道行めぐ の詩に 「わたしのことを雨女だと あなたはいつも笑うけど ねぇ知ってる? この雨が あなたと逢うときにしか降らないこと」
行かせたくない人を引き留める雨、それが「遣(や)らずの雨」。
恋する若いカニが久しぶりに逢いました。けれども男はすぐに出立しなければなりません。短い逢瀬を惜しむ二人。
「さあ、行かなければ・・・」と立ち上がった途端、まるでそれに居合わせたかのように激しく降り出す雨。
二匹の若いカニの男女。いっときでも長く、好きな人を引き留めておきたい、そんな切なくいじらしい女心を表す恋の言葉、「遣らずの雨」。