ゆいもあ亭【非】日常

映画や小説などのフィクション(非・日常)に関するブログ

「嘆く視聴者」「響かない声」

2006-06-29 | ドラマ
「仮面ライダー響鬼」DVD Vol9

第33話「装甲(まと)う刃」 第34話「恋する鰹(カツオ)」 第35話「惑わす天使」 第36話「飢える朱鬼(シュキ)」の四本。

嫌がってばかりでも仕方がないので、見ました。

「平均的な作品」にはなり得ていると思います。

しかし、やはり、何かが不味い。

たとえば「あきら」の抱える事情が「あきら」の口からすんなり語られてしまうのだが、それは違うんじゃないだろうかと思うのである。

もっと、実際のシチュエーションの中で、両親を殺されていたという事実が立ち上がるというような、そういう感じが本当ではないだろうか。

「飢える朱鬼」で、鬼をやめさせられた女鬼=朱鬼と、鬼を目指す娘=あきらが「憎しみ・復讐」といったキイワードで対置させられているというのはわかる。しかし、そうであってさえ、「お前は魔化魍に両親を殺されたのだろう」「わたしは、憎しみも武器になると思うんです」みたいな会話でそんな素性を語ってしまうのはどんなものだろうか? あきらの物静かさと、健気さの秘密はもっときちんと修業を重ねてきた事実、「威吹鬼」を師匠というよりも兄と慕うことによって練り上げられたに違いない「頑張り屋」あきらが、突然ダメ娘になってしまったみたいな、これは納得できないという気がした。


桐谷京介というキャラクターだって、強引に明日夢のライバルとして現われたうえ、薄っぺらな経緯(消防士の父が人命と引き換えに命を失い、父を乗り越えるという息子の目標をも失わせたこと。これも、火災のフラッシュバックと、当人のセリフで示された情報だ)の持ち主であるのが残念で仕方がない。本来は、努(つとむ)くんが、リタイアした弟子という形で明日夢にゆっくりと「生きること」の意義に立ち向かうということを教えてくれたかもしれないのに。

残り3巻。頑張って見ようと思う。きっと、こうやって不平を垂れながら。

*実は「仮面ライダーカブト」も録画していたひとから借りて、11話まで見たのである。10話まで実に面白かったのだが、11話はとっても薄っぺらな話だった。そういうことで、12話以降、また見る気力が失せているのだ。残念ながら。


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2 コメント

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こんばんは (狼出夢)
2006-07-01 19:13:25
寺成紀を東映側のチーフプロデューサーに据えて始まった『響鬼』ですが、三十之巻以降はプロデューサーが白倉伸一郎に交代し脚本も交代してしまっています。

ゆえに三十之巻以降は番組の雰囲気も変わりストーリーも時間の関係等の問題で無理があるような気がします。



どうも基本は玩具の売れ行きが悪かったことのようですが番組途中でチーフプロディーサー交代が番組の質を落としたのでしょうね。



yuimorさんの観賞されたDVDの鬼の鎧は「変身忍者嵐」を思い出しよかったのですが朱鬼は登場予定も元々無かったものを急遽設定したのでかなり無理のあるところですね。



|・ω・)ではまた!

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輝く少年 (yuimor)
2006-07-01 21:21:29
29話「輝く少年」で、屋久島の再現のようなものをやった時点で、最初のスタッフ連は一区切りをつけたんでしょうね。



「理想の響鬼」運動、いまだに風化しないようですが、本編は29話で終わり、



以下は蛇足編と割り切ればいいんでしょうね。



(そう、自分に言い聞かせながら残りの巻は見ることとします。)



(ああ、それにつけてもあの「走る・走る・走る」響鬼、「食べる・食べる・食べる」轟鬼とかの演出を最後まで見ていたかったな。)



日常を生活しながら、しっかりと「鬼の仕事」を全うするため、鍛え・闘う彼らがよかったのだが。



「鬼になるためには日常なんていらない」的な桐谷のことばに簡単に動揺するあきらが痛すぎました。
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