ゆきさんのブログ

元お祭りオヤジの周辺・・・

4つの町と市が一体に・・・その中の観光とは

2005年07月10日 09時23分14秒 | 祭人
観光とは、人々が非日常に出合うために出かけて、異質な文化・生活に触れることにある。
そして、たとえば祭りなど、自分の体験できないものを見聞きすることがあれば、それは愉快な
観光になる・・・はずだ。

さて、二本松市がこの12月に合併が行われて新しい町が誕生する。
二本松、東和、岩代、安達である。
そして、そこにはそれぞれの文化が存在している。
今現在なら、二本松から見れば「二本松の菊人形」だの「二本松提灯祭り」「二本松少年隊」
「黒塚」などが誇れるものとして列挙できるが、合併によって、それらに対する考え方も変えて
行かなくてはならないと思う。

とっくに賞味期限が切れている二本松の菊人形だ。
世の中には、楽しいエンターテイメントを売り物にしているアミューズメントパークが星の数ほど
ある。そういう場所と観光を張り合って、催し物を開催続けるのは大変なことなのだ。
企業は、その盛衰をかかえて必死に努力して誘客に望んでいる。
しかし、データが示すとおり観光客の来場者は減少の一途である。
市民が行かない、興味がわかないモノなど、最初から問題外なのだ。
それなのに、打つ手を変えない愚かさ・・・どんなものなのだろうか。

安達が原は、謡曲に詠われているとおり全国版に通ずる「名称・知的所有権」があるのだ。
これが生かされていない。
2年ほど前、個人が同地で始めて薪能を開催した。
やり方には少々強引なところがあったが、それなりに素晴らしい催しだったと思う。
五重の塔のようなモノがあるが、似非で質を低めているかもしれない。
観世寺の住職さんに伺ったのだが、ふるさと村が出来てから、本物の黒塚の方へお参りする人は
めっきり少なくなったと言う。また、4号線から「黒塚」の案内標識が消えたというのだ。
五重の塔は、本来、仏舎利を安置する建物である。
ランドマークのつもりなのだろうが、意味の無い産物を作ってしまったようだ。

安達町には智恵子の生家がある。切り絵のコレクションもある。
光太郎夫人としての智恵子には、これも同様に全国区の認知度がある。
筆者は、数年前「智恵子きり絵コンペ」を安達町に提案したことがあったが、審査委員に池田
満寿夫氏を呼ぶことで提案したが、予算が無いということで大山忠作先生に取って代わり、しかも
全国へ情報発信の意味をどう勘違いしたのか、近隣の小学生の絵画展にしてしまった。
教育委員会の考え方が勘違いされたのだろう。

私の妹の知人に野口雨情のお孫さんが居る。
北茨木市は町中が雨情の作品を元にした町興しを行っている。いわゆる、生家を中心としたポエム
のメッカにしようという考えらしい。
私が話をしたいのは、その北茨城市の話ではなく「赤い靴」という童謡の話だ。
岩手県か青森県のどこかの小さな町だったか忘れてしまったが、この赤い靴を作詞したのは自分の
町に野口雨情が来たときのものだ・・・とか?で、それだけで町興しに使っているのだ。
たったそれだけのことなのに、町がそれでひとつになっている。

さて、二本松の話にもどる。
この町には素材が多すぎるのだ。どれもこれも全国区のモノが群雄割拠して、今の巨人軍みたいに
なってしまっている。それぞれにスターが居るが、チームとして勝てないのだ。
少年隊にしろ、提灯祭りにしろ、智恵子、安達太良山、木幡幡まつり、菊人形・・・全部、一流に
なれるものばかりなのだ。ちなみに、昨年、東和町・木幡幡祭りは国の重要無形文化財に指定された。
この祭りをどう新市民が捕らえてゆくかである。
しかし、その素材を生かしきっていない。

新生二本松市の観光を考えるとき、全国にどう我が町をPRして行くか考えなくてはならない。
大切なのは魅せ方である。どう、訪れる人々を楽しませ魅了するか・・・それにつきる。
そういう考え方を根底に持ちながら、本当の「観光立市」をやってもらいたい。

必要なのは、普遍なビジョンだのだ。

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