笑)
写真美術館の後は銀座ニコンサロンの「鬼海弘雄写真展」。鬼海さんの写真集「東京夢譚」の作品を中心に「東京迷宮」の作品も展示されていた。写真集で見慣れた作品もオリジナルプリントはやっぱりいいなと思った。会場にはご本人がいらっしゃったので、写真集「ぺるそな」を購入し、サインも入れてもらった。作品について少しお話をうかがうこともできた。日本カメラに掲載されていた東京の街のカラー作品についてうかがうと「あれはダメだめ。おもしろくない」とのことで、けれど来月のアサヒカメラにカラーのキューバの写真が掲載されるそうだ。「立ち読みしてください」とのこと。楽しみである。
会場を出てから、出版が予定されている写真の撮り方の本の進捗状況を聞くのを忘れたことに気がついた。これは気長に待つことにしよう。

ローライTシャツのカスタマイズ

2007-07-18 00:25:44 | 写真
KさんからわけていただいたTシャツ。前面にローライフレックスが印刷されている。妻のたこがひと手間加え、黄色いストラップを取付けた。これなおしゃれな感じで着られそうだ。こういうちょっとした工夫が得意らしい。当人はかなりご満悦だ。

2つの写真展と3冊の写真集

2007-07-15 11:44:45 | 写真
雨の中、久々に写真展のハシゴをした。最初に向かったのは、広尾のエモン・フォトギャラリーで開かれている中藤毅彦・齋藤亮一写真展。6月末から開催されていたが、最終日になってようやく行くことができた。
中藤さんと齋藤さんの写真はどちらもモノクロで、大きく引き伸ばされたイメージはどれも美しく迫力がある。齋藤さんの作品の中では、小川が流れ教会と思われる建物が遠くに写っているものが気に入った。雲のトーンと立体感はすばらしく、その風景が自分の目の前に広がっているかのように感じられた。中藤さんの写真は独特の粒子がかっこいい。今回はキューバの葉巻をくわえた老人の横顔が一番かっこよかった。
運良くお二人にお会いすることができた。齋藤さんとは初対面であったが、旅のこと、写真のことなど貴重なお話をうかがうことができた。「いい写真が撮れる時は、向こうから被写体がやってくる。自分の力だけで撮っているなんて思えない」という言葉が印象的だった。齋藤さんの写真集「フンザへ」を購入。この写真集は齋藤さんの境地がもっともよく表れているのではないかのと思ったのだ。
中藤さんには旅展に来ていただいたお礼を言い、以前から探していた中藤さんの写真集「Enter the MIrror」の在庫がないかとたずねてみた。「Enter the MIrror」出版社ではすでに絶版になっているだ。意外なことに、函がつぶれていたり、サインをしようと思って汚してしまったもの(本人曰くB級品)でよければ、譲っていただけるとのこと。厚かましくも、送って頂くようにお願いしてしまった。7月23日から28日まで茅場町の森岡書店で開催される、個展「fragments of reality]」のDMをいただいた。こちらも楽しみだ。
広尾を後にして、中野の冬青ギャラリーの渡部さとる写真展へ向かった。さとる師匠のトークショーがあるのだ。ギャラリーで今月発売されたばかりの写真集「traverse」を購入。写真集「traverse」は、師匠のいままでの主要な作品がすべて納められている。まさに「渡部さとるコンプリート」だ。ギャラリーでは撮影された当時のオリジナルプリントも展示・販売されている。写真集だけ見ていると気づかないが、印刷物とプリント全く別物だ。我が家では「目録」を見ながら、人生初のプリント購入を検討中だ。この写真集は目録として見ることもできるのだ(笑)
トークショーはアルル写真フェスティバルの報告だった。師匠の話で印象的だったのは「日本とヨーロッパのプレゼンテーションの違い」「論理的に自分の意見を述べることの大切さ」そして「人に写真を見せるための準備と態度の重要性」だ。師匠はアルルでのリベンジを誓っているようだった。今回イタリアの編集者に認められ、10月に開催されるパリの国際フォト・ビエンナーレに出展が決まった師匠だが、アルルに対する認識の違いと準備不足のため、あやうく凹んだまま帰国するところだったのだ。プロジェクターで映し出された現地の様子を見ながら師匠の話を聞いているうちに、自分もいつかはアルルへ行ってみたいものだと思った。