柳美里の今日のできごと

福島県南相馬市小高区で、
「フルハウス」「Rain Theatre」を営む
小説家・柳美里の動揺する確信の日々

あれは、ぼくのものだ!

2010年03月13日 18時05分28秒 | 日記
今日、若宮大路のユニオンに買物に行ったら、
入口のところに、曙みたいな巨体の白人のお父さんと、3歳くらいの小さな金髪の男の子がいて、
お父さんは、上体を屈め男の子を静かに叱っていた。
男の子は両手の拳を握り締め、地団駄を踏んで、

No! That's mine!

と叫んで、泣き出した。
鼻水を垂らして……
きっと、ユニオンでお菓子かなにかを買ってほしかったのだろう。

That's mine!

わたしは、この言葉に衝撃を受けた。
男の子は、持っているものを奪われたり、失くしたりして、

That's mine!

と叫んだのではない。
未だ所有していないが、所有したい、と強く思ったものを目にして、

That's mine!

と叫んだのだ。
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