司書さんに勧められた一冊
舞台は芳ヶ江国際ピアノコンクール
コンテスタント(演奏者)、審査員、調律師、取材する人など
様々な立場で書かれていて、それぞれの人の生き方や考え方が交錯していて面白かったです
恩田さんは3年に一度開かれている浜松国際ピアノコンクールを4回も取材されたそうですが
この作品を書くのに一人一人が演奏するプログラムを決めるのにはかなりの時間を要したということです
ただ作品の中で出てくる現代曲「春と修羅」は架空の曲です
たまたま今朝の地元の朝刊に奥田さんのこの作品のインタビュー記事が載っていて
そうだったのか・・・と作品を改めて振り返ることができました
コンクールの出場者はそれぞれ個性がありました
ジュリアード音楽院のマサル、天才少女と言われたけど母の死後ピアノから離れてしまってた栄伝亜夜
楽器店に勤務するコンクール参加者では年配になる28歳の高島明石
そして、音楽の教育もほとんど受けてなくて家にピアノもない養蜂を営む親と移動生活をしてる16歳の風間塵・・・
この風間塵がとても興味深いっていうか・・・謎過ぎでした^^
今は亡きホフマンという音楽家が送り込んできたギフトと称される塵なんですが
評価が真っ二つに分かれてどんな演奏なんだろう??と最初から興味がわきました
バッハの平均律クラビーアから始まってリスト、ショパン、プロコフィエフ、バルトークなど知ってる曲ばかりなので
読みながらそれぞれの立場であれこれ想像してしまいました^^
そしてどんな音を奏でているのだろう??そればかりです
「狭いところに閉じ込められている音楽を広いところに連れ出す」という塵の言葉はとても心に響きました
2段組みで500ページ以上あるのでかなりの量だったんですけど私はとっても楽しく読むことができました
そのコンクールの状況が何となくわかるので頭の中にその情景が浮かんで
是非ドラマにしてほしいなぁと思ったり・・・
コンクールで切磋琢磨して競い合う姿見てみたいです
音楽と本が好きな私にはぴったりの小説でした^^