北京の青空もf16

2006年 帰国。いつの日かまた中国へ

2つの写真展と3冊の写真集

2007-07-15 11:44:45 | 写真
雨の中、久々に写真展のハシゴをした。最初に向かったのは、広尾のエモン・フォトギャラリーで開かれている中藤毅彦・齋藤亮一写真展。6月末から開催されていたが、最終日になってようやく行くことができた。
中藤さんと齋藤さんの写真はどちらもモノクロで、大きく引き伸ばされたイメージはどれも美しく迫力がある。齋藤さんの作品の中では、小川が流れ教会と思われる建物が遠くに写っているものが気に入った。雲のトーンと立体感はすばらしく、その風景が自分の目の前に広がっているかのように感じられた。中藤さんの写真は独特の粒子がかっこいい。今回はキューバの葉巻をくわえた老人の横顔が一番かっこよかった。
運良くお二人にお会いすることができた。齋藤さんとは初対面であったが、旅のこと、写真のことなど貴重なお話をうかがうことができた。「いい写真が撮れる時は、向こうから被写体がやってくる。自分の力だけで撮っているなんて思えない」という言葉が印象的だった。齋藤さんの写真集「フンザへ」を購入。この写真集は齋藤さんの境地がもっともよく表れているのではないかのと思ったのだ。
中藤さんには旅展に来ていただいたお礼を言い、以前から探していた中藤さんの写真集「Enter the MIrror」の在庫がないかとたずねてみた。「Enter the MIrror」出版社ではすでに絶版になっているだ。意外なことに、函がつぶれていたり、サインをしようと思って汚してしまったもの(本人曰くB級品)でよければ、譲っていただけるとのこと。厚かましくも、送って頂くようにお願いしてしまった。7月23日から28日まで茅場町の森岡書店で開催される、個展「fragments of reality]」のDMをいただいた。こちらも楽しみだ。
広尾を後にして、中野の冬青ギャラリーの渡部さとる写真展へ向かった。さとる師匠のトークショーがあるのだ。ギャラリーで今月発売されたばかりの写真集「traverse」を購入。写真集「traverse」は、師匠のいままでの主要な作品がすべて納められている。まさに「渡部さとるコンプリート」だ。ギャラリーでは撮影された当時のオリジナルプリントも展示・販売されている。写真集だけ見ていると気づかないが、印刷物とプリント全く別物だ。我が家では「目録」を見ながら、人生初のプリント購入を検討中だ。この写真集は目録として見ることもできるのだ(笑)
トークショーはアルル写真フェスティバルの報告だった。師匠の話で印象的だったのは「日本とヨーロッパのプレゼンテーションの違い」「論理的に自分の意見を述べることの大切さ」そして「人に写真を見せるための準備と態度の重要性」だ。師匠はアルルでのリベンジを誓っているようだった。今回イタリアの編集者に認められ、10月に開催されるパリの国際フォト・ビエンナーレに出展が決まった師匠だが、アルルに対する認識の違いと準備不足のため、あやうく凹んだまま帰国するところだったのだ。プロジェクターで映し出された現地の様子を見ながら師匠の話を聞いているうちに、自分もいつかはアルルへ行ってみたいものだと思った。

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